バカと幻想と舌禍の女神   作:閻魔刀

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さあさあ始まりました、ゆかりんとのお話タイム。

一体何がどうなっていくのやら……(すっとぼけ)



バカと交渉とブレイクタイム

 今この場でハッキリ宣言しようと思う。 ……やっぱり誘拐されそうになった被害者としてではなく一個人としてあのスキマ女が嫌いだと!

 

「いきなり何考えてるわけ? 気品高き紅茶を相手に大量の砂糖とミルクを投入するなんて…… ミルクミルク……本格派の紅茶を相手なら何でもミルクティーにして…… これだからお嬢様気取りのオバサンは……」

 

 まあ、この辺の話は母さんからの受け売りでもあるんだけど……

 実際に乗り気じゃなかったお母さんに夕飯のレシピで脅して(その翌月は小遣いを無しにされるという報復を受けたけど……)ティーバックの紅茶で試してみたら全部事実だったんだよね。

 とは言っても、他の人に対してこんなことは言わないんだけど、流石にあの妖怪には何度も見下されてムカついていたからつい喧嘩腰になっちゃった……

 

「あら、吉井くんはなにも分かってないのね? ミルクティーは紅茶の完璧な飲み方よ」

「まあ僕は紅茶よりもコーヒー派だから別にどうでもいいけど。 お母さんの趣味に付き合わされたのがきっかけだけど、コーヒーはとてもいいよ。 徹夜でゲームをしながら飲むのにちょうどいいんだ。 仕送りが入ってすぐの日は7杯くらいは飲んでたくらいだし」

 

 もっとも、それが父さんと姉さんにバレた時には飲み過ぎだって説教されたんだけど……

 特に姉さんからは「そんなアキ君にはオシオキのチューをします」とか言われて追いかけまわされたりしたから仕方なく5杯に抑える様にはしてるんだけど……

 

「へぇ、よくもそんな苦いだけの無粋で炭みたいな黒水を日に7杯も飲み干せるわね?」

「そっちこそ、ミルクティーなんてカロリー補給にもならないただ贅沢なだけの飲み物をグビグビといけるんだね? 一応僕も紅茶は飲むけどさ…… 自販機でアイスレモンティーを一気飲みなんて飲み方しかしたことないけど……」

「アイス?レモン?適当に一気飲み? あり得ないわね。 レモンは紅茶の風味を壊すだけですし、自販機の紅茶なんて砂糖多すぎて甘ったるいだけですし、一気飲みなんてしたら紅茶の味も分からないじゃない?」

 

 別に紅茶にこだわりなんてないからどうでも良かったんだけど……

 この後の紫さんの言葉には僕も本気でキレそうになった。

 

 

 

 

 

「君、舌は大丈夫かしら?」

「ウソだ!? 味覚馬鹿のミルクタンクのスキマ妖怪なんかに舌の心配をされた!?」

「吉井くん、貴方、個人的にも私の事が嫌いでしょ? さっきから私をバカにするような言葉で挑発して? いいわよ? そこの裏路地で殴り合ってもいいわよ?」

 

 やっぱり僕がこの妖怪さんと話し合いをしようとしても埒が明かなさそうだ……

 全然話し合いが進まないどころか思いっきり脱線してるし。

 

「ま、直接殴り合いなんてしなくても貴方も指名手配犯にしてこの世界に帰ってこれなくすることも出来るからどうでも良いんですけど」

「そうやってアンタは僕を助けようとしてくれる人達を強引に突き放させ、自分の良い様に道具として利用している。 僕がアンタに従わない理由なんてそれで十分なんだ!」

「……浅い理解ね。 貴方みたいなバカとは話し合いでさえ相当苦労するのよね」

 

 これ見よがしに呆れ顔で溜息を付いて見せる八雲紫……

 

「それに”理由”についてもどうかしら?」

「何が言いたいのかしら?」

 

 いつの間にか豊姫さんも僕の隣に座って紅茶とクッキーを食べている……

 僕だけで話し合いをしようとしても一向に進まないと判断したのか、間に入って話を進めてくれるみたい……

 

「私や幻想郷に敵対するという事は、吉井くんの能力を私が欲し続ける以上、もう月の都だろうとどこだろうと関係なく絶対に吉井くんを幻想郷に連れて来て見せる」

「これはまた大胆な誘拐宣言だね~? ……モグモグ」

「って、この玉兎がすでにお菓子の7割を食いつぶしてくれてるんですけど……」

「あ、あとアンタのおごりだって言うから遠慮なくあの最高級アールグレイって言う紅茶も注文したよ? 今ポットみたいなのに入ってるのがそれなんだけど?」

「「『どんだけ飲み食いしてんだ(してるの)!?』」」

 

 あ、『空気読め』のコメントと共にサグメさんが鈴瑚さんにゲンコツを喰らわせてる……

 清蘭さんも反応に困って苦笑してるし……

 

「あー……と・に・か・く! このままこの事態が泥沼化してしまったらお互い望まない戦争に発展してしまう危険だってあるの? そんな事になったらあなたの立場は間違いなく不要な戦争の火種を作った危険人物でしかないでしょうね」

「何言ってんだ! それはアンタが僕を誘拐しようとしたせいで!」

「それにを引き起こしかねない今のあなたは何? ”眠っている能力に振り回される超能力者?”、”誘拐犯の手から異世界の女の子達の手で守ってもらえている悲劇の少年?”。 違うでしょう? あなたは一人の女の子の為に阿呆な発想と行動力をもって奔走する日常を送るだけの高校生でしょう?」

「紫様、敢えて言っておきたいのですが、いまどき吉井くんのような子は学園ラブコメのライトノベルの中にしかいませんよ?」

 

 失礼な! 困っている女の子がいたら助けたいと思うのがふつうじゃないか!

 ……普通だよね?

 

「それがどうしたのかしら? 吉井くんからしてみればそんな日常をワケの分からない理屈で奪われようとしてるのよ? その日常を邪魔する貴方達は十分敵でしかないし、私達の様に助けようとする者達がいるなら助けて貰おうとするのは当然……」

「そこよ。 そこが大きな誤解なのよ?」

 

 ここで紫さんが指を指しながら反論しようとしてきた。

 僕と喧嘩になった時と違って、険しくはあるけれどどこか真剣になっている事が分かる。

 

「思い出してほしいわ。 最初に私が間違って吉井くんを月の都に落としてしまった時も、あの学園の屋上での事も、その後で吉井くんの友人達を巻き込んでしまった事も、今日貴方達が追われた際に吉井くんまで巻き添えを喰らってしまったのも不幸な事故の様なものよ。 あくまで吉井くんを確保しようとした作戦に対して綿月姉妹やそこの玉兎達が介入してしまったに過ぎない」

「ちょっ、何をぬけぬけと……」

「吉井くん達の日常を邪魔するつもりは無いわ。 寧ろ能力だけでもいただけたら後は友人達と共に日常に戻ってほしいと思っている位なのよ?」

「「「なっ・・・」」」

 

 このスキマ妖怪の発言は意外だった・・・

 誘拐しようとした以上、人間なんて適当な食料にでもして処分しかねない位に穢れた妖怪(偏見)から出て来たセリフだとは思えなかったからだ。

 

「そこで取引をしたいの。 もう今後一生月の都に対して戦争を仕掛けようともしないし、巻き込んでしまったあなたの友人達も私のツテを最大限まで使って文月の街に帰すと約束してもいいわ。 エスコートもつける手筈も整えている。

指名手配も吉井くんが来てくれると約束してくれたらすぐに解いてもらえるように手続きを取ってもいいし、今回の依頼に対してそれなりの報酬を支払ってもいいと思っているわ」

「何ッ・・・」

 

 スキマ妖怪の言葉に反応した藍さんが大きな裾の中から何かを取り出した。

 その正体は妙に大きい、金一封と書かれている封筒。

 その厚みから察して、数百万はあるかもしれない……

 

「但し、その見返りとして吉井くんのその両手に宿っている能力を何が何でも貰うわ。 あと、月の都でたくらんでいるだろう遷都計画の詳細もね?」

 

 どうするべきなんだろうか? ハッキリ言って僕からしてみればいいこと尽くめだ。

 豊姫さんと依姫さんの指名手配が解ければ地上での悪評も無くなってこれまで通りの日常を取り戻せる。

 雄二達も安全が約束された上でこの世界に戻ってこれるし、僕もほんの少し力を貸すだけで報酬までもらえる。

 僕個人からしてみればこれ以上ないと思える程の取引にも思えたが、なにか違和感が……

 

「何を迷っているのかしら? これ以上は無い、いい取引じゃないかしら? こちらからしてみれば、吉井くんが寝ている所を誘拐して能力を強制的に覚醒させたうえで両手ごと奪い取ることだって出来た。

それをわざわざ回りくどい真似までして淑女的に大人しく取引を持ちかけているのよ? この世界での幸せが戻って来る以上、月の都なんかに居続けようとする意味も無いでしょう?」

 

 確かにこれ以上、月の都の皆に迷惑はかけられない……

 あまり迷いすぎてスキマ妖怪の機嫌を損ねるのも良くはないかもしれない……

 

「実際相当生き辛い環境だったんじゃないかしら? 穢れのない環境を自慢げに掲げ、地上人を見下していながら”保護する”なんて名目で偽りの優しさを向けて、偽りの親切でピンチに陥らせるような存在の事を気にかける必要なんて……」

 

鉄拳「マジ殴り」

 

 紫さんの暴言を聞いた瞬間、我慢の限界に来ていた僕の怒りが限界を超えてしまった。

 失礼極まりない女の人だけど、女性を相手に殴り掛かるなんて真似はこれまで全くできなかった……

 だけど、こんなひどい物言いをする人を相手に何もしないなんて僕を助けようとしてくれたサグメさん達に対しての侮辱以外の何物でも無い。

 だったら僕に出来る事は一つだ!!

 

「……その口を塞げよ、このババア!!」

「あらら、何をそんなに怒っているのやら……」

「恩人がバカにされていると分かってたら怒るに決まってるだろ!」

「分かってなかったら怒らなかったって事じゃないの…… まだ話はあるわ。 あなたが散らかしたお菓子と紅茶は藍にでも片付けさせるからおとなしく座りなさい」

 

 くそっ! あんな暴言を吐かれた以上一発はぶん殴ってやらないと気が済まないけど、これ以上暴れたらただでさえ印象が悪い僕等の立場が更に酷い物にされてしまう……

 ここは大人しく座るしかないのか……

 

「自分に取って大切なものを守る選択が出来ない人間にラブコメ小説の主人公たる資格は無いわね。 頼まれたわけでもないのに関係の無い存在のピンチにまで首を突っ込んで、全てを救おうとしておきながら全てを台無しにしてしまうでしょうね」

「サグ…月の皆だって無関係じゃない!」

「やれやれ。 あなたの言う事はあまりにも愚劣で甘ちゃんでお子様ね」

「僕からしてみれば紫さんの言い分の方が非情過ぎると思うけどね」

 

 そう、紫さんは自分に取って大切な箱庭、あるいはその住人以外の存在は使えそうな道具か買収できる駒でしかなく、いくらでも使い潰して良い存在だとしか思っていないんだ。

 そうでなければ月の皆のような自身にとって害しか成さない敵であり、叩き潰すべき相手であるとしか考えていないんだろう……

 

「・・・仕方ない、そんなあなたの為に最大譲歩したB案がある」

「「はぁっ!?」」

「『あなたの能力をしばらく”借りる”』『幻想郷に月の都は関わらない』。 それだけでいいわ。 この二つさえしてくれるならこの事態そのものを収束させてあげるわ」

「ちょっ…じゃあアンタ、最初から吉井くんの能力以外はどうでもよかったって事!?」

「その通りよ青兎ちゃん」

 

 な…… なんだ、その条件は……

 

「頭の回転が悪い貴方達の為に少し分かり易く言い直してあげるわ」

「なんだと! それじゃあまるで僕ら全員がバカみたいじゃないか!?」

「あら? 少なくとも吉井くんとそこの青い兎はバカにしか見えませんけど?」

「「なんだと!! 清蘭さん(こいつ)なんかと一緒にするな!?」」

 

 少なくとも僕は清蘭さんよりはまともに決まって……清蘭さんの見る目が僕と全く同じなんだけど!?

 絶対今の清蘭さんも僕と同じこと考えてるよ!?

 

「吉井くん、確かに私達のこの行動の根幹にあるのはあなたの誘拐でしかないわ。 でもその目的は最終的に世界を救う事にもつながるの。 だからあなたを一時期とはいえ連れ去ろうとしたのも故あっての事だから少しだけ大目に見て大人しく力を貸してくれた後は黙ってもらえないかしら? それで十分なのよ」

「……つまり?」

「……サグメちゃん」

『つまり、「吉井君が人質を材料にされたまま胡散臭い妖怪女にこき使われるか」、「スキマ妖怪から逃げて友達を見捨てるか」どちらか一方を選べって言ってるの』

「……コメントに棘があるけれど概ねそう言う事よ」

 

 つまり、皆を助けたければ僕が紫さんの元で怪しいバイトをさせられるって事?

 あまりにも都合が良すぎるぞ…… 逆に怪しすぎて返事に困る位だ……

 

(破格の条件だね。 吉井君、ここは受けるべきだと思う…… あいつ等が約束を全部守りきるとは思えないけど、とにかくこの条件を飲めばこの世界における豊姫様の不信感が解けるし、吉井君の身の安全も保障できる。 少なくとも周囲の人々を実質人質に取られた状況は打開できる!

吉井君、ここは受ける振りをするだけでも良い! まずは時間を稼いで、月の都に戻って依姫様やイーグルラヴィの仲間に増援を要請するのが得策……)

 

 なんか鈴瑚さんが凄い考えてるのが分かるなぁ……

 だってさっきまでモグモグとおいしそうに食べていた動きが完全に止まってるし……

 

(ここは豊姫様にも相談して……)

 

 あれ、鈴瑚さん? 何に気が付いたんだろう?

 急に立ち上がって一体何が……

 

(豊姫様の様子がおかしい…… やっぱりこの取引のおかしさには気が付いているんですね。 今回の条件はあまりにも甘すぎる。 それ以前にこんな取引なんてするなら、あのスキマ妖怪の後ろで構えているキツネが代行して話を進めればいいだけの事で、あのスキマ妖怪が出張って来る意味が全く無い。

もし、幻想郷にいる住民の中に”強制的に約束を遵守させる程度の能力”、あるいはそれと同等の効果がある秘具なんてものがあったとしたら? ここはまともに答えざるを得ない。 いや、そもそもこの条件はむしろ吉井君に追い込みを掛ける為だけの仕掛けになっているような…… どちらにせよ、あのスキマ妖怪からは異常なまでの執着を感じる!!)

 

「何を迷っているのかしら? 皆を無事に円満に帰す為には私の依頼を手伝って後は無視するだけでいい。 余計な含みなんてない簡単な事でしょう、吉井君?」

「……でも、アンタはその為だけに関係のない人間まで巻き込んで、いたずらに皆を傷付けた。 それを無視するって事は秀吉達の安全の代わりにこれまで守ってくれたサグメさん達を裏切る事にもなる……」

「だから? つい昨日知り合ったばかりの月の連中なんかの為に大切な友達を危険にさらす気なの?」

「あ、いや…… 雄二達だったら出会い頭に初見殺しの罠に引っかからない限りは大丈夫だろうから……」

「「吉井君、その友達と本当に友情観念あるのか疑問なんだけど!?」」

 

 豊姫さんも鈴瑚さんも失礼な! これでも秀吉だけは心配してるんだぞ!

 秀吉ほど愛くるしくて可愛らしい娘が(男子です)化け物連中によってあんなことやこんなことでニャンニャンされているなんて……

 

「むしろ興奮するじゃないか……って、みんなどうしたの?」

 

 あれ? ぼくなんかおかしなことを言ったのかな?

 紫さんどころかサグメさんまで気持ち悪い物を見るような目で見てるんだけど……

 

「そう…… なら、これを見ても同じ事が言えるのかしら?」

 

 そう言った紫さんが僕らの目の前に手をかざすとこれまでに何度も見たスキマが展開されてきた。

 とは言っても誰かを通す為の移動用ではなく、分かり易く説明するなら小型のテレビ画面のように受信した映像などの情報をリアルタイムで流してくれる感じのもののようだ。

 

「これって……みんな!? 一体何がどうなって……」

 

 スキマの先にいる雄二達の様子を見て僕は驚いてしまった・・・・・・

 

 バブル時代の歓楽街のような場所でテレビでしか見たことが無いような大金を持って値段に見向きもしないで散財をしている雄二。

 無駄に赤い部屋の中で小さい女の子と一緒になってカメラをいじくりまわしているムッツリーニ……

 江戸時代を連想させる村の中で、桃の飾りを乗せた帽子をかぶっている青髪の美少女と羽衣を纏った美女に連れまわされて疲れ切っている秀吉……

 

「……雄二達、全然大丈夫なような気がしてきたんだけど?」

 

 もう、別に紫さんの取引に答えなくても大丈夫なような気がしてきたんだけど……

 

「答えは”否”って事でいいのかしら?」

「ああ、八雲紫。 ハッキリと断らせてもらう!」

 

「なら交渉は決裂ね」

 

 その言葉の後に立ち上がった紫さん。

 とたん、僕の後ろからなにか堅い物が弾かれるような音がした……

 

「私達を甘く見たわね、八雲紫?」

 

 振り向いた先で見たのは、何かを蹴り飛ばしたかのように足を上げている清蘭さん。

 そして……

 

「あたた…… 幽々子様から紫様に協力する様に言われてきてみれば…… まさか外の世界での初仕事がただの人間の”両手を切り落とす”……だとは思わなかったですよ」

 

 銀髪のセミロングヘアと弾かれた刀が目立つ女の子だった。

 どうにか刀を拾って距離を取ろうとするが、その前に後ろに回り込んでいたサグメさんが銀髪少女を掴み、一本背負いで床に叩き付けた!

 だが、銀髪の女の子は大して堪えていない様で、紫さん達を置いてどこかに言ってしまった。

 さっきの言葉から多分隠密系の仕事を依頼されて僕に切り掛かったんだろう……

 

 

 それとほぼ同時に今度は紫さん側の方から何かを弾くような音が聞こえた。

 

「なるほどね…… 想像以上に面倒な力を発しているわね。

察するに、これは何かしらの約束を強制的に遵守させるための道具かしら?」

 

 どうやら豊姫さんが紫さんに攻撃したようだが、今豊姫さんが回収した天秤のようなデザインの小道具を見て僕は震えが止まらなかった。

 この手のオカルトには素人の僕でも分かる程の禍々しい狂気がその道具からは感じ取れたんだから豊姫さんにはこれがどんな道具なのかですら簡単に察しが付いたのだろう。

 

「吉井くん……後悔する事になるわよ?」

「あんな女の子に人の手を切り落とすように依頼するような妖怪にだけは言われたくないね」

 

 完全に悪役な捨て台詞を最後に帰ろうとしている紫さん。

 やはり僕の中に眠っているという能力が手に入らないのが悔しかったのだろう……

 さっき僕の拳を止めた方の手が少しだけ震えていた。

 

 こうして紫さんとの交渉は決裂に終わった。

 豊姫さんの指名手配の問題といい、これからどうなっていくんだろう……

 

 

 

 

 




いつの間にかこんな時間だ……
そろそろ寝ないと夜の仕事に差し支える……
今日も6時起き……

さっさと寝よう。 天子ちゃんがゆかりんによって〇〇〇されている妄想でも膨らませながらwww

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