BUGHAZARD THE CROSSEDITION 一時停止中 作:超輪
夏月「撃って逃げる。それはいいんだけど、この人数と武器で大丈夫なのか?」
秀樹「一応腕には自信はあるけど、数によるぜ?」
うずめ「やっぱりメガホンさえあれば……」
開幕開始からうずめは何を言ってるだ。怪物に攻撃してもきっと俺達にも影響を及ぼすぞ?特に聴覚が。
優一郎「着いたぜ」
俺達の目的場所はB15F、さっき全力で逃げてきた階層だ。と言ってもエレベーターの扉を開けて閉じるだけの簡単な逃走だが。今、その階層に戻ってきて、仲村がタブレットに表示された【閉】を押しっぱなしにして扉を閉ざしている状態で開けるタイミングを測る。
ゆり「……?妙に静かね」
仲村は扉に耳を傾け、密着した状態で聞き耳をするが、奥から聞こえるのは機械音以外一切なく、生物の音のような物は鳴っていない。
うずめ「怪物の気配が感じないな。さっきはあんなに居たのによ」
結弦「開けてみよう、ゆり」
音無の言葉を聞いた仲村は顔を縦に動かし、タブレットの 【閉】を押しっぱなしにしていた人差し指を離すと、全員はすぐさま銃を構えて警戒する。そしてエレベーターの扉が開かれ、B15Fの階層が現れた。
優一郎「誰もいねぇぞ」
多数の怪物が存在していたエレベーター周辺には、全くを思って風通しの良さそうに何もなく、ただ怪物の足跡ともう一人見慣れた足跡が3つほどあった。
秀樹「見ろよ。この3つの砂の足跡、革靴だ」
ゆり「見た限り、少し掠れている。おそらく古いわね」
その3つは同じ形をした砂の足跡で、所々磨り減ったような物でエレベーターから出てまっすぐ進んだ先に向かっているように表している。
うずめ「もしかしたらこの階層にいるんじゃないか?」
ベール「その可能性は高いですわ。しかし例の怪物も居るのも同然、お早めに見つける必要がございますわね」
夏月「それなら、この足跡をたどっていこうぜ」
3つの足跡をたどって、相変わらずの機械性の道を進む。
優一郎「しっかしよ、この足跡は一体いつの物なんだ?」
後頭を両手で支えながらそう言った百夜は、少し疑問気に足跡を見る。
結弦「少なくとも、無数に居た怪物より前の物の筈だ」
ゆり「つまりB15Fに来たのは、私達より先って事も間違いないわね」
夏月「予想はしてると思うけど、シノア達が言ってた、俺達と同じ逃走者の足跡だと思わねえか?」
ベール「私もそう思いたいのですが、その彼らの足跡だと断定出来る物がありません」
ベールはその足跡に対して不安を持っている。確かにそうだ。この革靴の足跡はこの研究所の人間かも知れない。
ゆり「とりあえず辿っていくわよ」
足跡を辿りながら話を進めていくと、十字の道が現れ、まっすぐ続いてい足跡は右へ進んでいた。そのまま辿っていくと、すぐ右に曲がり、自動ドアへ入っていくように表している。その自動ドアのタグにはB15F職員室と記されている。
ゆり「耳を傾けようと思ったのだけれど、これもあれよね、自動っぽいよね?」
結弦「ぽいな。どうする?カードキーの認識機がないからロックは掛かっていないと思う」
秀樹「なら、突撃あるのみっしょ!」
うずめ「おっし!」
銃を構え、自動扉付近の壁に着いて、慎重に動く。百夜と天王星が先に自動扉の前に立ち、開かれた瞬間、中に素早く動く。中を確かめて見ると、結構広い構造をしていた。職員室と書かれていただけあって仕事机が多く設置されている。しかしその状態は酷い物だった。
うずめ「これは……酷く散らかってるな」
職員室全体は、資料や置物、椅子などが倒れている。そして物だけじゃないある物に気づく。
夏月「においも普通じゃないな……」
俺はにおいの異変に気付いた。いやにおいってより臭いだな。それも生臭いという感じだ。
秀樹「おいおい、足跡がないぜ?」
ベール「足跡はここまでだとすれば、この職員室のどこかにその主がいらっしゃる事になりますわ」
ゆり「そうね。各自探索に入って、もちろん互いの視界に映る範囲で」
ゆりの声掛けで俺達はそれぞれ職員室の探索を始めた。縦に並ばれているデスクワークの机、横一連の右横から左横まで6台あり、縦の数は約10台。縦一列事に一人、調べに入り、そんな俺は右端の列から調べる。
夏月「うっわ……」
机の上にはデスクトップやその席の持ち主と思われる物があるが、どれも綺麗とは思えない物になっている。書類だけとは限らず、私物と思われる物も当たり前のように落ちていた。試しに拾ってみると……
夏月「なぁにぃこれ?」
とわざとらしく言ってみたりしたけどそれは忘れよう。拾った物は小さな四角いボックス。何の変哲もないボックスなんだが、鍵穴が妙に目立つ構造をしているせいで中身が気になる。一応持っていくか。
夏月「ん?ワラワラ流星群?」
デスクワークの上にある1つのデスクトップが電源付けっぱなしの状態で動画サイトを開きっぱなしで放置されていた。これ使って何か情報を得ることがないか試みようとマウスを使ってマウスポインターを動かそうとするが、何故か反応がない。故障か?ちなみにマウスポインターの位置は動画の再生マークを指している。後は右クリックってところで止まっているが、故障したマウスを右クリックしたところでなにも……
カチ!
「ワ〜〜ラワラ動画!」
予想外の展開が始まった。故障してる筈のマウスが右クリックだけ反応し、動画が再生し始めた。
夏月「うぉ!?」
この席の一人はあれか!?大音量で聴くタイプか!?
うずめ「なんだよかずっち。びっくりしたじゃないか!」
秀樹「おいおい!大音量は勘弁してくれって!?」
夏月「す、すまん!」
俺はもう1度右クリックし、動画の再生を停止させた。こんな状況で大音量はまずいな。
ゆり「夏月君!何やってるのよ!」
ベール「お待ち下さい!それよりもこちらに来てくださいまし!」
優一郎「なんだ?」
結弦「なんか見つけたのか?」
一番左端でいつの間にか奥まで調べ遂げていたベールはみんな集めるように呼び掛け、ベールの元に行くと、ベールが見せたがっている正体に俺達が驚く。
ゆり「これは……女の子?」
金髪を小柄の女の子が壁に背中を預けて倒れていた。見た限り特に外傷はないが、気絶しているようだ。
うずめ「気絶してる見たいだな。ん?待てよ、その子が履いてる靴、革靴じゃないか?」
秀樹「だとしたら……」
夏月「こいつの革靴があの足跡の正体の1つって事か」
革靴の足跡の1つの正体が分かったみんなは納得したように、うん、と頷いた。その時。
???「う……」
それに反応したかのように金髪の女の子が目を覚ました。
優一郎「おい、起きた見たいだぜ。大丈夫か?あんた」
???「私は……確か、関節がおかしい怪物に襲われて……」
ゆり「
夏月「省略するな!」
ちゃんとした自己紹介が行われると、金髪の小柄の子の名前は
ゆり「と言う事よ」
芦花「そうだったんですね」
ある程度理解した柴崎はその場で立ち上がり、制服に付いた埃を払うように叩く。そして改めて俺達に目線を写す。
うずめ「あぁ。まあそんな訳だし、目的が同じみたいだから行動を共にしようぜ、しばっち!」
柴崎は突然の呼び名に驚く。しかしそれよりも行動を共にしようと言ってくれた事に驚いてるようにも見える。
芦花「い……いんですか?」
秀樹「もちろんさ。それに、一人で行動するのは危険だしな」
結弦「一緒に行こう。柴崎」
芦花「……はい!」
目をキラキラと輝かせ、希望が湧いたかのような表情を見せ、同行する事になった。探索途中だったデスクワーク周りをまた調べ直すが、特にこれといった物を見つけたのは、俺が見つけた小さな四角いボックスだけだった。ほかの調べる場所がなくなり、職員室を後にする。
うずめ「んで、どっちに進む?」
ゆり「それよりもまず、芦花ちゃんに聞きたい事があるの」
芦花「なんですか?ゆりさん」
ゆり「職員室の中は生臭かったのよね?」
そう言えばそうだ。確かに生臭かった。でも肝心な原因がそこにはなかった。その場で、気絶していた柴崎ならなにか分かるかも知らない。
芦花「はい……多分、私達に襲ってきた大きなハエが原因だと思います」
大きなハエ?気持ち悪いな。そんなやつもいるのか……
ゆり「じゃ…じゃあ、もしかして大きなハエに、2人を連れ去ったって事なの?」
芦花「はい!そうなんです!ティーダさん、賢次君……大丈夫かな……」
夏月「なるほどな……となると1つ分かった事があるな」
結弦「関節がおかしい大きなハエ、
ベール「確かにそうですわ。出なければ、エレベーター付近から怪物達の姿が見えなくなるのは考え難い事ですわ」
これは気を引き締めて行かないとまずいな。見たくないが、もし鉢合わせでもしたら細心の注意を払っておかないと。
芦花「今思い出したんですが、その大きなハエは2人を連れてこの左を飛んでいきました」
優一郎「となればやる事は1つだ!その2人を見つけて救出し、大きなハエをぶっ倒す!」
うずめ「あぁ!助け出そうぜ!」
優一郎に続きうずめ、その後に俺達に活力が増す。その一致団結している様子を見ている芦花は感激して笑顔を見せる。しかしその中で、たった一人だけ、あまり宜しくない表情をしている。
うずめ「ん?どうしたんだ?ひでっち?」
秀樹「みんな、噂をすればなんとやらってやつだぜ!」
日向の様子がおかしいと思ったら、顔は俺達に合わせず右側を見ていた。そして言葉の意味は、日向が見ている気持ち悪い
優一郎「早速現れやがったな!」
芦花「この怪物です!この怪物が2人を!」
ヴァアアア!
大きなハエ、本当にそのまんまだ。羽が透明かのように素早く羽ばたき、全身の関節がおかしな方向に向いていて小さなハエが大きなったような物。まじでそのまんまで気持ち悪すぎる。仲村は芦花の手を掴んで強引に後ろに下がって行き、俺達は一斉に手持ちの銃を構え、後に下がりながら撃つ。
結弦「くっ!」
ベール「あれがハエなのですね……気持ちが悪いですわ。しかも関節がおかしいだなんて」
秀樹「こんなの見せられたら、ちっさいハエでも気持ち悪く思えるぜ!」
1人3発、合計21発の銃弾が大きなハエに向かっていく。そんな大きなハエだが、人を持ち上げられそうな大きさをしてるにも関わらず動きが素早い。しかし全ては避けられず、21発中5発は命中し、受けた銃弾の反動で軽く怯む動作を見せた。
ヴゥルルゥ!?
夏月「効いてるって事でいいのかこれは?」
秀樹「そんな動きも気持ち悪いがな!」
ゆり「みんな!この場離れるわよ!」
優一郎「なんでだよ!ここで倒せば、あいつは」
ゆり「冷静に考えなさい!、一応ここは多数の怪物がいる階層よ?知性がある怪物が目立った音を聴いたら、どう動くと思う?」
優一郎「そ、それは……」
一つに集まる……それしかない。言う事は、現時点不利にあるって事になる。だから仲村が後に下がっているのか。
結弦「あいつはある程度ダメージを与えた筈だ!今は逃げるぞ!」
優一郎「くぅ……」
仲村と芦花の後に続くように俺達も大きなハエから逃げる。長く続く真っ直ぐの道を駆けていく。そしてハエが小さく見える位置まで逃げたところで、ハエの近くの分かれ道から例のくさった○たいが少しずつ姿を現す。
ゆり「後ろを見ないで、前だけ見て走って!私に付いてきなさい!」
仲村の掛け声を聞いた俺達はそれに従う。十字の別れ道を2つ通り過ぎ、次に見えた別れ道を右に走り、すぐ左の道に進む。ここまで走ってきた時点でB15Fは凄く広い構造をしていると仮設する。
ゆり「あの部屋の中に逃げ込むわよ!」
左の道を曲がった先には自動扉ではなくドアノブがある普通の扉があり、近くまで行くと、そのタグは資料室と記されている。仲村がドアノブを掴み、捻ると、扉は簡単に開かれた。扉を全開にし、俺達は資料室へ入っていくと、最後に残った仲村が入り、扉を閉める。
芦花「これで……一安心…はぁ……ですね」
ベール「いいえ、まだ油断は出来ませんわ。私の頭の中ではまだ危険フェイズですわよ」
夏月「お前は何を言っているんだよ……」
優一郎「要は静かにしてればいいんだろ?」
ベールが意味不明な事を言っている意味は百夜の言葉で意味が分かった……まあ分かるけどさ。
ゆり「警戒フェイズ……」
あえて突っ込まないでおこう……。何気に仲村も乗り気っぽい顔をしてるし。ていうかみんなもかよ!柴崎と百夜と俺だけかよ!普通に警戒しているの!
秀樹「何とか撒けたみたいだな」
うずめ「そうみたい…だな」
結弦「だな」
怪物達から撒けた事を知ると、構えていた武器をしまい、安心する。ていうか、ダメだ……全然分からない。どうやったら分かるんだよ。くさった○たい達から逃れた事をさ。
ゆり「さあ、早速この資料を調べるわよ」
優一郎「あぁ。それと、さっきみたいな生々しいにおいがしねぇから、多分ここにはさっきの奴らみたいなのはいないと思うぜ」
優一郎に言われてから、資料室の状況を確認する。まず分かったのが、臭ったにおいがしない事、少なくともくさった○たいやさっきの大きなハエはいない。次は構造、資料室を入って、右側には、手前の端から奥まで、資料が保管されていて、真ん中にはそれを閲覧する為に置かれたと思われる長いテーブルと椅子が置かれて、左側は、手前にはロッカーが3つと奥には別の部屋に繋がっている扉がある。資料室の状況を認識すると、まず整理を始める。
夏月『臭っていなくて、特に変わった様子がないと言う事は、怪物がいないのと、荒らされていないって事だよな?』
百夜の言う通り、臭った物がない、でも個人的に気になったのは、確かバグテロが起きたんだよな?どんなテロか知らないが、少なくとも騒ぎにはなる筈だ。でもそれにしては資料室は綺麗だ。資料は散らばってなくて綺麗に整頓されてある。単にテロが起きた時は、この資料室には誰もいなかったってだけなのか?
ゆり「ひとまず安心ね。各自休息を取って。もしくはこの資料室の探索をするように、私は奥の扉の方を調べてみるわ」
結弦「わ、分かった」
秀樹「りょ〜か〜い。それじゃあ、少し休憩すっか」
仲村の呼び掛けと、それを勧める日向。それぞれ休憩に入る。俺はと言うと、うずめとベールと百夜の3人と共にし、テーブルの右側の奥に行き、うずめと俺が向き合うように、ベールは百夜と向き合うように男女が別れるように座る。
ベール「はぁー。あれ程走ったのは、初めてのような気がしますわ……」
ベールは、さっきの駆け足で体力を使い切ったらしい。まあ確かに見た目からして何となくお嬢様風だから、運動に関しては不得意っぽく見える。
うずめ「だな。にしても、さっきのハエは気持ち悪かったな〜」
百夜「あぁ。周りを飛び回るうざい虫だと思ってだけど、あんな気持ちわりぃーのか、ハエってのは」
俺も同感だ。関節がおかしいのも気持ち悪いが、むしろでかくなったハエのがもっと気持ち悪い。まさか手足にあんな毛が生えていたり、目とかがもうやばい感じだった。
夏月「日向曰く、小さいハエを見たら思い出して気持ち悪くなっちゃうな」
うずめ「そうだな……それにしても腹が空いたな……」
思えば、牢屋で目を覚ましてから一度も食事を済ましていなかった。うずめにそう言われて気付いた俺は、反射的に片手を腹にくっつけさせる。ベールはその途端、席から立って近くにある資料を適当に取り出し、読み始める。
ベール「あらあら」
読んでいたベールは何か感激してるような表情で一言そう言った。その様子が気になった百夜は資料を見ようとベールのそばに寄って覗く。
優一郎「どうした?……おー」
うずめ「二人して何を見てるんだよ。俺達にも見せてくれ!」
ベールと百夜は元の席に座り、ベールは手に持っていた資料を俺達に見えるようにテーブルの上に広げた。そこにあったのはページが埋まるほどの写真が貼られていて、どれも幸せな時間を過ごしている家族の様子が写っていた。つまりこれは家族の思い出の写真って事か。通りで感激するわけだ。
夏月「ん?」
次のページも同じく家族の写真があるのだが、なんだこれ?その写真の隣には、なんか陰に隠れて、いかにも「出番はまだか?」みたいな事を言ってそう……って言うか小さく切り取った雲型の画用紙でセリフ風のが貼られていて「出番までずっとスタンバってました」って書いてあるのだが……
優一郎「なんだこいつ……」
ベール「マ○オやタクシードのコスプレをしてるようですわね……」
他の写真にも次のページに捲れば捲る程だんだん内容がおかしな物になっている。この本を作った人って幸せにネタを付けるのが好きなのか?悪くは無いけどさ。
うずめ「ほ、他の資料を見ようぜ。俺がそのし…家族写真を元に戻しておくから」
優一郎「あ…あぁ」
ベールから本を預かったうずめは、あったところに本を戻しに行き、残りの俺達は別の資料を適当に探る。
夏月『思えば、なんで資料室に家族写真があるんだ?』
と思ったりしたが忘れる事にしよう。
優一郎「おい!当たりっぽいのを引いたぜ」
ベール「なんですの?百夜君」
百夜は何かいい資料を見つけたらしい。元の席に戻り、俺達は百夜が見つけた当たりっぽい本のページを目視する。
うずめ「これは……
当たりっぽいどころか大当たりを引いた。即座にみんなに教える必要があると感じたベールは急いでみんなを呼び戻し、この本の情報を読み上げた。そこにはくさった○たいなどの説明が書かれていて、例の関節がおかしい怪物の情報も書かれているが、疑問に思う点が俺にはあった。それは……
夏月『何故この情報があるんだ?』