バカと幻想と舌禍の女神   作:閻魔刀

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最近体調を崩して咳き込んでしまっている閻魔刀です。
たぶんアレが原因ですね。 暑くなって来たことによる「エアコンの使い過ぎ」……

皆さんも体調管理はきちんとしてくださいねwww


バカと逃走と新事件?

「身分証明の手続き、意外と早く終わったね。 ハッキリ言って身元不確かな僕の事に関して怪しまれると思ったけど、こうもすんなりと話が通るなんて思ってなかったよ」

 

 今は昼の11時くらいだろうか?

 サグメさんが月の都であると便利だからって言って役所のような場所でいろんな書類の手続きをしていたんだけど……

 確実に10枚以上は書類を書かされたのに、意外とあっけなく書類が通り、後は僕の私服などの買い足しのみとなったのだ。

 

「え、何言ってんの? サグメ様がある程度裏から手をまわしているからこんなに早く終わったのよ」

「マジ?」

「マジだよ吉井君」

 

 ここまでしてくれるのはありがたいけど…… サグメさんがなぜか裏で汚い事をやっている政治家みたいになっているよ……

 

『次は吉井君の日用品全般を買っておかないと……』

 

 ぐぅ~…… ←鈴瑚の腹の虫の音

 

「……その前に昼ごはんからいただきません?」

「吉井君! 私をそんな食いしん坊みたいな目で見ないで!?」

『食いしん坊な鈴瑚の為にご飯から食べに行きましょう』

 

 そう言われてサグメさん達に連れられてきたのは、さまざまなお店が集まる商店街のような場所だった。

 たくさんの品物を売っている店が集中していて、その店の数は大型のショッピングモールと何ら遜色がない程と言われても信じられる規模だろう……

 

「凄い…… とても活気に満ちてて、みんな楽しそうだね」

「アンタもこの光景に驚きを隠せないようね? 特に今日は月の兎にとっては喜ばしいお祭り騒ぎの日だからね」

「限定品とかも結構出回っているんだよね。 吉井くんも元の世界に帰れる日が来た時のお土産用に何か買って行ったら?」

 

 なるほど、それもいいかもしれない……

 少し離れた所にあったウサギのキーホルダーなんて葉月ちゃんにプレゼントしたら喜んでくれるかも。

 

『その前に昼ごはん…… 名の知れた名店に行列ができ始めるから早くしないと』

「いけない!! 清蘭、吉井君も付いてきて。 最近出来た美味しい店があるのよ!!」

「ちょっ、鈴瑚。 そんな強く引っ張らないでよ!」

「ちょっ、もげる! 腕がもげるゥゥゥ!!」

 

 満面の笑みを浮かべた鈴瑚さんに引っ張られていく……

 清蘭さんも鈴瑚さんに文句を言いつつも柔らかい笑顔を向けているあたり、寧ろこの二人の方が楽しんでるんじゃ……

 って、サグメさんが置いてけぼりになってる!!

 サグメさんを置いてかないで~!!

 

 

 

 いろんな食べ物を売っている屋台が集まる場所に到着し、鈴瑚さんが中心になって多様な食べ物を買い込んでいく。

 しかも屋台を切り盛りする女性達が気のいい兎達ばかりで「お嬢ちゃん達可愛いからオマケしちゃうよ!」「はいよ元気なお嬢ちゃん! 大盛り4人前お待ちっ!!」なんて感じでサービスまでしてくれた。

 まあ、中には「サグメ様も大変ですね…… よかったらこれもらってください」とサグメさんを心配してくれる兎も多かったけど……

 一般人にも周知の事実って言える程サグメさんは忙しいのかな?

 

「う~ん、おいしいっ!!」

「オエップ…… 食べ過ぎた……」

 

 いろんな屋台で買い込んだ食事を休憩所のテーブルの一つを確保して皆で食べていたのだが、鈴瑚さんが調子に乗って買いすぎたのが原因で、清蘭さんが食べきれずにテーブルに伏せてしまっている。

 『オム焼きそば(オムライス風に玉子で包まれた焼きそば)の大盛り』に『ホットドッグ2本』『焼き鳥合計14本』も食べたら無理もないけど……

 

『清蘭、少しの間だけ休む? 少し離れたベンチが空いているから、そこで横になるといい』

「ゴベンナザイ…… スゴジヤズマゼデクダザイ……」

 

 サグメさんの肩を借りてそのままベンチで横になった清蘭さん。

 残ってしまったチャーハンとから揚げと焼きそばは僕と鈴瑚さんの二人で消費する事にしよう。

 でも鈴瑚さんもよくたべるなぁ…… 僕も一応この中で唯一の男子だしそのメンツを保つためにもココで頑張って食べ切ろう……

 

 

「・・・・・・」

「あー…… 吉井君も頑張ったと思うよ? うん……」

 

 鈴瑚さん、今は話しかけないでほしいかも…… このままだと吐く……

 正直舐めてた…… 流石にチャーハン大盛り3皿に焼き鳥13本、から揚げ18個も食べきれたのは十分凄い方だと思う…… こんなに食べても平気な奴って言われたら雄二ぐらいしか思いつかないや……

 鈴瑚さんはその倍に加えてお好み焼きも2人前分は食べていたけど、流石に厳しそうにテーブルに伏せてしまっているし……

 

「まあ、もう少し休んだら買い物に行こうかな? 清蘭も買いたい物があるらしいし」

「アンタ等、あれだけ買い込んだのを全部食べた訳? 凄いけどバカじゃないの?」

『食べ切った根性だけは凄い……』

 

 どうやら清蘭さんとサグメさんは動けるようになったみたいだ。

 二人共すごい驚いた顔をしているよ……

 でもあれだけ食べた後だとすぐには動けそうにもないし、少しだけ休ませてもらうことにした……

 すぐに動いたら100%吐く……

 

「でもこの調子なら買い物もすぐですよね?」

「だったらすぐに終わらせませんか? 私も買いに行きたいのがあって……」

 

 食べ終わってから20分後。 僕と鈴瑚さんもようやくまともに話せるようになったので、今後の予定について話し合っていた時だった……

 

 __バンッッッ!

 

 

 うわっ、びっくりした!!

 誰なんだ! いきなりテーブル叩くなんて!

 

「おやおやぁ~? 誰かと思えばイーグルラヴィのお二人さんじゃないの~?」

「こんな所で会うなんて偶然だねぇ?」

 

 いきなり話しかけて来たのはいかにもレディースの不良ですって感じの化粧が濃い兎が5匹。

 よく見るといつの間にか囲まれてしまっている……

 

「清蘭さん、鈴瑚さん、皆知り合いなの?」

「「さあ?」」

 

 どうやら知らないみたい。 どこにでもこんなのがいるんだよね。 ありもしない因縁吹っ掛けてカツアゲしようって言うのが。

 

「「「三日前にアンタら二人に潰された『兎夜叉(ウサヤシャ)』だコラァ!!」」」

 

 二人が覚えて無かっただけだよ……

 って、名前可愛いね!? 特攻服っぽいやつのデザインも、ニンジンを細々と食べている可愛い兎なんて……

 

「なに? 今日はのんびりとお買い物?」

「足でまとい二人も巻き込む事になるとは災難だったねぇ?」

 

 うわぁ~お…… 僕が反応に困っている間にメリケンサックだの金属バットだの色々と用意しだしたよ……

 

『名前可愛いね? あなたたちの趣味?』

「「「なんだとゴルァァッ!!」」

 

 あ、サグメさんのコメントを見て激怒した兎夜叉さんの一人がバットでスケッチブックをボロボロにしちゃったよ……

 このままだとサグメさんと会話が出来なくなっちゃうけどどうしよう……

 

「へぇ? この二人が人質になると本気で思っているんだ?」

「仕方ないな~。 もう一回叩きのめしてあげないと理解できないならもう一度やってあげるよ」

「「食後の運動も兼ねて、二度とこんな真似が出来ないようにしてあげる!!」」

 

 そう言った清蘭さんと鈴瑚さんの二人が椅子から立ち上がって前に出る。

 

「舐められたものね……」

「上等だコラ! 掛かってこいや!!」

「はーいストーップ!!」

 

 いかにも”乱闘始めます”みたいな流れを作り出した両者の間に割って入って行った。

 そうじゃないと周りに迷惑がかかるじゃないか!!

 

「あ? 何コイツ?」

「吉井君、あぶないよー?」

「いやいやいや、ココで暴れる方が色々とマズいですって!!」

 

 お巡りさん的な兎さんか人がここに来ちゃうって……

 二人とも1度横領で立場が悪くなっているんだから、これ以上騒ぎを増やさないでよ……

 

「そっちも落ち着きなよ? むやみやたらに殴り掛かるのは良くないって!!」

「「「はぁ?」」」

 

 清蘭さんと鈴瑚さんが目当てだった兎さん達は、急に出て来た僕を相手にきょとんとしてる。

 

「今日の所はこれで勘弁してください!」

 

 適当に僕の財布から125円だけ渡す事に……

 これ、よく考えたら今の僕が持ち合わせている全財産なんだ。

 外の世界に帰れたらある程度お金引き出しておこう……

 

「ごちそうさまでした! 皆逃げるよ!!」

 

 ここで脱兎の如き勢いでその場から逃走した。

 二人を置いて真っ先にサグメさんの手を引っ張って逃げたけど、清蘭さんと鈴瑚さんならうまく僕らに追いついて見せるだろう。

 

「……あ!? ちょっ、待てやゴルァァァ!!」

「へへーんだ! 待てと言われて待つバカなんて居ないよーっだ!!」

 

 兎夜叉の皆も慌てて追いかけたけどもう遅い。

 こういう商店街みたいな人混みが激しい所での追い掛けっこでは逃げる側の方が圧倒的に有利なんだよ!

 僕は鉄人と地獄の鬼ごっこと言う名の英才教育受けているんだ。 あのレベルの逃走劇を何度も繰り広げていればこのくらいできて当然なんだ!!

 今回ばかりは鉄人に感謝した方がいいかもしれない。 ありがとう鉄人!!

 

「逃げるな清蘭テメェ!」

「兎に角あいつ等を囲むぞ! アンタはあっちに回れ! お前はそっち、アタイはこっちに回り込む!!」

「分かっているわよ。 あいつ等は絶対に逃さない!」

「あの、すみません…… あっちてどっちですか?」

「「・・・・・・」」

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、全員撒けたね」

 

 僕らはあの兎夜叉達を振り切った後、商店街のようなエリアからしばらく走った海のような所にいた。

 

「あ、あんた結構やるじゃない…… あれだけ走ったのに息一つ切らしてないなんて……」

「あの程度だったら外の世界で何度もある事だったしね。 あの場では最善の判断だったでしょ?」

「別に喧嘩しても良かったんだけどね? やり過ぎなければ国家権力使って逮捕の為の武力行使って事で終わらせられるし」

 

 いや、清蘭さんのその理屈だとただの職権乱用だよね?

 結局の所、あの兎夜叉さん達には最初から勝ち目は無かったって事じゃないか……

 

「だけどなんだかんだで吉井君のあの判断が一番良かったと思うよ? あの兎夜叉達の顔見た?」

「……”きょとーん”だった。 クスクスッ……」

「サグメ様も笑いすぎですよ。 って、あははは!! ごめんなさい、あの顔思い出したらつい……」

「耳もピクピクと変に震えさせてるし、鼻の穴も無茶苦茶開いちゃっていましたしね。 アハハハッ!!」

「……おなか痛い。 吉井君、これ以上言わないで…… 思い出すたびに笑いが……」

「サグメ様、別に遠慮せずに笑ってしまえばいいじゃないですか?」

「みんな笑っちゃだめだよ。 あの子達も一応女の子なんだし…… あはは!」

「そう言う吉井だってあの鼻の穴で笑うなんて失礼だって…… ぷーっ、クスクスッ……」

 

 あの玉兎さん達には悪いけど、あの間抜けな顔に関してだけは笑わせてほしい……

 でもどうしよう?

 あの顔は面白かったけど、多分あの兎夜叉の皆がまだ総動員で探し回っているだろうし、あの商店街みたいな所にはいけそうにもないね。

 

「貴方達は一体何をどうやったらそんなバカみたいに爆笑できるのよ?」

「あらあら、とても楽しそうね?」

 

 あ、依姫さんと豊姫さんだ。

 一体何の用だろう?

 

「いえ、吉井君の機転で喧嘩になりそうだったのを上手く撒いて来ただけなんですけど……」

「いきなり吉井がサグメ様の手を掴んで逃げ出した瞬間の相手の顔が本当に面白かったのよ。 クスクスッ……」

「もう”きょとーん”って擬音が似合ってる顔で、女の子にあるまじき顔してたんですよ。 あはははっ!!」

「依姫さんも機会があればやってみたらどうです? たまになら面白いかもしれないですよ?」

「やめておくわ。 そんな事より、吉井君達に話があって来たのよ」

 

 話? 一体なんだろ?

 

「一度吉井君の日用品に関してなんだけど……」

「あ、さっきのトラブルのせいで商店街に戻れそうにないんですよね」

「あの手のバカはしつこく探し回るから明日までは行けそうにもないです」

 

 かと言って、叩きのめして牢屋に連行させても調書やら何やらで忙しくなって買い物どころじゃないだろうし……

 結局、買い物には行けそうにも無いか……

 しばらくこの女子高生みたいな制服で我慢するしかないか……

 

「あら? サグメったら、わざわざ買い物までしてくれているの? ならこの話は余計だったかしら?」

「「「え?」」」

「やっぱ、外の世界に戻って万が一スキマ妖怪に狙われるリスクを考えたら短時間とは言え不安よね?」

 

 え? 豊姫さんが申し訳なさそうな顔をしてるけど……

 

「たしか吉井くんって外の世界では一人暮らしなのでしょう? なら外の世界に戻ってあなたの家から日用品を取りに行けたらって思ったんだけど。 ……やっぱ差し出がましかったかしら?」

「「「豊姫さん(様)、ありがとうございます!!」」」

 

 

 全員で思いっきり抱き付いたり肩を組んだりしようとしたけど大丈夫かな?

 因みに、僕は正面から抱き付こうとして依姫さんから蹴りを入れられました。

 

「そ、そんなに喜んでもらえたならわたしも嬉しいわ。 ……って、3人共離れてくれないかしら? 流石に重い……」

 

 あ、3人共強引に引き剥がされた。

 最初は重そうにしている豊姫さんを心配したレイセンちゃんが頑張っていたけど力不足で、結局依姫さんが引き剥がした。

 

「と、とにかくまた文月学園の屋上に移動します。 吉井くんと私は当然として……」

「後は誰が行くか……」

「「はいはいはい!! 私達行きたいでーす!!」」

 

 おっ、清蘭さんと鈴瑚さんの二人が行きたそうにしているよ……

 物凄い必死になって懇願してるけど、そんなに外の世界に興味があるのかな?

 

「悪いけどサグメちゃんにもついてきてもらえないかしら?」

 

 あ、二人が物凄く落ち込んでる。

 鈴瑚さんに至っては血涙まで流してるし…… よほど悔しかったのかな?

 

「外の世界とやらの食べ物に興味があったのに……」

「今日は商店街に寄れない以上、外の世界に行ってでもきつくなった下着を買い直したかったのに……」

 

 ええ…… 二人共、理由が酷いよ。 観光に行くわけじゃないんだから……

 

「豊姫さん、せっかくですし二人の事も連れて行ってあげてほしいです。 僕が暮らしている世界を二人にも見せてあげたいですし……」

「「!?」」

 

 あ、二人の眼が凄いキラキラと輝いている……

 そんなに行きたいんだ……

 

「ふう…… 仕方ないわ。 一応、二人共上のウサ耳は隠せるかしら?」

「「訓練は受けているので大丈夫です!!」」

 

 そう言った二人が頭の上を手の平で軽くスッとなぞると簡単に頭の上にあったウサ耳が消えた。

 正確には”隠した”だけなんだろうけど…… って、あのウサ耳って隠す事が出来るんだ?

 

 

「それじゃ…… 行くわよ」

 

 豊姫さんが扇を軽く振るう。

 その瞬間、前回と同様に文月学園の屋上へと一瞬で景色が変わる。

 前回来た時と違って屋上はかなり荒れている。

 多分、あの時の八雲さんが放った大量の弾幕の跡なんだろう……

 

 

「よーし、文月学園にとうちゃ~く!!」

「へぇ~、ココがアンタが通っている”文月学園”ってところなのね?」

「なんか静かだね? 今ここに人っていないの?」

「ううん、多分今は授業中で中で勉強しているんだと思う」

 

 外を見てみる限りどのクラスも体育の授業が無いみたいで、とても静かだ。

 

「なら、人に見つからないようにこっそりと出ましょう。 それにあのスキマ妖怪が見ているとも限らないし」

「授業中の皆に迷惑をかける訳にもいかないしね」

 

 多分今は授業中のはずだから誰かに見つかる可能性は低いはず。

 抜き足・差し足・忍び足でゆっくりと降りて行こう……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 階段を下りたは良いんだけど…… 何かがおかしい……

 いくら何でも静かすぎる。 昼のはずなのにホラー映画みたいで相当怖いんだけど……

 

「……あれ?」

「どうしたの吉井くん?」

「あ、豊姫さん…… いや、あまりにも静かすぎて……」

 

 なんでこんなにも静かなんだ?

 まるで”人が一人も居ない”かのような……

 

「今日はたまたま休みだったとか?」

「いや、休みでも何人か人が居る筈……」

 

 用務員の人とか、会った事がある訳じゃないけど、学園長も確か試召戦争システムの研究に熱心で、この学園に常駐しているって噂も聞いたことがあるし……

 

「まあ、でも言葉通り誰も居ないって言うならある程度は自由に動けるんじゃない?」

「なにがあったのかは分からないけど、これは異常事態だよ……」

『何が…… どうなっているの?』

 

 サグメさんがスケッチブックの代わりに僕の学生証の空白部を使って話を……

 

「って、勝手に僕の学生証を使わないでよ!? まあ、僕もメモ帳としては全く使っていないから別にいいんだけどさ……」

 

 会話が成り立たないよりはいいけど、あんなものをいつの間に持って来たの?

 僕、学生証は鞄に置いてきたはずなんだけど……

 

「なら、この学園内を散策してみる?」

「そんな時間は無いんじゃないかなー?」

 

 僕は鈴瑚さんに賛成したいな。

 だって外の世界に長時間いると八雲さん達に見つかる危険がある訳だし、もしかしたら僕が祝日などを忘れている可能性もあるから……

 もしそうだったら僕が笑いものにされるだけで済む。

 

「いえ、念の為にこの建物の中を調べてみましょう」

「「「え?」」」

 

 さっきまでにこやかにしていた豊姫さんが真剣になっている……

 なにか理由があって言ってると思うけど、何を気にしているんだろう……

 

「もし万が一ですが、スキマ妖怪が何かしらの工作を行った結果がこの無人の校舎だと言うのならすぐに外に出るのは危険よ」

『そのスキマ妖怪が何をしたのかを知る為にこの校舎内にあるものから手がかりを掴む?』

 

 なるほど、確かに遠回りだけどその方が確実かな……

 僕だったら外に出て何がどうなっているのか確認しようとするけど。

 

「なら一度解散して個人で確認しに行きます?」

『一人で動くのは危険。 吉井くんは私と豊姫の二人で守る』

「ならわたしと鈴瑚は二人で外を見てこようと思います」

 

 え? いや、確かにあんまり人数多くても動きづらいけどさ……

 清蘭さんと鈴瑚さんの二人は外の世界に一度も来た事は一度も無かったよね!?

 

「え? 二人共大丈夫? 迷子になったりしない?」

「心外だなぁ吉井くん。 私と清蘭が元々は何処出身だったか忘れてないよね?」

 

 あ…… 二人の出身て……

 

「『”調査部隊”イーグルラヴィ』 月の部隊の中で唯一異世界浄化の最前線で活動できる特殊部隊の出身でもあるんだよ?」

「アンタに心配される要素なんてこれっぽちも無いの。 分かる?」

 

 小バカにするような清蘭さんの言い方は気に入らないけど、正直納得してしまう僕もいる。

 それでも少し不安が残るけど、そこまで自信を持って言う二人の事を信用しないのは彼女達に対して侮辱にしかならないだろう……

 

「分かった…… でも絶対に無理はしないで」

「「ええ、絶対に無理はしない。 これでも引き際は心得てるのよ?」」

 

 清蘭さんと鈴瑚さんの二人はすぐに階段を下り、外へと向かって行った。

 

「吉井くん、貴方はこの中を案内して」

『私と豊姫はあの二人と違って現場での勘が働くわけではないから、何処にどんな部屋があるか分からない以上、危険な部屋などに気が付かずに事故になる可能性もある」

「そんな場所はないと思うけど…… 確かに中は外よりも複雑だし、そう言う意味では僕の案内が必要か……」

 

 サグメさんの言葉に納得した僕は二人を連れて学園内を案内していく事に。

 ハッキリ言って、なんだか人のいない学校舎って言うのはかなり不気味だ。

 トイレに行きたくもなるけど、そのトイレでさえどこか不気味で入りづらい寒気を感じてしまう程だ……

 

 そんな中、二人から真っ先に案内してほしいと言われた場所は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「吉井くん、まずはこの学校の教師が集まる部屋に案内してもらっていいかしら? 生徒を指導する立場にある教員の職場ならなにか手がかりが残されているかもしれない」

 

 

 職員室だった……

 




コンプエースにて東方三月精が連載され、この機にクラウンピースちゃんも仲間になった事で更にいたずらの幅が広がったと思う閻魔刀です。

地獄から家出とは、一体クラピちゃんに何があったのだろう?
次がまた楽しみで仕方がありませんwww
あ、買っておきながらまだ見て無い(積んだまま)の東方鈴奈庵の5巻目もそろそろ読もう。

東方×龍が如くの幻想入りなんて作品が面白すぎてつい忘れてた……
龍が如くの方をやった事無いのについハマっちゃいましたねwww
最新のカラオケ回が面白すぎてwww

次回の投稿予定は一週間後かな…?
最近の仕事のシフトが5連勤の2連休になったからまとまった時間がとれるようになりましたので……

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