◆それは生きている   作:まほれべぜろ

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……なんだかんだ俺、剣だからなあ

 最悪の事態が起こっている。

 オーディに、ではない俺に対してだ。

 

 事の起こりはこうだ。パルミアに戻った後、俺達はいつものようにエヘ様に供物をささげるため、教会へと向かった。

 祭壇の前に立ち、エヘ様に今回の釣果であるマグロを献上する。

 1mを超す大物を献上されたエヘ様は、いつもよりも大きく『うみみゃあ!』と鳴き、とても喜んでいた。

 そこまではよかった。

 

 しかし、献上し終えて、さあ帰るかという段にフィーヌが言った一言によって、オーディと俺は凍り付く。

 その一言とは、こうだ。

 

 「オーディさん、随分と大盤振る舞いでしたね。あれ、たぶん本マグロでしょう?あの大きさだと、買ったら最低10000gpはしますよ。店に売ったとしても、きっと2500gpくらいにはなりそうでしたね」

 「……え?」

 

 マグロ、高ぇ。

 

 

 

 

 

 寝耳に水な一言を貰い、放心状態で教会を離れたオーディが、人気の少ない通りまで歩いて来て、ようやく話しかけてくる。

 

 「…剣さん、私思ったことあるんですけど、良いですか?」

 (…予想着くけど、言ってみ)

 「これ、釣りをメインにやっていった方が儲かるのではないでしょうか」

 

 

 ぐうの音も出なかった。

 もう、ヴェルニース発ってからこっち、ずっと考え続けてきたオーディを戦闘に引っ張り出す方法が、全部引っ込むくらい、ぐう正論だった。

 

 だって、今のオーディが依頼とかで1日掛けて頑張ったとしても、まあ調子いい日で4~5000gpくらいのもんですよ?

 それに対し、ネフィアに潜ったときは、一応1日当たりの報酬は10000gpを超える。

 だけど、その分ネフィアに潜りに行くまでの時間がかかるし、回復ポーションなどの投資代金も馬鹿にならないから、やはり実際の日給はガクッと落ちる。

 

 そこに、マグロ1匹10000gpだ。

 いや、流石にオーディが売りに出したとしたらもっと値段は落ちるだろうけど、もし商売としてやっていくなら、それでも十分な金額が手に入るようになるだろう。

 

 (まあ、正直釣りメインの方が捗りそうな勢いだな。お前釣りを始めてからそんな時間が経ってるわけじゃないし、まだまだ腕の方に伸びしろはあるだろう。

 ということは、今以上に収入が伸びる線が大きいということだ。そうなれば、冒険者をやるならこうして釣りで装備を整えた方が効率が良いだろう。

 そして、そもそも釣り一本で生きていくなら、もう今の時点で十分食っていけるレベルだろうな)

 「……どうしましょう」

 (……どうしましょうって言われたってなあ)

 

 ここで、俺がオーディに対して最適の助言をすることはできん。

 俺にとっての最良と、オーディにとっての最良が食い違ってしまったからだ。

 俺からしてみれば、もっと戦闘をし血を吸いたい。そのためには戦場に出る必要がある。

 オーディからしてみれば、釣りである程度金が稼げるようになった以上、それに打ち込むのがベスト。わざわざ死亡のリスクを背負ってまで、戦場に出る必要はなくなった。

 今までは、オーディが成長することで、俺ももっと上質な血が吸える、というメリットがあったから色々と助言をしても問題なかったが、こうなってしまっては今まで通りという訳にはいかない。

 

 故に、ここはこう言うしかあるまい。

 

 (まあ、お前が決めることだろう。釣りで食っていきたいのか、冒険者で食っていきたいのか。

 そして冒険者で食っていくとしても、釣りで稼いでからやるのか、あくまで冒険者として稼いでやるのかをな)

 「剣さんは、それでいいんですか?」

 

 それでいい、とは、オーディが決めていいのか、という事だろう。

 こう聞くということは、オーディの中では釣りをメインにしてやりたい、と決まっている可能性が高い。

 その上で、それでは俺が血を吸うことができないからと、気を遣ってくれているわけだ。

 もし、ここで釣りばかりはつまらないから、ネフィア潜りもしたいと言えば、オーディはそれに応えてくれるかもしれない。

 まあ此処で一番いいのは、週一回戦闘の機会が欲しいとか、オーディに頼むことだろうな。

 そうすれば、オーディは俺のために、ある程度行動に融通を効かせて"くれる"だろう。1年にも満たない短い付き合いだが、それくらいの関係は築けていると思う。

 

 

 

 だが、そんなことはしない。

 俺が本当にしたいのは、モンスター相手のちょっとしたお食事なんかではない、異世界転生オレTUEEEEEなのだ。

 お互いにメリットを提供し合う関係ならばともかく、オーディから一方的に施され、それを享受するようならば。それはもう、オレTUEEEEE等ではない、只のペットか何かだ。

 いや、この世界だとペットは戦闘員か?まあそれはどうでもよろしいが。

 故、ここでオーディに頼み事をするわけにはいかないのだ。

 

 (オーディ、俺は剣だぞ。あくまでお前に使われているだけに過ぎん。それでいいとかじゃない、そうなるのが自然なんだ)

 「そんな、使われているだけなんて!私は剣さんのことを、その、お友達だと思って……」

 (そうか、まあその気持ちは受け取るにしても、俺はお前との関係を剣と使い手だと思っている。だからお前の意志を捻じ曲げてまで、戦闘に駆り出す気はないさ)

 「でも、それじゃあ剣さんが……」

 

 (なに、別に俺が一生血を吸えなくなるってわけじゃない。

 俺は神器の生きた武器だからな、オーディよりもよっぽど寿命は長いだろうさ。オーディが死んだ後に、また別の使い手にモンスター狩りに連れ出されるだろうよ。

 それまで俺の事を、しっかりメンテナンスでもしてくれりゃあいい。オーディだって魅力を一気に上げられる俺の事を、手放す気はないだろ?)

 「それは、そうじゃなくたって、もちろん剣さんを手放す気なんて無いですけど……」

 

 ま、手放す気があるんだったら、他の戦闘意欲旺盛な奴に売り払って貰えばよかったから、むしろ楽だったんだけどな。いやはや、有能って辛い。

 だが、オーディが俺を手放す気が無い以上、俺はオーディと付き合っていくしかないわけだ。

 そして、こうして今も俺の事を気にしているオーディを、血吸いで脅してでも無理やり戦わせる、なんてことは流石にしたくはない。

 気に入らん持ち主だったらやってたかもしれんが、オーディは前世と合わせても一番かってくらいには仲がいい、だから脅すのも無しだ。そこ、お前は前世でぼっちだっただろ、一番になるの当たり前じゃんとかいうな、傷つくから。

 

 (とにかく、決めるのはお前の都合でやれ。可哀想だから、なんて気を使われたりしたら、逆に迷惑ってもんだ)

 

 可哀想がられるオリ主とか惨めなだけだからな。悲しい過去を背負ってるのね、なんてタイプのは、俺の趣味じゃないのだ。

 オーディはまだ俺の言ったことに戸惑っている様子だが、多分なんだかんだ俺の言う通りにするだろう。

 

 俺が本気で言っているってことは、きっとアイツにも分かってるからな。実際、変に気を使われた方が不愉快だし。

 30秒ほどウンウンと唸っていたオーディだったが、不意に顔を上げ、俺を両手に握って話し始める。

 

 「分かりました、剣さん。じゃあこうします、私は今のところ釣りがしたいですし、冒険者をやめるかまでは分かりませんが、しばらくの間は釣りで稼ぐことを目指すことにします」

 (なるほど、それ「でも」……ん?)

 

 「一週間に一回くらいは依頼でも何でもして、モンスター退治に行きましょう。それくらいはしないと、腕もなまっちゃいますしね」

 (はあ、オーディ、言っているだろう。俺の為じゃなく自分の為に決めるべきだってのに)

 「だから、自分の為にですよ、剣さん。たまには戦わないと、冒険者に戻りたくなっても戻れなくなりそうですし、なにより私、剣さんが喜んでるところも見たいです。

 毎日っていうのは大変ですけど、週に一日くらいなら、モンスター退治しに行ってでも」

 

 

 そう言ってオーディは、にこりと笑う。

 そうきたか。

 いやもう、どう反応していいものやら。

 

 (ああ、うん、そう。なら、うん、いい、のか?)

 「あ!剣さんが照れてます!珍しい」

 (照れてねーよ。ちょっと面食らって、如何返していいのかって、分かんなくなっただけだよ)

 「言っておきますけど、なんて言われても変えたりしませんからね。だって、本当にそうしたいんですから」

 (あーはいはい、分かった分かった。そんじゃあ、そういう事にさせて貰おう)

 

 こうなったからには、オーディは自分のやりたいことを曲げはしないからな。

 ここは、オーディがそうしたがっているから仕方ない、ということにして、有難くその通りにさせて貰うとしよう。

 

 なんつーか、いい奴なんだよなー。異世界転生してオレTUEEEEEしたいとか言っているような、捻くれボッチには少々眩しすぎる。

 まあ、これでこっからの方針については決まった訳か。

 取りあえず、しばらくは釣りに専念して金を稼いでいく。

 で、冒険者を続けるかどうかについては、ゆっくり考えると。

 

 「それじゃあ、今日は宿屋に行って休んでしまいましょうか。ヴェルニースからこっち、警戒続きで一睡もできなかったから、ちょっと眠たいです」

 (了解だ、時間的にはもう夜に近いしな。冒険者に時刻は大して関係ないとはいえ、まあ丁度いい頃合いだ)

 

 

 

 オーディは、いつも泊まっている宿へと向かう。

 冒険者である俺達には、町に決まった住所というものはない。

 オーディは俺と出会う前、大抵野宿をしていたそうだが、俺と出会ってからは出来るだけ、宿を借りるようにしている。

 

 理由は二つ、一つは成長ボーナスが付く可能性が高いからだ。

 ゲーム世界においては、良質な寝床があればあるほど、そこで寝た時に潜在能力が上昇する仕様になっていた。

 この世界でも、それが再現されている可能性は高い。

 流石に王様ベッドを使うことは、一冒険者であるオーディにはできないので(というか、当然と言えば当然だ。だって、そこで王様が寝るんだから)、宿屋に行って部屋を借り、そこで寝るようにしている。

 宿屋である以上、多少金はかかるが、大した値段にはならない。

 

 ベッドなどを買って、這い上がり拠点などで寝た方が、最終的な金銭効率が良いのでは、という意見もあるかもしれないが、そこで二つ目の理由が出てくる。

 宿屋で寝るということは、周りに人が居る状況で寝れるという事。

 すなわち、盗難などの被害にあう可能性が低いのだ。

 この世界では、盗みが成功してしまえば、その物品の所有権がその人間に移ってしまう。

 そうなってしまえば、もう盗まれた品を正当な手段で取り返す術はない。既にそれは盗んだ奴の物になっているからだ。

 

 宿屋で寝るということは、そういった自衛も兼ねている。

 いくら俺がオーディが寝ている間も警戒をしているとはいえ、視界や注意力の面などから限界がある。

 俺を始めとする、様々な貴重品を守るためには、ある程度の投資が必要だ。

 その点、宿屋で寝ていればそれだけで、怪しい人間がこの部屋に入ろうとした時、店主がそれに気づいてくれるという訳だ。

 この世界では、窃盗は殺人以上の大罪である。その分周りの人間も盗みに対して敏感で、そういった犯罪を積極的に止めようとしてくれるから、中々に安心できるのだ。

 

 俺達が宿屋で寝る理由についてはそんなところなのだが、宿屋の利用者には、俺達が知るだけでもう一つ目的をもっている奴等がいる。

 

 「あら、あなた中々に見どころがありそうな顔してるじゃない。どう?私と夢のような一夜を過ごしてみない?」

 「え?え?」

 

 声をかけてきたのは、ピンク色の髪をした化粧の厚い女だ。

 服装は非常に露出が多く、見ただけで商売女かと思わせるもので、剣になった俺から見ても、まあ扇情的だなと思わせる所がある。

 

 そう、娼婦との『気持ちいい事』に及ぶための場所としても、宿の部屋は使われているのだ。

 ダルフィならいざ知らず、このパルミアでは道の真ん中で情事を行われたりすることはまず無い。

 人の邪魔になるし邪魔をされるし、そもそも如何に無法地帯のノースティリスとはいえ、余り道徳的によろしい行為だとされているわけでもない。それは、ゲームでカルマが下がることからも明らかだ。

 なので、そういった相手に乏しい冒険者が利用する宿屋の中で、そういった行為が行われているのだ。

 まあ、ラブホだわな。

 

 「私、娼婦のジェンって言うの。税金を納めるためにわざわざダルフィから来たんだけど、折角の夜なのにお相手が居なくて寂しかったのよ。

 腕が3本あるってことはカオスシェイプでしょ?その割には中々見れる顔してるし、カオスシェイプの人としたことが無かったから、誘ってみようと思って。私からお誘いした分、お値段の方はお安くしておくわ、1200gpでどう?」

 

 なるほど、何でオーディに声をかけたのかと思ったら、そういう事か。

 これまでオーディは、こういった類の勧誘を受けたことが無い。見た目がどうとかの話ではなく、この町の娼婦が少ないため、一人当たりの需要が多く、娼婦が自分で声掛けをするということ自体少ないのだ。

 だが、この町で商売をやっているわけでないジェンとやらには、固定客というものはない。

 そのため自分から声をかけてきた、という訳だ。

 1200gpというのは、相場と比べても安そうだし、声をかけた理由としてはカオスシェイプのオーディに興味を持ったというのが大きいのだろう。

 

 ちなみに、オーディは自分からそういった所に行くタイプではないので、これまでは気持ちいい事をしたところを見たことが無い。

 俺を持つ前はめっちゃ不細工だったし、多分未だにそういったことをしたことは無いだろう。

 その為か、オーディの奴、めちゃくちゃキョドっている。

 

 「えと、えと、つまりそういうことですよね?でも、ジェンさんって女の人じゃあ……」

 「結婚をするならともかく、『気持ちいい事』をするだけよ?別にそんなに気にすることないじゃない。それとも、私の事お気に召さない?」

 「いえ、そういう訳ではないんですけど、こう踏ん切りがつかないというか。ど、どうしましょう」

 

 オーディが、ツンツンと俺の事をつついてくる。

 多分これは、どうしましょうは俺に向かって聞いていて、アドバイスが欲しいんだというアピールだな。

 

 (流石に風俗の事まで知らんぞ。それこそお前が決めればいいだろ、金を出してまでヤリたいかどうかだ)

 「う、うう……」

 

 オーディは、カオスシェイプの血から来る青白い肌を赤く染め、もじもじとしている。

 ああ、これ絶対したいけど恥ずかしくて言えない奴だわ。2ポンド賭けてもいい。

 

 「じゃ、じゃあお願いします。えっと、1200gpですよね、こちらどうぞ」

 「はいはい、前払いとは気前がいいじゃない。それじゃあ部屋行きましょうか、どの部屋なの?」

 「あ、まだ部屋を取っていないんです。今からとってきますね」

 

 そう言って、オーディは宿屋の店主の下へと向かう。

 二人部屋を注文すると、店主は訳知り顔で無言で部屋の鍵を渡してきた。

 オーディは気恥ずかしげに鍵を受け取ると、ジェンの奴を連れてその鍵の部屋へとイソイソ入っていく。

 

 部屋に入ると、オーディは俺の事を鞘にしまった。

 この鞘は、町の武具店で作ってもらった俺の置き場所だ。

 呪われている俺は装備から外すことができないので、寝るときなどは腰についている、ここに仕舞われることになる。

 オーディは、『気持ちいい事』を覗かれたくないので、鞘に納めたのだろう。

 まあ、普通はそうするだろうな、見られながらがいいような変な性癖があるようには見えないし。

 俺としても、別に残念って訳でもない。

 剣の俺は、美的価値観こそ生前と同じく人間に沿っている者の、別にそういった行為に対する欲求は大して無いのだ(少しはあるとは言う、本当に少しだけどな)。

 どちらかと言うと、そんな可愛い女の子たちの血液を、じわりじわりと吸い尽くしたい。自分の中で、自分とまぜまぜしたい。

 まあ、俺の性癖に興味あるやついないだろうけどな。

 

 「それじゃあ、始めましょうか」

 

 と、どうやらおっぱじめたようだな。

 口づけの音の後、ドサッという音と共に、ベッドに倒れ込んだらしき衝撃がする。

 そのままスルスルと衣服と体が擦れる音が聞こえ

 

 

 

 

 

 

 

 

 キングクリムゾン!結果だけだ!この世にはオーディとジェンが『ねうねう♪』したという結果だけが残る!

 

 

 

 

 

 

 

 20分ほどして、どうやら行為は終わったようだ。

 鞘の外からは、荒い息遣いと、「もうムリですう」等と朦朧としながら言っている、オーディの声だけが聞こえる。

 

 これって短いんだろうか、長いんだろうか。比較対象が無いからわからん。

 

 しかし、こうなると外の様子見えないし暇だな、オーディは初めてのそれで、グッタリと倒れているようで動く気配がない。

 さっさと起きてくれるといいのだ、が……?

 

 なんか、違和感がある。

 体の何かが解れていく感じだ、別に体に異常があるという訳ではないのだが、何かが起こっている気がする。

 ……待てよ、この解れていくもの、どこかで覚えがあるような気がする。

 そう、ずっと前だ、それこそ俺がこの世界に来て間もない頃……。

 

 !

 これは装備者との繋がり、すなわちオーディとの繋がりだ。

 何かよくわからんが、呪われていて外れないはずの俺とオーディの繋がりが、切れそうになっている。

 

 (オーディ、起きろ!なんか知らんが取りあえず起きろ!)

 「うきゅう、許してぇ……」

 

 駄目だな、完全におかしくなっている。

 ゲームの中でも、気持ちいい事をした後は不安定になり、狂気に陥ることがあった。恐らくそれだろう。

 やむを得ん、血吸いをしてでも無理やり覚醒を促して……。

 これも駄目か!オーディとの繋がりがあやふやになっているせいで、まともに血を吸うことができん。

 ……いや、血を吸うことができる?

 オーディではない何かから、俺は今、血を吸い取っている。

 

 「っちちち!こらこら、ええ子にせんかい。ちょっと吸われたくらいで死にゃせーへんけど、やっぱりキツイもんがあるわ」

 (その声、聞き覚えがあるな。ポート・カブールで)

 「お、正解や。よう覚えとってくれたなあ、ウチ嬉しいで?」

 

 ……薄々可能性に思い当たってはいたが、やはりこいつあの時の商人、ロックとかいう女か。

 恐らく、あのジェンとかいう女はロックの変装だったのだろう。

 宿屋の部屋に潜り込み、安全に盗みを働く為に娼婦に成りすましていたのだ。

 そして、俺が話しかけたことに驚かないということは、俺と言う存在についてバッチリ把握しているとみてよさそうだ。あの襲撃の時以外でも、こっそり隠れて情報収集をしていた可能性が高い。

 まったくもって、用意周到なことである。

 

 「お嬢さんに話しかけても無駄や。やってる間に少しずつ、口移しで媚薬と睡眠薬飲ませて、その上散々ヘロヘロにしたったからな。しばらくは起きんで」

 (で、その間に俺を盗もうって訳か。それだけ手間をかけてまで俺が欲しいって?)

 「おうよ、これでもウチはこの界隈で、生きてる武器の専門家で通っとるからな。そのウチがこんな掘り出しもん放っとくなんてありえんへん。評判ガタ落ちや」

 (ふむ、なるほどな。いくらなんでも、商人が武器一つに執着しすぎじゃないか、と思ったらそういう訳か)

 

 つまり、物珍しい生きている武器を専門としている以上、俺みたいなやつを取り扱えれば店の評判が上がり、逆に取り扱うことができなければ評判が下がる、ということだろう。

 そして評判が下がることを気にする、ということは俺たちの存在を知っている人間が、ロックの他に居るということだ。そうじゃなければ評判の落ちようがないからな。

 ならば遅かれ早かれ、こうなるのは必然だったかもしれんな。

 生きてる武器を駆け出し冒険者が持っている、と有名になれば、力づくで奪いに来たがる奴はいくらでもいるだろう。

 

 「さて、盗みを働きながらで悪いけど、物は相談や。そうやって警戒すんのはやめて、素直にウチの物にならん?アンタとお嬢さんが仲ようしとるのは知っとるけど、最近殺し合いは少な目なんやろ。溜まっとるんとちゃう?」

 (そこまで調べてきているわけか。それにしても、生きてる武器が血を吸う事が喜びだと知ってるとは、随分とその方面にお詳しいようだな)

 「言ったやろ、生きてる武器の専門家やって。まあ、色々と実験とかがあって、生きた武器は強い生物の血を好むと分かったんや。ウチがやった訳や無いけど、お得意さんが教えてくれてな。

 で、お嬢さんとお別れする気はないんか?装備した瞬間、あんたが血吸いし続けてくるようじゃあ、商品にならんからな。ウチとしては、出来れば合意の上で手に入れたいんや」

 

 おおっと、只じゃあらへんで。といいつつ、ロックはゴソゴソと音を立てる。

 

 「ほれ、アンタが欲しがっとった、名前の巻物や。もしウチの物になったら、これで改名したるで。今の名前、気にいっとらんのやろ」

 

 なるほど、当然そのことも知っているだろうな。

 そして、商人のネットワークか何かで、どうにかそいつを手に入れた上で接触したわけか。

 

 (……鞘に入ってるから、出されても見えないのだが)

 「おっとこいつは失礼、てっきりその状況でも周りが見えとんのかと思っとったわ。これでどうや?」

 

 そういうと、ロックは俺の事を掴み、鞘から引っ張り出す。

 視界の中には、ベッドに倒れているオーディと、別に鑑定結果が分かるわけではないから、結局『名前の』か分からない巻物、そして見慣れない茶髪の女がいた。

 年の頃20代半ばと言った所か。背丈は女性にしては高く、小狡そうな顔をしている。

 こいつがロックだろう、ジェンの時とは似ても似つかない顔だ。

 俺の事を抜き取りながらも、窃盗の手は休めていないらしく、どうやってかは分からないが、どんどんオーディとの繋がりが外れていく。

 

 (そいつが名前の巻物か……。まあ盗まれるのはもう止められんだろうし、この際主人の鞍替えはいいだろう。オーディの事は気に行ってはいたが、別にあいつに拘るほどでは無いからな)

 「お、そうなんか?あの嬢ちゃん『お友達~』とか言ってたから、てっきりアンタの方もそんな感じなんかと思とったわ」

 

 まあオーディの方は確かにそんな感じだな。俺の事を手放す気はないとか言ってたし。

 しかし、だからと言って俺の方はそんなでもないんだよな。

 

 オーディと会ったのは、元々エヘ様が持ち主を連れて来てくれただけだし、その後オーディの物だったのも、只の成り行きだ。

 別にオーディと約束をしたわけでもないし、俺がオーディを主人にしなければならない、という理由はどこにもない。

 

 さっき、オーディを無理に起こそうとしたのも、あくまで今は俺の持ち主だからだ。

 そうでなくなれば、特に奴を守る理由はない。

 

 (結局のところ、俺は只の剣だからな。俺が人間だったらアイツは友人として良い奴だったかもしれないが、行動を共にする主人としては微妙だ。……ただ、お前の売り先が、また平和主義者なんかだと困るんでな。新しい持ち主については少々口出しさせてもらうぞ、それが条件だ)

 「よっしゃ、交渉成立やな!盗みの方も終わった、そろそろ退散させてもらうとしよか」

 

 確かに、オーディとの繋がりは完全に切れたようだ。今まで感じていた繋がりは消えているし、俺の効果によって変わっていたオーディの顔が、最初の頃のような悍ましいとさえ形容できそうなソレに、みるみると戻っていく。

 

 「うっわ!嬢ちゃんが急にブッサくなりおった!なんやこれ、呪いか何かか?」

 (ああ、そいつは元々そんな感じだ。俺の魅力ボーナスで、今まであの顔になってただけでな)

 「ほう、どれどれ……。うわっ、エンチャント山盛りやんけ!こりゃええもん手に入れたわ、呪われててもお釣りがくるやん。商人にとってこんなええ装備ないわ、私も装備しとこ」

 

 そう言うと、ロックは俺の事を装備する。

 変化はすぐに表れた。ロックの場合元から中々に見れる顔だったため、劇的な変化こそなかったが、それでもどこかのアイドルか、と思わせる程度には整った容姿へと変わっていく。

 小狡そうな感じは変わらないが、それでも街中ですれ違えば、つい振り返ってしまいそうなレベルだ。

 ロックは自分の顔を見るため、持っていた変装セットの鏡で、顔を確認する。

 

 「っはー、こいつは半端ないわ。これなら、バンバンお客さんに吹っ掛けられそうやわ」

 

 まず出る感想がこれか、こいつ根っから守銭奴っぽいな。

 あんまり人間的には俺の好みじゃなさそうだが、俺の機嫌を取るために、名前の巻物を用意するという姿勢は悪くなかったし、何より新しい持ち主様ってやつだ。

 まあ、関係が悪くならない程度には融通してやろう。

 

 (そうそう、そいつ謎の貝っていうアーティファクトも持ってるから、そいつも盗んでおいたらどうだ?音耐性やら、神の声が聞こえたりやら、結構使えると思うぞ)

 「アンタ、元持ち主様に対して、中々にえげつないな……」

 (別に、あいつが持ち主だったから味方をしていたってだけだ。アンタが持ち主だってんなら、当然そっちの手助けをするべきだろう)

 「まあ、ウチは得しかせんからええけども。ほんなら、そいつも頂いてくとしよか」

 

 そう言って、ロックはオーディの首飾りへと手を伸ばす。その時

 

 「うぅん……、ぇえッ!?あ、あなた誰ですか!?」

 「っち、もう起きよったか。割と早かったな」

 

 オーディのやつが目を覚ましたようだ。残念ながら、謎の貝の奪取は無理そうだな。

 ロックもそう判断したようで、瞬時にオーディから距離を取る。

 

 「その声、確かロックさんですか!剣さんは渡しませんよ!」

 「ざーんねん、そいつはもう頂いたあとなんや、ほれこの通り」

 

 ロックが、手元の俺を見せびらかす。

 オーディの只でさえ青白い肌から、更に血の気が引き、慌てて腰の鞘を見るがそこには俺はいない。

 

 「それは私のです、返してください!」

 「返せって言われて返すわけあらへんがな。嬢ちゃんの剣君も、ウチの物になるって言うてくれたで」

 「う、嘘ですよね、剣さん!」

 (本当だ、と言ったところで聞こえはしないけどな)

 「まあ、こうして血吸いで死ぬ様子が無いってのが何よりの証拠やろ。それより嬢ちゃん、今度はその首飾り売らへん?中々ええもんやって聞いたんやけど」

 

 俺がロックの物になっていると聞いたオーディは、打ちひしがれた様子で項垂れており、ロックの声が耳に届いていないように見える。

 

 「んー、聞こえとらん見たいやな。もし万が一乗ってきたら儲けもの、って思っとったんやけど。ああ、でもこの様子やったら、もしかしたら無理やり取れるんとちゃうか?」

 

 ロックはそう言って、改めてオーディへと近づく。

 すると、オーディは急にグイっと顔を上げ、バックパックから一つの杖を取り出した。

 

 「うわあああああああああ!」

 「おお?なんや、杖なんか取り出して、テレポートで尻尾撒いて逃げるんかいな」

 (……いや、あの様子から見ておそらくあれは、)

 

 俺がいいきるより前に、オーディはそのしわがれた声で叫びながら、やたらめったらに杖を振り始める。

 あれだけ取り乱したオーディを見るのは、初めてかもしれんな。

 と、そんなこと言ってる場合じゃなさそうだ。

 部屋の中は見渡す限り、モンスターで埋め尽くされ始めた。

 

 「ちょっ、あれモンスター召喚の杖かい!」

 (ああ、しばらく前にダンジョンで拾った奴だ)

 「やけになって振ってるって訳やな。でも幸い、出したモンスターはあの嬢ちゃんの味方って訳や無いし、大した脅威にもならんやろ、そんなら隙をついて首飾りを取って逃走を!」

 (それはやめたほうが良さそうだな、右斜め前をちょっと見てみろ)

 「あん?……げっ!」

 

 そこには、オレンジ色の刺々しい岩の塊が居た。

 敵味方構わず、場合によっては高位の冒険者すら一撃で吹き飛ばす、と言われる冒険者たちの恐怖の象徴、

 

 

 ……爆弾岩だ。

 

 「あ、あれはあかん!しゃーない、さっさと撤退や!」

 

 そういって、ロックは腰のバックパックからスクロールを取り出し、聞き取れないような超早口で、一瞬で読み上げる。

 すると、空間が歪み、気付くと俺達は宿屋の前へと転移していた。

 恐らくショートテレポートの巻物だろう。

 ふと、宿屋の方向へ目線を向けた瞬間、『ズドン!』という爆発音が、宿屋から聞こえた。

 

 「あーあー、派手にやったもんや、ありゃ絶対死んだやろうな。ま、目的は達成したからええわ。よろしくやで、えーと、なんて呼べばええやろかな」

 (オーディの奴は剣さんって呼んでたな、まあ呼び方についてはお前に任せるさ)

 「うーん、じゃあ名前からとってぼっちゃんで(そうしたらお前を吸い殺す)……任せとらへんやんか。せや、後で早速名前の巻物つこーたるわ、あだ名についてはその時決めるとしよか」

 (あだ名なのは決定なのな……)

 

 そういいながら、爆発で大騒ぎになっている宿屋を後にする。

 

 半年以上の付き合いであるオーディと完全に別れたというのに、不思議と大した感慨は湧いてこない、むしろロックと一緒にいる方が自然に感じる程である。

 これは、俺の性格の問題なのだろうか、それともこの世界ではこれが普通なのか、はたまた俺が剣だからなのか。

 ……呪われてるから、そっちに引っ張られてるとかだったりしてな。

 

 まあ、そんな事には大して興味はない。

 せっかく、もっと強い敵を斬らせてくれる持ち主に、会うことができる可能性が出てきたんだ。

 それを楽しみに待つとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 気が付くと、オーディはいつもの拠点で目を覚ましていた。

 まだ定まらない頭で、腰の辺りを探る。

 そこには、最近いつも居た剣はいなかった。

 

 「剣さん、なんで、どうして……」

 

 どうして行ってしまったのか、何が悪かったのか、私の事を友達だと思ってくれていなかったのか、釣りばっかりしてたから、嫌われてしまったのか。

 そんな疑問ばかりが頭の中を渦巻いている。これからどうすればいいのか、なんて考えたくはなかった。

 

 それでも、10分も経つと大分頭が冷えてくる。

 だが、だからと言って何か状況が好転するわけでもなかった。

 あの、自分の最大の短所である、醜い顔を覆い隠してくれていた剣は、もうこの手にはないのだ。

 

 「どうすればいいんでしょう、これじゃあ、街に行っても追い出されちゃうかもです」

 

 少し前まで自分に向けられていた、あの嘲るような、恐れるような表情を思い出す。

 その頃は、それが普通だったから耐えられていた。

 これまでは、もうその記憶から解き放たれていたから、気にならなかった。

 だが、人から温かい言葉を向けられることを知り、友達、だと思っていた存在ができた今、またその表情を向けられることに、耐えられそうになかった。

 

 あの温かい世界を知ったからこそ、今自分がいるこの冷たい世界が怖い。

 剣さんはこれからは楽しい事しかないといったけど、また自分はこの世界に逆戻りしてしまった。

 

 そう言った彼が離れて行ったからだ。

 だからといって、彼を責める気にもならなかった。

 そうしても、どうにもならないからだ。

 

 ふと、視界の端に丈夫そうな縄が見える。

 あれなら、自分がぶら下がってもちぎれないだろう。

 ……逃げてしまえばいいのではないか?

 あれで自分の命を絶って、そのまま埋まってしまえば、もうこれ以上辛い思いをすることは無い。

 

 それは、一度頭の中に浮かぶと、酷く魅力的な輝きを持って、オーディを誘って来た。

 

 そうだ、自分はもう十分頑張ったじゃないか、それでもどうにもならなかった。

 もう諦めてしまえばいい、これからいくら頑張ったって、きっとあの剣が居た時のような喜びを、また味わうことはできないだろう。

 

 手が勝手に動いた、近くにあった枝に吊るし、その前に立っている。

 心臓がドクドクと鳴っている。

 涙は出ない、もう何も感じる気がしなかった。

 

 そして、縄に向けて手を伸ばす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ”奇跡”が、起きた。

 

 そこには、純白のローブを着た、翼を生やした美しい女性がいた。

 

 彼女は、オーディに勢いよく抱き着き、強く抱きしめたまま地面へと押し倒す。

 

 

 

 「そんなこと、絶対しにゃいで!ずっと一緒に居てくれるって、約束して!して!」

 

 「エヘカトル、様……」

 

 

 幸運の神は、いつもの様子からは想像もつかないような毅然とした顔で、オーディに強く語り掛けてくる。

 

 ああ、何で自分は忘れることができたんだろうか。

 いつでも見てくれてるって、知ってたはずだったのに、守ってくれてるって、分かってたのに。

 

 今まで我慢してきた涙が、自然と流れてきた。

 悲しいからではない、心の底から、安心することができたからだ。

 

 

 「……ごめんなさい、ごめんなさいっ!エヘカトル様ぁ!ありが、とうっ、ありがとうっ!」

 「うみみゃあ!」

 

 エヘカトルは誇らしげに一声鳴き、ただただ、自らの子をあやすように、両腕の中のオーディを抱きしめ続けた。

 

 

 

 

 

 

 あれから、1時間は経っただろうか。

 エヘカトルはもういない、オーディが立ち直ったと知ったとき、いつの間にかいなくなっていた。

 だが、もはやオーディの心の中に不安はない、自分の輝きを信じて、見守ってくれている存在を知っているからだ。

 その横では、いつの間にやらそこに居た黒猫が、「にゃあ」と鳴いている。

 

 「あら、かわいい猫さんですね。一緒に行きますか?」

 「にゃ!」

 「ふふ、じゃあ行きましょうか」

 

 もう、自分が折れることは無いと、オーディには自然と理解することができた。

 たとえ自分が何もかも失ったとしても、信じられるものがあれば、また立ち上がることができる。

 

 「目指せ、最強冒険者です!」

 

 心安らかに、しかし確かな闘志を秘めて、オーディは新しい冒険への一歩を踏み出す。

 

 

 

 

 

 

 

 




 ※後書きです、そういうの要らない人は、読み飛ばしてください。

 まず最初に、オーディちゃんと主人公の更なる冒険を待っていた人、ごめんなさい。
 オーディちゃんとの冒険はここまでとなります。

 途中で持ち主を変えるのは、最初から決めてました。
 折角剣を主人公にしたので、色々なプレイスタイルの人間と付き合わせようと思ってたので。

 それどころか、最初のプロットだと、オーディちゃんここでそのまま埋まってもらう予定でした。

 純粋だったオーディが、人にちやほやされ始めて調子に乗ってきて、だんだん自分の都合を優先させ始める。
 徐々に主人公との間に溝ができていくオーディ、しかし彼女は対人経験が少ないので気付かない。
 そこで主人公を奪われ、全てを失ったオーディは、失意のままに埋まることとなる。

 こんな流れだと、主人公に感情移入しやすいだろうし、何より呪われた武器の物語らしいんじゃないか、という判断でした。

 でも、4話目だ5話目だか辺りを書いてるうちに、こんな疑問が頭をもたげ始めました。


 クミロミ様が心配しながらも傍観し、
 ルルウィ様が呆れて立ち去り、
 オパートス様が只いつも通りにある中で、
 唯一抱きしめて、『死なにゃいって約束して!』と言ってくれるあのエヘカトル様が、黙ってオーディを埋まらせるのか、と。

 結果、このような終わり方になりました。

 その分オーディちゃんが大分天使になり、読者の方々が主人公に感情移入しにくくなったんじゃないかと心配です。
 でも、その代りにこれ以上盛り上がるところ、これ以降に作れるか?って個人的には思うくらい、自分では納得できる終わりをオーディちゃんにプレゼントできたので、後悔はしていない。


 さて、これからしばらくは、ブラックマーケットの生きてる武器担当商人、ロックとの旅になります。

 自分の作品なわけですから、自分にとっては気に入るキャラに作ったのですが、サブ主人公だったオーディちゃんから無理やり剣を奪ったわけです。
 読者の方々が、あまり彼女にいい印象は持てないんじゃないかなー、とか心配してます。

 でもご安心(?)下さい!
 関西弁書くの思ったよりきついので、多分早々に退場します!

 まあ、何が安心できるのかわからない上に、彼女の次も大分クズい相棒の予定なんですけどね

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