ソード・アート・オンライン〜銀髪の二刀使い〜 作:月夜(白夜)
ピコーン!ピコーン!
「んぅ……だ、誰だ?」
フェンが新たらしく買った家で睡眠中、メッセージの着信音で目が覚めた。メニューを開き宛先を見ると、アスナだった。
「これから、リズのとこ行くんだけど一緒に行かない?」
まぁ、今暇だし行ってもいいか、適当に変装をしていけばバレないよね。OKと簡単に返答をして、フード付きの服を着込み寝室(仮)からリビングに出る。
「フェン、私ちょっと出掛け……」
扉を開けると、おはようゲツヤって声を掛けられると思ったが、当の本人は、ソファーの上で丸くなって眠っていた。
起こさないようにゆっくりとフェンに近づいて顔を覗き込む。
「起きてる顔は、信頼出来るけど、寝てる顔は守ってあげないと心配になるわ」
アイテムストレージから毛布を取り出し、フェンに掛けて家を出た。
リズの武具店がある層へ転移をして、人混みの少ない道を素早く通り抜ける。隠密スキルをフルに活用して行ったために見つかる心配なるリズの武具店へと入れた。
「おっ、きたきた。アスナーッ!さぁ、こっちよ、お茶でもしようか」
リズに手を引っ張られると店の裏へと案内される。既にアスナは椅子に座りお茶を飲んでいた。
「ところで、どうしたの?3人で何か、狩りに行くの?」
「ノンノン、そんな物騒な話じゃないわよ。今日は、普通に女子会よ、女子会」
リズは、私の分のお茶を持ってきて、適当なお菓子を持ってきた。
「へー、まぁ今まで忙しくかったからいいわね」
「特にゲツヤは有名人だからね、私でさえ1人で迷宮区をマッピングなんてしないわよ」
あまり触れられたくない内容だったために、お茶を飲んでやり過ごした。
「そんな事より、お二人さんは、隣にいる男子の事をどう思ってるのよ」
リズは、声のトーンがワントーン上がり、目がキラキラ光っていた
「フェンとは何もないわよ、今日から同居生活が始まるけど、彼はあくまで相棒よ。まぁまだ教える事はあるから2割は弟子かな、っていうか、私リアルでは彼氏居るから」
「「ど、同居!?」」
両サイドにいる2人の声が見事にハモり、驚いて肩がビクッと跳ね上がった。
「はぁ〜、なんか凄いね。アスナは?あの黒の剣士様とはどうなってるの?」
「わ、私こそキリト君とは何もないわよ」
「へ〜、この前あんなメッセージ送って来たのに何も無いなんて怪しいわねぇ」
さっきのやり返しの如く、アスナの1つの弱点であるキリトの事に関するメッセージがこの前送られたためにそれをチラつかせると
「ゲツヤッ!へ、変な事言わないでよ!」
私の口を両手で抑えて、弁解の言葉を並べているが、こんなに反応するのが逆に怪しいのよ……アスナ。面白ねキリトとアスナは
「ちょっとリズ、そんな目で見ないでよ。本当に何も無いのよ」
その間ずっと、私の口を抑えてくる。苦しくは無いけどいい加減話して欲しい。二の腕を何回か叩くと離してくれた。
「はぁ、まぁ応援してるわ〜」
「だから、ゲツヤ変な事言わないでよ!」
再び、アスナに口を抑えられると、リズは、大きな笑い声を上げた。それに釣られるとようにアスナも笑うが、相変わらず、私は口は抑えられたまんまだった。
それから長く話し合い、外は、暗くなり時間は9時だった。ここで、解散となり私は、フェンが待つ22層へと転移した。湖の表面に月が反射してとても幻想的な景色を生み出していた。
「ここが、こんなに綺麗なんて……攻略以外にもこうして、各層を見るのも楽しそうね」
その風景に見とれ、ストレージからパラメーターがUPするワインのコルクを空けて月に向けて乾杯をして一気に飲み干した。
「ん……はぁ、……誰かいる」
香りを楽しむ暇も無く、突如索敵スキルにプレイヤーが反応した。そこに意識を集中させると、見慣れたギルドの服装をした中年プレイヤーっぽい人がいた。
「これは、これは、細氷(さいひょう)のゲツヤさんではありませんか、貴方の活躍は、よく耳に入ります」
「そう、それはどうもありがとう。ところで誰かしら?血盟騎士団さん」
細氷のゲツヤ?いつの間にか、中二病臭い通り名を付けられたものね
「失礼、私はクラディールと申します。ゲツヤさん、貴方を血盟騎士団に入団させるために来ました」
「断る」
「……は?」
瞬時に返した返事にクラディールという男は、拍子抜けた顔をしていた。
「ギルド入る気無いし私には、相棒がいるから断る。それに、私、自分より弱いプレイヤーは、興味無いから。アスナかヒースクリフが直接言ってきたらまた別だけど」
「な、なんだと……私が、あの隣にいるコソ泥より弱いというのか?」
突如クラディールの雰囲気が変わり、警戒のために腰に細剣を装備した。それよりフェンの事をコソ泥と言った事が私の怒りを買った。
「コソ泥?フェンとは、第一層から仲よ。今は相棒だけど、私の可愛い弟子なの。お前たちよりも比べ物にならないほど強いわよ」
フェンも、攻略組では、トップの実力を持つまで成長した。彼は、本当に筋がよかった。
「この……ならば実力行使といかしてもらうぞ」
突然、クラディールからデュエルの申し込みが来た。……なるほど、私が負けたらギルドに入れって意味ね、こんな奴目を瞑っても勝てるわ。OKボタンを押して、レイピアは抜かずに柄を掴み、いつでも抜刀できる状態にした。
「私の勧誘を断った事を後悔するがいい、切り刻んでやる!」
カウントがゼロになった途端、クラディールは、私の予想通りにソード・スキル。アバランシュを発動させた。
「……ッ!」
それに迎え撃つように私は、レイピアを抜刀せずに生身で突っ込んだ。
「ぐっひゃひゃ、望み通りに私の奴隷にしてくれよう!」
奇怪な笑い声をあげて、両手剣を振り上げた。こいつ……ギルドの勧誘じゃないのか……何か、裏がありそうだな。でも、強いプレイヤーに刃向かったらどうなるか、ここで痛い目に合わせないと……。
「遅い……はぁっ!」
小さな気合の掛け声と同時に、柄を握るより一層強く持ち。そして相手のソード・スキルを紙一重のタイミングで高速でレイピアを抜いて、ソード・スキル、リニアーを相手の両手剣の腹の部分に直撃させる。
バキンッ!!
クラディールの剣が丁度半分になるように破壊した。そして、そこからアスナほどいかないが、体力がイエローゾーンになるまで無抵抗のクラディールを降参させるまでいたぶり続けた。
「この……クソアマがぁぁ!!」
すでに、ポリゴン状になり無くなった両手剣の変わりに、手を左右に振っているだけ
「これで、終わり!」
最後の一突きがクラディールの心臓部分にクリティカルヒットして、派手に地面に尻を付けた。イエローゾーンへと達して、you winと私の頭上に出た。そして、見下すように……
「いい、弱いプレイヤーが強いプレイヤーに剣を抜いては駄目よ。今度、このような事をしてきて、フェンを馬鹿にしたらこれでは済まされないよ……殺すかもね」
「この、化け物め覚えてろ……転移」
転移結晶でどこかの層へ消えていき、アスナへ急遽メッセージを送った。
「あんたの所のクラディールってやつ、これからちゃんと首輪付けてよ」
それから数分後、返信が届く。しかし、その内容に目を疑った。
「クラディール?そんな団員、ウチのところにはいないよ。今、名簿を見たけど、今にも昔にもクラディールなんていう名前は無かったよ」
「な……い?一体どういう事?」
手短に返信をして、ツインセイバーを装備して、隠密スキルをフルに発動させてフェンの家へと一目散に戻って行った。
今更ながら半角から全角への変え方を知りました