俺とシノンのお隣さんライフ   作:ラビ@その他大勢

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戦闘描写書きづらいです。
突っ込みどころは多いと思いますが、指摘は緩めに……(懇願)


クーとスコードロン戦

視界を埋め尽くさんばかりの弾道予測線を、俺は慌てて地面に伏せることで回避した。遮蔽物に隠れようと匍匐後退する俺の頭の上から、物凄い数の銃弾が風を切る音が聞こえ、思わず軽く身震いする。

 

「うっひゃー、こんなの近付けねぇだろ」

 

弾薬など気にしないと言わんばかりの掃射でこちらを牽制してくる相手のマシンガン使いに対して小声で文句を漏らした。かといってやられっ放しというのもシャクだ。伏せながら『AK-47』を構え、フルオートのまま敵陣方向に弾薬をばらまく。

狙うのはマシンガンに援護されてこちらへと近付こうとしていた3人。向こうも俺の銃から出ている弾道予測線に気付いたようで、俊敏な動きで遮蔽物の陰に隠れた。

『AK-47』をセミオートに切り替え、残り少ない弾倉を即座に入れ換えると、俺はシュピーゲルと共に相手へと牽制を兼ねた銃撃をしながらインカムに向かって助けを求める。

 

「シノン、60秒まで後どれくらいだ? そろそろマシンガンが辛いんだが」

『もう行ける』

 

インカムから応答が返ってくるのと同時、火薬の炸裂音が鳴り、マシンガンの銃撃が止まった。どうやらシノンがマシンガン使いに3発目の狙撃を成功させたらしい。

これで、現状は3対2。

 

「これなら何とか……?」

 

視界の左上にある仲間のHPバーを見ると、シュピーゲルは残り3割、俺は4割程度だった。

シュピーゲルを見ると、彼は俺の言いたいことが分かったのだろう、コクンと頷く。彼は遮蔽物からゆっくりと遠ざかると、その場を離れた。

 

後はいつも通りに――

 

「行くか」

 

俺は小さく呟くと、ウインドウを操作して『AK-47』の代わりにガバメントを装備した。そして遮蔽物の陰からすっくと立ち上がり、走り出す。圧倒的な連射力を誇るマシンガンさえ居なければ、それなりには何とか回避可能だろう、と見越しての行動である。

当然のように俺の体を幾本ものバレットラインが捉えるが、大きく身を屈めて心臓を重点的に狙っているその全てを避ける。頭の上を銃弾が通り過ぎるのを感じ、背筋に薄ら寒いものが走るが、それを無理矢理抑え付けながら、銃口の位置と数を確認するために素早く目を走らせる。勿論、走るスピードは緩めない。

 

取り敢えず相手の視線と銃口をこちらへと惹き付けることは出来たらしい。

 

次のバレットラインは避け難いようにだろう、狙っているところはバラバラに分かれていた。

 

「っ!」

 

全部を避けることは諦め、それでも一番薄いところへと跳ぶ。1発の銃弾が俺の脇腹を貫通した。鈍い痺れを感じながら軽く自分のHPバーに目をやると、残り3割を切ったところだった。

相手のところまで、後50m。

右手にガバメントを握り、横一列に並んでこちらを狙う銃口の一番右の方を狙う。

再び俺の体をバレットラインが照準した。バレット・ラインの数と向きからして、3方向からのフルオート射撃。これは流石に避けきれない。

 

「まだか?」

 

回避を諦めた俺は小さく呟き、そして――

 

『『時間稼ぎありがとう』』

 

俺の体を数十の銃弾が貫き、HPがゼロになるのとほぼ同時、シノンとシュピーゲルの声を聞いた。

 

 

*******

 

 

戦場に、一陣の風が吹く。

クーのアバターが四散した後。相手を側面から奇襲し、鍛え上げたAGIを駆使して縦横無尽に駆けるシュピーゲルを狙撃で援護し続けていると、気が付けば相手のスコードロン《メメント・モリ》は壊滅していた。

 

近接戦闘の途中、隙を見てクーがお得意の回避術で目立ちながら時間を稼ぎ、その間にAGIが高いシュピーゲルが相手の側面に回り込んで奇襲を掛ける。

 

ここまでが大体、私たちのスコードロンの作戦だ。

勿論、クーに掛かる負担が尋常ではないため、彼は十中八九戦闘中に死ぬ。具体的な数値を出してみると、今回含めて五回行ったスコードロン戦の内、実にクーは四回死んでいる。死んだときの武器ドロップはあれど、ステータス的なデスペナルティが無いGGOだから良かったものの、他のゲームであればこんな穴の多い作戦は採用しなかっただろう。

 

それに、一度『GGO最強』と謳われているスコードロンに駄目元で奇襲を掛けたときは、シュピーゲルが回り込む前にクーが死んでしまい、二人が戦闘不能になることもあった。

 

あれは危なかったなぁ、とそう遠くない過去を懐かしんでいると、不意に耳に付けたインカムから、嬉しそうなシュピーゲルの叫び声が聞こえてきた。

 

『あ! G36がドロップしてるよ! お金も結構落ちてる!』

「……戦利品が多くて喜ぶのは別にいいけど、早く戻らないと」

 

咎めるように言うと、シュピーゲルは少し落ち込んだように肩を落とし、コクンと頷いたようだった。

 

「酒場でクーが待ってるから」

『……』

 

続けた私の言葉に、彼からは何も返ってこなかった。

 

「シュピーゲル?」

 

思わず首をかしげた私に、慌てたような声でシュピーゲルは小さく呟いた。

 

『……う、うん、そうだね』

 

――今の間は何だったんだろう。

少し気にはなったが、ボーッとしていた、とかその辺りだろう。私はそれ以上考えることをやめ、大きく伸びをした。




『AK-47』
装弾数 30発
重量  3900g
弾薬  7.62x39mm弾
射程  600m
言わずと知れた世界で最も有名なアサルトライフル。何でも、『世界で最も多く使われた軍用銃』としてギネスに登録されているのだとか。
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