Three Dragons read to the moon 作:鏡夜$
第7章
「おっはよぉー!!」
「おはようございます。」
龍三郎たちが帰ると、影人だけは起きて本を読んでいた。そして稀代はなんと、影人に膝枕されているではないか。
「おま…え……なにしてるんだ??」
砕蜂は訳が分からないといった様子で尋ねた。
「見ての通り、一緒に寝たいというので寝ただけです。隊長こそ、隊員と朝帰りなんてどうしたんですか?」
「あ、朝帰り!?そんなことはしていない!!」
「朝帰りってなぁに??」
「龍三郎はそんなこと聞かなくていい!」
「隊長…慌てすぎです。」
影人は、冗談のつもりだったのだが、砕蜂の思わぬ慌てぶりに驚いていた。
「んぁ…みなさん、おはようございます」
その騒ぎのせいで、稀代が目を覚ました。
「おはようございます、稀代さん。」
そう言って影人は微笑み、読んでいた本を傍らに置いた。まるで子供をあやす父親のように、優しく稀代の頭を撫でている。
「いつまでそうしているのか知らないが、もうすぐ今日の職務を始めろよ…」
砕蜂はため息交じりに呟いた
第8章
「でもなぁ…稀代ちゃんを連れだした誰か……どこかの豪邸にいた副隊長さん………そして稀代ちゃんの実家はお金持ち…となると考えられるのは一つしかないよねぇ…」
龍三郎は職務を終え、窓から日が沈むのを眺めていた。下の階からは隊員たちが出てくるのが見える。それに気づいて、窓を全開にして手を振った。
「馬鹿か、貴様。それならばすでに、夕月によって稀代は殺されているだろ。」
龍三郎が身を乗り出していた窓は隊主室の窓であったため、夜一のお供から戻ってきた砕蜂に後ろから声をかけられた。
「わゎ!?驚かさないでよ!落ちちゃう!!」
「落ちればいいだろ。」
「ひどい!怪我したらどうするのさ!」
「そんなことで怪我するような奴は隠密機動にはいらん。」
「ぶー…」
龍三郎は砕蜂の反応が気に入らないらしかったが、砕蜂は龍三郎が不満そうなことだけでなく、その存在すらも気にせず寝床に就こうとしている。
「え、寝ちゃうの?」
「当たり前だ。私には明日も仕事がある。そしておまえにもな。早く自分の所に戻れ。」
「うーん…あ!そうだ!!一緒に寝ようよ!!」
「は?」
龍三郎の突飛な提案に砕蜂は驚きを隠せなかった。
「はい決まり~!!」
龍三郎が自分の布団に潜り込んでくる。砕蜂は何も答えることができないまま龍三郎を見ていた。そして、龍三郎の体温であったまってきたのか、いつのまにか寝てしまった。
「え」
「あ、隊長サンおはよぉ」
「そうか…あのまま寝てしまったのか」
砕蜂は事実を認識して溜め息をついた。