銃に弾倉を込め、引き金を引く。当然のごとく回避され、お返しと言わんばかりに俺の視界を埋め尽くす弾道予測線を回避する。
かれこれ数分、この戦いは続いていた。
本来、GGOの戦闘というものは意図的にでない限り、そう時間が掛かるものではない。まあ、一発一発が相当な威力を誇る銃ばかりなので当然とも言えるのだが――どちらかというと今回のコレはそういったタイプの戦闘ではないためだ。
AGI極特化の回避速度を持つ闇風と、回避がかなり得意な俺。つまり、今起こっている戦闘は『相手に避けられること』を前提とした、相手のミスによる決定打を待ついわゆる消耗戦なのである。
跳ねる、駆ける、撃つ、避ける。
この応酬の繰り返し。完全にじり貧だ。しかし、今はそれでいい。衛星スキャンを見て、俺と闇風の戦闘の漁夫の利を狙う第三者が来てくれるだけの時間を入手さえすれば、この一見詰んだ状況も改善できるかもしれない。
だが、俺は気付いていなかった。
度重なる睡眠不足。そして慣れない――それどころか苦手ですらある長時間連続のフルダイブを繰り返していた俺の脳は、既にほぼ限界を迎えていたと言うことを。
そして、そこに脳への負担を上乗せするかのごとき『アサルトライフルのフルオートの弾丸を計算し回避し続ける』という行為。
限界を迎えた脳は、思考とは裏腹に、俺の意識を
* * *
接近戦の能力が問われるような室内戦闘で、ステータスや技術他諸々が負けている私がたらこに勝てるわけもない。
先程追い掛けられていたプレイヤーと同じく、私もすぐにやられてしまった。
……主観的に見ても客観的に見ても、一方的な戦闘だったと思う。
やはり、私はアタッカーよりもスナイパーが性に合っているのかもしれない。そうすると、幸人のアドバイスも正鵠を射ていたのだろう。
今回の大会の反省点を浮かべ、どうやって次に活かすかをじっくりと考えていく。
他の小規模な大会と違い、BoB程の大きい大会にもなると、八百長等には随分と厳しくなる。その対策の1つとしてあるのが、死んだプレイヤーは大会が終わるまでその場に居続けなければならないというルールである。
と言っても、大体二時間程度も掛かるBoBなので、その間にプレイヤーを退屈させないよう、プレイヤーがいる待機空間には試合の中継モニターが置かれているのだが。
私は中継画像に視線を向けながらも流し見程度にしか見ておらず、思考は作戦を練ることに費やしていた。
大会が終わったのは、私がやられてから大体30分後くらいのことだろうか。ゼクシードが闇風を制してガッツポーズを決めた姿が全国放送された少し後。私の眼前にリザルト画面とログアウトまでのカウントダウンが現れた。
のんびりとスクロールする。
一位、ゼクシード。二位、闇風。少し空いて六位に薄塩たらこ。私の名は十六位の所にあった。
「幸人はどれくらいなのかしら」
独り言を小さく呟き、下にスクロールする指を進める。
そして……
「……え?」
《通信切断者》の欄に、クーの名を見つけた。
感想ください(切実)