やはり俺が炎術士なのはまちがっている。   作:世間で言うジョージさん

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全然、話が進まなかったです。

日曜には更新進むよーな気がします。





第17話 新たな仲間と風神

 

 

 

なんとビックリ展開。あの影法師が姫のお義姉さんだとは。あ、間違えた。姉だとは!

監視の一件で親族に疑いはあっが、そうなると色々と辻褄は合う。まだ推測の域を出ないので、姫に確認を取ってみた。

 

 

 

「姫の能力を家族は知ってるのか?」

 

 

「…そうね。小さい頃、飼い犬が怪我をしたのよ。私は悲しくて、抱き締めていたわ。そして、無意識に治していたのよ。その光景を家族は全員見ていたわ。現在知っているのは、家族と八幡くんと由比ヶ浜さんだけよ。他に秘密が漏れていなければの話だけれど。」

 

 

「そっか。姫、サンキュな。」

 

 

 

ちなみにその頃の飼い犬が感謝のじゃれ噛みしてきたのが原因で、犬が怖いらしい。また姫の秘密を知ってしまった。何ソレ、可愛い。

 

 

話を戻すが、由比ヶ浜にはここら辺が退き際になるだろう。これ以上は俺達の問題だ。あの異常者を相手にする事はない。何もかもを忘れて、普通の高校生活を謳歌するほうがいいだろう。

 

 

「恐らく、ここから先の話は完全に由比ヶ浜は無関係だ。むしろ、関わるべきじゃない危険すぎる。だから、もうこの件は忘れてお前はもう帰れ。」

 

 

 

多少、冷たく言い放つ。姫も同意しているらしく、その顔は真剣な表情だ。

 

 

 

「由比ヶ浜さん。この件は私事だから、貴女を巻き込む訳にはいかないの。すでに巻き込んだ身で何を言うのかと思うのだけれど。身内の不始末なのに、勝手な言い分でごめんなさい。けれど、もう関わらないでちょうだい。」

 

 

 

きっと姫はすごく複雑な心境だろう。由比ヶ浜も俺も巻き込んでしまったと、自責の念に駆られているはずだ。きっと、両親も、姉も、それこそ雪ノ下財閥が絡んでいると見て間違いない。治癒の力を秘めた少女が身内にいるんだ。監視役にしても、あれほどの不思議な力を行使する私兵を擁護する組織なんだぜ?一介の高校生には荷が勝ち過ぎるだろ。

 

 

 

「……カッコいい!あたし、もう決めたよ!雪ノ下さん、ううん、ゆきのんって呼んでもいい?」

 

 

「……え?いえ、貴女は話を聞いていたのかしら?結構ハッキリと断ったつもりなのだけれど。」

 

 

おぉ!姫が戸惑っている!いや、狼狽えている?俺も意味がよくわからない。うん、何の話だっけ?

 

 

「確かにスッゴいハブられてる感はあって、すっごくへこんだけど、なんか本音を言ってるーって感じがしたんだ。」

 

 

確かに本音だろうけど。そういえば、由比ヶ浜も魔導具の影響で本音を喋ってたから、何かしらシンパシーでも感じる事があったのかね?いや、ホントどうでもいいけど。

 

 

「あたし、周りの顔色ばかり伺ってさ。今まで全然言いたいことも言えなかったんだけど、さっき全部話しちゃったじゃん?だからもう開き直っちゃおう!って、思ったんだ。」

 

 

「そ、そう。それはわかったのだけれど、この先は警察のような機関に委託出来ないのよ?大変危険なの。だから…」

 

「そんなの関係ないよ!もう関わっちゃったじゃん!それに、あたしにも戦う力はあるもん!」

 

 

 

由比ヶ浜が姫の言葉を遮り、驚き発言を連発する。戦う力?もしかして…あ、まだ魔導具を付けっぱなしじゃね!?

危惧していたとおり、由比ヶ浜は魔導具を使ってエアコンのような微風を俺達に送ってきた。一瞬ビビったのは内緒だ。

 

 

「この子、風神ちゃんって名前らしいんだ。さっきまでは悪い装置?みたいなものを付けられてたんだって。」

 

 

まさか、意思を持つのか?確かに平塚先生宅にあった魔導具に関する記述に、そういう物もあった。本当に実在するとはな…。由比ヶ浜が言うには、あのとき破壊した核のような物は、本来の風神の物ではないらしい。現在は他の予備パーツで補っているとか。オーパーツかよ、パーツだけに。うん、寒いな。

 

 

「わかった。お前を仲間と認めよう。だが、由比ヶ浜。一つ約束をしてくれないか?」

 

 

「やったぁー!で、何を約束すればいいの?」

 

 

 

俺の本心からの、本音の言葉をちゃんと言おう。コイツには傷ついてほしくない。ましてや、死ぬような事などあってほしくない。

 

 

 

「絶対に死ぬなよ。無理も禁物だ。それが守れたらいいぞ。」

 

 

「うん!ありがとう。ヒッキー。ゆきのんも。」

 

 

「八幡くんがそう言うのなら、私も歓迎するわ。よろしくね、由比ヶ浜さん。」

 

 

 

 

ようやく話はまとまり、俺達の絆みたいなモノ?も、まとまった。まだこの感情はよく解らないけど、悪い気分じゃない。二人きりだった仲間が三人に増えた。ただそれだけだけど、この先の困難も悪意も無双出来そうな気がした。

 

 

 

 

 




今回は短めで。

次回こそ、テニス予定です。



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