インフィニット・ストラトス~太陽の勇者達~   作:KPGver2

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取引

「ファ、ファイバード?」

 

(更識楯無)は確認しようと信じられないという二つの感情が入り混じった声で聞く

 

「…………ドライアスには関わるな。普通のISじゃ、相手にならない」

 

そう言って飛び去って行った

 

…あれがファイバード…………

 

現行のISとは比べ物にならない程強い…

 

操縦者も…機体自体も…

 

「って!呆けてる場合じゃない!」

 

そう思ってレーダーを見るが

 

「…居ない……」

 

ファイバードの反応は既に無くなっていた

 

 

 

 

 

 

「もう、散々よ!」

 

IS学園の寮に帰った私は愚痴を零すように言う

 

「どうしました?」

 

と更識家のメイドこと布仏 虚、虚ちゃんが聞いてくる

 

「聞いてよ~。今日の戦闘でさ?ボロボロに負けてさ?あのオバサンにグチグチ言われるわ、ファイバードを引き止めなかったからって更にグチグチ言われるわでもう最悪よ!」

 

ちなみに部隊長みたいなポジションにいるのは軍歴長い女性

 

そのせいで結婚も初体験もキスもできずにいる

 

あの嫁き遅れめ!

 

本当にイライラする

 

「ファイバードに?凄いじゃないですか。宇宙警備隊で遭遇率が最も低いファイバードに会えるなんて」

 

と言う

 

確かにファイバードは遭遇率が低い

 

ガーディオンやサンダーバロンこと今噂の五反田 弾くんはドライアスの事件の現場に行けば3割位で会える

 

が、ファイバードは0割4分くらいの確率でしか会えない

 

理由は簡単だ、片付けるのが異常なまでに速い

 

それこそあっという間に倒して去る

 

だから会うことが出来ない

 

けれど恐らくドライアス一派との戦闘回数が最も多いのも彼だろう

 

それ故に彼が重要視されている

 

「…………」

 

何故か思い出す助けられたあの瞬間

 

「ってちっがぁぁぁぁぁぁう!!」

 

何!?何これ!?惚れてるの、私!?

 

あ、あんな程度で惚れるほど安い女じゃ…………

 

『ドライアスには関わるな…お前が死ぬのは見たくない…』

 

と脳内再生される

 

「あああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

 

「お、お嬢様!?」

 

突然叫んで頭をブンブンと振る私を心配する虚ちゃん

 

言ってない!前半は確かに言われたけど後半は言ってない!!

 

…………ダメだ…頭から全く離れない

 

むしろ考えないようにしようとすればする程考えてしまう…………

 

そんな事を考えていたら

 

「…?………メッセージ?」

 

私の持つ専用機宛にメッセージが送られてきた

 

ISは通信や時計、IS同士でメッセージの送受信などできちゃう優れもの!

 

…………何か電波的な物を感じ取った気が…

 

「こんな時間にですか?」

 

虚ちゃんの言うとおりだ

 

もう9時になるかならないか、そんな時間

 

まぁ、気になったので見てみると

 

『更識 楯無へ

 

 

  明日の正午…指定の座標にて待つ

 

     一人で来られたし

 

 

          ファイバード  』

 

ファイバードから?

 

そのメッセージには座標のデータが添付されていた

 

正午にこの場所だと…明日の学校……昼休みの前後の授業休まなくちゃ…

 

「にしても、私の名前…どこで知ったの?」

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日の正午10分前

 

指定された座標の場所に来ていた

 

海に面する倉庫区画の奥の方

 

滅多に人が来なさそうな場所だった

 

「こんな人気の無いところでどうするつもりなのかしら?」

 

と誰に問いかけるでもなく独り言だったのだが

 

「誰かに見られるのは厄介だからな」

 

という返事が帰ってきた

 

声のした方を見ると

 

黒いコートにグレーのシャツ、それに黒っぽいジーンズに真っ黒なサングラス

 

そして膝まで届くほどの黒い長髪

 

「随分黒色がお好きなようね」

 

「………………一人で来たか?」

 

…………触れられたくなかったのかしら?

 

「ええ、貴方がファイバードでいいのよね」

 

「ああ」

 

宇宙警備隊の一人、サンダーバロンの正体が男性だったから予想はしていたけど…

 

「まさかファイバードが男だったなんてね」

 

「どうでもいい…欲しい情報がある。過去日本で起きたドライアス一派による犯罪が起きた場所とそれによる被害だ」

 

少しは話を膨らませようとしなさいよ

 

「…教えてもいいけどこちらにも何かもらえないとね。Give and Takeってやつよ」

 

「…………いいだろう」

 

ちょっと迷ったみたいね

 

「じゃあ、先にこちらから聞かせてもらうわね。まず一つ目、ドライアス一派は何人構成なの?」

 

「奴らのトップであるドライアス、ドライアス直属の部下のゾルとシュラ、奴らに協力するDr.ジャンゴの4人+テシターだ」

 

ドライアス…………未だに出てきてない親玉ね

 

「次よ、奴らの目的は?」

 

「地球の支配と暗黒の神になるため…………後者については俺も良く理解していない」

 

暗黒の神…ねぇ

 

「三つ目、何故貴方達は彼らに対抗できるの?」

 

「俺、ガーディオンの力を貰ったやつ、五反田 弾の三人は宇宙からやってきたファイバード達にドライアス一派と戦う為の力を貰った。今更だが奴らは宇宙皇帝ドライアスという組織だ。ドライアスもファイバード達と同じく宇宙からやってきた」

 

「宇宙って…」

 

到底信じられない

 

が…そう考えれば納得できる性能ではある

 

「じゃ、最後。貴方の名前は?」

 

「ノーコメント、ファイバードと覚えていればいい」

 

「な!何よそれ!」

 

「死人の名前を覚えた所で意味は無い」

 

「死人?」

 

と聞くとあからさまにしくじったというような顔をした

 

「それだけなら帰るぞ」

 

「あ、情報は?」

 

「明日の同じ時間、この場所で渡せ」

 

「ちょ!?私、学生なんですけど!?」

 

…………

 

両者無言

 

「…………不良か?」

 

「アンタが休ませたんでしょ!?」

 

巫山戯てるの!?

 

「なら明日も休め…………それで済む」

 

「はぁ!?」

 

不良か?などと聞いておきながら休めって…………どんだけ横暴よ

 

「情報は与えた、こちらには報酬を受け取る権利がある」

 

「そうだけど!」

 

確かにこっちが貰っただけでそっちには何も渡してないけど!

 

「それと…………」

 

と言った途端、空気が変わった

 

「最後の忠告だ…ドライアスには関わるな」

 

前回とは全く別の冷たい言葉

 

これ以上関わるなら助けないとでも言われているかのよう

 

「…無理よ」

 

「…………そうか…忠告はした」

 

そう言って去っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

って!

 

「結局休まなきゃいけないの!?」

 

そんな私の叫び声が響いた

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