【オーバーロード】食事処もふキッチン【二次創作】(完結) 作:野神 汰月
今回は『骸骨と共にぼっちが行く』のチェリオ様に「社畜まだぁ(´・ω・`)?」とリク(?)頂いたので本来予定にはなかったヘロイン・・・・・・もといヘロヘロさんがご来店です。
今日も今日とて平和な時間が流れる食事処もふキッチン。そこに珍しい客が来店する。
「ばんわ~☆です(^-^)」
形が一秒として安定せず、また同じ形を取る事もない粘体物質・・・・・・もとい、スライムの上位種である古き漆黒の粘体(エルダー・ブラック・ウーズ)のヘロヘロが、気さくな挨拶と共に入店した。
「へろちー、へろー☆(´ω`)」
それに対してもふキチも気さくな感じにヲヤヂギャグを交えつつ挨拶を返す。
ヘロヘロはゆらゆらと揺れながらカウンター席のもふキチの目の前の椅子に腰(あるのか?)を下ろす。
「また珍しいのが来たなぁ。今日はどうした?」
滅多に・・・・・・というかこの店を開いてから初めてではなかろうか?それほどにヘロヘロの来店は珍しかった。
以前はとある事情でよく顔をあわせていたのだが、もふキッチンを開店してからはめっきりとご無沙汰になっている。
「もふキチさんが最近ナザリックに顔を出さなくなりましたからね~。顔を見に・・・・・・いやぁ、お元気そうでなによりです~(^-^)」
ぴこぴことエモーションアイコンを出しながらヘロヘロは少し間延びした感じの・・・・・・まったりとした口調でそう答えた。
とりあえず、客人に何も出さないのは気が引けるもふキチは(ゲーム内ではあまり意味がないのだが)飲み物を出す。背の高いグラスに氷と並々に注がれた黄色の炭酸水・・・・・・レモンスカッシュである。
「あ~、態々どうも~です(^-^)」
ヘロヘロは出されたグラスを外装の口のような窪みに持っていく。すると音を立てずにグラスの中の液体がするすると減っていく――ちょっとしたホラーである。
飲み終わると、ヘロヘロの視界にバフアイコンが点滅する。そのバフというのが・・・・・・
「あ、酸性強化バフですね~。この後ちょっとこの辺りに出没するっていう噂のPK集団探しに行こうと思ってたのでありがたいです~(^-^)」
このヘロヘロ氏。趣味がプレイヤーの装備を溶かして、相手の嘆き声を聞くことらしい。悪趣味な・・・・・・ともふキチは思うのだが、自分もゲーム内では人のことを言えないような趣味趣向のロールプレイをしているので口にはしたことがない。
「で、お前さん、ただただ俺の顔見に来ただけってわけでもないんだろう?」
ヘロヘロの飲み終えたグラスを下げながらもふキチはそう尋ね・・・・・・いや確信をもって聞く。
「ええ。もふキチさんに協力いただいて創ったNPCの子のAIがやっと組み終わりましてね~」
以前、もふキチはAOGに乞われて、一体のNPCを創っていた。確かメイドの一人だった気がする。もふキチの趣味全開で外装と種族を組み上げ、設定にも口を出していた。後はAIだけ・・・・・・というところだったのだが、ずいぶんと時間がかかったようだ。
「いやあ、何しろ他の子のAIがまた複雑でして・・・・・・時間がかかってしまいました。今度ナザリックに会いにいらしてください」
「ほいほい了解(´ω`)」
「そのご報告と――」
もふキチの創ったNPCに逢ってやってほしいというので軽く了解する。が、どうやら話はそれだけではないようだ。口調から少し暗い雰囲気を感じる。
「もしかしたら今後、ユグドラシルのイン率が落ちるかもしれません(´・ω・`)」
「そりゃまたどうして?」
どうやら少し込み入った話になりそうだ・・・・・・。そう感じたもふキチはいったん会話を中止させ、コンソールを操作して、外から客が入らないようにロックをかけ、声が外に漏れないようにした。念押しで覗き見防止に攻性防壁も展開しておく。
ここ、食事所もふキッチンは時折相談事を持ち込まれる。その時は往々にして守秘的なものが含まれるためこうして時折情報が漏れないようにするのだ。
処置を終えたもふキチは、続きを促すように手を差し出す。
「私――近々会社を辞めることになりそうでして・・・・・・」
話を聞くに、どうやらヘロヘロの働いていた会社が経営破綻を起こし倒産寸前の状況にあるらしい。その為新しい就職先を探さなければならないのだが――このご時世、碌な会社がないのだ。
ヘロヘロは専門学校まで出ており、プログラミング関連の資格をいくつも所持している。そのお陰で今まで働いてきた割と条件がよくクリーンな会社へ入社できたのだが、再就職となると・・・・・・割と真っ黒なブラック会社あたりにぶち当たる可能性が高い。何しろ今後生きていくためには早急に手に職をつけなければいけないし、職場を選んでいる余裕は無いに等しいのだ。
「――と、いうわけでして」
「・・・・・・」
黙って話を聞いていたもふキチは徐に外部連絡用コンソールを開く。
外部連絡用コンソールというのは、ダイブ中でもリアルの方に連絡ができる(突発的なパーティ・クラン・ギルドメンバーへの召集など)ように運営が設置したそのままずばりなものなのだが、ユグドラシラー(ユグドラシルをプレイしてる人)に重宝されている。
もふキチは何事かをメールに書き込むと送信、また書き込んでは送信を繰り返す。そのうち、しばらくすると《伝言/メッセージ》が飛んできたようで耳元に手を当てて思考発声(念話みたいに声を出さずに話す技術)を用いて会話をしているようだ。
「へろちー、確かAIプログラム技師資格一級持ってたよな?」
「え?・・・・・・あ、はい。そのお陰でAOGのAI組みに抜擢されたわけですから」
突如話を振られて困惑するヘロヘロ。もふキチはそんなヘロヘロをそっちのけで返答を聞くとまた《伝言/メッセージ》に戻ってしまう。
AIプログラマーの資格は大抵取得してきたヘロヘロだったが、このAIプログラム技師一級を取るのには苦労をした。寝る間も惜しんで勉強し、また受験料が馬鹿みたいに高く、それこそ社畜がごとき生活をおくってやっとの思いでとったのだ。
――まあ、今まで働いてた会社では何の役にも立たなかったのだが・・・・・・。
「よし、話はついた(´ω`)」
資格を取るためのあの日々を思い返していたところ、急にもふキチの声が上がって引き戻される。
話はついた?どういうことだろう・・・・・・。
そう思っているとヘロヘロの視界にゲーム内でのメール着信アイコンが点滅した。
「俺の知り合いに腕の立つAIプログラマー探してる御仁がいてな。その人にへろちー推薦しといた(`・ω・´)」
その言葉にヘロヘロは驚きつつ今しがた来たメールを開く。
内容は一度逢って話がしたいので、とりあえず履歴書と有資格免許を持って指定した日に指定した場所まで来てほしいということが書かれていた。
「――え?えぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?」
そして何より驚いたのがその発信者の有する会社名・・・・・・いや企業名だった。
それはとある財閥が母体のAI研究所で、様々な分野で活躍し、年間数千億を稼ぎ出す超一流企業だった。
一体この人の人脈ってどうなってるんだ?そう思いもふキチに視線を向けるヘロヘロだった。
* * *
後日、ヘロヘロの思ったとおり、働いていた会社は倒産した。だが、ヘロヘロはそのままスライドするかのように新しい職に即就くことができた。無論、もふキチが推薦したという超一流企業だ。
彼はとある極秘プロジェクトの開発室に新人として投入される。
そこは超ホワイトな職場で、毎日定時あがりで残業になってもきちんと手当てがつく。更には年休もあり、年間残業規定が21世紀初頭の労働基準法並みという、他社と比べると天国みたいな職場だった。もちろんボーナスもでる。
ただ、極秘プロジェクトということで規則はガッチガチだし、制約も多かった。何枚も宣誓書にサインさせられた。
社員寮を割り当てられてそこに引っ越したのだが、この社員寮もまたすごかった。そこそこ高級なマンションの一室で2LDK。それでいて寮費無料・・・・・・。引越し初日は緊張して眠れず、寝不足のまま出社初日を迎えたのは致し方ないことなのだ。
そんなこんなで高待遇、高所得者になったヘロヘロは、退社後毎日のようにユグドラシルにログインできるようになったそうな・・・・・・。
もし、もふキチに推薦されず、自力で再就職していたら――
考えるのも恐ろしいことになっていたに違いないと思うヘロヘロだった。
と、いうわけで・・・・・・やったねヘロヘロさん!社畜完☆全☆回☆避だよ♪
こんばんわ、汰月さんです(´ω`)ヘロヘロさんには救いの手を差し伸べたかったので社畜回避していただきました。
・・・・・・あれ、これってもしかして異世界フラグじゃね?
さてさて・・・・・・ここで、皆様にお礼を述べたいと思います。
祝!一万PVオーバー!!お気に入り五十人オーバー(正確には六十オーバー)です!!やったねたっちゃん!!(狂喜の舞)
汰月の書いたものにしては初の快挙です。本当にありがとうございます。
これからもこんな感じでやっていきますがなにとぞ温かい目で見守ってやってくださいますようお願いいたします。
そして、ご意見・ご感想・質問・叱咤激励(罵詈雑言はやめてください><)などなどじゃんじゃんしていただけたらなぁと思います。何でも答えるよ?ネタばれ以外なら・・・・・・。
ではまた次回お会いしましょう。次回もこのチャンネルに・・・・・・テイルオン!!(某ツインテール作品風)
もふキッチンを多作品と関係させることは
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ダメ。オーバーロード一本で
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いいよ。好きな作品とかかわらせちゃえ!