ソード・アート・オンライン〜銀髪の二刀使い〜   作:月夜(白夜)

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決着

SAO

 

 

 

 グランドクエストを受注し中に入る。武器を取り、羽を広げ上を目指すが白銀を纏った騎士が現れた行く手を阻む。

「そこを退けぇぇぇ!!!!」

 愛剣を強く握り邪魔な騎士をぶったぎって進んでいく。更に上に行くと弓を背負った騎士が現れる。更に後ろからは不敵な笑みを浮かべながら剣を向けるやり残した騎士がいる。

「行け! 後ろは俺とリーファで食い止める。お前らは上に上れ!!」

 俺達は背中を二人に任せる。あいつらなら信頼できる。上を目指すしかない。飛んでくる矢を避けつつ無理な場合は切り落とす。そしてある程度騎士を倒しもう少しで世界樹の中に入れる。その時後ろからリーファの声が響いた。

「しまった!」

 後ろを向けば槍を構え俺に向かって高速で突進してくる。

「な……」

 到底避ける事が出来ない。畜……生あと、ほんとあと少しだったのに……!

「させるかぁぁぁぁ!!!」

 レイヤが咆哮し俺の目の前に立つ。そして無惨にも胸を刺された。あれだとレイヤが死ぬ! 死ぬ? そんなの駄目だ!

 レイヤをたすける為に俺は騎士に向かい腕を切り落とそうとする。

「俺に構うな!! さっさと先に行け! 極夜の事を頼む!!」

「行くぞフェン! あいつの想いの為にも俺達は先に進むしかない!」

「あぁ、そうだな! ルリあそこはどうすれば開く!?」

「あれはシステムにロックされてるけどあのカードがあれば行ける! お父さん! 私にカードを!」

 直ぐ様ルリに触ると俺達は光りに包まれる。そして目を開けば、世界樹の枝の上だった。

「こっちにいる……お母さん!!」

 先に走り出したルリの背中を追いかける。迷うことなく最短ルートで行けば、鳥籠が現れた。そして、そのなかに俺が最も愛した彼女が両手を握り祈るように顔を俯せていた。

「お母さん……!」

 ルリは一度立ちと止まると会いたかったゲツヤを呼んだ。微かな声だったが、聞こえていたのか、体が跳ねたあとゆっくりと俺たちを見た。

「お母さぁぁぁぁん!!!」

 ルリは目が合うと走り出して鳥籠の一部を破壊してゲツヤへと飛び込んだ。

「ルリ……! ルリ!!」

 ゲツヤも走り出して、胸に飛んできたルリを両手で強く抱き締めた。

「お母さん! お母さん! 会いたかった!」

「ルリ! 助けてくれてありがとう!」

 二人泣き崩れ、久々に親と娘の体温をお互いに感じあった。そして、俺の方を見つめた。

「フェン……ありがとう」

「悪い、随分遅くなっちまって」

 俺は二人を強く抱き締めた。一生離すものか、絶対に俺はお前らを守ってやる。

「アスナ、キリト、ユイ本当にありがとう。感謝しても足りないね」

「私達、親友でしょ! 助けるに決まってるじゃないの!」

 アスナも我慢出来なかったのか、涙を流し、ゲツヤの背中に抱きつく。キリトは傍らで微笑みながら見守っていた。

「帰ろうゲツヤ、現実の世界へ。ルリ、ログアウト出来るか?」

 しかし、ルリは首を横に振った。

「出来ない。お母さんが自発的にログアウト出来ないようにロックが掛けられてる」

「なんだよそれ……」

「あっ、待ってログアウトできる方法なら1つだけある」

「本当か!?」

「ええ、一人で脱出を挑んだ時に見つけたわ。でも失敗してここに戻されたけど」

「充分だ。今ならどんな奴も蹴散らしてやる。ゲツヤ先導を……」

 突如ガタン! と音がなる辺りが真っ暗になるり重力に押し潰されそうになる。そして触れていたはずのルリが消え、ユイも居なくなっていた。

「全く、僕のティターニアを奪うなんてとんでもないバカな奴がいたもんだ」

 不敵な笑みを浮かべながら俺達を見下す下品という言葉がお似合いの男がいた。そいつを目にした途端ゲツヤの表情が恐怖に染まる。

 俺は両手両足を懸命に使い、なんとか立ち上がろうとする。

「テメェ……ゲツヤに何した?」

「黙れゴミムシが、僕はこの世界の王であるオベイロン様だぞ。身の程を知れ!」

 顔面に飛んできた蹴りをくらい、体が横に飛ぶ。

「やめて! フェン達に手を出さないで!」

「全く、君は君で理解力が無いな。あれほどお仕置きをしたのに……全く」

 ゲツヤは近づいてくるオベイロンから這ってでも逃げようとするが、両手を捕まれる。そして頭上から降ってきた鎖の先には手錠があった。

「さて、今日は見物客もいることだし、公開お仕置きといこうか! システムココマンド・ペインアブソーバーをレベル8に!」

 その瞬間蹴られた顔面が強く痛み始めた。

「ぐっ……!? うぅ……がぁぁ……」

 しかし、それはゲツヤも同じのようだった。オベイロンは俺に近づくと剣を奪いゲツヤに近づくと腹部を突き刺した。

「あああぁぁ!! や、やめっ!」

 絶叫が響き渡る。蹴られてこんな痛みを感じたら、今受けてるゲツヤの痛みはこんなもんじゃない。怒りが沸々と沸いてくる。

「テメェ……ゲツヤから……離れろよ……クソゲー……開発者め」

 俺はもう一度立ち上がろうとするが、再び邪魔が入る。

「この無礼者が! 僕に指図するなぁぁぁ!!!」

 すると全身に激痛が走った。オベイロンが俺の剣を使い背中から突き刺し、胸を貫通していた。

「ぐぁぁぁぁぁぁ!!!」

 なんだよこれ……。こんなの受けていられるかよ。

「フェン! もう止めて! やるなら私だけにして!」

「ほほう、いいこと言うね! そうだね、そうしようかぁ!」

 ゲツヤに近づくと汚らわしい手つきで体に触れる。屈辱を受け、堪えていた涙が溢れ落ちる。しかし、そんなゲツヤは俺を見ると泣きながらも微笑んだ。

「フェン、キリト、アスナ。ログアウトして……。向こうでこいつが行ってた悪行を暴いて! 私は大丈夫だから、こんなのSAOに比べたらまだ耐えられるわ」

「ほほう、なら耐えてみるといい! このパーティーを!」

 その瞬間ゲツヤを包んでいた薄い1枚の布は破かれた。何も着ていない美しいが体汚されていく。

「あぁ、いいねもっと泣いてくれよ。その涙僕が舐め取ってあげるから!!」

「貴様……絶対に殺す! 殺す! 殺す!」

 こんな偽の重力に負けるな! どうなってもいい……ゲツヤが助かるなら悪魔にもなってやる! 立てよ俺! そしてあいつを殺してやる! そう、心の中で宣言すると頭に懐かしい声が響いた。

(ふむ、その心こそ私が求めていた守護命剣の使い手だ。フェンくん立ち上がるんだ。そして愛する人を救いたまえ)

 そのつもりだヒースクリフさん。

「ん? 全く開発陣営どもめもっとしっかり作れよ!」

 顔面にオベイロンの拳が飛んでくるが、それを素手で掴みとる。そして俺は、あいつのシステムよりも優れた権限を使った。

「システムログイン……IDヒースクリフ……」

 俺達を見下す包んでいた重力が嘘のようになくなった。俺は、オベイロンの腹部を格闘スキルにあったディープ・インパクトなるものを捩じ込んだ。そしてオベイロンの権限を全て消し去った。

 奴は剣を投げ捨てたため、すぐに拾い、ゲツヤを拘束していた物を全て壊しコートを羽織らせる。

「キリト、アスナ。ゲツヤを頼む」

 裏返った声でエクスカリバーを出現させようとしたが、その声はただうるさく響くだけ。試しに俺がやってみれば右手にエクスカリバーが現れる。そして、俺はペインアブソーバーレベルなるものを1にした。

「いらんなこんなガラクタ。ほら、やるよ」

 オベイロンにエクスカリバーを投げれば、掴み不恰好に構える。

「今まで散々やってくれたな、かくごは出来てるだろうな?

「ぐぬぬ……!! いいだろうクソガキ!! 神である僕は直接制裁を下してやる!!」

 上に振り上げて下に振り下ろすだけど下らない物だった。俺はため息を吐いて両手を切り落とす。奇怪な声を上げるオベイロンをダルマ状態にする。

「ここがSAOだったら……良かったのになぁ」

 そうすればこの憎い男は死ぬ。それは素晴らしいことなのになぁ。オベイロンの顔を蹴り倒し、右目に剣先を刺してゆっくりと急がず剣を捩じ込んでいった。そして奴はこの世界から姿を消した。

「ふぅ……終わった」

 ゆっくりと裁ち上がりアスナの服を着ていたゲツヤに向かい、そっと抱き締めた。

「ゲツヤ、今度は向こうの世界で会おう。今、ログアウトさせてやるから」

「うん……!」

 権限を利用して、ゲツヤに掛かっているロックを全て解除して、ログアウトボタンを押すと、淡い光に包まれる。

「私、一番最初に会うのはフェンって決めてるから待ってるね」

「あぁ、すぐ駆けつけてやるよ」

「約束ね」

 そして、ゲツヤはこの世界から姿を消し、現実世界に戻っていった。

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