俺の戦車道日記 作:Tー34
反応が良ければまたいつかやります
私の名前は西住 みほ、今は戦車道が嫌になって黒森峰女学園から逃げるように飛び出して転校してきた大洗学園に通ってます。
学園生活は楽しく、最初は友達は居なかったけど今はいっぱい出来ました。
そんな私の友達第一号は、同じ学生寮で隣に住む島田君。
彼との出会いはともかく突然でした。
☆
ある日、私が俯きながら学園に登校する為に歩いていると、目の前にコンビニから私の大好きなボコのグッズを大量に持って出てきた同じクラスで席が隣同士の島田君が居ました。
私はボコグッズを嬉しそうに持つ島田君に何かシンパシーのようなのを感じ、勇気を出したとかじゃなくて気づけばよく考えずに声をかけました。
「…ん? 誰だアンタ?」
……同じクラスで隣の席の人の名前と顔くらい覚えていて欲しかったのが本音ですが、その時はそれよりもよく考えず話しかけた事で頭が真っ白となり、取り敢えず何かしら話題を作ろうとこのコンビニにボコグッズはまだあるのか? とか聞いたと思います。……もう恥ずかし過ぎてほとんど覚えてないです…。
そのまま一度コンビニに入り、ボコクジがもう終了しているのを店員さんから聞いてコンビニから出ると、哀愁漂う私に苦笑しながら島田くんはボコグッズを分けてくれました。
「やるよ、こんなんで良ければだが…」
島田君から受け取ったボコグッズを手に取り、私はお礼を言いながらカバンへとしまい、それからは一緒に登校しながら様々な話をしました。
そして学校へと着いた私は、とにかく親しくなろうと兎に角休憩時間には何度も話しかけ、そのまま昼休みも一緒に話そうと思っていましたが、昼休みは用事があると言われ、思わず困った顔をしてしまった私に、彼は少し悩んだ素振りを見せた後、教室の後ろに居た沙織さんと華さんの元に私を連れて行きながら話しかけました。
「あ~ちょっと良いか二人とも、もし食べる奴が二人しか居ないならこの西住も一緒に食べてやってくれないか? コイツまだ転校してきたばかりで友人が居ないみたいでな」
「えぇ、良いですよ」
「うん、私も大丈夫だよ」
島田君の頼みに快く頷いてくれた沙織さんと華さんに満足そうな顔をした島田君は、そのまま一人で教室を走って出て行ってしまいました。
……今日はダメでも、明日なら大丈夫だよね。
そして沙織さんと華さんの二人と一緒に食堂で食べながら談笑し、帰りは一緒に帰る事を約束し、昼休みを終えた午後の授業も島田君の寝顔を横目にしながら頑張って受けました。……島田君、先生の視線が凄かったのに全く起きないのはどうかと思うよ?
でもどうして寝てるのに先生に怒られないのかな? って思っていたら、6限目にあった英語の時間で先生が島田君を起こして英文を読ませました。その時、私はどうして先生が島田君に怒れずにいたのかよく分かりました。
「『
...
「......
彼の流暢な英語力の高さに私は唖然としました、けど他のみんなはさも当然のように驚きの声とかもあげなかったので多分去年でみんな慣れたんだと思います。
辛うじて分かった先生の座るように促す言葉を聞いて座った島田君は、またしょうこりもなく寝てしまいました。……英語出来る人からしたら、英語の授業って退屈なのかも。
そして学校も終わり、早支度して待っててくれてる沙織さんと華さんに少し待って貰って、まだ爆睡している島田君を起こして一緒に帰らないか聞いてみたら頷いて帰り支度を直ぐに終わらせて一緒に帰路に着きました。
「そういえば島田君って中学時代はアメリカ住んでたんだよね?」
「えっ、そうなの?」
「まぁな、アッチじゃ色々と酷い生活をしたもんだ。……今更だがよく生きて帰ってこれたな俺」
「どんな生活を送ってらしたのですか?」
「…思い出したくないので秘密にしといてくれ」
「秘密にしたいほどなんだ…」
「アハハ…」
「そういうお前らはどうなんだよ、中学は」
「私は実家が華道の家元ですので、お花の勉強を」
「う~ん、私は特にコレって感じの事はしてなかったかなぁ」
「わ、私も…」
私が戦車道をしていた事は隠しつつ、4人で楽しく会話しながら帰っていると、丁度分かれ道で沙織さんと華さんの二人は自宅が別方向なのでまた明日会う薬草しながら別れ、私は島田君と二人っきりで帰る事になりました。
……い、今更だけど男子と二人っきりで帰るって初めてだから凄く緊張してる…!
今頃になって気付いた事に顔を真っ赤にしていると、島田君が問いかけてきました。
「西住の家ってどこらへんなんだ? 送っていくぞ」
「えっ、良いの?」
「構わねぇよ、女を一人で帰らせたら親父に殺される…比喩無しでな」
「?」
「いや、何でもない」
最後の方は何を言ってるのか聞こえませんでしたが、少し顔を青くしていたので深くは聞きませんでした。
そのまま私の寮まで案内すると、何故かそのまま一緒に寮に入ってきて、部屋の前まで一緒に来てくれました。
「それじゃ今日はありがと」
「いや、じゃあな」
それだけを言うと、島田君は背を向けて―――――
……私の部屋のすぐ隣の部屋に入りました。
私は驚きの声をあげた後、直ぐに島田君が入った部屋の名前プレートを確認すると、そこにはちゃんと島田君の名前が入っていました。
……部屋まで隣だったんだ、知らなかった。
そう思いつつ、私は自宅に戻って今日出た宿題を終わらせてから夕ご飯とお風呂を済ませて眠りにつきました。
明日もまた、良い日になるよう願いながら……。
☆
そうして私は島田君のお陰で友達は増え、今履修している戦車道も嫌いじゃなくなりました。
その島田君は、今日もまたウサギさんチームのみんなに囲まれて遊び相手となり、バレー部の皆さんで構成されたアヒルさんチームで自分で用意したというAー20の操縦を教えたり、どこから持ってきたのかトンボで平らにしたグラウンドをロードローラーで補整したり、ダース・○ーダーの格好をしながら島田君の男友達で広報部の方を首だけ地面から出すように埋めて水責めしていました。……一体あの人は何をしたんでしょうか? いつも島田君と仲良く体を張ったコントのような会話して和ませてますけど。
「きゃー! こ、殺されるー!?」
「シュコー、シュコー…」
「ま、待て! 俺が悪かったから許ガバボボボ…」
「シュコー…シュコー」
…当分は関わらない方が良いみたいです。
暫くそのまま見て見ぬフリをしてると、スッキリとした顔で島田君が戻ってきました。
「ふぅ…いやぁ〜悪いな西住、ちょっと『ジャージのズボンについてる意味無さそうな取っ手みたいなのは必要か否か』で論争しててな」
「う、ううん…大丈夫だよ」
それだけを言うと島田君は慣れていない監督としての仕事をするべくみんなを仕切り始めました。
「お〜い西住、ここの所なんだが〜」
「あっ、今行きます!」
島田君は未だに私の名前を呼んでくれません。
だけど、必ずいつか呼ばせたいって思うのはやっぱり……
……惚れた弱み、なのかなぁ。