ソード・アート・オンライン〜銀髪の二刀使い〜 作:月夜(白夜)
「そーれ!」
「うわぷっ! 待てアスナー!」
「うむ、なかなかにいい光景ではないか」
「俺も同じ事を考えていたよ」
目の前では美しすぎる美少女2人が22層の池で遊んでいる。かなり俺らに得している。
「捕まえた! よっし前みたいなことしちゃおうかな〜?」
「ゲ、ゲツヤそれだけは勘弁……」
「ふふ、キリトだけにって?」
「もうバカー!」
いやー、今日のこの瞬間最高ですね。キリトも口元を手で必死に隠しているが微笑んでいるのが丸わかりだ。だが、俺達にはまだ楽しみがある。
「なぁ、ゲツヤって飯美味いのか?」
「あったりまえだ。俺の胃袋は完全に掴まれたよ。アスナはどうなんだ?」
「アスナも美味いぜ」
「ほー、それは楽しみだな」
単純に飯だ。なんて言ったってこのピクニックの弁当は、アスナとゲツヤの手作りだからな。しかも自然豊かでのんびりとした所で嫁の水着姿が見れて一石二鳥以上に得したよ。
「おーい! キリトもフェンも来なよー! 冷たくて気持ちいいよー」
手を振りながらゲツヤは近く。華奢な体と靡く銀髪がなんとも可愛らしい……がいまあんな楽園に行ってしまったら男としての本能が働いてしまうためにここは遠慮しよう。悔やまれるが。
「俺らはやめとくよ。辺りの監視をしてる」
既にキリトは二刀流をちらつかせ殺気を放っている。
「ならもういいかな〜。そろそろお腹空いた頃でしょう」
ゲツヤの隣は破壊力が高いアスナがいる。俺はなるべく見ないようにゲツヤを見つめる。
「な、何? こうして見られると恥ずかしいね」
胸の前で腕を組んで体を隠そうとするがそれは逆効果だ。頼む耐えろ俺の理性!
「ならそろそろご飯にしようか、あそこの木陰で」
「うっし!」
隣のキリトはガッツポーズをしてアスナが指差したところへと一目散に向かう。
「もう、キリト君は……。私達着替えるからフェン君分かるよね?」
「当たり前だ」
キリトの方に向かうためゲツヤ達に背中を向けた時微かに聞こえたゲツヤの爆弾発言。
「フェンなら見られてもいいのに」
アホかお前は、見たいけど本当にやめてください。俺を殺す気か?
「あー、なんか理性と戦うのにどっと疲れた」
「俺もだ。これはお返ししないとな」
多少卑猥な話で男は盛り上げがそろそろ自粛しときましょう。やめた丁度にゲツヤ達が来て、ちょっと気まずい。
「……さぁご飯にしようか、アスナ私から出してもいいかな?」
「いいよー」
アイテムストレージは弁当の定番であるサンドイッチが出てくる。
「ゲツヤと被っちゃった。でも味は違うわよ」
アスナからもサンドイッチが出てきてついつい笑えてしまう。
「なんだか俺達似た者同士だな」
「そうね、フェンも第一優先はご飯だし。キリトも昔っから買い食いしてた記憶あるし」
「んなことより早く食いたいんだが」
「あーはいはい分かりました。では……」
「「「「いただきます」」」」
俺はまずはゲツヤの手にする。中身を見ないように思いっきりかぶりつく。レタスににた野菜とハムほ最高のマッチングだ。しかし、それ以上に驚いたことがある。口の中に広がる懐かしすぎる味。これはまさか。
「マ、マヨネーズかこれ!?」
2年ぶりのマヨネーズはどんな物より美味く感じる。隣ではキリトも反応してゲツヤの手にしてかぶりついては無言で食べ進める。
「ふふ、アスナに勝ったわよ」
「それはどうかしらねぇ? まだとっておきがあるのよ」
「ま、まさかアレを出すの!?」
再びアスナのアイテムストレージ開く。出てきたのは魚の刺身と得体の知れない謎の液体。
「フェン君、これ食べたら感動するわ」
「お、おう」
恐る恐る。刺身に液体をつけて一口。俺はその瞬間言葉を失った。これまた2年ぶりの味。しかも日本人が愛してやまない調味料!
「醤油だ……。2人ものどうやって」
「ゲツヤと共同で開発したのよ、大変だったわよ。半年以上かかったよね」
「うんうん、出来た時は泣き崩れたよね」
凄いなこの2人は、俺だったら即効諦めるところなのに。美味すぎる2人の手料理をキリトとあっという間に食べていく。沢山あった量が10分足らずで無くなった。
「あー、食った食った。なんだか眠くなってきたわ」
「もうキリト君は、家でも外でも変わらないじゃないの」
キリトの言いたい事は凄く分かる。俺も正直ここで寝たい。ほんの少しだけ目を閉じて目を開けるとゲツヤと目が合う。すると微笑みながら正座をして膝に指をさすと。
「フェン膝枕してあげる」
「いいのか?」
「ここなら足痺れないからね、膝枕ってやってみたかったのよ」
「そうか、お、お邪魔します」
ミニスカートのためにスベスベでモチモチとした太ももがなんとも言えないエロさを出す。
仰向きだとゲツヤと目が合う。これは恥ずかしいために横に体を倒して、頬に太ももの感触が直に伝わる。
「寝てもいいよ……。リラックスして」
「あぁ……」
ゲツヤに頭を撫でられるとスッと睡魔に襲われて自然と寝てしまう。
なんと心地のいい膝枕だ。気付いたら落ちていて夕方になっていた。目だけを動かしと正座しながらゲツヤも寝ていた。なんて器用な。目の前にある太ももを少し舌で舐めると頬にビンタが飛んでくる。
「フェン……こんなことしたいなら言えばいいのに。私になら何しても大丈夫だから……ね」
「は、はい。膝枕ありがとう」
体を起こしてグイーッと伸ばす。とアスナはキリトを起こしていた。
「ふぅ……そういえばみんなここより奥に行った森にある面白い話があるって知ってるか?」
俺も少しは聞いたこたがある。2人の少女の幽霊みたいなものが現れるっていう。そんなの迷信だろうゲームの中の幽霊なんてモンスター以外にありえないし。
「出るんだってよこの先に……」
「で、でるって何が?」
恐る恐る聞くアスナにキリトはいたずらに笑恐怖心をそそるためか貯めた後に
「幽霊が出るんだってよ」
「「きゃぁぁぁぁぁ!!!」」
アスナとゲツヤは絶叫して俺とキリトと抱きつく。確か、この2人こういうの苦手だったな。低層に廃墟の層があった時この2人は攻略を何かとサボってたからな。
「イヤだ! そんなの無理! 帰ろうよ」
必死に懇願するゲツヤだが、生憎俺はこういうのオカルトが大好きでな。さっきのお返しだ。
「乗った。行こうぜキリト」
「そうこなくっちゃな」
涙ぐむ2人は気づかないフリをしてどんどん進むに連れて雰囲気が変わってくる。森が深くなり太陽の光が入り込まない。それに薄っすらの視界にモヤがかかる。後ろでは女性2人がヒィヒィいいながなんだかんだ言って付いて来る。
「えーとこの辺のはずなんだが……」
俺は、辺りを見ると……小さな人間の影が2つ出てくる。
「お、おいあれ」
指を刺した方向に3人が振り向く。
「マジかよ」
「「いやぁぁぁぁでたぁぁぁぁ!!」」
お互いに抱き締め合う。だが俺はそんなのに気にせず影を見続けていると突然、グラリも揺れて地面へと倒れるように見えた。
「あれ、幽霊じゃない! 人だ!」
一目散に飛び込んで、倒れた現場へと向かう。これで居なかったら洒落にならないからな。茂みをジャンプで飛び越えると2人の少女が倒れていた。
1人の少女は白いワンピースに黒い長髪、長い睫毛に目は閉じていた。
2人の少女は正反対に黒いワンピースに銀髪の長髪、同じように長い睫毛に2人とも意識は無い。
遅れて来た3人は顔を覗かせる。
「この子達大丈夫かな?」
「分からない……でもこのままにはしておけないな」
もう一度銀髪の子を見る。この目を閉じている顔は、眠っているゲツヤに似ている。
「なんだか私達に似てる気がする。この子少しキリト君に似てるところある」
「今日はここで帰って、この子達の様子を見ようか」
俺は、銀髪の子をお姫様だっこして行く。なんとも疑問が残る1日となる。
キリト達と別れて銀髪の少女を昔ゲツヤが寝室として使っていた場所へと運び、ソファーに座り考える。
「まずNPCでは無いなでもなんでカーソルが出ないんだ……」
「だよね、見た目も10歳行ってないと思うし」
何を考えても答えに導かない。ただ静かに時が過ぎていく。
「私、あの子の側に居るわ。何かあったら呼ぶよ」
「おう、サンキュー」
あの子をゲツヤに任せて俺はソファーに転がる。するのあんだけ寝たのにも関わらず再び睡魔が俺を眠りへと誘った。
リビングからの音が消えてフェンは寝たんだと思う。少女と同じベットに入り込み、私と同じ髪色の頭を優しく撫でる。手触りまでそっくりだ。
「……んぅ」
小さく聞こえた少女の声は美しい声だった。
「大丈夫? ねぇ」
優しく肩を揺らして、意識を確認する。震える瞼が持ち上がるとフェンに似た漆黒の目が私を捉える。
「あ……うぁあ……」
「ちょっと待っててね」
慌てながらも静かに退室して、寝ているフェンを起こす。案外簡単に目を開く。
「君、名前は?」
フェンが少女と同じ視線になって優しく問いかける。
「なまえ……わたし……なまえは……ルリ」
「ルリ……か、俺はフェン。こっちはゲツヤ」
「ふえ……ん……げう……や」
途切れ途切れの少女の声に私は胸がキュッと締められる。
「なら、ルリの好きなように呼んでみて」
黒い目が私達をゆっくりと捉えるそして、少女はゆっくりと呼ぶ。
「おとう……さん……おかあ……さん」
一度フェンと向き合う。そして、ルリに向かって手を広げて。
「もうだよ……お母さんだよ。ルリ」
「おかあ……さん!」
ルリは私の胸に飛び込む。
「寂しかったよね、怖かったよね。大丈夫だよ、お母さんとお父さんが側にいるから」
こんな小さな子だもの、あんな深い森にいたら怖いに決まってる。ルリを優しく強い思いで抱きしめる。
「とりあえずはここで住もう。そして少しづつ情報を集めようか」
時は夜となり、晩ご飯の準備を始めた。リビングではルリとフェンが詳しくは知らないが何かをしている。
晩ご飯フェンは辛いのがいいとはいうが、ルリは多分食べれないと思い別個で違う物を作った。食器にご飯を盛り付けてリビングで遊んでいた2人を呼ぶ。席に着いた途端恒例の言葉を発してご飯を食べていく。
「うん、やっぱり美味いわ」
「よかった。辛いの作った事なかったからちょっと不安だったのよ。ルリ美味しい?」
ルリには別で親子丼っぽいのを作っておいた。少し甘口にしてみた。小さなスプーンで掬いゆっくりと咀嚼する。
「美味しい……けどお父さんの食べたい」
視線は、フェンに盛られた麻婆豆腐をガン見した。
「ルリこれはな辛いぞ」
「お父さんと同じがいい」
「そうか、なら試しに食べてみな」
私はルリが辛さで泣いてしまう未来が想像出来てしまう。止めようとはしたが既にルリは食べていた。
「ん……美味しい。わたし、こっち好き」
「なんか、味覚はフェンに似ているわね」
とりあえずは一安心。辛いのが得意なルリだが親子丼はご飯粒を1つも残さず完食してくれた。
お腹が一杯になるとフェンの肩を借りてルリは眠ってしまった。起こさないようにゆっくりと抱き上げて、先程の寝室へと寝かして再びリビングへと戻る。
「本当に私達に似てるよね」
「あぁ、寝ている顔はゲツヤだが」
「起きてる顔はフェンに似てる。なんか、本当に娘が出来たみたい。もしかして守護命剣さ獲得出来たんじゃないの?」
フェンは試しにメニューウィンドウを開くくと背中に剣が現れる。
「これだ。戦闘時に本領を発揮するだってよ。見た目は普通の片手剣だな。それより俺……たちさ結婚して1週間だったけど夫婦らしいことして無かったよな」
「……そうね。フェンどうしたの?」
顔を俯いたまま私へと近づいて、突然お姫様抱っこをされて2人で寝ているベットへと倒される。こ、これって……。
「愛してる。今日ずっとお前の水着姿をみて我慢してたから……分かるよな?」
ゆっくりと伸びるフェンの手を掴んで自分の胸へと誘導させる。こんなにも心臓がバクバクしちゃうなんて。
「うん……いいよフェンになら私何されてもイヤじゃない。だから……」
言葉を発するのも恥ずかしくなる。お互いに近いづく唇は優しく触れ合うと熱く絡みつく。月の光に照らされて、2つの影が1つに交じり合った。