「ここは……どころだろう」
目が覚めた時、俺は白い椅子に座っていた。
スポットライトを当てられているような感じで、その中心でぽつんと座っている。
周りは暗く何も見えない。
「え~と、***さんでよろしいでしょうか?」
「ん?」
俺の前から女性の声が聞こえ、そちらを向くと―――
「転生組合の者です♪」
天使がいた。
「え~と」
「混乱していることはわかります。ですが―――」
俺の目の前にいる女性は手元にある紙をペラペラと捲り、話を進めていく。
「** ***さん。年齢は2*歳。性別は*。学歴はごく普通で就職失敗者ですか。趣味はゲームとアニメ。特技は絵描きね」
何故か俺の経歴が暴露されていく。
別に経歴が暴露されるのは構わないが……こんな美少女に読まれるのは、何故か泣けてくる。
「刺激を求め、色々と挑戦していたのですか」
「まあ……そうですね」
「しかし、小説から動画まで手を出しても、満足しなかったんですか?」
「はい……」
暇つぶしに小説から動画、静止画と色々とネットに投稿してきた。しかし、満足できなかった。
新たな刺激を求め、色んなことに手を出したが――あ! 薬には手を出していないよ? 犯罪だけには手は出さなかったから。
「そんな君にビックチャンスです!」
「ビックチャンス?」
「はい」
そう言って少女は一枚の紙を俺に差し出す。
「あなたを転生させようと思います」
「転生? 転生って、あの転生ですか?」
「Yes! そこに行きたい世界や姿を描き込めばOKです」
俺はその紙を受け取るとそこには色々と書かれていた。
Q1 何処の世界に行きたいですか?
Q2 性別は?
1.男
2.女
Q3 姿を記入してください(イメージできなかったら、○○の作品に出る○○にしてください、でも構いません)
注意
限度っていうものがありますので、お一人一つまでとします。
例・聖剣、魔剣などの刀を全てくれはNGです。
と、まあ……簡単なアンケート用紙だった。
「転生しないってあるのですか?」
「望めばありますが……」
「あ、いや。この紙を見る限りそういった感じがなかったから」
「そうでしたか」
そして、俺はそのアンケート用紙に記入し、渡した。
「えっと……」
Q1 何処の世界に行きたいですか?
魔法先生ネギま!
Q2 性別は?
1.男
②.女
Q3 姿を記入してください
受け取ったアンケート用紙を幾度なく読み返しすも、天使は冷汗をかく。
「……………」
「不備でもありましたか?」
「……いえ。ただ、ちょっと……」
俺の予想が当たっていれば、Q3のところだろう。
なんせ、この天使ですらも―――
「では、良い旅をきたいしています」
そう言い残して、俺の視界は真っ暗になった。
次に目覚めた時は、何処かの森の中にいた。
「……………」
遠くから複数の気配を感じる。
そして―――争いの臭いがした。
それが、分かると俺……いや、私はその方角へと飛んだ。
数秒たらずで、その場所に着くと―――戦争が起きていた。
「あはははぁぁぁ……」
思わず笑ってしまった。
そうだ……この刺激、この刺激を待っていたんだ。
あの時は味わうことのできなかった……この刺激を私は待っていたんだよ。
そんな幸福を邪魔するかのように敵はあらわれた。
「
◇
燃える、燃える、燃える。
一つの塔を残して、周りは燃えていた。
私はその塔の最上階に降り立つ。
直視することすら躊躇う、圧倒的な存在感を纏い。
頭上に幾何学的な模様を描き廻る光輪と。
空力的に人を浮かせるには小さすぎる、淡く輝く羽を腰から生やした、少女。
長く流れるような髪は、風のない室内にありながらもなびき―――。
そのつど、プリイズムのように光を反射させ、虹のように見えた。
薄く―――開かれた眼は、直視された瞬間。
誰もが―――『死』を感じた。
だけど、一人だけ動じなかった者がいた。
「お姉ちゃん……誰?」
私を見て、動じなかったのは少女だった。
魔法陣の中心で鎖に繋がれた少女。
「ジブリールと申します。お嬢ちゃんは?」
「……ナ、マエ……?」
「ええ、名前です。ありますよね?」
「……ナ、マ、エ……」
その少女に近付き、ジブリールは口から流れる血を拭ってやり名前を尋ねる。ついでに鎖も破壊した。
「……アス、ナ。……アスナ・ウェスペリーナ……テオタナシア・エンテオフュシア」
「……長いです、アスナでいいでしょう。でもま、いい名前ですね」
少女―――アスナのフルネームの長さから、全てを覚えることを早くも諦めたジブリールはファーストネームのみを覚えた。
そんな時だった。
「お嬢ちゃんから放れやがれ!!」
赤毛のバカが突っ込んできたのだ。
私は避けることなく、赤毛の拳を何のためらいもなく掴んだ。
「な!?」
「野蛮人は退場を願いましょう」
ジブリールは回転を加え、塔の外へと放り投げた。
「くそ! なんて力してんだ……」
「ナギ。むやみに突っ込むのはやめろ」
「なんだよ。ビビっているのか詠春?」
「どうやら、構っている暇はなさそうですよ」
白いローブの男性の言う通り、ナギと呼ばれる赤毛の少年の前に彼女はいた。
「相手をしたいのは山々ですが……」
ジブリールが指差す先に全員が視線を向けると……。
「おうおう。大群だな……」
先程、ジブリールが潰した数を超える数の敵が押し寄せてきていた。
「少し飽きてしまったことですし、ここは……私が相手してあげましょう」
「おいおい。天使ちゃんよ。あんだけの数をどうするつもりだ?」
ナギはあんまりにも無茶ぶりのセリフに突っ込む。
「一撃で終わらせようかと」
「はい?」
そう言って、ジブリールは高度を上げ、手のひらを差し出す。
「アクタ・エスト・ファーブラ」
この身体で魔法が使えない訳がない。
なら、真似るだけでいい。
「契約に従い、我に従え、光の女神よ。来たれ、咎人達に滅びの光を」
一撃で終わらせるなら、これがいい。
「星よ集え、全てを撃ち抜く光となれ」
私が知る中で一番最強だと思える一撃。
「貫け、閃光」
ああ……快感だよ。
「
桃色の閃光が放たれ、着弾と同時に光に包まれた。
「ああ……この世界に来てよかった」
私は新たな刺激を手に入れた。