俺の戦車道日記   作:Tー34

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第2話

×月○日

 

 2年生に上がって1か月が過ぎた。…1か月も日記書くの放置ってどうなんだ俺。

 

 住んでる学生寮の部屋やクラスでの席も隣同士ということから西住はよく俺の部屋に来たり、俺に色々と話題を振ってくる事から俺はクラスのみんなから『西住の世話係』として認識され始め、西住もそう思われてる事に気付いてはいるが訂正させる気は無いらしい。

 

 武部や五十鈴達も俺と西住を生暖かい目(武部のは嫉妬や羨ましさも混じってるが)で見られ、正直恥ずかしい気持ちもあるが実際に西住はどこか抜けていてドジな所があって見ていられず助けてしまう。これじゃ本当に世話係じゃねぇか。

 

 まぁそんな事は置いといて、先月の日記の最後の日の翌日。俺は西住に黒森峰女学園での事を聞くと、予想通り西住が顔を俯かせて暗い顔をしていたので俺はあの情報を知って自分が思った事を伝えると、西住が突然ワンワンと泣き始めてしまった。

 

 泣きながらだが西住はあの大会の後の自分の境遇を吐き出すように喋りだし、俺は西住の頭を撫でながら慰めた。

 

 それからは色々あって俺と西住は仲良くなったのだが、何故か凄く懐いてくる。それはもう、他の女子と仲良く話していたらスネて膨れっ面になるくらいには懐かれた。

 

 ……バカな、確かにアレはまるで少女漫画のような展開だったがまさか本当にこうなるなんて誰が予想するか。

 

 愛里寿に相談したら『ボコ好きな人がお姉ちゃんになってくれたら嬉しい』なんて言い出しやがるし……勘弁してくれ、俺に彼女が出来るのはまだ早い。

 

 そりゃ西住のような美少女にあそこまで懐かれて嬉しくない訳が無い、というか嬉しくない奴は絶対にホモだ。

 

 だが悪いが俺は在学期間中は彼女を作る気は無い、というかそういうのはマジで20超えて職に就いて暫く経ってからって考えている訳で…。

 

 だから出来ればそういうのは待って欲しい、別に西住が嫌って訳じゃない。……さっきから俺は一体誰に対して弁明しているんだ?

 

 しかも、タチが悪い事に武部や五十鈴らといった周囲も俺と西住をくっつけようとしやがる…。このままじゃその内、外堀も内堀も固められて四面楚歌だ。

 

 

 まぁ……何だ。取りあえず言えるのは、覚悟だけはしておこう。

 

 

 

 

×月×日

 

 今日は休日という事で西住や武部、五十鈴達と共にショッピングモールへと買い物(という名の荷物持ち)に付き合って心身共に疲弊して自宅に帰ってから深夜まで寝てしまった。

 

 何故、女性の買い物というのは長い癖に自分じゃ持ちきれないほど多く買ってしまうのだろうか…? そして服屋で一々試着して俺に意見を求めないでくれ…感想とか得意じゃないんだ俺。

 

 結局、西住達は10着ほど購入したら今度は俺の服までチョイスしだした。

 

 俺をコーディネートしてくれるのは嬉しいんだが西住よ、何故そこまで俺に『ボコられグマTシャツ』を勧めてくる。西住がTシャツを両手で持って前に出しながら俺に着させようとジリジリと寄ってくる姿は凄く…怖かったです。

 

 服屋での買い物が終わると今度はアクセサリーショップ、その次は化粧品売り場、最後はファミレスで腹を満たして解散となった。

 

 流石に今日は西住も疲れたのか、俺の部屋には来ずにそのまま自分の部屋へ戻った。

 

 そういえば、昨日の事だが生徒会長が俺に対して戦車の所有の有無を問いかけてきた。

 

 一応『戦車道で使う競技用のA-20』ならですが持ってます、って言ったら満足そうな顔をしながら去っていった。……一体何だったんだ?

 

 まぁ、何となくだが嫌な予感がするから一応気を付けて置こう。生徒会の連中はやることが汚いからな。汚いな流石生徒会汚い、なんて言われるくらいだし。

 

 それじゃ今日はこの辺で日記は切り上げておこう。さて、風呂でも入るか…。

 

 

 

×月△日

 

 今日は祝日で寄港する日であり、加えて妹である愛里寿が所属する大学戦車道チームの試合があるので応援するついでに会いに行ってきた。

 

 夜中の内に大洗の寄港していた大洗の学園艦からまだ夜が明けていない朝一で降りた俺は、先ず俺と同じように愛里寿を応援しに大洗の旅館に来ていたお袋の元に挨拶しに行き、そこで暫く学業について話した後に一緒に朝食をしてから愛里寿に会いに向かった。

 

 試合会場で愛里寿と再会すると、少し背が伸びてまた1歩大人へ近づいた体つきをした愛里寿が歓喜しながらチームメイトの前だというのに俺へと抱き着いてきた。

 

 そこで少々ばかり話をしていると、突然俺へと抱き着いた事をチームメイトから色々と弄られて顔を真っ赤にして顔を俯かせる愛里寿の頭を撫でながらチームメイトへ自己紹介した。チームメイトは直ぐに俺の事を受け入れて仲良く話させて貰い、試合開始直前まで愛里寿と話したが時間が来たので応援席へ戻ると伝えると一瞬だが寂しそうな顔をしたが直ぐに気合の入った引き締まった顔をしてチームリーダーとしてチームを纏め始めた。……うん、やっぱり俺の自慢の妹だよ、愛里寿は。

 

 その後、始まった試合の内容は正に優勢一方で愛里寿のチームは3両ほどやられてしまったが、愛里寿が搭乗する『センチュリオン』が敵戦車を6両も沈めて見事トップガンを達成するほどの圧勝を収めた。この結果にはお袋も満足そうな顔をしており、実際試合後に満面の笑顔で駆けつけてきた愛里寿の頭を嬉々として撫でながら褒めていた。

 

 それからは俺が学園艦へ帰る時間までお袋と愛里寿の3人でファミレスで食べたり、買い物をしたり、ボコミュージアムへ向かったりして時間を潰して俺は学園艦へと戻る事になった。

 

 

 ―――――……ここまでは良かったのだが、愛里寿やお袋と別れて学園艦へと戻ってきて自分の部屋に入ると西住が『私、怒ってます』と言わんばかりの表情で待ち構えていた。あまりの迫力に思わず一度玄関のドアを閉めてしまった俺は悪くないと思いたい。

 

 それからは色々と叱られながらも、俺がお土産としてボコミュージアムで購入したボコグッズで何とか機嫌を直して貰い、西住は夕飯を食べたら自分の部屋へと戻っていった。

 

 今日はもう疲れた…もう風呂入って寝よう。

 

 

 

 

×月□日

 

 さて、そろそろ去年と同じく必須履修科目を選択する時期が近づいてきている。

 

 俺は特に何も考えておらず、取り敢えず剣道辺りにでもしようと思っていたが、どうやら戦車道が今年から履修科目に加わるらしく、俺を名指しで呼び出して生徒会直々に俺に戦車道を受けるようお達しが来た。

 

 別に俺は構わんが、俺と同じように西住も戦車道を履修するよう脅迫紛いの事をするのは頂けなかったので、生徒会には「西住が戦車道を履修するなら俺も履修します」とだけ伝えて置いた。

 

 まぁ予想通り西住は戦車道とは関わろうとせずに生徒会からの脅迫紛いにも挫けず他の科目を選択するつもりのようだ。俺も西住が黒森峰女学園の事を引き摺っている事を知ってるので特に何も言わないし、何を選んでも西住のやりたいようにさせるだけだ。

 

 しかし、何故生徒会は今になって戦車道を履修科目に? と疑問を抱いていると、情報通なクラスメイトの男子が教えてくれた。

 

 どうやら20年前にも戦車道は大洗には存在していたのだが、履修する希望者の減少によって廃れてしまい、使用していた戦車もあらかた売っ払ってしまったらしい。しかし、少しだけだが売れ残りが出たらしいが、それが今如何なってるかまでは流石にソイツも知らないらしい。だが金さえ払えばこの学園艦内に限るが調べてきてやると言っていたので、取り敢えず野口4枚を手渡して調べてきて貰う事にした。

 

 一応、明日には戦車道について全校生徒に紹介する動画を体育館で公開するらしいので話はそれからだ。

 

 

 それじゃもう寝よう、明日はまた面倒な予感がするからな。

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