バカライの方も編集しておかないと……
「なぜわしはベッドの上で眠らされておるのじゃ?」
秀吉は困惑していた。 自分はついさっきまで比那名居と永江の二人と一緒にいたはずなのに、気が付いた時には保健室のベッドのようなところで眠らされていたのだ。
困惑しない方がおかしいだろう。
「あら、目が覚めたのかしら?」
目覚めたことに気が付いた女性が秀吉の元に近づいてくる。
「ああ、自己紹介がまだだったわね。 私の名前は”八意永琳(やごころえいりん)”。
この診療所『永遠亭』で医者をやっているわ」
八意と名乗った女医。 比那名居や永江とは全く違う大人の美しさを持つ整った顔と銀髪が印象に残る。
赤と青の奇妙な服は少々奇抜だとは思うが……
「起きていきなりだけど、ちょっと目を確認させてもらうわね」
目を覗くことで何が分かるのか…… おとなしく目を診てもらう秀吉。
「問題ないわね。 声は出せるかしら? 一応もう一回なにか喋ってもらってもいいかしら?」
「……どうしてこうなったのじゃ?」
「記憶の混濁… 脳には異常は無いから落ち着けば記憶も戻ってくるでしょう」
頭の回転が鈍くなっている秀吉だが、この後の八意の言葉ははっきりと聞き逃さなかった。
『まあ、最悪記憶が戻らなくても強制的に戻す薬を何種類か投与すればいいだけだし…… 服用法を間違えたら目玉が”ポーン”と飛ばされちゃうけど……』……と。
「ちょっと待ってほしいのじゃ。 今、とんでもないことが聞こえた気がするのじゃが?」
「大丈夫よ。 竹に体を打ち付けたから少し痛みもあるでしょうけど、この程度なら一日だけ休めば動けるようになるはずよ」
どうやら記憶を戻す薬とやらは使われずに済むようである……
表情こそ冷静を装っているが、内心震えあがっていた秀吉は心の奥底でホッ…と胸を撫でおろす。
「念の為、けがの治療の事もあるから数日は入院してもらうわ。 ……って、そんなにおびえないでも大丈夫よ。 そんなにいう程の大けがじゃないから、八意印の特効薬は使う必要はな……」
「全く、なんでわたしがお師匠様の薬を取ってこないといけないウサ…… 普段ならうどんげの仕事なのに……」
突然、兎耳をつけた少女が愚痴をこぼしながら入ってきた。
見た目は10歳くらいのようにも見えるが、どこかしたたかさを感じさせる赤い瞳をしている。
その瞬間に秀吉の洞察はある結論に行きつく「この少女は信じてはいけない」と。
「うどんげは私が軽くオシオキしている途中だから、今頼れるのはあなただけなのよ」
「臨死体験は軽いオシオキとは言わないと思うウサ……」
姫様とうどんげ…… あ! すべて思い出したのじゃ!
あれは迷いの竹林を比那名居と永江の二人の力で強引に突き進んでいった後の事じゃった。
another story
永遠亭を目指し、いくつもの罠を切り抜けてたどり着いた建物。
そこの門をたたこうと比那名居が近づこうとした時だった……
「患者様? この永遠亭に何か御用でしょうか?」
いつの間にか比那名居の後ろで大型拳銃を突きつけている兎耳女子高生。
「あらあら、いつからこの永遠亭は暴力団の組事務所になったのかしら?」
「少なくとも、あなたのように神社を倒壊させた上に唯々調べ物をしに来ただけの普通の兎を攻撃してくるような問題児相手に警戒しない妖怪は存在しませんよ?」
どうもこの兎は比那名居の知り合いのようだ。
…が、比那名居の事をとても警戒しており、まともに話し合いなどは期待できなさそうであった。
「門前でうるさいわね! せっかくド〇クエジョー〇ー3で合体ダー〇ドレア〇と身代わり用のはぐ〇メ〇ルが出来上がったところだったのに……」
門前で比那名居と兎耳の女子がもめていたところを聞きつけた少女が現れる。
腰よりも長く美しい黒髪。
手足の先まで隠しながらも月や桜、竹・紅葉・梅などの模様が金色で描かれ、純然たる和風の美を感じさせる服。
そんな純然たる和風の美女から発せられた第一声がまさかの「ゲームで楽しんでいたのを邪魔された」……
多少の異常には驚かなくなってきていたはずの秀吉も思考が停止してしまう。
「珍しいですね。 あのニートで引きこもりの姫様が表に出てくるなんて」
「うどんげ? あなたが私をどんな風に思っていたのかは分かったわ…… あら?」
うどんげと呼ばれたバニーガールともめていた比那名居の存在に気が付いた姫様。
「あらあら、確かあなたはうどんげがお世話になったって言う……」
何を思ったのか、ぶつくさと言いながら屋敷の奥へと戻っていってしまう姫様。
比那名居は歓迎されると思っており調子に乗りまくった事を言いたい放題だったが……
「ひ~な~な~い~……」
静かになっていた永遠亭の奥からドタドタという荒々しい足音と共に、先ほどの姫様と思われる少女の唸るような声が響いてきた。
戻ってきた姫様の両手には謎の赤い石と金色に輝く謎の板切れ……
背中には白銀や黄金などの珠がいくつも装飾された木の枝のような何かまで背負っている。
「あの装飾のついた枝…… どこかで聞いた覚えがあるのじゃが……」
「フシャァァァァ!!」
姫様が背負っている木の枝に関して考察している秀吉だが、答えを出している余裕はなかった。
過去に何があったかは分からないが、姫様は明らかに比那名居を見ただけで激怒しており、話し合いなどする気は微塵も感じられない。
「すぐに永琳に治させるから、全身の骨を砕いてやるわ!!」
「ち、ちょっと待ちなさいよ! とりあえず話を……」
「問答無用よ! ウチのうどんげを虐めてくれた分の返しをたっぷりとしてやるわ!」
新難題:『金閣寺の一枚天井』
姫様と呼ばれた少女が持っていた金の板が異様なまでに大きな天井板へと変形する……
「何なんじゃ、あれは!?」
「総領娘様、ここはあなたにお任せします!!」
「冗談じゃないわよ! あんなの喰らったら…… なんていうご褒美♡」
永江が秀吉を抱え、バカでかい金天井の処理を比那名居に押し付けて逃走しようとする。
が、しかし音速を超えた超スピードでたたきつけられた天井板の一撃から逃げ切ることが出来ず、秀吉の体をかすめてしまう。
その衝撃波が秀吉と永江の二人に襲い掛かる。
妖怪である永江は耐え抜いて見せたが、ただの人間……しかも霊力の欠片も持ち合わせていない秀吉では耐えきることなどできるはずもなく、竹に体を打ち付けた際にそのまま気絶。
秀吉が衝突した竹が完全にへし折れているあたり、どれほどの衝撃だったかが思い知らされる……
another story end
「それで! あの後、いったいどうなったのじゃ!!」
「少し落ち着きなさい」
慌てふためく秀吉をなだめた八意は秀吉が気絶した後の事を簡単に語ってくれた。
「まずあの比那名居天子は姫様からの一枚天井を直撃させられて気絶していたわ。 最も、あの子にとってはご褒美だったのか気持ち悪いくらいの笑顔だったけどね……」
八意の呆れ顔から察した秀吉は沈黙を貫くことに決めた。
「永江さんは妖怪だったのもあってほぼ無傷だったわ。 今頃はあの変態の介護でもしてるんじゃないかしら?」
耳を澄ましてみると隣の部屋から永江の楽しそうな声が聞こえた。
本当に無傷だったのだろう……
「あとはうどんげと姫様だけど…… てゐ、うどんげの様子はどうかしら?」
「いや…… 今のうどんげには近づきたくないんですけど…… 発狂寸前になっている位に発情中でこのままだと臭い粘液まみれのブ男や色を知らない幼女が相手でも躊躇なく襲い掛かりかねないウサ」
「なら問題無し……と」
「いろいろと問題だらけなのじゃ! いったいどんな薬を使ったのじゃ!?」
「ちょっと軽い幻覚を見せる程度の試薬よ? まあ、副作用として薬の効果が切れる頃に陰部の痒みと極度の興奮が襲ってくる可能性があってまだまだ完成には程遠いのだけれど……」
明らかに危険な薬品だった……
話を聞かずに銃で脅迫したうどんげだったが、臨死体験をさせられた上に危険すぎる薬の治験の被験体にさせられているというのはかわいそうになってきた……
「でも使用用途を考えたらこの副作用は残しても問題はなさそうね。 元々この薬は八雲の狐から依頼された催眠薬的な物で、もう依頼はキャンセルされたから作る必要は無いんだけど……」
「だったらどうして完成させようと思ったウサ?」
「単なる知的好奇心よ? 似たような効果の薬はいくつもあるけど、薬同士の相性の事もあるから薬の組み合わせも多様な物を用意しておかないと。 それに違う薬を調合させることで全く異なる効果を持つ薬を作ることもできるからその為の……」
一応医者としての自覚もあるのか、真剣な顔で語っている。
パソコンの画面のような物を覗きながらレポート用紙に記録と考察を書き上げていく。
「……本音はどうウサ?」
「発狂寸前なのに何もできずにもがいているうどんげを眺めていたかった。 反省も後悔もしていないわ」
「このドS系変態女医は一遍死ねばいいと思うウサ。 ……あ、そういえばこのメス豚は死ななかったウサ」
「本当に幻想郷には変態しかおらんのか?」
恍惚とした笑みで頬を赤らめている八意の発言にドン引きする秀吉とてゐ。
ゴミを見るような目で「とりあえず私は部下の様子を見てきます」と伝えたてゐは八意の返事を待たずに部屋を出て行く。
部屋に残っているのは普通の顔に戻っている八意とてゐと同じく八意の事をゴミを見るような目で見ている秀吉の二人のみ……
部屋の空気はうかつな修羅場よりも重いものとなっていた。
「とにかく今日は様子見も兼ねて泊まっていきなさ……」
「全力でお断りするのじゃああああああぁぁぁぁ!!」
全身に筋肉痛のような痛みが走るが、何をしでかす気なのかが分からない変態女医から逃げる為に外を目指す秀吉。
「ちょっ…… 無茶したらダメよ! あなたは気絶してて覚えていないのかもしれないけれど、姫様と比那名居天子の戦いの余波の影響で目覚めさせられた霊力が暴走して全身が悲鳴を上げているのよ! そんな体で無茶したらどうなる事か……」
一応医者として止めに入っている八意だが、先ほどの会話の後で不安にならない方がおかしいだろう。
彼女の言葉を無視してどうにか永遠亭から出ようとした秀吉。
部屋から出るためのふすままであと数歩と言うところだった……
「永琳!! 私に飲ませた水に何か仕込んだでしょ!!」
秀吉が気絶する前に比那名居と戦っていた姫様が顔を真っ赤にしながら部屋の中に突撃してきた。
とは言っても、門前で出てきた時とは打って変わって内股でプルプルと小鹿のように足を震わせながら入ってきたが……
「ハイ♡ 先ほどうどんげが飲んだ薬と同じ物と利尿ざ…… いギョッっ!!」
セリフがまともだったら見惚れそうなほどの屈託のない純粋な笑顔で答えた永琳の顔面に拳を叩きこむお姫様。
空中で何十回も回転を繰り返した末に壁に叩き付けられて気絶した永琳……
「全く…… こんな変態でもいい所が沢山あるから一発ぶん殴る位で許しているけど、そうじゃなかったら対妹紅専用に作っていた不死者対策用のトラップ満載の封印部屋にぶち込んでやるところよ」
「不死者対策とはいったい……」
「あら、アンタは確か比那名居と一緒にいた子よね? とりあえずついてきなさい」
秀吉の存在に気が付いた姫様はとりあえず強引に抱きかかえた上で、隣の部屋にある布団へと運んでいく。
同じ部屋の中だと復活した永琳の変態トークが始まってしまい、ゆっくりと話が出来なくなるからである。
全身の筋肉痛で動けずにいる秀吉を布団に寝かしつけた姫様はしばらく部屋から出て行った。
隣の部屋で何かが叩きつけられる音が響く。 恐らく永琳が目を覚ましてまた変な事を言ったのだろう……
それから数分後に先ほどとは打って変わってカリスマとしての姿を取り戻した姫様が戻ってきた。
「まずは自己紹介させてもらうわね。 私の名前は『蓬莱山輝夜(ほうらいざんかぐや)』。 この永遠亭の主で」
「元・月のお姫様……」
「永琳、あなたは下がっていなさい」
すでに復活していた永琳の服の襟をつかんで外へと投げ飛ばす輝夜。
先ほどから”姫様”と呼ばれている少女の行動とは思えない荒々しく、かつ豪快な力業に秀吉は度肝を抜かれた。
「わ、わしの名前は木下秀吉じゃ。 初対面の者にはよく間違われるのじゃが、こう見えてもわしはおと……」
「男の子だって言いたいんでしょ? こう見えても姫やっている時間は長いんだから、ちょっと女くさい雰囲気がする程度で性別そのものを間違えるわけないでしょ?」
「……っっ!! わ、わしを一目で男だと分かってくれたのは主様だけじゃ!」
「ああっ……もう! うれしいのは分かったから抱き着くんじゃないわよ! それと涙と鼻水吹きなさいよ! 汚いじゃないのよ!!」
幻想郷どころか外の世界でも性別を間違えられ続けてきた秀吉にとってはあまりにもうれしい事だったことも相まって輝夜に泣きつく秀吉。
そんな秀吉を強引に引きはがした輝夜は永琳が簡単に入ってこれないようにふすまを閉じて何か呪文のような物を唱える。
「ふう…… とりあえずこの部屋には私の永遠の術を込めたからいくら永琳でも私の許可なしに入っては来れないわ」
「永遠の術?」
「まあ、全部説明されても理解はできないでしょうから簡単に説明すると、『締め出し屋撃退用引きこもり魔法』を発動させて外からこの部屋に入ってこれないようにしておいたわ」
要約すると、『外からの干渉を無効化する術を発動させた』と、言う事である。
実際に外ではどうにかしてふすまを開けようと必死になっている永琳の声が聞こえるが、ふすまはガタガタと音を立てるだけで一向に開く様子が無い。
「さっきから私の部下が滅茶苦茶ばかりでごめんなさい。 一応あんな変態でも医者だから治療はしっかりとやってくれているでしょう。 今夜はこの部屋で泊まっていきなさい」
秀吉を寝かせた輝夜は一度部屋を出て食事を用意する。 うどんげが作り置きしていたニンジン炒めをおかずとした普通の野菜炒めである。
「作り置きしていた野菜炒めしかないけど、食わないよりはいいでしょ」
「いやいやいや! 突然押しかけてきたというのに、わざわざこのような食事まで用意してくれるとは思わなかったぞい! ありがたく頂戴しますのじゃ」
「ならよかったわ。 それになぜ霊力の霊の字も持ち合わせていなかったあなたがこの幻想郷に流されてきたのか聞きたかったし」
輝夜との話を続けられるように大急ぎで炒め物を食べきる秀吉。
「それで、秀吉君はなぜ幻想郷に?」
「学校の屋上で謎の爆発音が聞こえたので友人と共に屋上に向かったのじゃが、そこにいた美少女から話を聞こうとしたら、気味の悪い空間の裂け目へと落とされたのじゃ。 その落とされた先がこの幻想郷の上にある天界と呼ばれる場所だったのじゃ」
「ええ…… それでなんで幻想郷にやってくることになるのよ?」
「本当なら天界にいる比那名居のお父上が博麗神社と呼ばれているところまで送り届けてくれることになっていたのじゃが、その父親と喧嘩をしてしまった比那名居が……」
「なるほど…… そこであの比那名居が竜宮の使いと一緒になってあなたを人質に取って幻想郷に逃げてきたって訳ね。 あなたも災難だったわね」
頭を抱えながらため息を吐く輝夜。
「全くなのじゃ。 しかし坂本とムッツリーニも大丈夫なのかすこしだけ心配になってきたのじゃ」
「え? あなた、お友達は一緒じゃないの?」
「うむ、同じ裂け目に一緒になって落ちたはずなのじゃが……」
「それは不味いわね…… 落ちた場所が人里とかあの人形使いの家とかだったら比較的安全なんだけど」
「人形使いの家とやらは知らぬが、少なくとも人里では坂本とムッツリーニの二人には会えんかったのじゃ」
「そう……」
秀吉の言葉に何を思ったのかいきなり部屋に仕込んでいた術を解除する輝夜。
「永琳」
「お呼びでしょうか?」
何事もなかったように呼び掛けに応える永琳。
先ほどまでの変態っぷりは完全に消え失せ、姫に仕える従者としての姿になっている。
「先程までの愚行はすべて許すわ。 今すぐにうどんげを解放して八雲紫対策を練りなさい」
「はっ、すでにうどんげは解放してあります。 ですが、あの八雲紫が相手だとうどんげの解放だけでは出し抜かれてしまう可能性があります」
「それで?」
「永遠亭の医務を完全休業して、永夜異変の時に使った結界を使って完全に封鎖してしまいたいのですが……」
「それはダメよ」
永琳の提案を一蹴する輝夜。
「な……なぜですか!」
「貴女…… これまでに人里でどれだけの薬と恩を売ってきたのかしら?」
「そ……それは!」
「私達みたいな”妖怪社会”・”人間社会”どこの勢力にも完全に属していない私達が一番やってはいけない事は何かくらい永琳ならとっくに分かっているでしょう?」
「……え?」
輝夜の言葉に秀吉は疑問を覚えた。
今輝夜が放った言葉はまるで”永遠亭が人間側についている勢力ではない”ともとれるのだ。
「秀吉君はよくわかっていないようだから説明してあげないといけないわね」
話についてこれなくなってきている秀吉に今の永遠亭の立場を簡単に説明することにした輝夜。
1.永遠亭はかつて幻想郷内にありながらも存在を隠匿する事で誰にも認知されることなく隠れ潜んでいたが、永夜異変と呼ばれる異変を起こすきっかけとなった事件がきっかけで、異変の解決後に診療所として開放した事。
2.存在を認知されてしまった以上、何かしらの活動をすることで不要な敵を作ることを避けねばならず、その一環として幻想郷内で薬の移動販売や診療などを行っている事。
3.その関係上で幻想郷に対して友好的な存在として認知され、評判がさらなる評判を呼んだ結果、今や幻想郷にはなくてはならない医療機関として名をあげてしまっている事。
「う……む? それで…… 結局何が問題なのじゃ?」
「はぁ~っ…… いい加減に察しなさいよ…… 私達みたいななまじ名前が売れているにも関わらずにどの勢力にも属さずにいる”部外者”にとっては八雲のような幻想郷の賢者を相手に喧嘩を売るなんて言った”勢力図上の孤立”が致命的だって言ってるの」
ここまで説明されてようやく理解する秀吉。
社会貢献ならいざ知らず、外来人一人の為に幻想郷のトップを相手にいたずらに喧嘩を売ろうものならあらゆる勢力が手のひらを返して永遠亭を危険視する可能性があるのだ。
少なくとも、永遠亭の信用と看板は”その程度”の価値しかないのである。
「それだとわしを庇い立てしようものなら……」
「そうでもないわ。 少なくとも”交渉のやりよう”ならいくらでもあるわ」
そういった輝夜が渡したのは謎のうさみみバンドと女子高生が着るようなブレザー服である。
「え? ……ちょっと待つのじゃ!」
「待たないわよ。 永琳、比那名居のバカの治療はもう大丈夫なのよね?」
「ええ、天人なだけあって無駄に頑丈なうえに治癒能力も極端に高かったですから、朝にはケロッとしていると思いますよ?」
「午前中には追い出しなさい。 文句を言うようなら永琳が”本気”だしていいから。 午後には八雲のガキ……いなければ腰巾着の九尾でもいいわ。 交渉に向かうわよ」
秀吉の言う事に聞く耳を持たずにいる輝夜は永琳に命じ、副作用のない範疇で効き目の高い疲労回復薬などの数種類の薬を秀吉に服用させる。
完全に疲れ切っていた秀吉は服用させられた薬の影響もあり、布団の中ですぐに眠ってしまった。
ようやく永遠亭の皆を出すことが出来ました。
東方projectの作品の中でなぜか幻想郷の人間や妖怪よりも永遠亭や月の都みたいな月関連のキャラの方が好きになりやすいんですよね。
或いは文ちゃんやはたたんとかサグメ様みたいな翼っ娘に夢中になってしまう……
昔はどっちかって言ったらチルノちゃんやレミリアちゃん、フランちゃんみたいなロリっ娘が大好きだったんですが……
好みの変化って恐ろしいですね……
永遠亭メンバーの設定がある程度固まってきたので紹介したいと思います。
1.因幡てゐ
いたずら・イカサマ好きを除けば基本的にツッコミ担当。
語尾に「ウサ」をつける事が多い。
なんだかんだで部下の因幡うさぎの面倒見はいい方。
”医者”としての永琳はお師匠様と呼べるくらいには敬意を払ってはいるが、”薬剤師”・”研究者”としての永琳はゴミを見るような目で見ながら話をするくらいには軽蔑している。
2.鈴仙・優曇華院・イナバ
くねくねのオカルトはまだ持っていない。
永琳の試薬の治験担当でその時は大抵発狂しているか頭が飛んでいるかのどちらか……
後遺症が全くない当たり頑丈な部類ではある。
てゐからはいたずらの対象にされたりとからかわれてもいるが、試薬の治験中の時には恐れられてもいる為、複雑な気分でもある。
3.蓬莱山輝夜
永遠亭の主にして外の世界でも名高い伝説のかぐや姫。
ただし原作のかぐや姫と違って月の使者、および逆恨みした貴族による傭兵集団の連合軍 計950人の内893人を虐殺した月の都最大級の指名手配犯として登録されている。
だが実際に会って話をしてみると、指名手配犯になるような悪人とは思えないくらいに部下や入院患者に対しては面倒見が良くて優しいところがある。
八意永琳の変態性を知りながらも部下兼親友を続けられるのがいい証拠。
とは言っても熱意は認めているだけで変態化すると「気持ち悪い」と言って暴力で止めるか無視をしてしまうが……
その優しさが度を超すと部下が傷つけられた分の”返し”として大暴れしてしまうという短所も目立ってしまう。
何かしらの活動をするときは迅速な行動をとるが、ゲーム関係でニート化すると徹底的に部屋に引きこもってしまう。
4.八意永琳
常識人に見せかけたアブノーマルな地上最強の変態。
・月の都でも類を見ないほどの力(八雲紫が文月学園のオカルトの力を利用してやった事くらいなら一人で実行可能)
・輝夜や綿月姉妹などの強者を育て上げる事が出来るほどの教導力。
・副作用を無視すれば死者すらも生き返らせることが出来るほどの薬を作ることが出来る知識。
・それらの総合力を完全に掌握して制御できる自制心(ただし短気な為、喧嘩っ早い所あり)
などなどあげればきりが無い…… 正直、ここで秀吉が面倒見てもらっている地点でゆかりん、全く手出しができないのでは……とか思い始めている。
……が、”医者”としては真面目だが、”薬剤師”および”研究者”としては相当頭のおかしい変態と化してしまい、今回出した”記憶回復薬”やうどんげに使った怪しい試薬に関してはいろんな意味で優しい方。
もし彼女が本気で薬を勧めようとしたなら頭のおかしい宗教団体並みに変態全開で頭がおかしくなりそうな副作用に悩まされる薬を勧められてしまう。
気が付いたら同意書にサインをさせられて(呪術的拘束力有り)副作用に対してトラウマを覚えてしまう。
そして、二度と病気にならないように健康を考えた生活を送るようになる人間達が続出した。
因みにうどんげ達「移動販売担当」に売ってもらっている薬は副作用のない比較的安全で安い劣化版である。(輝夜が命令して出させたレベルの薬)
どうしてこうなった…… いや、書いたの私ですけどね?
むしろこれでもかなり薄味な描写なんですけどね……