DOG DAYS DUAL-BRAVER   作:天木武

48 / 87
Episode 11 強襲・主席奪還戦 後編

 

 

 ノワール達諜報部隊はソウヤと逆側の林の中に身を潜めていた。今の一連の空騎士との戦いは眼前で行われたが、その時と変わらず身を隠した状態。彼女達の作戦目的は内部への突入だ。ソウヤに対抗するために陸戦騎士を出してくるまでは、存在を気取られてはならないのだ。

 だからその先ほどの戦いでノワール達は全く手を出さなかった。いや、出す必要もなかっただろう。彼女が予想した以上に展開は一方的だった。ソウヤと隊長のリーシャとの戦いになることだけが懸念事項だったが、彼女はあっさりと後退した。かく言う自分もたった1人にあれだけの数の隊員を撃墜されては、戦意を保つことも難しいだろう。

 あとはこれで陸戦部隊が出てくれば彼の狙い通り。全部隊出してくれれば内部戦が楽になるために理想だったが、少なくとも半分は残してくるとみていた。それでも砦門の内部にさえ入れれば、あとはソウヤがなんとかすると豪語していた。

 そう自信たっぷりに言われたからには信じるしかない。少なくとも今さっきあっさりと空騎士隊を殲滅したのだ、希望を持たせてくれるには十分だろう。

 

「隊長」

 

 そんな考えを頭にめぐらせていた彼女に隊員の1人が声をかけた。

 見れば砦門が開こうとしている。陸戦部隊の引き出しには成功したようだ。

 

「仕掛けますか?」

「まだ。ソウヤからの合図を待ってから。でもいつでも突撃できるように撹乱弾(かくらんだん)は準備しておいて」

 

 了解、という返答とともに数名の隊員が前もって準備してあった鉄の筒のようなものを砦の方へと向ける。ガレット特選装備部隊が主に用いる装備、迫撃砲だ。拠点攻撃であったために、隊長としての立場を利用してノワールが持ち出した装備である。

 

「射角よし、いつでも撃てます」

「指示あるまで待機。後は予定通りに」

 

 手短に応答を済ませ、ノワールはセルクルの手綱を握る手に力を込めた。

 砦門が開く。中から出てきた陸戦部隊はかなりの数になるらしい。セルクルに跨りパスティヤージュ自慢の晶術銃を手にした騎士達は、ソウヤがいると思われるほうへと進路を取ろうとした。

 と、次の瞬間、その騎士達の元へ1本の矢が飛来する。進軍しようとした騎士達の鼻先に命中した矢は大爆発を起こし、辺りに砂煙を巻き上げた。同時に不幸なことに先頭を走っていた騎士数名もだま化して空へと舞い上がったのが確認できる。

 ソウヤの紋章砲、「スマッシャー・ボルト」だ。既に紋章砲を連発しているというのにその威力は相変わらず。出鼻をくじかれた騎士達は防御陣形を固め、そこで足を止めて撃ち合うらしい。

 しかし騎士がどう動こうが、もうノワールには関係がなかった。今の紋章砲は彼女が言った「合図」に他ならない。

 

「突撃! 同時に迫撃砲発射!」

 

 指示を飛ばしつつ、ノワールを先頭に諜報部隊がセルクルを走らせ始める。身を潜めていた林を飛び出し、開いたままの砦門へと一直線へと突き進む。

 当然その動きは相手の見張りによって察知される。異変を感じ取った見張りの兵は即座に伝えようと口を開いたが――直後起こった耳を(つんざ)く程の連続した破裂音と、辺り一面に立ち込めた煙幕によってそれは叶わなかった。

 迫撃砲による砲撃である。それも弾は通常使われる攻撃用の弾とは異なる、ノワールが先ほど言った「撹乱弾」だ。彼女が今戦っているパスティヤージュの晶術の技術も取り入れて、独自の方法で作り出した特注品。「発明王」リコッタの知恵も借りて完成したそれは、発射後に炸裂して辺りに断続的な破裂による爆音と消えにくい特殊な煙幕をばら撒くという代物だ。

 これにより相手の目と耳、つまり視覚と聴覚という五感のうちの2つを一時的に使用困難なものとする。戦場という場でこの2つを頼れなくなることは深刻な問題だ。だが相手に直接的な被害はなく、煙幕も爆音も味方にも影響を及ぼしかねない諸刃の剣。しかし今この場にいるのはガレットを代表する技巧派2人であるソウヤとノワールだ。そんな自爆するようなヘマ(・・)はしない。指示は前もって出し終えているために爆音は関係なく、さらに突撃先もわかっているために煙幕も関係ない。不意の接敵にだけ気をつけ、ノワールは隊を引き連れ一気に砦門へと駆け寄った。「陸戦騎士が出撃する機会に開いた砦門を潜り抜ける」という作戦を立てた彼女は、まだ門が開いているのを確認し、なおも前進する。

 

 だが何事もうまくいくとは限らない。砦内に待機していた残りの空騎士達がブランシールのはばたきを利用して煙幕を消しにかかっている。晶術も利用してある特注品の煙はそう簡単には消えないが、それでも多少の効果はある。その影響か煙幕の切れ目ができ、門付近の敵騎士に発見された。騎士は賢明に大声を出しているようだが、撹乱弾が放つ爆音に掻き消されてしまっているだろう。それでも攻撃されれば危険、と判断したノワールは投げナイフを2本騎士へと投擲する。輝力の込められたその一投に騎士は防御も回避も間に合わず、あっさりとだま化した。

 砦門をくぐり、内部へと潜入したところで諜報部隊はかねてからの指示通りに散らばり、ノワールは門の開閉機の掌握に走る。煙幕の切れ目から10名ほど騎士が配置されているのが見て取れる。案の定守備が固い。異変があったために咄嗟に防御を固めたのもあるのだろう。だが10名程度なら、と彼女は輝力を集中させる。

 

「輝力解放……セブンテール!」

 

 ノワールの尻尾の付近にまるで新たな尻尾が生えてきたかの如く、7本の具現化された輝力武装が展開された。「セブンテール」の名にふさわしく、まさに7本の尾のような輝力武装を身に纏い、彼女はセルクルを飛び降りる。そしてその尾を手足のように扱い、獲物を追い詰める猫よろしく、猛スピードで開閉機へと駆け寄った。

 パスティヤージュの騎士達がノワールの接近に気づく。だが既に遅い。移動に使った7本の尾を今度は攻撃に駆使し、あっという間に騎士をだまへと変える。そして開閉機を掌握した。

 あとはソウヤが内部に入るまではここを死守し、ここでソウヤと合流する予定になる。既に撹乱弾の砲撃は止まり、内部に潜入した諜報部隊員はまだ残る煙幕に紛れて更に敵を引っ掻き回しにかかっている。ようやく聞こえるようになった耳に敵の混乱する喧騒が聞こえてきた。

 

「開閉機だ! 門を閉じてこれ以上の敵の侵入を許すな!」

 

 その喧騒に混じって敵の指示を飛ばす声も聞こえる。一度掌握しても再奪還に来られるのは覚悟の上だった。ノワールはセブンテールに更に輝力を込め、いつでも迎撃体制を取れるように構える。

 だが彼女に迫っていた気配は悲鳴とともに不意に消え去った。次いで聞こえた「ノワール!」という聞き覚えのある声に彼女は僅かに安堵のため息を漏らす。そして次第に晴れてきた煙幕の中、その声と違わない遊撃隊長の姿を目にした。

 

「早かったね」

「お前たちの突撃に合わせて俺も煙幕に突っ込んだからな。……無駄話は後だ。俺は砦の中を目指す。行くぞ!」

 

 ソウヤを乗せたヴィットが駆け出す。ノワールも先ほど同様にセブンテールを駆使してそれに続いた。

 

「雑魚はいい! 敵の隊長格だ! これ以上内部に侵入させるな!」

 

 陸戦部隊の騎士から声が飛ぶ。それでもソウヤとノワールはなおも砦へ。しかし通すまいと騎士達が壁を作る。

 

「どけ!」

 

 輝力を込めた矢をソウヤが一射。爆発でその壁を薙ぎ払う。いよいよ砦に到達しようかというその時。

 

「ソウヤ!」

 

 叫ぶなりノワールはセブンテールを風車のように前面に展開し、ソウヤの左手上空側から迫る一撃を弾いた。彼女の視線の先、やや低空に羽ばたかせたブランシールの上で晶術銃を構えていたのは先ほど苦汁を舐めさせられたリーシャだった。

 

「そこまでです、デ・ロワ卿。……これ以上あなたを行かせるわけにはいかない」

 

 その表情からはよほど切迫したものが感じ取れる。先ほどの敗戦が大分応えているのだろう。その返上の機会を与えてあげたいところだったが、生憎ソウヤの目的は彼女と戦うことではない。

 

「……ノワール」

 

 名を呼ばれただけで、ノワールは彼が何を望んでいるかを把握した。小さく頷き、ベルトの裏地に忍ばせてある投擲用のナイフへ指をかける。

 睨み合いの状態から不意にソウヤのヴィットが駆け出す。反射的にリーシャは彼へと晶術弾を放つが、弾はソウヤの体を掠めて地面に吸い込まれた。

 

「待て!」

「それはこっちのセリフ!」

 

 聞こえたノワールの声に、リーシャがソウヤに向けていた目を戻す。その眼前、1本のナイフが迫り、突如激しい光量を発した。

 

「うわっ!?」

 

 反射的に目を背けたものの、その光にリーシャの目が焼かれる。盲目時の追撃を避けるために一旦ブランシールを空に浮かせ、ようやくその目が元に戻ってきた時、ヴィットはいたもののもうソウヤの姿はなかった。代わりに砦の壁の一部が吹き飛ばされ、そこの前にノワールが仁王立ちしている。

 

「ソウヤの目的はリコを奪還してクー様と話をつけること。だからここは通せんぼ」

 

 セブンテールを広げ、通すつもりはないとノワールがアピールする。

 

「……なるほど、閃光短剣、とでも言ったところだったわけね。煙幕と騒音、それに目眩まし……。随分と(から)め手が得意じゃない?」

「諜報部隊だもん。私自身力での勝負じゃ勝ち目がないってことはわかってるよ」

 

 リーシャの挑発に応えなかったノワールだったが、「……でもね」と続けた後、まるで尻尾が逆立ったかのようにセブンテールがその先端の鎌首をもたげる。7本の尾が敵意を向け、目の前の敵へと狙いを定めた。

 

「私だって輝力の扱いには自信がある……。だからここは通さない。……リコは私の大切な友達、ここで余計な不安と負担をかけさせるようなことはしたくない。この件はソウヤに収めてもらうって決めたから……!」

「クーベル様にはクーベル様のお考えがある……。ここは私も引けない。さっきの失態を晒したまま終わるわけにはいかない。悪いけど覚悟してもらうよ……!」

 

 ブランシールを飛翔させ、リーシャも晶術銃の狙いをノワールへと定めた。

 

「それもこっちのセリフ! ……セブンテール・スクイーズ!」

 

 彼女の強い意志を反映したかのように、セブンテールの先端から集中した輝力が黒い塊となって放出される。それに対する回避行動を取りつつ、リーシャも晶術弾をノワールへと放った。

 

 

 

 

 

 一方うまく内部への侵入に成功したソウヤは砦内を疾走していた。過去に数度レオと共に訪れたことのある砦だ、内部構造はわかっている。その時にも案内された来客用の部屋として使われることの多い大広間に目的の人物はいるだろう。

 幸い砦内の警備は手薄だった。が、ソウヤはまだ楽観視していない。ここまでリーシャとは顔を合わせたが、もう1人の隊長であるキャラウェイは見かけていない。おそらく領主の側に寄り添っているのだろう。だとするなら、最後の番人として現れる可能性も大いにありうる。

 出来れば戦うのは避けたいと彼は思っていた。既に輝力の消耗はかなりのものになっている。相手は自分同様の技巧派で、元々の相性は悪くないと感じているソウヤだが、それでも現在の状況で戦うとなれば勝ち目は薄い。

 だがそんな彼の願いを裏切るように、目的の部屋の前に到着したソウヤはキャラウェイが待ち構えていることを確認した。まるで「部屋に入りたければ自分を倒せ」と言わんばかりのその様子にソウヤは思わずため息をこぼす。

 

「お待ちしておりました、デ・ロワ卿」

「やれやれ。やっぱりあなたはここにいましたか、キャラウェイさん。しかし歓迎されてないだろうに『お待ちしておりました』はどうなんですかね?」

「いえ、当初の布告文を受け取った時から、私はあなたが来るのではないかと薄々感じておりました。あなたが来るということはおそらくただならぬこと。……もしそうであるなら、場合によっては私はこの場の道をお譲りすることも考えています。事を止めるには一旦クーベル様に了解の意思を示した私より、あなたの方が適役でしょうし」

 

 予想に反するキャラウェイの態度にソウヤは拍子抜けした。だがこの様子では、砦内の警備が手薄だったのは意図的に彼がそう仕向けたから、かもしれない。実際に彼は戦闘態勢を取ろうとせず、戦う意思を見せていない。

 

「やはりあなたはやり手だ。物分りもいい。……あとはあの小娘に振り回されるその癖だけなんとかすれば、と思わずにいられませんね」

「耳が痛いですね。ですがクーベル様の暴走はあれで時折いい方向へ動くこともある。見守る側としては、そこに期待したくなる部分もあるんですよ」

「見守る、か……。昔の俺なら鼻で嗤って終わりだったでしょうが……。成長を見守るってのは案外悪くないとか、最近わかるようになってしまいましたからね。キャラウェイさんの気持ちはなんとなくわかりますよ。妹の成長を見守る兄、と言ったところですか?」

 

 キャラウェイが苦笑をこぼす。完全に図星だった。以前似た様な事を少し話した時は「駄々っ子を叱るのも保護者の役目ですよ」と一方的にクーベルが悪いように言っただけだった。だが休暇を明けて久しぶりに向かい合ったソウヤは、今のキャラウェイの心中までも察してみせている。無事に生まれて今も成長しているという子の影響があるのだろう。結婚という出来事を経て、よりソウヤは成長したのだと彼は感じていた。だから、今この場を譲ってもいいとさえ考えていた。

 布告された時から、言葉通りキャラウェイはソウヤが来ていると薄々感じていた。だがそれでもあえて黙っていたのには訳があった。もとよりキャラウェイはこの誘拐には賛成しかねていた。ビスコッティはようやく国外との戦を行って、新たに立ち直るための道を歩き始めた矢先、果たしてこのタイミングでの誘拐興業というのはいかがなものかとクーベルに苦言を呈していた。しかしクーベルのミルヒを思う気持ちと、力になりたくてもなれないかもしれないという彼女の不安のような心を感じてもいた。だから「暴走がいい方向へ動くこともある」と言い聞かせてその案を呑んでいたのだった。

 

 だがそれを良しとしないソウヤが今目の前にいる。成長したとキャラウェイが認めざるを得なくなった彼がわざわざ出向いてきている。そんな彼にこの一件を是か非かと尋ねれば非と答えるに違いない。だとするならその通りなのだろう。この一件は速やかに、かつ尾を引かないように処理されなくてはならない。

 

「……1つだけ、よろしいでしょうか? ソウヤ様」

「なんです?」

 

 だからキャラウェイはこの後のことを彼に任せるつもりでいた。あとは自分の問いに満足行く答えを返してくれれば、二つ返事で道を譲るだろう。

 

「この一件への介入、あなた様ご自身での意思ですか? それとも、どなたかから命令されてのことですか?」

「俺自身の独断ですよ。そうでもなければ戦をほっぽり出して、自分の隊でない部隊を借りるなんてことはしません」

「では、そこまでして独断でなされたこの介入、現実主義者であり本来無駄なことはやらないであろうあなたに何の得があるんですか?」

 

 その問いかけに、これまで饒舌に話していたソウヤが眉をピクリと動かし、不意に言葉を止めた。表情がやや険しくなり、合わせて空気が重くなる。

 

「……食えないな、あなたは」

 

 苦笑を浮かべつつ、ソウヤがポツリと呟く。

 

「申し訳ありません。しかし、そこだけがどうしても気がかりなんです」

「謝らないでください。俺なりに褒めたんですよ。……まあいいや」

 

 重くなった空気を消そうと、ソウヤが深くため息をこぼす。

 

「俺に得があるか、と問われれば……ないかもしれませんね。これはビスコッティのため、俺にとって弟分のあいつが世話になってる国に負担をかけないため、ってところです。……ああ、ここでパスティヤージュに1つ貸しを作っておく、ってことで言えば、俺にとってはメリットですかね。

 ただ、これだけは否定しておきたいんですが、今あなたは『無駄なことはやらない』と言いましたよね? でも案外俺はお節介焼きになっちまったらしくてですね。首を突っ込む気がなくても、厄介ごとに関わってしまうらしいんですよ。だからここにこうしているのかもしれません。……そんなところです。この回答で満足していただけますかね?」

 

 軽い調子で答えたソウヤの瞳をキャラウェイはじっと見つめていた。心中を洗いざらい話してくれたか、といえば()()()()()()とわかった。特に後半、「厄介ごとに首を突っ込むようになってしまった」という言い分だけで関わる程度の領分は明らかに越えているだろう。口調でごまかしていたことも相俟って、キャラウェイはそれを鵜呑みには出来なかった。だが、彼の目は少なくとも嘘は言っていなかった。だとするなら、彼もキャラウェイの主同様、ビスコッティのことを思って起こした行動だったと思うのが妥当だろう。

 

「……わかりました。あなたを信じましょう。ここは剣を抜きません」

「助かります。今の状態でやりあったら到底勝てそうになかったですからね」

「そうとは思えませんけど。……では、どうぞ」

 

 キャラウェイが道を譲り、扉を開く。その扉の向こう、ソウヤにとって今回の奪還目標であったリコッタを確認し、次いでその視線をこの騒動の張本人の方へと移した。

 

「ソウヤさん……!」

 

 待っていた、と言わんばかりの嬉しさが滲み出るリコッタの表情とは対照的、クーベルが明らかに狼狽した表情を浮かべている。戦闘の音はなかった。なら、キャラウェイは戦わずして道を譲った、ということになるだろう。

 

「な……! キャラウェイ、どういうつもりじゃ!?」

「申し訳ありません、クーベル様。彼と話し合った結果、ここは道を譲るということでまとまりました」

「話し合ったじゃと!? 必要あるか! そいつはウチらに無礼な布告してきたんじゃぞ!?」

「お言葉ですが公女、それはお互い様、というところでしょう。確かに私は無礼な布告をしましたし、さらには奇襲と強襲でそちらの空騎士を撃破してここまで来ている。ですが、あなたもそちらの主席を誘拐する際、送迎に見せかけて行ったそうではないですか?」

 

 らしくなく、丁寧な言葉遣いで話してきたソウヤに逆に不安を抱きつつ、クーベルは思わず押し黙った。確かにそうだ。当の本人にもその彼女の国の人間にも一言も断ってない以上、自分達が行った誘拐の方法は決して胸を張れるような方法ではないと言われても仕方がない。いくら友好国の間柄とはいえ、一歩間違えれば関係の悪化に繋がると言えなくもなかった。元々キャラウェイにその辺りのことを言われた上で、それでもクーベルが押し通した意見だ。

 

「……だとしても、ここでリコを返すと言う理由にはならん! ウチはミルヒ姉にウチの気持ちを知ってもらいたかったんじゃ! しかしずっと塞ぎこんだままのミルヒ姉に訴えるにはこういう手段しか……」

「あのなあ、ちびっ子」

 

 やれやれと言いたげに、さっきまでの言葉遣いはまるで嘘だったかのようにソウヤがクーベルの言いたいことを遮る。

 

「お前が姫様を思ってることはよくわかる。でもな、方法が最悪だ。あとはタイミングもな。キャラウェイさんに言われなかったか? 所詮誘拐も興業ではあるが、このタイミングでの誘拐というのはビスコッティにとってまずいことになるかもしれない、と」

「……言われた。じゃが、それでもウチが、パスティヤージュが協力すればそんな状況など……」

「だからお前はいつまでもちびっ子なんだよ。いいか、物事にはタイミングってものがある。今回のお前の仕掛けたタイミングは最悪だ。他国の領主様に俺が口出しするのもどうかと思うが、領主たるもの待つ時は待ち、動くべき時のタイミングを見計るのが大切だとレオが昔言ってたぞ」

 

 尊敬する姉同然の名前を出されてクーベルは一瞬たじろいだ。だがすぐ反論の口を開く。

 

「レオ姉は関係ない……! レオ姉の言葉、とつければウチが何でも聞くと思ったら大間違いじゃ!」

「そうかよ。なら説得(・・)はやめだ。……こっから先は取引(・・)だ」

「取引じゃと?」

「ああ。こちらの要求は最初から言っている通りリコッタの解放だ」

 

 凄みを利かせるように言葉を重くするソウヤ。だがクーベルに動じた様子はない。

 

「アホか? 取引というのは互いに利益がなければ成立しないじゃろうが。ウチらがリコを解放したとして、お前は見返りに何をしてくれるんじゃ?」

「部隊を引き上げてこの一件をなかったことにしてやる」

 

 真面目な表情で言ったソウヤと対照的、クーベルは声を上げて笑った。

 

「部隊を引き上げるじゃと? 冗談も休み休み言うんじゃな。確かにお前たちは少数にしては奮闘したと認めてやろう。しかしこのまま戦闘を続ければそちらの全滅は時間の問題じゃ。その要求を受けてウチらに何のメリットがある?」

「何のメリットがあるか、でいうと無いかもな。……だが受けなければそちらにデメリットはある」

「なんじゃと?」

「今この状況を考えてみろ。俺の目の前に目的のリコッタだ。ここでそちらの隊長とお前を撃破すれば、その時点で俺の目的は達成される。仮にそれに失敗したとして、パスティヤージュ自慢の500の騎士達が横槍を入れてきたガレットのわずか30の戦力に、しかも正式戦闘員でない諜報部隊を軸にした部隊にいいようにしてやられた、となればそちらのメンツは丸潰れだ。違うか?」

 

 クーベルが口を閉じる。彼の言っていることは間違ってはいない。結果だけを見ればパスティヤージュが横槍を入れてきたガレットの部隊を蹴散らした、ということになる。だが空騎士を含む多くの騎士が撃破され、さらには砦門を突破されて内部に侵入、しかも自分の目の前にこの男がいることは事実だ。このことが公になればパスティヤージュとしてはあまりよろしくないことである。

 

「ウチを……脅すつもりか?」

「勘違いするな。俺はパスティヤージュの、何よりお前と同じでビスコッティのためを思ってこの取引を掲示してるんだ。こうでもしないとお前は俺の言うことなど聞かないだろうからな。俺はここが引くか引かないかの瀬戸際、ラストチャンスだと言いたいんだよ。

 このままこの誘拐を推し進めて何が残る? お世辞にもクリーンと言いがたい方法でリコッタを誘拐し、それを良しとしない少数の横槍にいいように騎士を蹂躙され、その上で強行したところでどうなる? ビスコッティは前回の姫様誘拐未遂の後、主席という要人が簡単に誘拐されてしまったという事実が残り、それが表沙汰になる前に止めようとしたガレットの部隊と交戦したパスティヤージュは10倍以上の戦力差がありながら多大な被害を受けた、となる。俺たちが横槍を入れなくても、どちらにせよビスコッティは負担を強いられたという結果は残っただろう。

 だからもう1度よく考えろ。それでいいのか? お前の姫様を思う気持ちはよくわかるが、今ここでリコッタを誘拐したことがビスコッティのためになると、はっきり言い切れるのか?」

 

 思わずソウヤに向けられていたクーベルの視線が外れた。言われてみれば、そうだったのかもしれない。キャラウェイに当初反対され、ここでリコッタにやめてほしいと頼み込まれ、最後は自分と反りの合わない目の前の男にまで苦言を呈されている。だとするなら、ミルヒのためを思って起こしたこの行動が正しかったと断言できるのだろうか。彼の言うとおり、ビスコッティのためになると言い切れるのだろうか。

 

「……ソウヤ……ウチは……間違っていたのか?」

 

 しばしの沈黙の後、クーベルはようやく口を開く。

 

「はっきりと俺の意見を言わせてもらうなら、イエスだ」

「では……どうすべきだったのじゃ? ウチはミルヒ姉の辛そうな姿を、見てみぬフリをしていればよかったというのか?」

 

 普段の傲慢な態度からは想像できないほどの、弱々しくまっすぐな質問だった。それを見たソウヤは一瞬難しい表情を浮かべ、右手で頭をガシガシと掻く。

 

「……姫様の力になりたいってお前の気持ちは、これだけ大それたことを起こしたってことからもよくわかった。本当ならここでたっぷりお灸を据えてお前に拳骨のひとつもかまさないと気が収まらないと思っていたが……それだけしょげられてるのを見たら怒る気も失せちまったじゃねえか。

 ……さっき言ったろ、タイミングが大切なんだよ。要は待つことだ。言ったとおり今回の一件、そっちがリコッタを解放してくれるなら俺もこの件はおおっぴらに出さずになかったことにしてやる。つまりは何もなかったことになる。その上で、もう少ししてから普通にビスコッティと戦を行えばいい」

「それで……ミルヒ姉はウチの心遣いに気づいてくれるか……?」

「それはお前次第だ。戦興業を通して参加者を楽しませるように運営するのは、領主であるお前の仕事だろ? 少なくとも、こうやってビスコッティに負担を強いる形にもなりかねない誘拐よりはマシだと、俺は思うがな」

 

 再びクーベルは口を閉じ、考え込んだ。彼女は一刻も早く姉と仰ぐミルヒの力になりたかった。だからガレットとの国外の戦を行った後のビスコッティになんとか興業を持ちかけようと、この誘拐を思いついた。

 しかし彼の言うとおり、ミルヒの力になりたいという気持ちだけが先走ってしまったことは否めない。リコッタを誘拐した後のビスコッティにまで視野を広げられず、側役の言葉に耳を貸せなかった自分が未熟だったと言わざるを得ない。「ラストチャンス」。彼はそう言った。ここを越えれば事は表沙汰になる。だがその前、現時点でなら彼の言うとおり揉み消すことは可能であろう。

 

「……わかった」

 

 ゆっくりと、搾り出すようにクーベルはそう呟いた。

 

「ソウヤ、お前の要求を呑む。リコをすぐに解放しよう」

「助かる、公女。……ついでに騎士達に戦闘停止を命令してくれ。多分連れてきた連中はもう全員がだま化だと思うがな」

 

 ようやく面倒ごとが片付きそうだと、ソウヤはここ最近でもっとも深くため息をこぼした。

 

 

 

 

 

「どういうことですか、クーベル様!?」

 

 あの後、戦闘はすぐに終わった。戦闘停止の命令を受けてからややあって、大広間には一騎打ちを行っていたリーシャとノワールが来ていた。2人とも上着が脱げ、中着の状態になって肌の露出が増えている。それほど激しい戦いだったのだろう。あと少し長引いたら下着か、あるいは更に肌を晒すことになっていかもしれない。

 そんな上着を既に失った状態のリーシャが珍しく領主に食って掛かっていた。彼女は領主の命令で戦い、だが結果として自分が率いた隊に大損害を出すという失態を犯していた。その汚名返上とばかりに臨んだノワールとの戦いの最中、突如戦闘停止を命じられたのだから理由は知りたいだろう。

 

「どうもこうもない。今回の一件はウチが先走りすぎた……。ここにいるデ・ロワ卿がそれを体を張ってウチに伝えにきてくれた。じゃからウチはその話を聞き、この誘拐はやはり行うべきではなかったと判断したんじゃ」

 

 リーシャが言葉を失う。ではこの戦いはなんだったのか。3年前同様、再び自身のプライドをズタズタにされ、さらには自分だけでなくこの領主までいいように言いくるめられた今回を、どう割り切ればいいのだろうか。

 

「……臣下の者たちにはすまないことをしたと思っておる。じゃが今回のことは全て表沙汰にならぬこと故、なかったことだと忘れてくれ」

「そんな……」

 

 忘れろ、と言われて忘れられるだろうか。一度ならず二度までも同じ手を食ってしまったという心は、当分回復しそうに無い。

 

「精神的ダメージを負わせたであろう張本人の俺が言うのもなんだが……。気にしないほうがいいぞ。今回俺は自分の身元を明かさずに奇襲を仕掛けたんだ。俺だとわかっていればお前はもっと別な手を打ってきた。そうだろ?」

「それは……そうですが……」

「なら気にするな、眉毛」

「その眉毛という呼び方はやめてください!」

 

 じゃあデコ(・・)か、と言おうと思ったソウヤだったが、目の前のリーシャはそれを言ったらものすごい剣幕で怒りかねない表情をしていると判断してやめることにした。火に油を注ぐのもあまりよろしくないだろう。

 

「ともかく、普通の弓の中隊規模の相手を撃つなら理想どおりの戦い方だった。隊を密集させて火力を高めてまず一斉射。次の相手の反撃を撃たせて被害状況を確認し、状況に応じて集中砲火か散開を指示する。密集隊形時の防御弾幕という選択も妥当だろう。的確だよ」

「……褒められても嬉しくありません。実際あなたはそこまで見抜いて単騎でこちらを撃墜してきたわけですから」

「まあな。理想的故に読みやすい。だがこんなことをやらかすのは俺ぐらいなもんだ、なら普段は教科書どおりでいいんだよ」

 

 リーシャは相変わらず難しい顔をしていた。納得がいっていないらしい。

 

「三度うまくいくとは俺は思っていない。うちのノワールにここまでダメージを与えたお前だからな。ま、せいぜいその時まで対策でも練ってくれ」

 

 最後は半ば挑発気味なソウヤの言葉だった。それに対してリーシャはやはり難しい顔をしたまま、特に何も返そうとはしなかった。

 

「ソウヤさん……ありがとうであります」

 

 リーシャとの話が一区切りついたとみたリコッタがソウヤに話しかける。

 

「礼ならお前の異変を真っ先に感じ取った親友に言ってやれ。あとは最終的に英断をした領主様にも、な」

「私1人じゃ何もできなかったよ。このお礼の言葉は素直に受け取りなよ」

「ノワの言うとおりでありますよ、ソウヤさん」

 

 ビスコッティとガレットの頭脳派2人に言い寄られ、観念したようにソウヤは肩をすくめる。

 

「……じゃあそういうことにしておくか。それでリコッタ、この後はどうする?」

「それは勿論ビスコッティへと戻りたいでありますが……」

「元々ウチの空騎士が送っていくという話じゃったし、こちらで送らせてもらうつもりでいた。リコ、それでいいか? 今度はちゃんとフィリアンノ城へと送り届けると約束するぞ」

 

 クーベルが会話に口を挟む。どうやら彼女はジョークを言うぐらいには調子が戻ってきたらしい。なら任せても大丈夫だろうとリコッタは判断した。

 

「ではお言葉に甘えるであります」

「そうと決まったなら俺は帰る。さすがに疲れた。しかも帰ったらガウ様への弁明やら何やらやらないといけないだろうからな」

「忙しい奴じゃの」

「ああそうですよ。だからあまりおいた(・・・)をやらかして私の手を煩わせないようにしてください、公女様」

 

 向けられた皮肉対してこちらも皮肉もたっぷりに、ソウヤは笑顔までその要素を詰め込んでクーベルへとぶつけた。受け取ったクーベルは眉を吊り上げる。

 

「今回は貴様の言うとおりにしたが……。いつもいつもそうなるとは思わないことじゃ! レオ姉を奪った貴様など、いつかぎゃふんと言わせてやるからな!」

「あーはいはい、わかりましたよ。……ま、それだけ元気が出たなら大丈夫か。クーベル、明日1時間程度でいい、予定を空けられるか? あとキャラウェイさんも」

 

 藪から棒に切り替わった質問にクーベルは思わず虚を突かれた。意見を仰ぐためにキャラウェイのほうへ彼女は視線を送る。視線を受け、代わりにスケジュールを把握しているキャラウェイが返答した。

 

「元々この誘拐戦が明日にずれ込んだ時を考えて予備日にしておりましたから……可能だとは思います。ですが、なぜですか?」

「ありがたいありがたいお説教をしに行ってあげるんですよ」

「な……! 余計なお世話じゃ!」

「冗談だよ。さっき言った『タイミング』関連の話だ。お前に、というより食えない人であるキャラウェイさんにとりあえず釘を刺しておくという意味でもちょいと話をしておきたい。……なんて言ってるとふざけてると思われるかもしれないが俺は大真面目だ。頼む」

 

 クーベルとキャラウェイが顔を見合わせる。最後にそのように付け加えられては無下にするのもなんだか引っかかるものがある。彼と話すことはクーベルはあまり好きではなかったが、彼なりに思うところがあってのことだろうと、頷いてキャラウェイに了承の意図を示した。

 

「わかりました。予定を空けさせていただきます。後ほど、追って連絡いたします」

「助かります。……じゃあ俺は帰ります。リコッタを今度こそよろしく頼みますよ」

「じゃあね、リコ」

「ノワもソウヤさんも、気をつけて帰るでありますよ」

 

 ノワールを連れ立ち、ソウヤは大広間を後にした。残された者たちのうち、リーシャがまず口を開く。

 

「……よかったの、キャラウェイ君?」

「何がだい?」

「あんなあっさりあの人の要求を受けちゃってさ。何考えてるかわからないよ、あの人」

 

 先ほどの敗戦をまだ引きずっているのだろう。辛辣なその一言に思わずキャラウェイは笑いをこぼした。

 

「ちょっと! 笑わないでよ!」

「すまない。でも、あの人には何か思うところがあったんだよ。そうでなければ犬猿の仲であるクーベル様に時間を取ってくれ、なんて頼まないだろうからね。それにビスコッティのことを思っているのは間違いない。だからこうして面倒ごとに首を突っ込んできたんだろうし」

「ウチもそう思ったから了解したんじゃ。……まあウチはウチなりに今回の件は申し訳なく思っているし、無理をして止めにきてくれたという感謝の意味もあってあいつの頼みを聞いてやったんじゃが」

 

 本人がいないところでぽろっとこぼれたクーベルの本音。それを聞いたリコッタが思わず笑い出す。

 

「な、なんじゃリコ!」

「クー様、それは是非本人がいるところで言ってあげたほうがよかったでありますよ」

「そ、そんなことできるか! あんなおたんこなすにウチの感謝の言葉など勿体無さ過ぎるわ!」

 

 

 

 

 

 ソウヤとノワール、それに先の戦いでだま化した後復帰した諜報部隊がセルクルでグラサージュ砦から遠ざかる。結局諜報部隊はほぼ全滅、ソウヤとノワールを除くとだま化していなかったのはわずか2人だけであった。

 

「それにしてもお前とお前の部隊には迷惑をかけた。あとで何かしら感謝を形にしたいと思ってる」

「いいよ。そもそもリコを助けてほしいって言って戦中のソウヤに無理言ったのは私だし」

「お前からの頼みじゃなくても、この話を聞いてたら俺は仕掛けてたさ。そのぐらい避けたい状況だったしな」

 

 クスッとノワールが笑う。それに対してソウヤは疲れの色を滲ませてため息をこぼして返した。

 

「お疲れだね」

「そりゃあな。大分無茶やったわけだ。……ああ、お前と眉毛の勝負、どうだったんだ?」

「結局は引き分けだったよ。私自慢の輝力武装から放つ『セブンテール・スクイーズ』もほとんど当たらなかったし。もうちょっと長引いてたら私が危なかったかな」

「そうか。じゃあお前もお疲れか」

「まあね」

 

 再びソウヤがため息をこぼす。

 

「……割に合わないことしちまったな。あの小娘がこんなこと思いつかなきゃ、余計な苦労しないですんだってのに。というか、帰ったらガウ様への弁解もしないと……」

「それはソウヤに任せるね。私の気持ちはわかってるだろうから」

「……おい黒猫、都合のいいときだけそうやって必要以上に『恋する乙女』ぶって逃げるなよ。……ったくずるいよな、お前は。まったく仕方ねえ……」

 

 皮肉を込めてそう言われたノワールだったが、鬼の首を取ったよう笑顔を見せただけだった。つまるところ今のやり取りはソウヤがそれを了承した、ということに他ならない。自分と諜報部隊の分まで含めて、彼が泥を被って弁解してくれるだろうとノワールはわかっていた。なら彼の小言ぐらいはぼやかせてあげておこうと思う。どうせ聞き流せば済むことだ。

 また面倒ごとが増えた、とソウヤは今日何度目になるかわからないため息をこぼしつつ、ヴァンネット城への帰路を急いだ。

 




修正:「セブンテイル」を「セブンテール」表記に統一。DD’の公式設定資料集では「セブンテール」表記でした。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。