ダンジョンに剣の世界を求めるのは間違っているだろうか 作:裏網 説軌
入口を抜けると、白髪の兎のような少年が横を走り抜けていく。
「エイナさん、大好きー!」
大好き…か…。
……こんな小さな発言に対して過敏に反応してしまう俺に呆れる。
ギルドの中には武器を持ったものや職員と思われる人影がある。
その中で一人赤面を浮かべる女性が先程の白髪の少年を目で追っているのが分かる。
服装は鎧などのガチガチとしたものではなく従業員と思われし正装で、容姿は整っている。唯一、気にかかる点がとんがった耳だ。
エルフのような耳で、少しだが共に戦ったダークエルフを思い出す。
尤も肌色は黒ではなく人間と同じ色だったが。
ヒューマンでそのような耳は在りえないからこの世界はエルフなんかとも友好的な関係なのかなと想像してみる。
ギルドの職員だと思われるので、とりあえずこの町の事を聞こうと声を掛ける。
「すいません。ここの職員だとお見受けしてお聞きしますが、この町について教えていただけませんか。何しろ田舎から上京してきたばかりの無法者でして」
少しでも友好的なことを感じてもらおうと、微かな笑みを浮かべて問う。
エルフは声を掛けられたことに驚いたのか一度肩を震わせた。
「え、ええ。いいわ。ええとぉ。とりあえず個室に行きましょうか」
エルフの少女が先導するようにして個室に招かれる。
ついていく中、俺はアスナとこのエルフの少女を無意識に重ねていた。
少し視界がぼやける。
エルフの少女が話す場所まで来たのかこちらを振り返る。
「あなた、田舎から来たと言っていたけれど…。どうしたの!?なんで泣いてるの?」
気が付くと目尻に大粒の涙が溜まっており、話しかけられるのと同時に涙が流れていた。
「あれ?なんで…?」
ここに来る前散々泣いたのに、涙を止めることが出来なかった。
「…はい、どうぞ。」
エルフの少女はそんな少年に何かを感じ取ったのかハンカチを渡してくる。
無言で受け取り、目に押し当てる。
しばらくすると涙は流れるのを止め、涙の代わりに羞恥の心が芽生える。
初対面の人の前でやってしまった…。
アスナを無意識に思い出して泣くなんて恥ずかしすぎる…。
この人は何を思ったのだろうか…。
取り合えず感謝しないとと思い言葉を紡ぎだす。
「すいません。取り乱してしまって。もう大丈夫です。このハンカチは洗ってからお返ししますね」
「そこまで気を遣わなくてもいいですよ。ですが、御好意には甘えさせていただきます。…この町についてですよね?」
「はい。簡単で構いませんので、あの巨大な塔やファミリアについてご教授願います。…話が変わりますが、そこまで丁寧に話して下さらなくてももっと砕けた話し方で大丈夫ですよ。僕の方が年下だと思いますし」
「あら?そう。ならこの話し方で話すわね。君の方もそこまで畏まらなくてもいいわよ。友達と話すように話してよ。ところで君、名前は?」
この人の願いを無下にはできない。そう考え、少し言葉を変える。
「あ、ああ。キリトだ。よろしく頼む。じゃあこの町について説明頼む」
和人の名前も浮かんだが、今の身体はキリトのものだ。そう考えると自然にキリトの名が口から出た。
「私はエイナよ。よろしくね。それじゃあ説明するわね。あの大きな塔はバベルって言ってね……」
エイナの説明でここに精通までとはいかないが、ある程度知ることが出来た。
二日に一回ずつ投稿してるけどもうこのペースで上げないんだからねっ!
か、勘違いしないでよねっ!!(ツンデレ風)