俺の戦車道日記   作:Tー34

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第1話

○月○日

 

 今日から俺も2年生となり、新しい担任やクラスメイトに心躍るって訳でも無いが楽しみにはなってきた。

 

 ウチのクラスには黒森峰女学園から女子1名が転校してきたが名前は忘れた、まぁその内覚えるだろう。

 

 それと、今日から始まったサン○スでのボコのクジを数回引いた所、A賞の『ボコられグマ ビッグ(50cm)サイズ』とキーホルダーが数個入手できた。ボコが好きな妹の愛里寿(ありす)も送れば喜ぶ事だろう。

 

 そういえば俺が家を出奔してからもう2年か、早いものだ。毎日定時に愛里寿と電話で連絡しているとはいえ2年も会っていなければ背丈や容姿も少しは大人に近づいている事だろう。兄である俺としては、兄としての偏見無しでも美少女の類に入る愛里寿に変な虫が付かないか少々心配だ。

 

 さて、2年生最初の日という訳で日記を書くのはここまでにして後は俺が済んでいる学生寮の車庫に置いて貰っている実家から持ってきたA-20の整備でもしてから風呂入って寝るとしよう。

 

 明日も早いからなー、低血圧だから起きれるようにしないと…。

 

 

 

 

 

○月×日

 

 昨日黒森峰女学園から転校してきた例の女子である『西住みほ』と友人関係となった。

 

 いや、突拍子も無くこんなん書いても読み返した時に意味分からなかったら訳分からんから一応経緯を書いておこう。

 

 2年となっても普段と変わらず朝8時に学校へと向かった俺は、サン○スに寄ってボコクジして色んなグッズを手にして登校しようとしていると、背後から西住からボコについて話しかけられたのだ。つか、俺名前教えた覚え無いのに知ってたのは怖かったが、クラス全員分の名前を暗記していたとは……。

 

 そこで俺が妹がボコが好きで、妹にプレゼントで送る為にグッズを買った事を伝えると西住はテンションを上げながらサ○クスに入ってクジを引きに行ったが残念ながら俺でもうクジは終了しているので購入出来ずに肩を降ろして残念そうな顔をしながら店から出てきた西住に俺が手に入れたボコのグッズをやると、それはそれは大変喜んで気分上々してお礼を言ってきた。俺としては感謝よりお前のテンションの高さによるデカい声で好奇な目で他の人から視線を集めてるから何とかして欲しい所だが、喜んでいる西住にそれを伝えて辱める事をするのもアレだから黙っておいた。

 

 学校ではなんと俺と席が隣だったらしく、西住は休み時間になる度に俺へ話しかけてきた。もちろんそれは昼休みも例外では無く、俺と一緒に食堂で飯を食べようと誘ってきたが、丁度近くにいた1年の時も一緒のクラスメイトだった女子『武部 沙織』と『五十鈴 華』に西住を押し付けて俺は昼休みくらいは一人で居たいので中庭でベンチに寝転がりながら登校時に買っておいた昼飯のパンと学校の自販機で購入したコーラを飲みながらソシャゲーして暇を潰し、午後の授業も半分寝ながら受けて時間を潰した。

 

 放課後になると、昼休みに知り合ってから仲良くなったらしい武部と五十鈴と連れて西住が一緒に帰らないかと誘ってきた。放課後は特に俺も昼休みのように逃げる気も無いので一緒に帰り、武部と五十鈴の二人と別れて西住と一緒に帰っていると、どうしてかマンション内に入って俺が住む部屋の階まで付いてきたので不思議に思っていると、何と部屋が隣だった。

 

 お隣さんだったことに驚愕しつつ、俺は西住と別れて部屋に入ってペットのジャンガリアンハムスター(♂)である『ボコぱるどん(命名:愛里寿)』に餌と水の入れ替えを済ませて着替えてから少し寝た後に夕飯を作り、今日は肉炒めとご飯で済ませて風呂入って今に至る。

 

 それにしても、まさか第一印象では大人しめでオドオドしてそうな西住がボコの事になるとあそこまでハイテンションになる様は、まるで愛里寿を見ているようだった。まぁ当然だが愛里寿は西住より歳下だがな。行ってる学校は西住どころか俺より上の大学飛び級在学だが。別に愛里寿が俺が通う高校より上の大学に通う事については特に悔しくも無ければ羨ましくも無い。それよりも天才少女とまで呼ばれる妹を持った兄として誇らしいくらいだ。それに愛里寿は次期島田流戦車道の後継者だ、今の内ではあるが十分に楽しんで欲しいと思っている。

 

 さて、日記もここまでにして後は愛里寿と電話して話をしたら寝るとしよう。二度寝っぽくなるが、まぁ寝れるだろう。

 

 

 

 

 

○月△日

 

 昨日知り合った武部から『男子が思う女子の魅力とは?』と質問攻めにあった。そしてその内容のほぼ全てが重過ぎる事も知った。

 

 どうやら武部は所謂『恋に恋する乙女』という奴らしく、彼氏は欲しいが努力はしているが愛情が重すぎて逆に離れていき、最終的にはヤンデレになりうる危険なタイプ。

 

 一応俺は武部の男に対する誤解を解く為に色々答えてやった所、武部は自分が得た情報と実際の男子が持つ情報とは食い違いが激しくて顔面蒼白となってショックを受けていた。というか失神寸前にまでなるとは……思い込みとは恐ろしい。

 

 その後、何とか気を保った武部に男が思う女子のポイントをアドバイスしたら凄く感謝された。いやまぁ俺も大したアドバイスが出来てるとは思わないが、それでも信用し過ぎでは?

 

 その様子を苦笑いしながら西住と五十鈴がフォローしていたのでまぁ大丈夫だろう。

 

 それからは普段通り授業を終えて下校、その際に西住が『自分の部屋で夕飯を食べない?』と聞いてきたので二つ返事で了承し、西住の手料理を振舞われて舌鼓を打ちながら雑談して時間を潰し、夕飯の礼として俺の部屋にあるボコのビッグサイズの人形を渡すと、強く遠慮しつつも本当は欲しがってそうな顔をしていたので押し付けて部屋に帰ってきた。

 

 部屋に帰ってからは『ボコぱるどん』にエサをやり、いつものようにテレビを見ていると、とあるスポーツニュースで戦車道に関するコーナーが始まり、今回は前に西住が居た黒森峰女学園が特集されていた。

 

 内容は黒森峰女学園の注目選手を紹介するという内容だったが、その注目選手の名は西住流戦車道の次期後継者『西住まほ』……容姿と苗字、名前の統一性からしてほとんど間違いなく姉妹だろう。

 

 そしてインタビュアーが西住まほに『昨年は前代未聞の全国大会10連覇は惜しくも取れませんでしたが今年にかける思いというのは?』と質問すると、西住まほは『いつもと変わりません。撃てば必中、守りは固く、進む姿は乱れ無し。鉄の掟、鋼の心、それが西住流です』と答えていた。

 

 その後は他の選手の紹介に行ったが、俺は何となく何故西住が姉の居る黒森峰女学園からこんな凡校へわざわざ転校してきたのか気になった。

 

 

 ……ネットで調べたら出るわ出るわ、去年の黒森峰女学園の決勝戦に関する話題が山のように出てくる。その内容のほとんど全ては『フラッグ車を務めていた副隊長の西住みほが、川に転落した仲間を助けようと川に飛び込んだ事でフラッグ車が敵に狙撃されて敗北』だそうだ。

 

 なるほど、仲間を助けた事で周囲から敵意と怨嗟の目で責められ続ければ誰だって居心地が良い訳が無い。だから西住はここに逃げ込んだのか。

 

 

 ――――俺の意見からして、西住は間違っていない。確かに、西住がフラッグ車を放り出して仲間を助けに行った事は許されないんだろう。だがしかし、西住が助けに行かなければ転落した仲間は戦車内に水が浸水して最悪全員溺死していた可能性がある。

 

 勝利より人命を優先した西住は間違っちゃいない、俺は逆に尊敬する。勝利よりも大事な事を優先した彼女を。

 

 

 だから俺は―――――彼女に感銘を受けたのかもしれない。

 

 

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