やはり俺が炎術士なのはまちがっている。   作:世間で言うジョージさん

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更新遅れてしまいました。
遅筆ですが、お付き合い下さい。


第21話 材木座は真実を知らない

 

 

 

早朝、現在は自宅でコーヒーを飲んでいる。もちろんマッカンだ。頭を使いすぎたら糖分の摂取が必要だろ?ついでに言うと徹夜である。ハァ…すっごく眠いが、頑張って学校へ行くか。

 

 

昨夜から今朝にかけて材木座の小説を読み、頭の痛くなるような苦痛を伴う内容に辟易しながらも、しっかりと添削までしてやった。その代償は睡眠だ。許せん。俺の睡眠時間を削りやがって。あとで一発殴っておこう、そうしよう。

 

 

学校に着いた俺は、放課後まで睡眠に時間を捧げた。時折、教室の片隅から由比ヶ浜とトップカースト達の談笑が聴こえてくる。なんでコイツこんなに元気なわけ?そして、放課後になり部室へと向かった。

 

 

 

「うっす。」

 

 

 

部室に入ると、姫が椅子に座って寝息をたてていた。…可愛い。俺は起こさないように俺のブレザーを姫に掛けておいた。そして数分すると、由比ヶ浜が空気を読まずに入ってきた。

 

 

 

「やっはろー!」

 

 

「ばっ!おまっ、シィ~!」

 

 

 

慌てて俺は、静かにするように人差し指を口元に添えてジェスチャーするも、姫は起きてしまった。

 

 

「あ、や、あはは。やっはろー、ゆきのん。」

 

 

「やっは、……こんにちは。由比ヶ浜さん。」

 

 

 

由比ヶ浜は起こしてしまいバツが悪そうにしていた。姫は寝起きで油断してたのか、やっはろーと言いかけていた。

その時、ドアを開けて入ってくる不審者を発見!早速、排除する!

 

 

「オラァ!」

 

 

「待たせ、へぶしっ!」

 

 

 

何か喋りかけてきたが、最近のモンスターって喋るんだな。人型は喋れる、と。うん、メモった。

 

 

「酷いではないか、八幡よ!我が何をしたというのだ!」

 

 

 

どうやらモンスターではなく、材木座だったようだ。八幡ウッカリ☆

 

 

 

そして一同は会した。これより材木座の小説についての感想を伝える事で依頼は完了する。俺達は大変遺憾であるが、感想を伝えてやる事にした。じゃないと浮かばれないからな。俺の睡眠時間が。

 

 

 

「材…材………材津くん?まず、一番読んでいて酷いと思った事からでいいかしら?」

 

 

「ホムン。凡人の意見も聞きたかったところだ。遠慮せずに言うがよい。」

 

 

 

「どうしてこんなに倒置法が多いのかしら?文脈の前後が繋がっていないのは何故かしら?ルビの振り方もおかしいと思うのだけれど。あとは…」

 

 

「姫、一旦ストップだ。もうすでに死んでいる。」

 

 

 

哀れ、材木座は大ダメージを受けて撃沈してしまった。少し回復を待って、次にバトンタッチをする。俺のターンだな。

 

 

 

「姫が色々と言ってたろ?ちゃんと聞いてたか?俺から言えるのは、ラノベは挿絵が全てだ。」

 

 

「ガハッ!…八幡よ、主が一番酷くない?」

 

 

「じゃあ、次はあたしだね。」

 

 

「由比ヶ浜、お前ぜってー読んでないだろ?俺と姫が寝不足なのに、何故お前はそんなに元気なんだ?」

 

 

 

アホの子はテレビ見て、寝るもんだと思ってるからな。絶対に勉強とかしないだろう。

 

「ば、バカにすんなしっ!あたしもちゃんと読んだし!」

 

 

「ほう。なら内容は?言ってみろよ。」

 

 

「………最初の設定のとこで長くて寝ちゃった♪」

 

 

 

 

「……我が生涯に一片の悔い無し!グフッ!」

 

 

 

 

材木座の小芝居も終わり、回復を待ってやった。ムクリと起き上がり、仲間になりたそうにコチラを見ている。いや、しねぇけど。

 

 

「あーまぁ、そのなんだ。次に活かせばいいんじゃねぇか?」

 

 

「八幡よ、慰めはいらぬ。酷評はされたが、我は嬉しかったのだ。誰かに読んでもらえるという事が、これほど嬉しいとはな。」

 

 

材木座は奉仕部の面々に礼を言うと、「サラバだ!八幡よ!」と叫んで帰っていった。俺達も睡眠不足で部活にならなかったから帰ることになった。

 

 

 

そして翌日の放課後。

部室に材木座が興奮状態でやってきた。とりあえず一発殴って落ち着かせる。

 

 

「八幡よ、聞いてくれ!昨夜、痴女に襲われたのだ!」

 

 

「それどのラノベのパクりだ?それとも現実と妄想が混じっちゃったのか?」

 

 

「本当の話なのだ!結衣殿も是非とも聞いてくれぬか?」

 

 

 

どうやら本当の話かもしれないが、いちいちキャラがウザい。

 

「公園で、我が日課の素振りをしておったら、急に襲いかかってきたのだ。防戦一方だったのだが、ベンチをぶん投げたら消えたのだ。忽然とな。闇夜に消えゆくかのように!」

 

 

「ヒッキー、それってもしかして…」

 

「だな。姫、由比ヶ浜、ちょっといいか?」

 

「えぇ、構わないわ。」

 

 

 

三人でコソコソ話していると、材木座は「我もまぜてよー」とか言ってるが無視しよう。結論から言うと、材木座を襲ったのは影法師の線が高い。何故だ?材木座を狙う動機が考えられない。とりあえず材木座には真実は伏せる事になり、テキトーに材木座をあしらうと帰っていった。

 

 

帰る時にカッコつけて指を二本立てて、ビッと決めてきた。うぜぇ。その時、指ぬきグローブにキラッと光る指輪のような物が見えたが気にしない事にした。

 

 

 

 




気づく人はわかりますが、材木座くんは
土門ポジです。
いずれあだ名もつきます。

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