俺の戦車道日記   作:Tー34

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第4話

×月±日

 

 今日は自衛隊から戦車道に精通しているという女性教官を招待し、教官の命令で模擬戦を行った。

 

 メンバー達は初めての運転や砲撃に戸惑ったり、慣れてなくて明後日の方向に動いたりと四苦八苦していたが、終盤になれば少しは慣れてそれも無くなって少しはまともに動けていた。

 

 それにしても、西住が装填主を務めるⅣ号戦車の動きが途中から変わっていたが何があったんだ? こっちは複数のドローンを同時操作していたからよく分からなかったが、何か黒髪の女子を載せていたような気がする。

 

 にしても、教官もまた派手というか大胆というか、シェリダンじゃねぇのに10式を空中投下して理事長のフェラーリを犠牲に着地するとは…。バカがタンクでやってくる、というより教官が10式でやってくる、だな。

 

 教官は西住の事を知っているらしいが、俺が西住の決勝での判断をどう考えるか聞いたら『確かに西住流としては流儀に反するかもしれないが、人として仲間を考えての行動としては最良の判断』と答えてくれた。どうやら俺達は良い教官に当たったらしい。……俺をコキ使う事については最悪だがな。

 

 さて、模擬戦を終えた教練後に生徒会から呼び出されて練習試合してくれる相手校を探して頼んで欲しいと言われたのでマネージャーらしく小学生の頃から付き合いがある知り合いに連絡して練習試合を申し込むと、色々イギリスのトリビアを言いながらも了承して2週間後に陸の大洗の街で行われる事になった。一応、大洗の方にも連絡したら簡単に許可が取れた。それで良いのか大洗、本当に良いのか大洗、知らないからな大洗。

 

 はぁ…明日までに聖グロリアーナ女学院との練習試合があるのと、戦闘区域のMAP作りや敵戦車予想編成などの資料作りしなきゃならんのか。

 

 

 

 

 

 ……あれ、マネージャーってこんな仕事だっけ?

 

 

 

×月÷日

 

 今更グダグダと文句垂れても仕方ない、これもマネージャーとしての作業として…いや違う。生徒会本来の仕事内容も手伝わされるのはマネージャーの仕事じゃねぇ!!

 

 っという訳で直談判して文句を言うと、流石に任せ過ぎたと自分達でも思っていたのか生徒会の仕事は無しにして貰った。いや、無しにして貰ったって何かおかしい、元々マネージャー業じゃないんだから最初から無いんだが。

 

 練習試合については昨日の内に製作しておいた資料をチーム全員に配布しておいた。西住や秋山は驚いていたが、聖グロリアーナ女学院は全国大会の中でも優勝候補の一角であり、準優勝もしている実績がある。ぶっちゃけ本来ならば俺達のような戦車道が出来て数日程度の相手をする事は有り得ない事だし、普通は門前払いどころか聖グロリアーナ女学院の名前が出た時点で即刻周りから却下されるレベルなのに相手をしてくれる事が奇跡に近いので当然の反応と言える。

 

 そんな相手を何故選んだのかと聞かれたが、そんなん全国レベルを思い知らせる為だけに決まってんだろ。俺は中学時代はアメリカで過ごしたが、あそこじゃ戦車道はベースボール・ラグビー・バスケに続く第4の国技レベルでメジャー化していてメチャクチャ人気がある。しかも、アメリカでの戦車道は女性と男性の比率が均等していて派手が練りに練られた戦略戦に思わず体がゾクゾクしてしまうほどだ。

 

 俺も勿論、日本じゃ戦車なんて女が乗るもんっていう風潮が大きい所為か男子が戦車道の大会に参加する事は出来ないが、アメリカじゃそんな隔てりなぞ無いのでよく仲間達と共に大会に出ていた。

 

 おっと、話が脱線したな。つまり何が言いたいのかというと、『とりまお前ら全国優勝したいなら準優勝校と()ってこい』って事だ。親ライオンは子を崖から突き落として強く生きさせると言うしな!

 

 という訳で今日から教官が考えてくれた特訓メニューの内容を俺流にカスタマイズして兎に角時間いっぱいまでスキルアップさせる。

 

 バレー部に貸し与えたA-20の操縦や砲撃も俺が直々にアドバイスしたり、実際に見せてやったりしていると何故かバレー部から人気者になった。そしてバレーのトス練習まで付き合された。

 

 その所為で腕は痛いわ、西住は不貞腐れるわで大変だった…。普段より多く食べやがって…太るぞって思った瞬間に殺気の籠った鋭い眼でこっち見てきやがった。女の勘ってのは本当に恐ろしい…。

 

 

 

×月Λ日

 

 今日は戦車から離れて偶には男子学生らしく親しい男友達数人と一緒にゲーセンで遊び倒した。

 

 いやぁ、にしても最近は女子ばっかで正直気を使いまくってたからやっぱり男子と遊ぶとそういうのが無くて気楽で良いわ。

 

 その帰りに戦車道の1年チームの纏め役である『澤 梓』とバッタリ会い、帰り道が途中まで同じらしいから一緒に帰りながら色々と話をした。1年とはあまり話さなかったので新鮮な気分だ。

 

 帰路を歩きながら聞く澤の話は西住達と話す時とは全く違い、いつも仲の良い1年組の話から始まって好きな本の話などと続いていき、俺はただ聞き手となり続けた。

 

 その途中で、まぁこんな大洗にも不良という者は存在する訳で……そこでヤッカミを受けた俺は澤を後ろに下がらせて何とか穏便に済まそうとしたんだが……まぁ、澤に手を出そうとしたんで庇った所為で左手首が未だに痛い。この痛みの分は正当防衛って事で思いっきり右手で殴り返しておいたが。

 

 その後、俺は澤によって連れ添って貰って骨はヒビ入ってなかったが腫れが酷いのでテーピング巻いて貰ったりと世話になった。そのまま澤はお礼と言って俺の冷蔵庫にある物で晩飯を振る舞って貰ってから澤は帰っていった。

 

 さて、左手が痛みでキツイから今日はここまでだ。

 

 

 

 

 

 …多分、当分は日記書けないだろうなぁ。

 

 

 

 

△月△日

 

 今日ようやく左手のテーピングが取れて腫れも引いたので日記を再開しようと思う。

 

 前回から今回までの間にあった事と言えば、澤を庇って左手首を痛めた翌日に左手首にテーピングを巻いた俺を見て目を見開いた後にメチャクチャ心配され、西住に至っては左手首が完治するまで身の回りを世話をするなんて意気込み始めたので一人で出来ると遠慮しておいた。あからさまに(´・ω・`)としていた西住が印象的だったが、西住に任せ続けたらきっと俺はダメ人間になりそうで怖い…。

 

 それからはずっとマネージャーとしての力仕事はせず、右手で出来る書類仕事やら操縦、砲撃指南を行って戦車道やってる時間を過ごし、今日やっとこうしてテーピングが取れるようになった。そして、いよいよ明日は聖グロリアーナ女学院との練習試合である。

 

 時間の許す限り俺が教えれる事は叩き込んで何とか形にはなったので、後はアイツら次第だ。

 

 ……相手はダージリン率いる強豪校、俺達のような素人に毛が生えた程度の実力では敵いそうにないが、別に今回は負けたっていい。負けから学ぶ事だって山ほどある。

 

 一番大切なのはアイツらがどれほど頑張り、食らいついていけるかだ。今まで俺が教えてきた事を思い出しながら戦えば良い所まで行ける筈。

 

 

 …的な話を電話越しでダージリンと話してたら、ダージリンから賭けを提案されて了承してしまった…。負けた方は勝った方に好きな事を何でもさせれる、という地獄のような賭けをな…。

 

 

 アイツの事だ…恐らくとてつもなくヤバい事を要求してくるに違いない…ミートパイを好きなだけ食べさせるとか、本場イギリスまで行って紅茶の葉を取ってこいとか…。

 

 

 はぁ…要らん事まで調子乗って頷いちまったなぁ、覚悟だけはしとくか。

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