バカと幻想と舌禍の女神   作:閻魔刀

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予告通りの日に投稿出来なくて申し訳ありません。
実は昔の日本円のレートについて調べていたと言うのもありますが、投稿しようと思ったら勢いで書いてしまっている所がありまして、その部分があまりにも酷かったので手直ししていました。

それではどうぞ!


俺と喧嘩と一角の鬼(雄二side)

「はあ…… しかしこれからどうすっか? この金も本当に役に立つのかどうか分からねぇしな……」

 

 だが、古明地が言った事が本当なら、この地底とやらはこの幻想郷の中ではかなり治安の悪い方らしい。

 相手の妖怪次第ではただの人間でしかない俺なんて簡単にカモにされる可能性もあるんだ……

 

「しかしあのチビ、俺の足下見やがって……」

 

 そう言う俺の手の中にある軽くなった財布の中にはたったの二千円……

 今後必要になる物を買い足す事を考えたら不安しか残らない。 

 

 

 

 

 

 

 こんな事態になったきっかけは地霊殿の正門を出る数時間程前にあった……

 

 

 

「坂本さん、申し訳ありません。 貴方にお話しして置かないといけないことがあるのを忘れていました」

「忘れていた事?」

 

 一体なんだ? 余計な面倒事は避けたいからとっとと出て行きたいんだが……

 

「面倒はかけさせません。 坂本さん、この幻想郷で使えるお金は持っていますか?」

 

「は? ココ(幻想郷)で日本と同じ金が使えるとは思っていねえけど……」

「ええ、貴方の予想通りですね。 ココでは全く使えない紙くずとゴミです。 貴方の事ですから『出来ればそのお金がもらえたら……』なんて思っているようですが……

 ハッキリ言って幻想郷で使えるお金に関して、こちらもタダで渡す訳にはいきません」

「……何が言いたい?」

「何が言いたいのかは頭の回転が速いあなたなら容易に想像が着くはずですが?」

「もし古明地から金を手にしたければ、価値のある”何か”を差し出せって事か?」

「ええ、例えば……」

 

 あ? いきなり何を見てんだ?

 

「外の世界では当たり前でも幻想郷では希少価値のありそうな物なんて都合がいいかもしれませんね〜?」

 

 ちっ、コッチが色々と困っているからと言って足元見やがって……

 だとしたらココは何を出す? 先月機種変したばっかのスマホ(Xp〇ria Z5)でも出すか? それとも、俺の鞄の中身から音楽プレーヤーとか明久からパクって……"借りてきた"はいいが返せる気がしなくなって売る予定だったゲーム機でも出してみるか……

 いや、ケータイは地底から上がった後で秀吉かムッツリーニと連絡が取れるかもしれねぇし、今の音楽プレーヤー鉄人に没収された後に買い直した奴だから大した曲も入って無い。

 外の流行の曲が分からない音楽プレーヤーなんてはっきり言ってこいつらにとっては無価値も良いところだろ……

 ゲーム機も同じ理由で却下。 たいしたソフトも持っていないからこいつの好みに合わなければゴミとして処分されるだけだろ。

 上手く行くかは分からんが、ここは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これは…… 外のお金ですね? しかし、なんでこんなものを? 先程も言いましたが、このお金は幻想郷では全く使えない価値の無い物だと……」

「確かに”幻想郷”では全く価値がねぇんだろうな……」

「……何が言いたいのです?」

 

 今は心を読んでいないのか、こっちを疑うようなジト目でにらみながら聞き返して来た。

 なら当然の反応だわな……

 

「だが、今の外ではこの金が当たり前になっている。 もし外に行く機会があったらその金は数日分の飯を食える程度に役立つ筈だぜ?」

 

 そもそも外に行く機会が全く無かったらこの理屈は詭弁以前の問題なんだが……

 頼む、上手くいってくれ!!

 

「上手くいってくれって…… はあっ…… まあ、いつか機会があるかもしれませんし、一応持っておこうかしら? 貴方の心の中にある記憶から読んだ限りの情報を元に計算した相場になりますが……」

 

 そう言って古明地が渡してきたのは昭和の中期位に使われていただろう、今では全く見ない千円札(伊藤博文)が2枚。

 

「おいコラ! 普通に円が使えるんじゃねぇか! なんで1万円渡して二千円になって帰ってくるんだよ!?」

「仕方ないでしょう! 此方では外の世界と比べて物の価値が高くは無いんですから!!

 貴方の世界では大衆食堂の定食が一食600~800円も出すそうですけど、この幻想郷では食堂の定食が一食60~80円(現代円600~800相当)で済むんですよ!! 寧ろおまけして換金した後で倍以上の価値に相当するお金を渡しているんですから、文句言わないでください!!」

 

 金のレートが旧東京オリンピックぐらいの時代で止まってんのか!? これが嘘とかだったらシャレにならんぞ!!

 仮に嘘だったとしてもこっちの立場の方が弱い以上、この情報が本当である事前提で話を進めねぇと一歩も動けなくなってしまうから仕方が無いって言ったらそれまでなんだが……

 

「全く…… 人間と言うのは本当に自分に取って都合の悪い解釈となったらワガママばかり! 50年も前に来たあの女もギャーギャーと文句ばかりを……」

 

 な、なんか古明地が凄い愚痴こぼしてんだけど……

 50年も前の昔の人間と一体何があったんだ?

 

「すみません、この話は貴方とは関係ありませんでしたね…… あと一応、私達が追い出したからと言って簡単に死なれてはこちらの方が困りますので……」

「そう言えば出て行く事に前に言っていたよな? 幻想郷の連中は程度の違いこそあれど、基本的に話し合いで解決するのはほぼ不可能だと……」

「もし時間に余裕があったなら、”弾幕ごっこ”と呼ばれる決闘法について説明しておきたかったのですが……」

「お前のペットが俺に怯えてたりキレたりしてるから、今日中に出て行かなきゃならないんだろ? ルールブックみたいなのがあったらそれも貰えないか? 地上に上りながら覚える」

「そんな都合のいいものはありませんので、その辺に関しては適当な妖怪か人間にでも聞いてください。 弾幕ごっこのルールに関しては脳筋の鬼でも覚えられるくらい単純なので、この後で貴方が出会った妖怪に知性があるならその程度の事は教えてくれるでしょう……」

 

 知性の無い下級妖怪に真っ先に出会ったらどうするんだよ……

 

「まあ、その可能性もありますし…… そうですね。 せっかくですし、かなり強引なやり方ですが、貴方の中に眠っている能力を目覚めさせてみましょうか?」

「は?」

 

 何言ってんだ、このチビ? とうとうあれか? 中二病でもこじらせたか? 心が読める事を言い訳に肩から”第3の眼”なんて降ろして……

 

・「だから設定なんかじゃないって! 本当に第3の眼があるんだって!」とか周りの知り合い相手に言い張ってたり……

・あのお燐とか言う猫を”使い魔”とか言っているのを見られた後で「アニメ見過ぎ」とか言われたり……

・だっせぇマント羽織って「我が名は”怨霊すら恐れ忌む少女”古明地さとり! 最恐最悪の悪の覚り妖怪よ! アハハハハハハ!!」とか言ってノリノリだったしする、痛い小5ロリだったって訳か?

 

 本当にそうだったらクソ笑え……

 

 

「なんでそれを知っているんですか!? お燐とお空ぐらいしか知らない私の忌まわしき過去を……」

 

 物凄い顔が赤いんだが…… 本当にやってたのか?

 

「適当な事を考えていただけなんだが…… すまん……」

「今回は心から反省しているようですね。 ”絶対に喋らない”…… それを条件に許そうと思います」

 

 寛大な処置をどうも有難うっと。

 確か、能力がどうこうって言っていたな? そんなものどうやって目覚めさせるって言うんだ?

 

「能力の解放についてですね? 本当はこんな手で目覚めさせるのは良くは無いのですが……」

「なにか問題があるのか?」

「ええ、普通は能力が目覚める可能性が見えた時に能力の系統に合わせてゆっくりと開花させていくものなのですが……」

 

 あ、この先が簡単に読めたわ。 

 

「普通のやり方ですとあなたの能力次第ですが、最低でも半年はかかります」

「長いわ!! 外の世界に帰れたとしてもその時には留年確定だぞ!!」

「ですので、今回ばかりは強制的に能力を目覚めさせようと思います」

「強制的に? どうやるんだ?」

 

 どうせ碌な方法じゃねぇんだろ? 適当な理由を付けて断って……

 

 

 

「私の”妖力”を込めた弾をあなたの頭か心臓に近い箇所を狙って撃ち込みます」

「殺す気か!?」

 

 一番分かり易くてヤバイ方法じゃねぇか!! しかも急所狙い!!

 外の危険度を言い訳にしてこっそりと俺を事故死したことにして始末しようとしているとしか思えねぇぞ!?

 

「もちろん、貴方のようなケースで幻想入りをしてしまった外来人を殺す訳にもいかないので加減はしますが、乱暴な方法である事に変わらないのは否定できないですね。

要は眠っている相手に対して暴力で叩き起こすような物ですし。

……しかも今回使う力は”妖力”ですから。 手順を少しでも間違えたら良くても妖力中毒になって行動不能、最悪……」

「死ぬとか言わねぇだろうな?」

「私の”妖力”に侵されてその身と心が変質し人外の化け物と化す危険があります。 もしそうなったら二度と人間には戻れません」

「躊躇なく断らせてもらう!!」

 

 どこの吸血鬼が会得した禁断魔法だ!!

 そんなリスク背負って能力得るくらいなら自力だけでどうにか脱出しようとするわ!!

 

「くすくすっ…… 冗談ですよ? 安全には十分以上に配慮していますから、そうなる前に貴方の中に宿っている霊力か魔力が働いて私の妖力の毒を全て吐き出してくれます。 ですのでこの方法でもリスクはゼロですよ?」

「妖力が人間に対して毒なのは事実なのかよ!?」

「ええ。 ……とは言っても、私の全妖力を流し込んでも数日入院する程度のものですから、万が一何かあっても降りた先の旧都にある診療所でも簡単に治療出来ますよ」

 

 笑顔でシャレにならない冗談ほざきやがって、人生で初めて肝が冷えたぞ……

 そう言った古明地が急に俺の背中に手のひらを触れさせたんだが、その時の手が凄い気味の悪い感触だったのを覚えてる。

 それから数秒後に背中に激痛が走って、そのまま吹っ飛ばされたんだ……

 何メートルも先に飛ばされて扉に激突したが、その時はなぜかあまり痛みは無かった。 いや、寧ろ俺の全身からドス黒いエネルギーのような物が力となって吹きだし、気味が悪くなる程の高揚感を覚えた程だ……

 

「その黒いエネルギーは”私の妖力の毒素”ですので、それが黒以外の色になったらすぐにその力を抑えて下さいねー! それを怠ると急激な力の消費についていけなくなった体が全身筋肉痛になって、二週間は立てなくなってしまいますからー!!」

「おおおおい! それ普通に危ないじゃねぇか! 何がリスクゼロだ、十分危険じゃねぇか!!」

 

 文句を言ってやろうかと思ったが、「それでは良い旅を」……と淑女みたいなポーズと共にお辞儀をされるのとほぼ同時に扉を閉められた。

 事実上古明地の手によって追い出された俺は数分程待ってエネルギーの色が黒以外に変わるのを待つことにした。

 ただ待っているだけの数分と言うのは意外と面倒臭い物があったが、黒以外の色に変わった後はスムーズに事が進み、簡単に力を抑える事が出来た。

 

 

 

 

 

 

 

「と、なんて思い出している間に街に到着っと……」

 

 考え事をしていたら地底の街、”旧都”に到着していたみたいだ…… 

 治安が悪いなんて聞かされたあとだから警戒していたんだが、意外と活気があるな……

 とは言っても、地底って言うだけあって上を見ても太陽なんて見えないし、空気もあまりきれいとは言えず、慣れない環境で少し咳き込んでしまうが……

 外周から荷物の中に入っていた望遠鏡(ムッツリーニからバクって……たまたま借りていた)で見てみる限り、特に目立つのは謎の”無料案内所”、”キャバレー・キャバクラ・SMクラブ”、”一発1千円・選りすぐれの美女降臨!!”なんて書かれた看板や、外で客引きをしている飲み屋のボーイのようなおっさん、”CL〇BS〇G〇”の看板を掛けたゲーセンなど……

 

「って殆ど歓楽街じゃねぇか!! 滅茶苦茶暗い廃スラム街やホームレスが集まる集落みたいなところを連想した俺がバカなのか!?」

 

 とは言ってもこの街には着いたばかりだし、持ち物を確認してみる限り、何も調達しないで先に進むのに不安を感じるから、ここは一度中に入ってみるか。

 

 

 

 

 

「……こんな所で休んでられるか。 さっさと出て地上に上がるぞ!」

 

 中に入って数分で俺はこの街に入った事を後悔した……

 

 

「お兄さん、色々と溜まってるんじゃないの? 中でスッキリしていかないかい? 一回ぽっきり300円(外の相場で3000円相当)、可愛い娘何人も紹介するよー?」

 

 中に入って一分で怪しい店のおっさんに引き留められて逃げる羽目に。

 俺みたいなガキが大金持っているように見えるのかよ……

 

「キャアアアアアアアアア! だれかあのひったくりを捕まえてええ!!」

「ヒャッハー! キタぜ旧都ォォォ!! 俺達を止められるなら止めてみろ…… ブルアアアア!!」

「うるせぇ」

 

 大慌てで逃げてから3分後にはバイク乗り回すひったくり二人を相手にすれ違い際にラリアット……

 あいつ等が立てた砂煙で制服が汚れちまったじゃねぇか……

 

 それだけでも面倒くさいってのに……

 

 

 

 

 

「おいコラ、てめぇ……」

「あん?」

「俺は松川って言うもんだ……」

「で? その松川さんが一体なんの用だ?」

「このクソガキが! ムカつく面しやがって…… 調子こいてんじゃねぇぞコラァ!!」

「逃げた先で速攻で因縁つけられるって…… お前こそ痛い目見たくなかったら、さっさと消えろ」

「んだとぉ!? もう勘弁ならねぇ……! 今なら金を払えば許してやる。 だが断るって言うんなら…… 分かって…… ブルアアアア!!」

「さっきのひったくりからパクった”金属バット”で攻撃、たまたま近くにあった”自転車”を叩きつけて、たまたま持っていた”とがった短い鉛筆数本”を口にぶち込んで……」

「ちょっ! お前、何するんだ!? オボェェ!!」

 

 それから5分後には道端でカツアゲに会いそうになって、仕方なく金属バットで執拗に頭かち割って、うずくまっている所に顔面を蹴り上げてあおむけにしてやって、たまたま近くにあったボロボロの自転車を叩き付けて追い打ちとして自転車の上から何度も相手にのしかかる。

 悶絶している所で地底に飛ばされる前にたまたま研いで置いた短い鉛筆数本を口に叩き込んで掌底アッパーと張り手数発を叩き込む事で返り討ちにしてやる羽目になった。

 本当に騒ぎしか起こらねぇんだなココは……

 近くに寄って来た妖怪や人間も喧嘩を楽しむようにあおって来やがるし……

 

「テメェみたいなクソガキなんぞに俺の金が…… 畜生……」

 

 そのおかげで殴りまくった際に飛び散った900万(外の相場で9000万)も手に入ったのはいいけどよ、だけどよく見てみたら何枚か血に染まってるんだよな。

 逆にコッチがカツアゲしたみたいでいい気分じゃねぇよ……

 

 

「もうこんな所の空気なんざ一秒たりとも吸いたくねぇ…… 買うもん全部買ったら余った金の大半を処分して地上に上がる!!」

 

 いろんな意味で治安が悪すぎだろ! 地上で嫌われる奴らの集まりって、この街の住民を見てようやく納得がいったよ!!

 こんな頭のおかしい変人・狂人の巣窟なんて普通の感性で長居なんて出来る訳ねぇだろ!!

 

 

「ったく…… まあ、これだけあれば当分は持つか……」

 

 謎のカツアゲ君から手にした金の内数万円分の服とか食料に地図などの必需品や最低限の宝石類(上で金が使えない時の転売用)を買った俺は、そのまま地上を目指して街から脱出しようとした……

 

「あ、姐さんだあああ!!」

「逃げろおおおお!」

 

 店を出てすぐに周りの奴らが大慌てで俺から逃げ出した。

 姐さんって誰だ?

 

「あ、ゆーぎのあねさんだ!」

「酔っぱらいのおねーちゃんだ!!」

「やってきていきなり大暴れする悪の外来人さんをやっつけに来たぞー!」

 

 いや、逆に子供はヒーローショーでも見に来たかのような純粋な目で一つの場所を見つめていやがった。

 つーか悪の外来人ってなんだよ? むしろ喧嘩ばかり吹っ掛けて来たのは相手の方なんだが……

 考えるのをやめよう…… どうせこの街でヒーロー気取ってる変な奴がやって来たってだけだろうからな。

 どこの世界も関係なくガキは正義のヒーロー様が大好きってのが相場であるって事だろ?

 

「って……なんじゃこりゃああああ!!!」

 

 適当に逃げようと思ったその瞬間に謎の光弾の嵐”弾幕”が降り注いできた!

 

「ちっ!」

 

 どうにか避けようとその辺の路地などに逃げ込む方法も一瞬思いついたが、あの弾の威力が正確に分からない上に、この街の住人柄を考えたらその中に誘導されてまた囲まれて喧嘩なんて事になりかねない……

 幸か不幸か分からないが、あの弾幕には若干だが人ひとり分ギリギリで避けられるスキマがある事に気が付けた。

 そこで俺は、ボクシングの足捌きの要領でステップを踏みながら弾の隙間を縫うようにしてすべての弾幕をどうにか回避する。

 

「あんた、噂に聞いたとおりにやるねぇ」

 

 一体何が起こったのかと頭の中を整理しようとした直後、少し遠くの方から急に声が聞こえた。

 少し男勝りな声と共に現れたのは威勢のいい感じの角の生やした女。

 盃を片手に持ち、その中には酒と思わしき液体が注がれている。

 

「恰好から察して外来人だろうけど、ココでは暴れる奴には暴れて迎え入れるってのが礼儀ってね!」

 

 鬼符『怪力乱神』!!

 

 

 

 

 いや、どちらかって言ったら相手の方が一方的に暴れて来たのを迎え撃っただけなんだが!?

 つーか汚ないぞ!! さっきから遠距離で弾をピコピコと打ち出しやがって!!

 ただの人間を相手にここまでやるか!?

 

「どうする…… 古明地の奴が解放させたって言う能力とやらを試すか?」

 

 いや、自分の能力がどんな能力なのか分かっていないのにいきなり実戦で使う訳にもいかねぇ……

 ココはあのバネ状に展開されて拡散していく弾を避けながら隙を見つけ、その瞬間にこの場から逃げ切る!!

 

 

「あれ? おいアンタ、なんで反撃してこないんだい?」

「悪いが俺にはそんな弾を打ち出す技なんてまだ持っていないんだよ」

「なるほどね…… だったら私に付いてきな。 付いて来れたらこの世界の決闘法”弾幕ごっこ”について教えてあげるからさ!!」

 

 付いて来れたらって……

 

「こっちだぞー!」

「あー! ゆーぎあねさん、まってー!!」

 

 やっぱりそう言う事か!! さっきの弾とは違うタイプの…… 少しデカい大玉みたいなのを乱射しながら逃げて行きやがった!!

 って、ここのガキ共凄い根性あるな! あんなもん乱射されたら大抵邪魔にならないようにって大人が止める物なのに、周りの大人があきらめモード入っているのをいい事に物凄い速さで追いかけているし……

 どんだけ人気あるんだよあの女!?

 

「チクショウ! 絶対に捕まえてやる!!」

 

 幸いだったのは今撃っている弾幕も少々危険だが避けられるスキマがあった事だ……

 その間をさっきと同じ要領で回避を繰り返しながら、全力疾走で追いかけていく。

 

 

「チッ……」

 

 途中から細長いレーザーの掩護射撃まで絡んできたことでより避けづらくなった。

 それでもギリギリで避けられる辺り、あの女はこのばらまいている弾を利用して遊んでいるんだろ?

 だったら最初はそうやっていい気になってろ! すぐに捕まえて叩きのめした後で弾幕ごっことやらについて吐き出させてやる!!

 

 

 

 

 

 

 

「お見事! 弾幕ごっこを知らないのにここまで無傷で弾幕をかいくぐってくるとは思わなかったよ」

「こっちは生きた心地がしねぇけどな」

 

 あれから様々なレーザーや弾が俺の逃げ場を奪おうとするように乱射されてきたが、どうにか躱し切って見せた。

 しばらく追いかけていると、広場のような所に着いたはいいが、そこであのツノ女が止まったかと思ったら謎の称賛。

 一体如何したいのか訳が分からず、つい足を止めて警戒してしまう。

 

「そう言うな。 その根性と行動力に免じて私が知る限りの事は教えてやるよ」

 

 取り敢えず俺はこれまでのいきさつを説明する事にした。

 

「あははは!! そうかい、なるほどなるほど。 そいつは災難だったねぇ!!」

「笑い事じゃねぇよ…… こちとらこの世界に来てから殆ど喧嘩か命がけの鬼ごっこしかしてねぇんだぞ!?」

「そりゃあ地霊殿の方はお前が悪いからしょうがないさ。 しかし、私はむしろお前みたいな乱暴者は好きでね?」

「そりゃどうも…… だけど、俺はアンタみたいな新キャラにいちいち構っていられる時間なんて無いんでな。

”弾幕ごっこ”とやらに関してだけ聞いたらすぐにここを出る……」

「……だが、力の無い奴はここを出る前に死ぬ。 せっかくだ……お前がどこまで生き延びる可能性があるのか、ついでにその辺も試させてもらうよ!」

「人の話を聞けよ!? 本当に話を聞かねぇ連中ばかりなんだな!!」

 

枷符「咎人の外さぬ枷」

 

 

 

 ここにきて何故か悪鬼羅刹と呼ばれた不良なだけの人間と怪力乱神を持つ鬼の一方的な腕試しが始まってしまった……

 

 

 

 

  

 




旧都の連中は天界とは別の意味でやりたい放題ですねwww
勇儀さんが地獄の楽園であるとは言っていたけど何かがオカシイ……


今回の雄二の喧嘩、戦闘スタイルは「龍が如く」に出てくる"桐生一馬"をモデルにしました。
あの人極道とは思えない位にカッコいいと思うんですよね……

って、関係ない話はこのぐらいにして……

この世界の勇儀さんは旧都の都民的ヒーローキャラ扱いですね。
子供達の憧れであり、いろいろと頼れる姉御肌です。


せっかくですし、設定が固まったキャラは後書きでプロフィールっぽいのをまとめちゃいましょうかね?

今回はお試しも兼ねて……


・星熊勇儀

地底の旧都で暮らしている鬼。
このSSにおける怪力ランキングでは第2位を突き放して堂々の1位。
その力強さと気風の良い姉御肌は小さな子供達の憧れの的であり、少年達の恋心を弄んでいるかのように振り回してしまっている。
但し当の本人は子供は嫌いではないが"苦手"だと言ってちゃんと相手に出来ていないが……
彼女曰く「少し乱暴になると怪我させそうになるし、かと言って大人しくしているといつの間にかたくさんの子供に囲まれてしまっている」らしい。



といった感じで出してみようと思ったのですが皆さん的には如何ですか?

感想やメッセージなどでご意見を頂けたらと思います。

では、また次回!
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