ネギが無事にエヴァンジェリンの弟子になり、数日。私は新しく出来たお気に入りの見学をしていた。
エヴァンジェリンがネギの修業の為に掘り出した“別荘”と呼ばれる魔法具を使い徹底的に鍛えている。
「どうぞ」
「ん、ありがとう」
茶々丸から渡されてお茶を一口つけ、ネギの練習姿を私は眺める。
まだ甘いところがあるが、金の卵であることには間違いはなかった。
基礎と実戦を繰り返し、少しずつだが強くなっている。
「今日の修業は終わりだ」
別荘は一日単位でしか利用できない。
今日の修業が終わり、エヴァンジェリンはネギから授業料をもらい解散になった。
◇
ネギが別荘に通い始めてからだいぶヤツれ始めた。
「あんまり無理にやらせない方がいいのでは?」
「ふん。坊主を強くするならこれぐらいが丁度いいんだ」
御陀仏にするには勿体無いが、エヴァンジェリンはネギがその程度で音をあげるのであれば、そこまでの者だったと言い切る。
「!」
「どうした」
私の魔力サーチに何かが引っかかり、私はゲートのある方向を向く。
それに気付くエヴァンジェリン。
「数名、お客が来た」
「…………」
エヴァンジェリンはそのお客に何か思い当たる附しがあった。
ここ数日は無かったが、ネギの異変に気付き、後を付けて来たのだろう。
「な……どどど、何処なのよ、ここーーーッ!!?」
聞き覚えのある声。
それでやっと誰が来たのか分かる。
「やはり、あなたたちですか……」
建物陰に隠れているが、私の魔力サーチ(主に仮契約から発する魔力を察知していた)に引っかかているから姿を見なくても分かっていた。
「ジブリールさん、何で貴女が……」
「説明は全員が集まってからしましょう」
私に一度出会ったことのある夕映とのどかはそれに従い、最後に来たアスナを待っていた。
そして、この別荘で行われている修業の全貌を知る。
◇
「―――と言う訳ですが」
「……何? 魔法を?」
今日一日は修業を休みになり、別荘から出られるまで宴会が行われた。
そんな中、魔法の存在を知った、夕映とのどかはエヴァンジェリンに魔法を教えて欲しいとせがむ。
「何で私がそんな面倒くさいことを。向こうに先生がいるのだからそっちに頼め、魔法先生にな」
エヴァンジェリンはその役目をネギに押し付ける。
「ええっ、魔法を教えるんですか? 今ここで?」
「勝手にしろ。どうなっても私は知らんがな」
無責任にも程があるが、こっちの世界に踏み入るならそれぐらいの覚悟は必要だろう。
私もそのことに関しては何も言わない。
「まあ『別荘』は外より魔力が充溢しているから、素人でも案外ポッと使えるかもしれんぞ?」
エヴァンジェリンはそう言うが、魔法家系の人間ではない殆どであり、そう簡単にいく訳がない。
全員、魔法が発動することはなかった。
「まあ、最初はその程度ですよ。魔力の流れを掴むまでは」
「そう言えば、ジブリールさんの魔法って何系統なんですか?」
頑張って魔法を発動を練習する彼女らを見ている中、ネギが私の魔法に疑問を持ったらしい。
「あれから、色々と調べましたが、該当する魔法が無かったので」
「あ、ああ。それもそうですよ……だって、私の魔法は殆どが固有魔法ですからね」
「固有魔法……」
固有魔法。
それは本人にしか使えない特殊な魔法であり、レア中のレア。
「私の魔法は光と闇の二系統を合成し、虚無魔法と呼ばれる人が到達できない領域にいるです」
私は右手に光の魔力、左手に闇の魔力を出現させ、それを混ぜる。
そして、そこに新たに生まれた黒い球体。
「虚無魔法の主な能力は消滅」
そう言って、私は球体を誰もいない方に投げ、地面に当たると同時にそこを中心にそこが消滅した。
「では、あの時も」
「ええ、天撃は三系統合成魔法。光、雷、虚無を混ぜた究極最上位魔法ですね。間違っても真似だけはしないでくださいね。失敗したら自分事消滅しますよ」
さすがのネギも冷や汗を掻く。
「質問いいですか?」
「どうぞ」
今度は夕映が手を上げる。
「先程から出た、系統とは?」
「魔法とは、主に魔法は一種類につき一系統に分別されています。基本属性である火、水、土、風、雷の五つ、それとは別に闇と光の二つに分けられています」
「なるほど」
夕映は私の説明をメモり、話を聞いていく。
「師匠のは?」
「エヴァンジェリンは闇と水、風の三系統を所持していますね。氷は風と水の魔力合成ですよ。私の虚無と同じで」
「他にも魔力合成ってあるのですか?」
「ありますよ。ですが、ここの分野は今は知らない方がいいですね。基本属性が出来なければ使えない魔法なので」
ネギは自分が使える魔法を考え、夕映はとりあえず基礎から練習に励むのであった。
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