Go!Go!Ready GO! 『乙・〇・色!』
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Hi!Hi!High! 乙〇色my life 3・2・1・GO!『『イエェェェェェェイ!!』』
……夜勤のはずなのに昼起きて大丈夫かなぁ?
テンションもおかしなことになってる……
明久編は少し休んで土屋編行きます!
「……俺は一体」
目を覚ますとそこはとても豪華な紅い部屋……
フランの地下の監禁部屋程ではないが、
はっ、フラン! フランはどこに…… っつ! 急に腕に痛みが……
「ちう…ちう…(血を吸う音)」
なぜフランが俺の手首に噛みついている?
そして思いっきり血を吸われているんだが……
いや、”吸血鬼”である以上おかしい事は無いんだが……
「……フラン、起きてくれ」
かるく頭をなでながら起こそうとすると意外と簡単に起きてくれた。
「ファァ…… おはようムッツリお兄ちゃん」
「……どうなっている?」
「あの後、鼻血を噴きだしたお兄ちゃんがパチェに殴られそうになってソコにお姉さまやさくやがやって来て部屋に運んでくれたの」
なるほど、だから目覚めたのが客間のような部屋だった訳か……
「あと輸血って言うのもさくやがやってくれてたよ? 『なんであんなに予備の血があるのか?』って驚いてた」
「……ムッツリなら常備して当然のもの」
「ふーん……」
よく分からんと言う顔をしているな…… ならばそれでいい。
フランをムッツリの道に進ませる訳にはいかなないからな……
「あら、目が覚めたようね?」
「……お前達は一体?」
扉を開ける音と同時に二人の少女が入って来た。
一人はメイド。 俺以上に感情を殺したような冷徹な瞳と太ももに備えてある大量のナイフが印象的だ。
もう一人はフランとよく似た少女。 本当にフランと瓜二つな容姿をしているが、フランのような無邪気さは感じられず、代わりに異常な程に子供離れした威厳と風格を感じてしまう。
「お前達とは少々失礼ではないかしら?」
「咲夜、そのナイフはしまっておきなさい。 刺すのはこいつが余計な事をしようとした時だけで十分よ」
「かしこまりました」
なぜそんなに物騒な事を言われないといけないんだ……
あ、オレが侵入者だからか?
「お、お姉さま!」
「フラン? もう客人も起きたのだからここにいる理由も無いでしょう?」
「……わ、私はお兄ちゃんと一緒にいるもん!!」
「ハァ……」
フランからお姉さまと呼ばれた少女がため息をつく。
「その子には少し話があると言ったでしょう? 寝ている間の面倒はフランが見るという約束だったのにこれ以上私と約束を破る気なのかしら?」
「う……」
約束? 一体何の事だ?
「その子次第では無傷で済ませてあげるからおとなしく部屋から出ていなさい」
「う~~~……」
あんな一方的な物言いでは小さい子供のフランでは不満が募るだけだろうな……
”館の主”としてならば仕方のない一言だったのかもしれないが、実の姉からあんな言われ方だけはされたくなかっただろうな……
「……分かった。 ムッツリお兄ちゃん、バイバイ」
「……話が終わったらカメラの使い方を教える。 ……大人しく待っていられるか?」
「本当! 約束だよ!! 私、ココから二つ離れた部屋で待ってるから、絶対に来てね?」
”……ああ”とだけ返事を返した後でフランは部屋から出て行った。
あんな約束をしてしまったが大丈夫だろうか? 姉の方が物凄く不機嫌になってしまっているが……
「それよりも自己紹介がまだだったわね。 私の名前は”レミリア・スカーレット”。 この紅魔館の主にして、あの愚妹……フランの姉よ」
「……土屋康太。 ……そうか、ちょうどいい。 ……俺には妹がいるんだ。 ……妹を持つ兄としてお前と話がしたいと思っていた」
「ええそうね。 私も貴方とは一度話てみたいと思っていたの。 妹を持つ姉としてね?」
ハッキリ言って、オレはエロ以外で頭を使うのは苦手だからな……
こうも堅っ苦しい自己紹介なんて論外だ……
だが、妹を持つ兄(姉)と言う点でレミリアとは話をしたいと思っていた所だ。
「あなたは確か急にフランの部屋に落とされたと聞いているわ。 でもあのフランが説得だけで大人しくしたのは意外だったのよ?
ウチの司書長が魔法で攻撃した事に関しては此方に非があるから、この場で謝るわ」
わざわざ頭を下げるどころか地面に土下座までして頭をこすりつけて誤ってくれているが……
実の所を言うと、その件に関してはあまり気にしていない。
なんだかんだでフランには傷一つついていないし、オレも役得と思える事があったからな……
とは言っても、子供とは言え館の主にあまり無様をさらさせ続ける程失礼なつもりもない。
小さい子供によくやる”たかいたか~い!!”の要領で持ちあげたら顔を赤くしながら激怒してしまったから流石に降ろしてあげる事に……
「パチェから事情は聴いたけど、貴方はフランからどこまで聞かされたのかしら?」
「……フランの過去話を少しだけだ」
「そう…… その上で貴方はフランを外に出してあげたいと?」
「……ああ」
あの子は確かに過去に過ちを犯したかもしれない。
だが、謎の暗闇の件に関してはどうしようもなかった事でもあるし、助けたかった少女の事に関してもあの子なりに必死になっていただけじゃないか……
あれだけの長い時間を外に出る事も許されずに狂ったまま一人孤独に過ごして来たんだ。 もう許してやってもいいじゃないか?
「貴方の言いたいことは分かったわ…… ムリね」
「……ムリ? ……出したくないだけじゃないのか?」
簡単に納得するとは思っていなかったが、”ムリ”とはどういう事だ?
まるで出す気が無いんじゃなくて”出せない”かのような……
「勘違いしないでちょうだい。 私としてはあんな忌まわしい過去の事は許しているのよ?」
「……ならばなぜ出さない?」
「貴方はフランから”魔理沙”について聞いているかしら?」
「……少しだけ聞いている。 説得する時に大切な人について聞いたらその名前が出て来た」
もっとも、その子の事は詳しく聞く余裕が無かったからそれ以上の事は知らないがな……
「なら話が早いわ。 私がフランを外に出さない理由はその魔理沙が原因なのよ」
「……は?」
……待て、全然話がつながらないぞ? なぜ今のタイミングで魔理沙が話に出て来る?
「訳が分からないって顔をしているわね?」
「……当然だ! ……オレはてっきりフランの過去をまだ引き摺っていて、それで監禁生活が続いていると思ったんだが!?」
「あの件に関しては私の裁量だけで決めつけていい事だとは思ってないわよ。 あの件に関してはフラン自身で答えを出せなければ誰にどう許されたって救えないし、救われもしないって思っているもの。 その件に関してはあの子が自分を許せるようになるまでもう口出しはしないわ」
「土屋様。 問題はその魔理沙……あの”強欲の魔法使い”が妹様の恋人関係にある事なのです」
「……イマナンテイッタ?」
「問題はその魔理沙……あの”強欲の魔法使い”が妹様の恋人関係にある事なのです」
「……聞き間違いではなかったようだ。 ……それで、その魔法使いになんの問題があるんだ?」
強欲なんて二つ名を付ける辺り、あまりいい印象が無いようだが……
「ええ、むしろ問題だらけね…… 一応、どうしようもない程に性根が腐っている訳では無いのだけど……」
「……一応いい子なんだな?」
「あの行動を見てそれでも”いい子”と呼べるのなら貴方の頭の中の人間は大半が善人って事になるでしょうね……」
一体何をしでかしたんだ……
聞くのが怖くなって来たんだが……
「そうね…… 私達が掴んでいる情報を元にした被害だけでもざっとこんなものかしら」
そう言ったレミリアが一つ一つ丁寧にその魔法使いの所業を説明していった。
時々隣にいるメイドのフォローが入っていたが、纏めるとこんな感じである。
1.よく大図書館の本を盗んでいく。 その際によく門番と小悪魔とパチュリーの3人をフルボッコに。
パチュリーが「”アリス”に貸してあげる予定だった本まで盗られた」って愚痴っていたらしい。
2.紅魔館の壁を幾度となく破壊。 修理費用がついに数億(外の相場にして数十億単位)に達する。
捕捉:幻想郷の建設業者の者達も儲け以上に修復回数に呆れ切ってしまう始末で、レミリアでさえ建設会社の方々に何度頭を下げたか分からない……
3.幻想郷きってのプレイボーイ(あくまで女子です)で落とされた妖精メイドは数知れず。
聞いた話では紅魔館外でも口説き落とされた女も数知れないらしい。
「……もういい。 ……それを聞いていたらただの悪ガキにしか聞こえなくなって来た」
もう3番目とか決定的だろう…… よく修羅場にならなかったな?
それ以前にフランが百合の趣味があるとは知らなかったな……
「それも当然ね。 フランはそのことを知らないから……」
それは色々と大丈夫なのか?
いや、やっぱりマズいだろう。 今後付き合っていくうえで恋人の事は本当の意味で理解したうえで信頼しないと付き合ってはいけないからな……
恋人がそんな女(フランも女子です)だとしたら、レミリアも”家族”として反対するに決まっている……
「フランが外に出るたびにこんなことばっかり起こるのよ? 私に似て……私以上に可愛くて愛しいフランをあんなナンパ女にやれるはずがないじゃない」
「……だとしても監禁は流石にやり過ぎ……」
どうやらレミリアは相当妹に対して過保護になっているようだ……
多分、フランから聞いた事件がきっかけになったんだろう。
もしオレがレミリアの立場だったなら同じことを…… いや、オレの兄貴達が反対して止めるかもしれんが……
「う~☆…… だったらどうしろって言うのよー! 赤い霧の異変以降、フランがなついているって事で遊び相手として歓迎していたらいつの間にか恋人として付き合ってるし。
パチェから聞いた魔理沙の問題点の重大さに気が付いた時には手遅れで、手切れ金を用意して別れさせようとしたけど、受け取らないだけならまだしも離れる事もなく”この紅魔館の乗っ取りをたくらんでるんじゃないか?”って思いたくなるようなことばかり繰り返すし…… しまいには地下から出て来た時に魔理沙の方が”スッキリ”したような顔で出て来るのよ!? もう私訳が分からなくて一体どうしたら……」
「……な、なんか話があさっての方向に……」
た……確かにそれは見てみた……ゲフンゲフン! 酷い問題だな……
……頭を抱えて蹲るレミリアがすごく可愛いな……
「……分かった。 ……この一件、乗りかかった船だ。 オレがその魔理沙と言う子と話をしてみよう」
「あいつはあなたの話なんか聞かないと思うけど……」
「……フランとの恋愛事情を出せばいやが応でも話さざるを得ないだろう?」
とは言ってもレミリアの話の通りならば魔理沙と言う少女はかなりの問題児のようだ……
こちらもそれなりの装備を整えておかないといけないな……
……あれ? 確かオレはフランの件を説得する為に話をしていたような?
「……そう、なら話が早いわ。 魔理沙が現れるであろう数日の間、あなたのその器量を見込んでフラン専属の執事見習いとして雇……」
「雇い入れる」…… そうレミリアが言おうとしていたみたいなんだが……
「「うおっ!!」」
急に館全体が揺れだす。
幾度と響く揺れの間に背中に羽を生やしている小さなメイドが慌てて部屋に入って来た。
「緊急事態故にノックもせずに入って来て申し訳ありません!」
「構わないわ。 それよりもどうしたのかしら?」
「あの”強欲の魔法使い”が門番と交戦中! 増援として私達妖精メイドも迎撃準備を整えて……」
「いや、妖精メイドの皆は館の中に避難しなさい」
せっかくヤル気になっている妖精メイド達をレミリアはその場で下げさせる。
いや、せっかくその娘もヤル気なんだしここは普通に出動させても……
「悪いけど、正直足手纏い。 むやみにケガ人を増やしたくないのよ」
妖精メイドと呼ばれた女の子はとても悔しそうだが何も言い返せない。
言われている事が事実だったんだな……
「……オレは何をすればいい?」
「この調子だと門番はもう少しで突破されるわね…… 土屋、あなたがパチェに見せたって言うその”超高速移動”とやらを使ってやられた門番を回収してそのままフランがいる部屋で彼女達の面倒を見ていなさい。
テストも兼ねてあなたをここで使ってあげるわ。 もし成功したら、フランを外に出す件は認めてあげる」
え? あ、いや…… 超高速移動って何のことだ?
オレはあの時急に弾が遅くなったのをきっかけに弾幕に隙間がある事に気が付いただけで……
「わたしはパチェがいる図書館に行ってくるから、後はあなたに押し付けるわ。 咲夜!」
「はっ!」
置いてけぼりを喰らっている俺を置いてあの二人は一瞬で消えてしまう。
せめて正門への行き方くらいは教えてくれてもいいだろ……
「あ、言い忘れていたけれど、ウチの門番の特徴は…… 巨乳でガチムチの女拳法家よ! やられているとしたら何気に寝てると思うから、その時は起こさずにそのままフランも待っている部屋に運んでおいてちょうだい!」
確かに、特徴を聞いていなかったな……
万が一間違えてしまったら面倒だからな……
another story レミリアside
「お嬢様。 なぜあのような仕事で試されたのですか?」
あの人間を置いてパチェと合流した私達は持っているスペルカードの確認と作戦を練っていたのだけれど、なぜ咲夜はいきなりあんなことを聞くのかしら?
あの娘も人間なのだから簡単に予想が付くと思ったのだけれど……
「どうしてなのか言わないと分からないのかしら?」
「いえ、大体想像が着くのですが……」
なるほど、確かに口にしないと分からない事もあるわね……
「私はあいつに対して”どこへ向かえ”と言ったかしら?」
「どこへって…… やはりお嬢様も意地が悪いですわね」
「ふふっ、厄介者を都合よく追い出したってだけじゃない?」
そう、私があの人間に向かわせた場所はこの館の正門。
つまり、私からの仕事を蹴ってこの紅魔館の外へと逃げ出せば、生物として信用はならないが”紅魔館にとって面倒な人間”を都合よく排除出来る事になるし、もし律儀にバカ丸出しでテストをこなしてくれたなら人間にしては信用できる存在を短期間とは言え雇い入れる事が出来る。
どう転んでも”私達”紅魔館にとって都合の良い展開になってくれるのよ。
「でも良かったのレミィ? そんな妖怪臭い事をして?」
「パチュリー様の言う通りですわね。 実際に外に逃げ出したならあの男はその辺の妖怪に襲われ続けるに決まっているのに……」
そうよね~。 この紅魔館は相当悪名高い館として有名ではあるけれど、実際には外にいる下級妖怪の方が野蛮で狂暴な物だから、大抵はここにたどり着く前にやられちゃうのよね。
「あら、私が良い妖怪な訳が無いじゃない? 使える人間なら大切に限界以上に酷使するし、役に立たない人間なら躊躇なく追い出すわよ」
「お嬢様、せめて大切に使う程度にして下さい……」
「あら? 怖くなって来たかしら? 安心しなさい。 わたしの身と心は咲夜の物よ?
私の中にある”女”を目覚めさせてくれた咲夜を見捨てるなんて、私には出来ないわ」
「お嬢様……」
ふふっ、この子は本当にいい子ね。
軽く腰に手を当てて抱き寄せるだけで赤く興奮するなんて……
「あら? 何をそんなに興奮しているのかしら? もしかして、実は震えているの? まあ、あの魔理沙が相手だと言うのなら怖くても仕方が無いかもしれないけれど……」
悔しい事に魔理沙の魔法の力は本物…… 私も一人で立ち向かっていては絶対に勝てない運命にあると言える程の力の壁を思い知らされてしまうほどに……
どれほど考え方が人間離れしていようと咲夜も結局は人間。 それを割り切って諦めたとしても咎めるつもりは毛頭ない。
「いえ…… これは歓喜の震えですわ!」
「は?」
今の咲夜の言葉にパチェも反応に困っているわね……
「これまでわたしはお嬢様に仕える身でありながら、わたし一人ではあの強欲の魔法使いの襲撃を防げずにいました。 ですがお嬢様はそれらの失敗を許し、友の為に自らも戦おうとしてくれるその大いなる器。 そんな偉大なる主の為にこの身を使う事が出来る事への歓喜!
そのお嬢様を命に代えてでも守るというこの重要かつ最高の役割を果たす事が出来る。 それが今の私をこんなにも駆り立てているのです!!」
「そ、そう……」
な、なんか咲夜の笑顔が怖いんだけど…… 軽く修羅入っているんじゃないかしら?
「でも命に代えてなんて言わないでほしいわ。 咲夜が私から離れる事は許さない。 これは私が咲夜に命じた事の中でも唯一絶対の命令なのよ。 私達は絶対に負けない。 今日こそはあの魔理沙を倒し、これまでに奪われたものを取り返す…… 絶対よ!」
そろそろ来る頃ね…… 皆の士気も高いし、スペルカードの準備も万全…… 私の能力で見た運命もあの魔理沙が捕縛されている姿も確認できた。 今回こそは負ける要素は一切無いのよ!
来るなら来なさい、強欲の魔法使い! 逆に返り討ちにしてあげる!!
レミリアside end
「……咲夜が私から離れる事は許さない。 これは私が咲夜に命じた事の中でも唯一絶対の命令なのよ。 私達は絶対に負けない。 今日こそはあの魔理沙を倒し、これまでに奪われたものを取り返す…… 絶対よ!」
ど、どうしたものか…… なかなか入りずらいな……
「…なかなか来ないわね」
少女警戒中・・・
「……来たんじゃなかったの?」
「お嬢様、私が確認に行きましょうか?」
「いえ、戦力の分断を狙っているのかもしれないし、このまま待機していなさい」
少女更に警戒中……
「……ま、まさか今回の目的はフランだったとでも!」
「いえ、それなら別の騒ぎになっているはずです! 恐らく魔理沙にとってもなにか計算外な事態に墜ち言っているのではないかと……」
「うー☆…… 何なのよ! 一体何がどうなっているのよ!!」
「仮に魔理沙がここに来るのを諦めたならそれそれで大歓迎なんだけど……」
「レミィ、魔理沙はああ見えて諦めは悪い方なのよ? 遅らせざるを得ない事態に陥っているだけだって言われた方が納得がいくわよ」
「パチェ、あの魔理沙が盗みを遅らせるとして、だいたい何分くらい遅らせられるかしら?」
「分からないわ…… あの人間の発想は型にはまるとどんな天才でも理解できない、奇抜な方向に秀でていくタイプだから……」
……な、なんかすごい言われようだな。
「……なんて言われているが、お前としてはどうなんだ?」
「わ、わたしは死ぬまで借りているだけだぜ?」
「……勝手に持ち出すのも盗みと変わらない。 ……お前はいいのか?」
「何の事だかさっぱりだぜ?」
さっきから手錠で拘束されているにもかかわらず、自身の事に関してしらばっくれ続けている少女。
”霧雨魔理沙”はまだ素直に認める気は無いようである。
なぜこうなったのか、話は少し前にさかのぼる……
ムッツリ回想中……
俺はレミリアの指示通りに正門に向かって行った。
その時にチャイナドレスのような服を着ている女が虹色に輝く極太レーザーで吹き飛ばされている所を見てしまった。
宙に飛ばされた門番らしき女性がたまたまこっちに落ちて来そうな為、ギリギリのタイミングで受け止める事に成功する。
…………一応言っておくが、下着を覗いたりなんてしていないぞ? その下にズボンのような物も履いていたから見えてなんていない!
「……おい、大丈夫か?」
「くっ…… あ、あなたは?」
そうか、まだ門番には自己紹介していなかったな……
「……土屋康太。 趣味はとうさ……何もない。 特技はとうちょ……何もない」
「あの……あなた、趣味は盗撮で特技が盗聴って言いかけませんでした?」
「……気のせい。 そんな事は言っていない」
「いえ、今のあなたから感じ取れる気が嘘だと言っています……って!」
「……今はそんな些事について追及している場合じゃない」
箒で空を飛ぶ白黒の魔法少女、レミリアから”強欲の魔法使い”と呼ばれ忌み嫌われ、フランの恋人でもある少女”霧雨魔理沙”と思われる少女からいきなり日本のレーザーで狙い撃ちにされる。
「っ…… 土屋さん、あなたがなぜ急に館の方から出て来たのかは分かりませんが、ここは大人しく中に避難してください」
「……オレはレミリアからお前の救出を頼まれた」
「……え?」
かなり驚かれたな…… まあ、さっきの誤解されても仕方ない(実際に盗撮などに手を染めています)自己紹介の後では信じられないかもしれないが……
「おっ、なんだ? お前外来人か? ここに落ちるなんて運が無かったのぜ!」
あの箒の少女が下りて来た。
どうやら俺に興味があるみたいだが……
「……お前は、もしかして霧雨魔理沙か?」
「おっ、私を知ってるのか? 悪いが、私はここの図書館に用があって来たんだ。 この後も忙しくなるから失礼するのぜ」
「……分かった。 …………って、逃がす訳ないだろ」
なんの抵抗も無くさらりと中に入ろうとした彼女を妨害するべく目の前に出る。
「逃してなるものか!」と思いながら飛び出した途端に彼女の飛行速度が極端に遅くなったような気がしたが、気のせいだと思いたい。
「うおっと、凄い速さなのぜ!! やっぱそう簡単に貸しては貰えないみたいなのぜ」
「……お前に警告する。 ……盗みをやめて大人しく帰れ。 ………もし帰らないなら…」
警告も兼ねてスタンガンを最大出力にしたうえで構える。
この出力なら彼女に数秒突きつけたなら完全に意識を刈り取って気絶させてくれるだろう……
「初対面で失礼な奴だな。 人を泥棒みたいに言うな。 それに私の場合は借りているだけなのぜ」
「……反省する気は無いと?」
「ちゃんと借りてるんだから文句言われる筋合いはないのぜ! もしどうしても納得できないと言うのなら捕まえてみるがいい。 ま、どうせ無理だろうけどな?」
「……その言葉、忘れるなよ?」
「出来るならやってみろよ!」
そう言った彼女は箒に跨り、そのまま空へと逃げて行った。
「……させるか!」
完全に空へと逃げ切る前にどうにか追いつこうと地を強く蹴って前に出る。
その瞬間、彼女の空を上昇する速度が極端に遅くなっていった。
さっきから何度も起こっているこの現象…… さっきから疑問に思っていたが、今のこの状況でそれを考えている余裕が無い……
この場では彼女を捕まえるのを最優先にすべきと判断したオレはまだ手の届くうちに彼女の箒を掴み、一緒になって上昇していく。
「なっ!」
いきなり箒を掴まれた事で動揺してバランスを崩しそうになった霧雨。
俺にとってその一瞬は決定的なものとなった。
「痛っ!!」
まず露出していた足にスタンガンを当て、更に体制を崩させる。
これで空を飛ぶのは不可能となったはず。
「うおっ!」
霧雨が驚いているが、これはオレがスタンガンを捨てて彼女の足を掴んだからだ。
魔法と言う異能の力によるアドバンテージが彼女にあるとはいえ、同じ人間なら魔法頼りの少女と運動系の男子高校生……
筋力の差でオレが勝っている以上、落下は避けられない。
「痛てえええぇぇ!!」
当然、足を掴んだからには地面へと叩き付ける。
普通の少女にならこんな仕打ちは出来ないが、盗みを平気で働くような悪ガキ相手ならこのレベルなら抵抗は無い。
地面に叩き付けられたとは言っても大して浮いてもいなかったし、落とした際も背中から落として最低限の受け身は取らせたから大した怪我にはなっていないはずだ。
「……勝機」
とは言っても地面に叩き付けられた衝撃で数秒は動けない以上、こちらにとって圧倒的な勝機。
絶対逃がせないチャンスであるからには当然追撃を入れる。
まあ、バカ正直に正面から突っ込んでも流石に避けるだろうから、起き上がりそうな彼女の服の後ろを掴んで再び転ばせる。
それと同時に蛇のようにうまく後ろに絡んで、彼女の目元を手で覆う。
視界を遮るのと同時にたまたま回収できたスタンガンを彼女の喉元に突きつける。
妙な動きがあれば、その瞬間に高圧電流を流し込むためにだ。
「う…… ど、どうなってるのぜ!」
「……教える気は無い。 ……このまま暴れるならコイツの電撃をお見舞いしてやるが?」
「わ、分かったのぜ…… 素直に降参するからその喉元に突きつけている奴を離してほしいのぜ……」
こうしてオレは”強欲の魔法使い”霧雨魔理沙を捕縛する事に成功した。
手元を離そうとしたとたんにまた逃げようとしたから仕方なく何度もスタンガンを突きつける羽目になってしまったが、気絶した後に彼女の魔法具と思われる八角形の道具と箒を門番の女性に預け、霧雨には念の為に手錠まで掛けておいたので、ここまでされたら人間では対処は不可能だろうと思いたい。
ムッツリ回想終了……
番外編:レミリアと建設会社
レミリアside
「あのねぇ、お宅らは何度修理した壁や扉を破損させれば気が済むんですか?」
「いや、えっと…… そのぉ……」
……今回で何度目になるかしら? 私自身でも数えきれないほどの言訳を何度も繰り返す事になったわね。
相手は河童のマークが目印の建設会社。
外の世界にある建設用の機械の再現に成功してから立ち上げた新設の会社らしいのだが……
「お宅らの無理な依頼の繰り返しのせいで他の案件の仕事が止まってるんですよ? そのせいでにとり会長からウチの店長がクビにされかかってんですよ!」
ごもっともなお怒りで机をバンバンと叩く数人の河童。
もし幻想郷にここ以外にウチの改築が出来る建設会社があるなら何件かはしごして回すのだが……
「この件に関して空よりも高く海よりも深いわけがあるもので……」
「その訳のせいでウチも仕事でパンクしてるんですよ! なかなか新しい河童や妖怪の採用のメドも立たないなかどれだけの苦労があると思ってるんですか!! アンタ、ウチら河童の陰でなんて呼ばれてるか分かるんですか?」
「い、いえ…… もうこっちの方でも色々と問題が……」
「”カリスマブレイク”、”おぜうさま”、”オゼリア”、”かりちゅま”…… 挙げて行ったらキリがありませんよ!」
ちょっ! そんな話聞いてないわよ!?
「……もういいです。 本当に事情がある様ですから今回まではどうにかウチで修復をさせていただきますけど、もう次はありませんからね?」
「……ええ、毎回毎回ありがとうございます」
「本当に何があったらこんなに改築をする必要性が出て来るのか……」
頭を抱えながら河童達はため息をついてそのまま帰って行った。
頭を抱えたくなるのはこっちの方よ……
「咲夜……」
「なんでしょうか、お嬢様?」
「パチェと美鈴を呼んで来なさい。 ……次には必ずあの”強欲の魔法使い”を叩き潰す!」
もうあの人間は許さない! 今度来たら一生もののトラウマでも与えてやろうかしら?
そんな事を考えながらパチェと一緒にこれまでに盗まれた本のリストを纏めたり、咲夜や美鈴と建設会社への改築依頼の回数の確認と庭の被害を再確認する作業に入る事にしたわ……
それが終わったころに確認できた被害は…… 金に換算して一庶人が弁償するなら首をくくる必要が出るくらいの巨額に膨れ上がっていた……
レミリアside end
魔理沙ちゃんを捕獲。
この後の処遇をどうしたものか……
メイド化は別のSSでやっているのを見かけたし……
触手攻めみたいな展開はエロ過ぎる方向に行きそうだし……
ご意見・感想を待っています!
次回もお楽しみに!!