ソード・アート・オンライン〜銀髪の二刀使い〜   作:月夜(白夜)

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成長

SAO

 

 

 

突然のラフコフの襲撃後私は、自室のベッドで目が覚めた。物凄く体がだるく麻痺毒が完全に抜けてないのか、それとも死が怖くそれでだるいのかが分からない。

リフレッシュしないと気が落ち着かない。ひとまずリビングに向かい扉を開ける。

「きゅん! きゅうぅぅん!」

迎えてくれたのは、シリカの相棒であるピナだった。私の肩に乗り頬をスリスリしてくる。物凄く可愛く、この時点で癒しで心が満たされる。でも、この子が居るって事は。

「ゲツヤさん!」

飛び込んできたのは案の定シリカだった。

「シリカ……どうしてここに?」

「それは俺が説明するよ」

居ないと思っていたフェンが玄関から顔を出す。

「別層に実はリアフレがいてさそいつに仕送りをしようとした時、泣きながら助けを求めるシリカがいたんだ。どうしたと尋ねたら、ゲツヤが危険と聞いて、急いでアスナとキリトにも応援を要請したってわけ」

「シリカのお陰で助かった。もしあの時私1人だったら確実にこの場には居なかった。ありがとう命の恩人」

私もギュッと抱き着くシリカをより自分の方へと迎える。

「私こそありがとうございます。ピナの蘇生に手伝って貰って、そのお陰か復活した時にゲツヤさんのいる部屋をずっと直視してました。すっかり懐いちゃって」

それを物語るようにピナは私から離れようとしない。これからこの癒しにはお世話になりそう。

私も何か恩返しをしないとね、エプロンを取り出してはいつものようきキッチンに向かう。

「2人とも何か食べたいのある?」

「ゲツヤ、無茶しなくていいぜ。眠ってる時酷く魘されてたし、休んどけよ」

ソファーから立ち上がり、私に近づく。

「もう大丈夫よ、それに恩返ししたいの。ご飯でって形だけどそれでもいいかな?」

「……そうか、分かった楽しみにしてる」

「私もです! もう一度ゲツヤさんの料理食べたいです」

「ありがとう……少し待っててね。ピナにも作ってあげるから」

「きゅるん!!」

ふふ、この際ピナの舌も虜にさせればもっと癒しが貰えるわ。より一層力を振らないとね。

テキパキと作業して、ものの5分で完成してしまう。

「はい、シリカの好きなオムライス。ピナにはこっちのローストビーフよ」

料理を見た途端2人+1匹は目を輝かやかせる。

「「いただきます!!」」

2人とも揃ってスプーンでオムライスを貪る。なんか、自分の夫と娘を見守っている……って私は一体何を考えてるのよ!

「ゲツヤ? どうかしたか?」

「い、いやそれより味の方は?」

「やっぱり美味い……これが食えて俺はこの世界で幸せ者だ」

「そ、それは言い過ぎよシリカは?」

「美味しいに決まってます! それとゲツヤさんアレお願いします」

私にスプーンを向けてくる。その意図が一瞬が把握した。

「仕方ないなぁ、はい、あーん」

「あーん!」

相変わらず神速の如くスプーンを咥える。

「フェンはどうする?」

「俺は1人で食うから大丈夫!」

少し頬を赤くさせて、さらにオムライスをがっつく。こんなに美味しく食べて貰うと本当に嬉しいよ。たとえ仮想世界だとしてもね。

「ふぅ……ご馳走様。さぁこれからどうしようか……ってメッセージ?」

フェンは、メニューを開き何やらメッセージを見た。そして目を見開き、呆然とした。

「どうしたの?」

ここまで緊迫した表情をした彼は一度も見た事がないために少しいや、かなり不安材料でしか無い。そして、その的中は当たった。

「ラフコフがこの夜だけで20名のプレイヤーを殺したって、キリトから」

「なっ……そんな……」

そして再びフェンにメッセージが入る。それを低い声で音読する。

「攻略組は明後日に行わられるラフコフ討伐作戦が急遽発表された。指揮を執るのは聖龍連合。俺とアスナは当然この役に抜擢された。そしてメンバー表をアルゴから買ったが、フェンとゲツヤの名前もしっかり記載されていた。だってよ」

その場の空気が一瞬にして重くなる。

「私……それに参加する。これ以上犠牲者を出してはいけない」

「なら俺も行く。キリトにそう送っていいか?」

「もちろん」

そこから再び沈黙が始まると、今度は私にキリトからメッセージが飛ぶ。

(気を付けろよ、次から奴らは何がなんでも殺しに掛かるからな)

(それは分かってるわ、でもこれ以上犠牲者を出す訳には行かない。キリトの事だから危険だから来るなとか言うでしょ、親友の頼みなら死なんて覚悟の上よ)

(やっぱり見抜かれてたか、まぁ攻略組のほぼ全プレイヤーが参加するんだ。詳細は明日の作戦会議で話すから時間通り来てくれよ)

場所は、聖龍連合のベースキャンプだった。集合時間は8時。今の内に戦いの準備をし始める。フェンも同様武器を手にするなか、突如彼が口にした。

「ゲツヤ、俺とデュエルしてくれないか? 今回は対人戦だ。モンスターよりもゲツヤとやった方が絶対にいいと思うから」

確かに……そうね、丁度いい。弟子だったフェンもどれほど腕を上げたか見ていたが、実際に剣で語り合った事は無く、それを承諾した。

「いいわよ、昔弟子だった子がどれほど成長したか確認も兼ねてね」

お互い部屋を出る。それを無言で付いてくるシリカとピナをチラッと見ると凄く心配していた。きっとラフコフ討伐戦に参加すると目の前で知られては誰もがそうなるだろう。それに私はついさっき死に掛けた。シリカとピナが心配するのも当然だ。

そんな彼女に近寄り優しく抱き締める。

「心配しないでシリカ、今回は1人じゃない。フェンもいるし、キリトやアスナっていう私とほぼ強いプレイヤーもいる。必ず生きて帰るから……ね」

「はい……信じてます」

シリカからもしっかりと抱き締める力を感じ、意識をこれから戦うフェンに向ける。それと同時にデュエルの申し込みが来る。それを承認する。

「初めてだな、こうしてゲツヤと剣で語り合うのは」

「そうね、さぁ。師匠をしっかり超えないとキリトやアスナに勝てないよ」

腰からフェンと同様片手剣を取り出す。そして、カウントがゼロになった途端互いにソードスキルを使用して距離を詰めた。そして、同じソニックリープが激突し鍔迫り合いになると思ったが、剣と剣がぶつかった途端私の剣が後ろに弾き飛び体もよろける。

「このために隠しといてよかったぜ。システム外スキル。ノックバックを」

降りかかる剣を防ぐ度に体が後ろへと仰け反る。

思い出した。確かにフェンが人型モンスターと戦う時必ず、相手はノックバックしていた。私はそれを筋力パラメーターと勝手に思っていたが、まさかシステム外スキルを編み出すなんて……。ちょっと厳しい戦いね。

「それ、完全に私殺しでしょ!」

「まぁな! ゲツヤが筋力パラメーターをあまり鍛えて無いのは、熟知してるからよ!」

防戦一方でなす術無し。追い打ちの如くフェンの剣が光る。あれは、バーチカルスクエア。ソード威力とノックバックスキルが合わされると防御しても確実に破かれる。距離を置くしかない。

1連撃目の上から上段からくる剣を先ずは、普通に弾く。ノックバックして大きな隙が生まれる。私は敢えてそれを利用しさらに後ろへと下がる。2連撃目はギリギリ避け、3連撃目を弾くが、フェンがそこで筋力パラメーターをフルに活用した。

重く伸し掛るような衝撃を受ける。膝が地面に着く。そして、4連撃目が来る。

「貰ったぜ、ゲツヤ!」

下段かりの切り上げ、並のプレイヤーなら避けれない。けど私は違う。その体勢のまま体を横に飛ばす。なんとかフェンのバーチカルスクエアを無傷で乗り切った。

「まじかよ、でもそれでこそゲツヤだ。こっちもやる気が起きるぜ」

どのように戦うか対策案を練る前にフェンの追撃が来る。こっちも防御だけで無く、攻撃にも展示なければならない。

下に構えたまんま走る。彼の事だ何か、まだシステム外スキルを使用するに違いない。

「うおおお!!!」

「はあああ!!!」

互いに声を上げて剣を振る。そこでフェンの頬が吊り上がった。

剣を私に向けることなく上へと放り投げた。奇想天外な行動に私は、度肝を抜かれ剣で攻撃するのを一瞬停止させてしまった。再度思考を切り替え心臓向けて突き刺そうと思ったが、フェンが視界から消える。そして、突如足を払われた。

「な……!?」

格闘スキル!? ノックバックスキルを使うんじゃなかったの!? 驚く中で、低く中に浮遊する。上に放り投げた剣はフェンの手と戻る。そして、剣が光る。

「まだ、まだよ!」

私は、体を地面と水平にさせる。そして、力一杯足をフェンの頭を蹴り飛ばす。

だが、それも読まれていた。フリーの片手で足を掴まれる。

「格闘スキルもゲツヤの十八番って知ってるから、対処しやすいぜ」

投げとばし、受け身を取り前を見る。既に、フェンの剣は避けれない所にいた。

「……負けよ私の」

腹部に通る強烈な違和感。でも、ラフコフの時とは違う。嬉しいさが込み上げてくる。デュエルが終わり、フェンは私から剣を引き回復結晶を使う。

「か……勝った。よっしゃぁぁぁ!!」

ガッツポーズを取るフェンに私は、拍手を送った。

「お見事フェン。完敗よ」

「でも、ゲツヤ本気じゃないだろ? ツインセイバーじゃなかったし」

「ツインセイバーは対人戦では使用しないって決めてるよ。今のは片手剣の本気。レイピアで戦ってもあのノックバックで負けが見えてるわ。フェン、強くなったね」

「あれもこれも、全ては、ゲツヤのお陰だよ。相棒だけど俺はいつまでも師匠って思ってるからな」

「やめてよ、全て教える事は終わった。これからもよろしくね」

「おう!」

彼とのいつもの挨拶である、拳をぶつけ合う。明日に備え、寝る支度をして命を狙われているシリカとピナと一緒に私の部屋で眠りについた。

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