崩落の軌跡   作:general30

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ヴィータの事情をテキトーに捏造してみました


娘と歌姫

 仲間との合流を果たしみんなの無事を確かめたリィン。ユミルの温泉施設鳳翼館で入浴後、とあるサプライズに見舞われることになった。

 

「ボクはアイリス。アイリス・バレスタインだよ、よろしくね」

 

「「「「「「「ええぇぇぇぇえ!!!!!」」」」」」」」

 

 一月振りに集合したⅦ組メンバーと協力者の面々が一斉に絶叫した。その狂騒のなかでサラだけが頭を抱えている。鳳翼館ホールについ先ほど姿を現したサラそっくりの少女からもたらされた爆弾発言に皆が強烈なショックを受けている。

 

「サラ教官………お子さんがいらっしゃったんですね」

 

「いつ産んだのサラ?私たちに見せたオヤジ臭い独身貴族の姿は嘘だった訳?」

 

「信じられん……!相手は何処の物好きだ」

 

 七歳くらいの年齢だろうか。アイリスを名乗った娘は本当にサラそっくりだった。髪型をポニーテールにしている他は、サラをそっくりそのまま若返りさせたかのような容姿であり、サラと一目で親子だと分かる。アリサ、フィー、ユーシスの順に疑問をぶつける教え子たち。

 

「ああー!!もう何よアンタたち!アタシが子持ちだったら何か悪い訳?アイリスおいで」

 

 とうとうキレて怒鳴り返すサラ。駆け寄ってきた娘を抱き上げて愛しげに頬擦りする姿はいつものがさつな教官ではなく、優しい母親の顔をしていた。

 

「ニャハハ……お帰りママ。久しぶりだね」

 

 が、そんな優しい母子のイメージは一瞬の内に砕け散ることになる。

 

「教え子の皆さん………ママは普段どんな生活をしてましたか?お酒をガブガブ飲んだり、酔っ払って迷惑をかけたりしていませんでしたか………正っっ直に答えてよね!!」

 

 妙な迫力を漂わせたアイリスに慌ててサラが余計なことを聞くんじゃないとばかりに遮ろうとするが、

 

「あー、アイリスお腹空いたでしょう?ママとお昼ご飯食べよっか!」

 

「ママは黙ってて……!!どうなの皆さん?」

 

 厳しく言い返されうなだれるサラ。七才児とは思えない迫力を見せる娘に、ついつい本音が漏れるⅦ組メンバー。最初に口を滑らせたのはミリアムだった。

 

「うん!酷いモンだったよ!休みの日にねーママの部屋の掃除を手伝ったことがあるんだけど、部屋中酒瓶と脱ぎ散らかした下着と書類で足の踏み場も無いのっ!ま・さ・に・汚・部・屋って感じでさあ!よくあんなんで生活が出来るねってみんな言ってるよ!!独身世帯の男でもここまで酷い部屋は中々ないんじゃないかなって!ねっリィン!」

 

「あ、ああ。あれは酷かった。女子たちから酒の匂いが日々強くなってきて、もう耐えられない!抗議する!ってことがあって、俺が酒瓶と空き缶を片付けて、書類整理をみんな肩代わりする羽目になった」

 

「昔の友達から大量の酒をくすねてやったとかニヤニヤ笑ってたよね!あれ全部3日で空けて1週間くらいずっと二日酔いだった時あるよ!部屋から異臭が漂い出してバレてベアトリクスから大目玉!いやーあれは転入してきてから一番笑ったなあ!ねーフィー、サラって昔からこんな感じなの?」

 

 うなずくフィー。

 

「そ、昔から筋金入りの酒好き。酔っ払ったままで仕事するなんて日常茶飯事━━━━━━今だから正直に言うけど酔っ払ったサラに負けた日には、悔しさよりもやるせなさを感じて空しくなった」

 

 こめかみを押さえるマキアス。酔っ払っても戦闘の技量が落ちないあたり、さすがは元A級遊撃士というかなんというかリアクションに困る内容だ。

 

「実家の近くに大衆酒場があるから酒の匂いには慣れていたつもりだったんだが、あれは比べ物にならなかったな。エマ君とアリサなんて、気を失う羽目になったんだぞ!二人をガイウスと一緒に保健室に運び込んだあとに僕ら全員、マスクと保護眼鏡を着用して教官の部屋の掃除に駆り出されて、長期休暇をふいにした。こんな感じだったか?」

 

「その後でナイトハルト教官から全員夕食をご馳走になったが、正直言うと割に合わんと思っている」

 

 教え子たちからもたらされる母親の散々な生活態度にニコニコしていたアイリスの表情もみるみるうちに不機嫌になっていく。頬を膨らませて母親を見上げる姿は親ならずとも微笑ましい気分になる愛嬌に満ちていたが、叱られているサラは最高に不甲斐ない気分を味わう羽目になっている。

 

「もう!ボクとパパが付いてないとホントにママは駄目なんだから!教え子の皆さん………本っ当にごめんなさい!ママのお仕事が忙しいのも分かるけど、汚部屋生産と酒乱はやめてよね!これじゃいつまで経ってもボクと一緒に暮らせないよぅ!」

 

 娘に思いっきり頭を下げられて恐縮するリィンたち。

 

「うぅ………ごめんなさいもう許してアイリス……。

あの日は散々ベアトリクス先生に叱られたんだからぁ」

 

 サラはもうすっかり涙目である。せっかく娘と久しぶりに会えたと思ったら、生活態度を厳しく注意され事情を説明する暇も与えて貰えない始末。

 

「ダ~メ!!皆さんにちゃんと謝まるまでボクはママと一緒には暮らしてあげないからね!やっと魔女の里から出て家族みんなで暮らせると思ったのに!ねえそうでしょパパ!」

 

 どうやら娘のアイリスは母親と違って随分しっかりとした子らしい。

 

「その辺にしておきなさいアイリス。ママがすっかり涙目になっている」

 

「ちえっ!パパはいつもママに甘いんだからあ!」

 

 先ほどから静かに話を聞いていたディックが、さすがに見かねて娘の鋭い舌峰を止める。どうもアイリスは父親の方によくなついているらしく、素直に言うことを聞く様子。

 

「へ?貴方がサラ教官の旦那さんなんですか?」

 

 先ほどから苦笑いをして発言を控えていたエマが意外そうな表情で問いかけた。

 

「ああそうだが。お前たちには話していなかったのか?」

 

「2年くらい前に結婚してたんだよ、色々事情があって知ってる奴は少ないがな」

 

 話に割り込むトヴァル。だがその前にエマが再度質問する。

 

「いいえ、その前にどうしてこの娘が私の故郷に?何らかの魔導と関わりがあるんでしょうか?」

 

「それにいつ娘を産んだのだ?元A級遊撃士が結婚するなら、それなりに話題になりそうなものだが」

 

「結婚する前にアイリスを産んだってこと?でもそれだと私と戦ってた時期と合わないし………この娘ホントに普通の子?」

 

「当然普通の娘などではない。エマあんたもよぅく注意して”霊視“してみな。そこの陰気臭い父親と似た魔力を感じ取れるはずさ」

 

 いきなり鳳翼館にやってきたのは腰の曲がった老婆だった。杖こそ突いてはいるが、足腰は中々壮健な様子で振舞いには確かな風格と知性が感じられる。老婆を見たエマは驚いて衣服を整え出す。非常に緊張した面持ちだ。

 

「おばあちゃん?どうしてユミルにいらしてるんですか」

 

 老婆は大儀そうにソファーに腰掛けると、紅茶を飲みたいと従業員に声をかける。勝手知ったるその様子を第3者が見たらユミルの住民と勘違いしそうなくらい自然な動作だ。

 

「相変わらず察しが悪いねえエマ。そこの起動者(ライザー)が敵に発見されないように結界を張っていたのさ。それ以外にも幻術やら暗示やらを仕掛けて、魔獣連中からそいつを守っていたんだ。結構な深手だったからねえ………そのボウヤの傷は。あたしもすっかり疲れちまったよ。里の外しかも雪山で1ヶ月の間、そこのボウヤが見付からないように見張る仕事は、老体にゃ堪えて敵わないねえ全く」

 

「はあ。もう年なんだからあんまり無茶しないでよ。

この人はアニエス・ミルスティン。私とヴィータ姉さんに魔術を教えた先生です」

 

「ああよろしく頼むよ、士官学院のボウヤにお嬢さん方。ほう………これは中々に奇妙な面子が集ったもんだ。

騎士の家系の娘、武器商人の娘、猟兵団育ちの娘に、妙な傀儡を使う娘。起動者のボウヤに貴族と平民のボウヤたち、それにノルドの血を引く者。それにあたしの弟子のエマ。さらわれちまったっていう間抜けを除いて、これで全員かい?」

 

「ああ。手間を取らせたなご老体。娘が世話になっている」

 

「フン、ホント母親に顔はそっくりなのになんでこうも性格が違うのか?やっぱりあたしのしつけが良かったからかね、どう思うよアイリス」

 

「ニュフフ、ママは反面教師だよう。ああはなりたくないって常に思わせてくれるんだ♪」

 

「ぐすっ、久しぶりに会えた我が子にこの仕打ち。ママは悲しいのです!」

 

「似合わない演技をしても無・駄!ママは反省しなさい!分かった……!!」

 

 唸る娘の毒舌に形無しのサラ。

 

「ふう、全く誰に似たのかしらこの性格の悪さは。あんたの影響だったら恨むわよババア!」

 

「あたしゃ知らないね。仕事にばかりかまけて旦那と娘をほったらかしにして、早2年。自己管理くらいいい加減に覚えなッ!この酒道楽!!」

 

「なんですって!元はといやぁアンタたちの村が辺鄙(へんぴ)過ぎるからいけないのよ!列車代いくらかかると思ってんのよ!ノルド高原行く時より高くつくんだからね!そんなバカ高い運賃と時間をどうやって捻出しろってのよ!あたしゃ暇人じゃない!!アンタたちから出向いて来なさいよ!霊脈だか何だか知らないけどお得意の転位術なりなんなりで!大体アンタ今の帝国の情勢をちゃんと分かってんでしょうね?忙しいのよあたしゃ暇人の魔女共と違って!」

 

「母親ならそれくらいの苦労がなんだい?娘が会いたがってるって何度も手紙に書いたじゃないか!仕事と酒道楽にかまけてはバカなカモフラージュに精を出してるバカ親だけは言われたくないよ!!」

 

 売り言葉に買い言葉。親同士の醜い言い争いが始まってしまった。

 

「届くのが遅すぎるのよ!前に何とか予定空けて行ってみたらアンタたち誰も居なかったじゃない!遭難するかと思ったわ!ディックが通らなかったらマジで危ないトコだったんだからね!」

 

「仕方ないじゃないか!大っぴらに魔術をホイホイ人前で行使したら、また七耀教会のバカ共に七面倒臭い交渉やら小言やら言われながら、言い争う羽目になるんだよ!それに比べたらアンタが出向いて来た方がマシさね!」

 

「だったらあの陰湿な魔術の罠だらけの山林はどういうつもりな訳よ!猟兵だってあんな罠の山、二の足を踏むわ!要塞も真っ青の凝り具合!人間不信にも程があるわよババア!!」

 

「何さ!」

 

「この酒道楽!」

 

「石頭!」

 

「頑固者!」

 

「「ぬうぅぅぅぅう!!」」

 

「上━━━━等よ!表出なさいクソババア!!黒焦げになるまで畳んでやる!」

 

「上等じゃないか!かかってきな雷娘!!」

 

 今にも表に出て戦闘を繰り広げそうなほど殺気だっている二人を見ても、ディックの表情は普段と何も変わらない。娘を抱え上げると、従業員に食事の準備を頼み、チップを渡すことも忘れない。妙にマメなトコがあるんだなとリィンたちに思わせつつ、

 

「場所を変えよう。頭に血が上った二人と話していても埒が空かん」

 

 あっさり鳳翼館を出た。夫とは思えぬ淡白極まりない行動に呆気に取られる皆だったが、仕方ないよな。誰だって命は惜しい。

 

「放っておいて大丈夫なんですか?あのご老人はただ者ではなさそうでしたが、さすがにサラ教官の相手は厳しいのでは?」

 

 やはり不安に駆られて聞いてみるリィン。

 

「心配は無用だ。あの二人は顔を合わせるといつもこうなるが、お互いケガをしたことは1度もない。じゃれあい、ガス抜き、そのようなモノだと考えろ」

 

「ちょっとからかいすぎたかもね。でも大丈夫だよ、実際に殴り合いになったことはないから。息が上がるまで言い争ったらお開きになるの。ボクが言うのも何だけどさ、まるで子供の喧嘩だよね」

 

 七才児とは思えない落ち着きぶりを見せるアイリス。

ようやく落ち着いた気分で霊視を試みるエマ。

 

「確かにこの娘は普通の人とは違いますね。ディックさんと同じ強い氷の波動を感じます」

 

「そう俺の血を濃く引き継いだ証だ。顔はサラに似てきたが俺の体質と魔力は娘に強く引き継がれた結果になる。

 実はアイリスは生まれてまだ2年しか経っていない。母親の胎内にいた期間も、今の身体に成長するまでの期間も、常人より遥かに短い期間で生まれ育った娘だ。加えて俺から引き継いだ氷の魔力と高い身体能力、学習能力まで兼ね備えている。生まれて間もない頃は、当然力の扱い方など分からないから随分とケガをしたり、不意に漏れた魔力で家を凍らせてしまったり。様々なトラブルが生じた。

 魔力の制御法を教えようにも俺は、永らく戦闘用として自身の魔力を使ってきたために幼いアイリスには教えてやれなかった。加えて蛇のメンバーの内部抗争に巻き込まれ

てしまったために、アニエス婆さんの手を借りることになった。婆さんが言うには魔女の修行を行う過程で魔力の制御法を自然に身に付けられるらしい。…………最初は半信半疑だったが、結果としては上手くいったようで安心している。身体の成長もようやく人並みに戻ったようだ。あとはこの娘が望んで力を解放しない限り、十分人に紛れて生活していくことができるだろう」

 

「リィン、お前も体質としてはアイリスに近い所があるかもしれん。だから娘の存在をお前たちに明かした。

 正直アイリスには窮屈な生活をさせていると分かってはいるのだが……他に手立てもなくてな。家族3人が揃って暮らすためには内戦をはじめ、片付けなければならない障害を一つずつ潰して行かねばならない。まずは『蒼の深淵』ヴィータ・クロチルダについて俺が知っていることを話そう」

 

「はい。姉さんがどういう経緯で身喰らう蛇に所属することになったのか、今日こそ聞かせて貰います」

 

 エマの決意に満ちた声を満足そうに聞き届けながらディックは語り出す。終わりかけの魔人と魔女にまつわる経緯を。

 

「まず、ヴィータ・クロチルダは不完全な使徒だ。彼女の精神には2つの人格を持った女性が存在する。

 一つはエマと同じ修行をしてきた魔女であり、オペラ歌手でもあったヴィータ本人の人格。魔導に高い素養を持ちながらも、オペラを代表する歌唱の世界と技術を愛好する少々変わった魔女。瑠璃色の霊鳥型の使い魔・グリアノスを使役し、魔女由来の強力な魔術を得意とする深淵の魔女。それが現在の彼女の大まかな肩書きになる。ここまではリィンたちも知っていることだろう」

 

「さてここからが本題なんだが、ヴィータはこれといった犯罪行為に手を染めた事実はない。近年はオペラ歌手としての活動がほとんどメインで、使徒としての役割には極めて消極的な傾向が強かった。そのせいで本来配下として動かせるはずの執行者のほとんどに舐められている厳しい立場らしい。━━━━━当然と言えば当然の話だが。

彼女は被害者の面が強い使徒であり、本来は使徒になど選出されるべきでなかった人間なのだから」

 

 驚愕の表情を浮かべるエマ。

 

「待って下さい。私が長から聞いた話では姉さんは━━━!!」

 

「禁を犯して里を出た、そう聞いていたらしいが真相は全く違う。実際は死にかけた先代の二柱に憑依されてしまったために、里を追われたという経緯がある。

 

 リベール王国と戦う羽目になった百日戦役はお前たちも知っているだろう。あの戦役の裏で、帝国での様々な勢力が凌ぎを削る内乱が密かに行われていた。ヴィクター卿がまだ『光の剣匠』と呼ばれる契機になった動乱だ。彼は内乱で幻獣ととある使徒を討伐した。いかに剣術の才に恵まれていようとも、本来なら打倒できるはずがない存在を退けるばかりか、あろうことか討伐までほとんど単騎で成し得る偉業。英雄の誕生だったと言えるかもしれん」

 

「始めて聞きました、父上にそういった経緯があったとは。その使徒とはそれほどの難敵であったのですか?」

 

 ラウラも父親の過去に驚きを隠せない様子だ。

 

「奴らを討伐するには、相応の武器と技術を必要とするのだが、当時その技術を持っていた勢力は七耀教会の実働部隊しかいない。━━━━近代兵器に例えると、歩兵が単身で戦車を3台撃破するようなものだ。しかも導力砲のような兵器でなく、大剣一振りで只の人間が勝ち取ったというのだから、さすがに呆れたよ。伝承の聖騎士の再来などと騒がれるのも無理はない」

 

 肩をすくめるアルゼイド子爵。

 

「単に師と才に恵まれたというだけの話だ。私が幼少の頃に知り合った神父は何の因果か、守護騎士の総長を務める剣士であったために“魔”に属する存在の”斬り方“を間近で見る機会があったのでな。あとはこの宝剣・ガランシャールがその用途に耐えうるだけの強度を有していたからに他ならない。━━━━偉業と称えられるような成果を果たした訳ではない。どんな信念で取り繕えど剣術は人を殺める技術の一端であり、それ以上でもそれ以下でもない。戦場で人を傷付ける行為は皆醜いものだ。そんなモノの優劣に人より優れていた所で、一体何が得られると言うのだ?

 そんな仮初めの名誉や流血に魅力を感じたことは1度もない。貴公もそれは同じだろう」

 

「だからこそ先代二柱を討伐するために手を組んだ。しかし…………謙遜もすぎると嫌みに変わる。俺たちと戦うための秘剣、こうも容易く修められると呆れを通り越していっそ笑えてしまう。しかも前任者より遥かに安定したカタチで禍祓いの技として使えてしまうとは、ね。

 ………話が逸れたが、あとは簡単だ。その時に死んだはずだった先代二柱が当時のヴィータに取りついて、醜い延命を図っている。強い魔力こそ持つものの、計画を遂行する上での知識や技術はほぼ全てが先代のモノ。かといって、迂闊に先代の手綱を離せば、身体を乗っ取られかねん二律背反。彼女にとって歌手活動はそういった現実からの逃避を兼ねてもいる。何とかして先代を消し去ろうにも、奴の生の執着は並大抵のモノではなく、正攻法での解呪は不可能。下手にそんな素振りを見せたが最後、地獄への道連れにされかねない。それが現在のヴィータを取り巻く厄介な現状。━━━同格の使徒からは侮られ、部下であるはずの執行者からも腫れ物扱い。不完全にして異端の使徒、故に

自由に使える駒として、クリスを利用して騎神の起動者として目覚めさせた。………先代の支配から解放されるために。細部は違っている可能性もあるが、おおよその所はこんな事情だ」

 

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