◆それは生きている   作:まほれべぜろ

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戦士ギルド、再来

 「久しぶりのポート・カブールですね、剣さん」

 (ああ、前に来たのが4月だったから、2か月ぶりってとこか)

 

 今回俺達がポート・カブールに来たのは、別に前の事に懲りず魚を買いに来たから、って訳じゃあない。

 前に訪れた時戦士ギルドに加入したのだが、その時課せられていたノルマを達成できたので、その報告に来たのだ。

 

 このノルマだが、ゲームの時とは違って特定のモンスターを何匹倒す、といった類のものではなかった。

 ギルドの目的がモンスターの駆除である以上、冒険者が狙うモンスターの種類に拘ってしまい、市民の安全確保に支障が出ては本末転倒。

 そのため、依頼での退治や野原、ネフィアでの間引き等で、どれだけモンスターを倒したかが見られることとなる。このあたりの変化はやはり、ゲームから現実に落とし込む際に生まれた差異なのだろう。

 

 で、『オーディと俺の力ならば、与えられたノルマを達成するのに、正直言って1か月もかからないだろう』ノルマを貰った当初、俺はそう思っていた。

 しかし、実際はその2倍の時間を費やすこととなっている。

 それはなぜかと言うと……

 

 (オーディ、今お前、海の方に釣りに行こうとしてただろう)

 「ギクッ!だ、だめですかぁ?」

 (いや、いくら何でもハマりすぎだろ。ここ一週間、まともに戦闘したのは、討伐依頼での2、3回くらいだし、後の時間大体釣りしてたじゃねーか。もう冒険者じゃなく、漁師かなんかだろ)

 「うう、剣さんが戦闘したいのは分かってるんです。でも釣りって、できるようになってくると楽しいし、いっぱい魚を釣るとエヘカトル様喜んでくれるし、ついやりたくなっちゃって」

 

 そう、オーディが釣りにのめりこんでしまったのだ。

 この女、最近釣りスキルが上がってきたのが嬉しいのか、隙あらば釣りに向かおうとしている。

 その為、最近の俺はめちゃくちゃ暇だ。もっぱらオーディの横で、釣りを見続ける日々である。

 俺も成り行きだったとはいえ、一応エヘカトル信者だから、魚を捧げるのは大切なことだろうと思うし、別に釣りを辞めろという訳ではない。

 それでも流石に、毎日何時間もされるとキツイもんがある。前に思った懸念が嫌な形で当たったな、これがいつまでも続いたらマジで暇死するわ。

 しかし、一介の剣にすぎない俺では、オーディの行動を制限することはできない。

 血吸いで脅して控えてもらう、というのも頭をよぎったが、さすがにそんな事をして良好な関係を壊すつもりもない。せいぜいオーディに愚痴るくらいのものだ。

 

 でもせめて、採掘で宝石探しとかなら、耐久の能力とかが伸びるし、まだ我慢できるんだがなー。

 スキル育成はelonaの華だが、今行っている釣りで伸びるのは、オーディの戦闘スタイルでは役に立たない感覚の能力。

 そういう面から見ても、釣りが育ったとして、エヘ様の食料確保にしか役に立たないのだ。

 

 (そもそも、ここに来たのは戦士ギルドにノルマ達成を報告するためだろう?まずはそっちからやるべきじゃあないのか?)

 「初めての海釣りが私を待ってるのにぃ……。あっ!もし釣りに行かせてくれたら、ディノさんに名前の巻物の手に入れ方について心当たりがないか聞く、というのはどうですか?

 『他の人にそんな事聞いたりしたら、生きている武器を持っていることを宣伝するようなもんだから、誰かに聞くのは危ない』って剣さん言ってたじゃないですか。ディノさんならもう知ってるから、聞いても大丈夫ですよ?」

 

 ああ、そう言えばそんなことも言ったことあったな。

 しかし、オーディのやつ、この俺に対して駆け引きを仕掛けてくるとは。

 

 (バッカお前、そんな餌に俺が釣られるわけないだろ。さっさと海に釣りしに行くぞ)

 「やっぱり……ええ!?やったぁ、それじゃあ行きましょう!海はあっちの方ですよね」

 

 趣味は大事だからね、お互いやりたいことを尊重し合う関係って必要だと思う。

 

 

 

 

 

 「よく来たな、オーディ君。ノルマの達成の報告ということでいいのかね?」

 「はい、よろしくお願いします」

 

 あれから3時間ほど釣りをして、俺達は戦士ギルドへと出向いた。

 釣りの結果だが、なんとマグロの一本釣りをオーディが決めやがった。

 何でマグロがこんな浅瀬泳いでるの?とか、エサに使ったのテントウムシだったけど、マグロってこんなの食うの?とかどうでもよくなるような、見事な一本釣りだった。

 

 「ふむ、確かにノルマ分のモンスターの駆除を確認した。おめでとう、これで君も見習いギルド員から、正式なギルド員へと昇格だ。給料の方も期待していいぞ」

 「わあ!ありがとうございます」

 「さて、君も見習いを卒業したからには、しっかりとした心構えをもって……」

 

 こっからディノさんの有難げな話と次のノルマの話があったが、正直興味ないので聞き流した。

 

 

 

 「私からは以上だ。何か質問などあるかね?」

 「えっと、ギルドについては特にありません。それとは別に、ディノさんに相談したいことがあるんですけど、よろしいでしょうか?」

 「私でよければ出来る限りの事はしよう、どういったものだね」

 「名前の巻物が欲しいんですけど、店とかを覗いてもなかなか見つからないんです。何か手に入れやすい方法とかない物でしょうか?」

 「名前の巻物?武器の銘を付け直すことができるという、あのアイテムか。確かにあれは、稀にネフィアから見つかる以外に、まともな入手先が無いと言われているから、手に入れるのは困難だろうな。しかし、何故そんなものが必要なんだ?あれには特に使い道が無く、好事家が収集目的で買い取るくらいだと聞いているが」

 

 あー、この世界だとそんな扱いなのか。元の世界だと名前の巻物と言えば生き武器だったから、ちょっと警戒しすぎていたか。これなら普通に、オーディに手近な奴に聞いてもらっておいても良かったかもな。多分結果は今と同じく、大した収入は無し、と言ったところだろうが。

 というかそもそも、この世界でも名前によって生き武器のエンチャントが決まるか、分かんないかもしれんな。俺がエンチャント決めるときの感覚からして、完全ランダムで決まる気もする。

 

 (悪いなオーディ、簡単に名前の巻物を探してると言わない方が良いと言ったが、特に俺が心配するようなことは無かったみたいだ)

 「はい、全然構いません」

 

 オーディが小声で言うと、ディノが一瞬不思議そうな顔をして、すぐに合点がいったように表情を変えた。

 

 「そういえば君には*それ*があったな。もしかして名前の巻物というのも……」

 「はい。彼、今の名前が恥ずかしいみたいで、他の名前に変えたいから名前の巻物が欲しいって……ふぎゃっ!?ちょっ、痛い痛い!血を吸わないで!名前を恥ずかしがってるのバラしちゃったのは謝りますから!」

 

 当然の報いである。我が名前を弄る者には断固とした措置を取らざるを得ない。

 

 「もう、恥ずかしいからってやりすぎですよう……」

 「君の*アレ*は、自分の意志で血吸いを発動することができるのかね?だとしたら、呪われていることも合わせると、かなり危険なのでは?」

 「あはは、彼は本当に死ぬまでわざと血を吸ったりはしませんよ。私信じてますから」

 「まあ、君たちの問題だからな。君がそういうのであれば構わないのだが」

 

 ……最近、釣り好きがこれ以上ひどくなったら、血吸いを脅しの道具に使った方が良いのか、悩んだことがあったのは内緒だ!

 

 「はい、でもそれじゃあ、お店とかを覗いても巻物は手に入らないんですね。神託の巻物みたいに、どこかに手に入りやすいダンジョンとかは無いんですか?」

 「残念ながら、それも聞いたことが無い。すまないな、役に立てんようだ」

 「そんな!とんでもないです。ありがとうございました、またノルマが達成した時にはよろしくお願いしますね」

 「ああ、君の益々の成長を祈っているよ」

 

 そう言って、オーディが戦士ギルドを後にしようとしたその時、

 

 「誰だ!!」

 

 突如、ディノが戦士ギルドの入り口近くに向け、剣を構えた。

 

 「ど、どうしたんですか?」

 「私の勘が正しければ、そこに何者かが潜んでいる。……すでに逃げたようだな」

 

 ディノは構えていた剣を下ろし、オーディに向き直る。

 そんな奴いたのか、全然気づかなかったわ。

 恐らく、探知の技能か何かで見つけたんだろうな。

 

 「そんなことまで分かるんですか!ディノさんって、やっぱりすごいんですね」

 「君も探知スキルを手に入れて研鑽を積めば、すぐにできるようになるさ。戦士ギルドでは、探知の技能も教えている。もし必要になったら、手ほどきをして貰えるだけの実績を積んで、またここを訪れるといい」

 「ありがとうございます。でも、いったい隠れていたのって、誰だったんでしょうね」

 「そこまでは分からないな。だが、隠れていたということは、疚しいことがあるということだ。もしかしたら君を狙ってかもしれないし、気を付けたまえ」

 「私を狙って……」

 

 オーディは少し顔を俯かせて考え込んだ。恐らく心当たりがあるのだろう。

 俺もきっと、同じ奴を思い浮かべている。前回この町に来たとき出会った、あのロックとかいう商人だ。

 今回も奴とは限らないが、警戒するに越したことは無いだろう。

 

 

 

 

 

 オーディは不安を感じた様子ながらも、ディノに改めて礼を言い、戦士ギルドを立ち去る。

 人目に付かなそうな路地に来てから、改めて俺に話しかけてきた。

 

 「剣さん、ここでなら話しても大丈夫……ですかね?」

 (聞かれているかは分からん、もし奴が隠密に特化しているなら、きっと俺達には見つからんからな。しかしだからと言って、もうこれ以降話さない、なんてこともできんし、聞かれてもかまわない範囲で話せばいいだろう)

 「わかりました。剣さんは、さっきの隠れている人ってのについてどう思います?」

 (十中八九、ロックとかいう奴、もしくはその差し金だろうな。それ以外に俺達について調べよう、ってやつが思い当たらん。)

 「ですよね、それでこれからどうしたらいいんでしょうか」

 (まあ、それが問題になるわな)

 

 実際、あいつがどれくらい強いのかは分からない。

 しかし、もし襲い掛かって来るとしたら、それはこちらに勝てると判断した時だろう。

 その時になって後悔したのでは、遅いのだ。

 

 (奴の狙いが俺だとしたら、問題になるのはどうやって奪われるのを防ぐかだろう。一番いいのはすぐに逃げれる体制を作ることだと思う。テレポートの巻物に杖、そして脱出の巻物なんかを常に携帯して、いつでもどんな状況でも逃げれるようにすればいい)

 「それだけ、ですか?」

 (逆に言うと、他にできることが思い当たらん。殺したところで生き返ってくるだろうし、ペットにするには相手の実力が俺達より高すぎる。逃げ続けて、相手にこれ以上狙っても無駄だと思わせるのが一番だろう)

 「そうですね。例え不意打ちで殺されたりしても、剣さんさえ失わなければいいんですから、それでいいかもしれません」

 (ああ、逃げに徹していれば、そう簡単に俺を奪われることは無いだろうさ)

 

 オーディも納得してくれたようで、さっきまでの不安そうな表情も少し和らいだようだ。

 実際、俺の呪いの繋がりのおかげで、そう簡単に俺とオーディは離れなくなっているし、逃げに徹すれば俺を盗られることについて、問題はないと俺は思っている。

 

 (そしたら、テレポートの杖やらを補充に行くか。確かこの前の依頼で結構使ってたよな、もうちょい買った方が良いだろ)

 「そうしましょうか。それにしても、名前の巻物の方は残念でしたね。ディノさんが知らないってことは、ダンジョンで運良く手に入れる以外、どうしようもなさそうです。ああ、そういえば一つ、気になったことがあったんですけど、良いですか?」

 (ん?どうした)

 「剣さん、どうして名前の巻物を探しているとばれたら、生きている武器を持っていると思われると言っていたんですか?それを聞いた時には、酒場とかで誰か言ってたのかなと思いましたけど、ディノさんが言うには、あまり使い道がないアイテムとして有名みたいでしたから」

 

 ああ、そういえばその件もあったな。いい加減、何でもかんでも酒場で聞いたからでは苦しくなってきたか。

 言ってしまえば俺が現実からの転生者なのだが、出来ればオーディにそれは言いたくないと思っている。

 

 

 

 だってそれ言ったら、思わぬところで助言をくれて、色んな事に精通している生きてる武器さんSUGEEEEE!プレイがしにくくなるし!

 オーディにはある程度親しみも感じているし、ちょっとくらい便宜を図ってやりたいと思っている。しかし俺はそれ以上に転生TUEEEEEをしたいのだ、そのためには転生というアドバンテージを俺一人で抱えておきたい。

 だから、この場もなんとか誤魔化すことにしよう。

 

 (あー、それなんだけどな……。生きてる武器だから知識としてあるんだけど、名前によってその生きてる武器が、どんなエンチャントを付けるかに偏りがあるっぽいんだよ。だから名前の巻物なんて、生きてる武器の為にあるようなもんだと思ったわけだ)

 

 まあ、まるっきり嘘ってわけじゃないが、これは俺の前世での知識であって、その上に、この世界でもそうなのかは分からんけどな。

 

 「わわ、それって大発見じゃないですか!?」

 (かもしれんけど、実際どの程度効果があるかは分からんし、何より公表しようとしたら俺のことが明るみに出るだろ。今のところは俺達の秘密にしておけ)

 「そ、そうですね。じゃあ、私たちだけの秘密です!」

 (聞きたいのはそれで全部か?それならテレポートの杖を買いに行こう)

 

 上手く誤魔化せたようで、オーディは俺の言葉に頷いて、杖を探すため大通りの方へと向かった。

 我ながら、咄嗟によくあれだけの嘘が吐けるものだ。

 しかし、酒場で聞いただけじゃあこの先生き残れないな、なんかいい感じの言い訳考えとこう。

 

 

 

 

 

 「よし、結構お安くテレポートの杖が買えました、これで安心してパルミアに戻ることができます」

 (エヘ様にはマグロがあるから、今回は魚まで買わなくていいな。早速パルミアに出発するか?)

 「うーん、出る前に一応依頼だけ見ておきましょうか」

 

 言うが早いか、オーディは掲示板の前に移動し、めぼしい物が無いかを確認する。

 

 「うーん、今受けれそうなのは見当たりませんねぇ。あ、私たち以外にも名前の巻物探している人がいます!コレクションにするんですって」

 (ああ、欲しければ依頼に出すっていう手もあるのか。……げ、でもコイツ報酬に30000gpもかけてんじゃん、これが相場だとしたら、流石に手が出ないな)

 「そうですねー、あ!ヴェルニースへの配達クエストがある、これなら帰る途中にできますね。えーと、配達物は……名前の巻物?」

 

 

 

 瞬間、俺達の間で時間が止まった、思わずオーディが走ってその場を逃げ去り、路地裏へと逃げ込む。

 

 (ちょっ、まだ何も疚しい事してないだろ!これじゃまるでヤバいこと考えてるみたいじゃんか!)

 「でもでも、一瞬頭の中をよぎりましたよね!私だけじゃないですよね!」

 

 そう、名前の巻物を配達するというクエストが出ているのだ。

 ということは、その依頼を受ければ名前の巻物が一時的にとは言え手に入る。後は……

 

 (ちょっと信用が落ちて犯罪者に近くなることさえ我慢すれば、濡れ手で30000gp手に入るな)

 「だめですよそんなこと言ったら!誰かに聞かれたらどうするんですか!」

 (落ち着けオーディ、俺の声は他の奴らには聞こえない)

 「そ、そうでしたね」

 

 しかしオーディが焦るのも無理はない。

 30000gpと言ったら、今のオーディが1月働いてようやく貯めるような額だ。

 それがちょっと物品を横に流すだけで手に入ると思ったら、少し欲が出てくるのは当然だろう。

 

 しかもこの世界では、犯罪を犯したらすぐ犯罪者になるという訳ではないのだ。

 ゲームではカルマがある程度下がったら犯罪者になっていたが、この世界ではなんでも、魂の美しさに応じて犯罪者かどうかが決まるとか。

 そのため、これまで犯罪とは無縁のオーディが此処で横流しをしても、即犯罪者にはならない。汚れた分の魂もしばらく真面目に暮らしていれば、勝手に元通りになっていくだろう。

 この状況で誘惑に勝てる者は中々いないのではないだろうか。

 

 というかぶっちゃけ、俺なら迷わずやる。

 

 「ぬ、盗みはいけないことですよね。私だって剣さん盗まれたら悲しいですもん。ああ、でも30000gp~」

 (オーディ、世の中にはやらずに後悔するより、やって後悔する方が良いよねという言葉があってだな)

 「やめて!剣さん、誘惑しないで!」

 (まあそういう事言う奴は、最終的に死んじまうのがお約束なんだが)

 「ああ、でも戒められると未練が残るぅ!」

 

 

 

 

 

 「おお、これが噂に聞く名前の巻物という奴ッスか!ありがとう、これでコレクションの幅が広がるッス。これがお礼になるッス」

 「……はい、ありがとうございました」

 

 あれから結局、オーディは依頼を受けることにした。

 自分で決めたとはいえ、やはり後悔はあるようで、少し元気がない様子だ。

 依頼者と別れ、人気の少ない所まで来たのを見計らって声をかける。

 

 (そう暗い顔すんなって、別にこれでどうこうなるわけじゃないんだから、さっさとこんな事忘れればいいさ)

 「でも剣さん、私、私……」

 

 

 

 

 

 「30000gp欲しかったですうぅぅぅぅぅ!」

 (泣くな泣くな、俺だって名前の巻物欲しかったわ)

 

 そう、結局オーディはあの後正式に配達のクエストを受け、そのまましっかりとヴェルニースへ届けに行った。

 道中では、心配していたような俺目当てでの襲撃もなく、たった今、何事もなく依頼を達成したのだ。

 まああまり、卑怯なこととかは受け入れられないタチの奴だから、こうなるんじゃないかとは思っていた。

 それでも、逃した魚のかなりの大きさには、ある程度ダメージを受けているようだが。

 

 (いっつも言ってんだろうが、前の事ばっかり引きずってないで、先の楽しい事考えてやって行けってよ)

 「グスッ、はいぃ……。じゃあ、釣具店に行って、いっぱい釣りの餌買ってきます」

 (切り替え早いなおい!というか、行きがけにも餌買ってただろう!もういいって、少し控えようって!)

 

 そして、相変わらずメンタルの復帰速度もなかなかのものだ。

 これで最近の釣りへの入れ込み具合が、もう少し軽ければ大分付き合いやすい持ち主様なんだがね。

 

 

 

 結局、俺はオーディを止めきれず、オーディは大量の餌を持ってパルミアへの帰途に着いた。

 彼女は割とルンルン気分で、マグロを捧げたらエヘカトル様どれくらい喜ぶかなー、なんて言っていた。

 対して俺は、釣りを避けモンスターの血を吸いに行くために、どうやってオーディをその気にさせ、ネフィアやら討伐依頼やらに連れ出すか、を、考え続けていた。

 

 

 

 

 

 

 その考えが役に立つ日は、永遠に来なくなるのだが。


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