【オーバーロード】食事処もふキッチン【二次創作】(完結)   作:野神 汰月

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大変お待たせしました。もふキッチン再開です。
本日のお客様はたっちさんとその奥さんです☆

もふキチの正体がちらっと垣間見える――かも?


六人目(と七人目)たっち・みー夫妻がご来店しました

 ゆっくりと時間の流れるアームスヴァルトニル湖に浮かぶ島リングヴィ・・・・・・その中心に佇む町にある食事処もふキッチン。今日も平和な――

 

 「この馬鹿もんがぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 時間が過ぎると思いきや、もふキッチンの店主である獣人族狼種のもふキチの怒声が木霊した。

 

 彼の前には二人のPCがその怒声にびくりと身体を震わせていた。

 

 一人は全身を白銀の鎧に包まれ、深紅のマントを羽織った聖騎士。AOGに所属するYGGDRASILに七人いない最強の騎士の一人・・・・・・ワールドチャンピオンたっち・みーその人であった。

 

 もう一人、そのたっち・みーに寄り添うように、もふキチと同じく獣人族(ライカンスロープ)狐種(フォックスリング)の女性が立っていた。装備は純白のローブでぱっと見た感じ魔法詠唱者のようだが・・・・・・。

 

 「二人ともそこに正座!!」

 

 「「は、はい!」」

 

 再び轟くもふキチの怒声に、たっち・みーと女性PCは仲良くその場に正座した。

 

 事の発端は二人が来店した数分前に遡る。

 

 

 ***

 

 「ごz――もふキチさん、こんばんわ」

 

 その日の夜も更け始めた午後九時過ぎ。週末ということもあり、これからプレイヤーのログイン率が増え始めるその頃に、たっち・みーは一人の女性を伴い来店した。

 女性のPCネームはテル・ミー。その昔、もふキチと共にPKK集団(クラン)『魔天狼』に所属していた古参プレイヤーの一人だ。

 

 余談ではあるが、彼の集団『魔天狼』に所属していたメンバーはその殆どが異形種の中で獣属性を持つアバターや種族で構成されていた。

 

 そんなテル・ミーとたっち・みーが出会ったのは、偶然・・・・・・ではなく、もふキチの紹介だったのだが、二人は実は現実世界(リアル)でも顔見知り、どころか幼馴染で、もふキチもその時初めてたっち・みーの中の人が自分もよく知る人物だったことに気がついた。

 

 「おやまあ、たっちぃとテルが一緒とは珍しい。いらっしゃい(^-^)」

 

 たっち・みーがテル・ミーと一緒にこの店に来るのはこれが初めてだったため、少しだけ驚いたもふキチだったが、いつものように笑顔のエモーションアイコンをぴこっとだしながら二人の来店を迎える。

 

 「お久しぶりです、おj・・・・・・もふキチさん。今日はご報告があって、このひとと一緒におじゃまさせていただきました」

 

 テル・ミーがたっち・みーのように何かを言いかけて修正する。

 

 「ほお、お前さんたち夫婦(・・)が揃って()に報告とな?」

 

 テル・ミーの言葉で、もふキチはいつもの口調ではなく素の口調(・・・・)で語りかけた。その時ささっとコンソールを開いて店の扉のロックと防音、攻勢防壁の展開を行う。

 

 たっち・みーとテル・ミーはこのYGGDRASILでも夫婦だが、現実世界でも夫婦である。その二人が揃って自分に何事か報告することがあって来たという・・・・・・。これは確実に外には漏らさないほうがいいだろうと、もふキチは考えたのだが、それはどうやら別の意味で当たりのようだった。

 

 「先日、私の妊娠が発覚しまして」

 

 「――は?」

 

 一瞬の間を置き、もふキチの口から少々不機嫌そうな声が漏れる。

 

 「妊娠二ヶ月目ということで、まだ多少は大丈夫なのですが今後仕事(・・)とこのYGGDRASILのイン率が下がると思いますのでその後報告をt――」

 

 そこまでテル・ミーが言いかけたところで初頭のもふキチの怒声が響いたというわけである。

 

 

 「おぬし等、何故そんな大事な話をゲーム内でするんじゃ!?そういうことは現実世界で顔をあわせてするもんじゃろうが!!」

 

 ガミガミと頭ごなしの説教がたっち・みーとテル・ミーを襲う。二人はその説教に正座をしながら肩を落とした。たっち・みーは怒る目の前の獣人に対して言い訳のように言葉を紡ぐ。

 

 「しかし、御前様(・・・)。以前YGGDRASILにインされている折にお伺いしましたところ、お怒りになられたではありませんか・・・・・・ですからこうして――」

 

 「あほぅ!!あん時のおぬしの用件がくそ下らんことだったからじゃろうが!!!んな下らん用件でソロ攻略しとったのを邪魔されたら誰だって怒るわい!!」

 

 以前・・・・・・と言っても大分昔の話ではあるが、まだもふキチがソロプレイヤーとして現役だったころ、たっち・みーが事前連絡もなく突如もふキチの現実世界での住居に押しかけてきたことがあった。アポなしでの訪問だったので何事かと思いきや、隣にいる妻のテル・ミーと些細なことで口喧嘩をしてしまいどうしたらいいのかという、本当に犬にでも食わせろ!とでも言いたくなるようなくだらない内容だったのだ。しかも語られる内容の九割がたがノロケ話。そりゃ怒るというものだ。

 

 「二人とも今すぐログアウトして儂んとこまで来い!三分で来い!!四十秒で支度しろ!!!」

 

 もふキチはそう捲し立てると二人をさっさと店から追い出し、自らもログアウトした。

 

 「この後、恒例のイベント(・・・・・・・)があるというのに・・・・・・。今週はやれんのう」

 

 と小さく愚痴をこぼしながら。

 

 ***

 

 その後、三分では無理だったが超特急でもふキチの住居まで夫婦二人で向かったたっち・みー夫妻はもふキチにどやされながらも祝福された。

 その翌日にはAOGメンバー全員にその事が通達され、数日後には二人を祝うためにもふキチ主催のパーティが現実世界で催されるのだがそれはまた別の話である。




 はい、短いですがお久しぶりの更新です。

 皆様大変長らくお待たせしました。ちょっとリアルでヤバイ汰月さんです。

 たっちさんとその奥さんが登場!奥さんはもふキチと現実世界でとある関係なのですが・・・・・・はたして!

 その謎は近日中に何とか公開できたらなぁと思います。

 ※次回予告
 たっち・みー夫妻に子供ができた!これはギルド総揚げでお祝いしなくちゃと張り切るモモンガ様。そこでオフ会を企画、もふキチに相談すると――?
 次回食事処もふキッチン
 『リアルもふキッチンにAOGメンバーがご来店されました』
 ご期待ください。(なお、作者の都合で番組が予定変更される恐れがございますご注意ください)

もふキッチンを多作品と関係させることは

  • ダメ。オーバーロード一本で
  • いいよ。好きな作品とかかわらせちゃえ!
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