ソード・アート・オンライン〜銀髪の二刀使い〜 作:月夜(白夜)
「ただいま、フェン」
「おかりえ、ゲツヤ。遅かったな、悪いが、俺はもう夕飯は済ませちゃったぜ」
見ると、時計は21:30分だった。かなり会話が盛り上がってけどまさかここまでの時間とは、あとは謎のクラディールって言われるプレイヤーのせいね
「少し、世間知らずのプレイヤーに喧嘩を売られたもんでもやり返しただけよ」
「ゲツヤに喧嘩売っても勝てるのは、キリトさんか、アスナさんくらいしか居ないだろ」
「いいえ、残念ながら私は、アスナに勝ったことはあるわ。キリトとはもうやりたくは無いわね。それとキッチン借りるね」
装備の下は、下地のため一度自分の寝室(仮)へ入り、寝巻きへと着替えその上からエプロンを着用する。そこからキッチンに向かいテキパキと調理すると10分も経たない内に料理が完成する。
隣では、フェンが作った料理をチラチラ見ている。本人は、バレてないと思っているが、視線を飛ばし過ぎてすぐ察した。
「た、食べたいの?」
「え、あ、はい。食べたいです」
正直に答える彼に笑みが溢れる。私が使っていたスプーンに、シチューを盛り
「はい、口開けて」
スプーンをフェンの口元に移動させるが、彼は開けるどころか慌てていた。
「こ、こ、これってその俗に言うあ〜んってやつだろ。その、いいのか?」
「いいからやってるんでしょ。それともあ〜んを言ってほしいの?」
「そう言う理由じゃないけど、まぁともかくいただきます」
目を閉じて、ゆっくりと近づいては、スプーン手前の所で一度下がってもう一回近く。こうも焦らされるとこっちもやり返したくなる。
決心したのか、グッと近く。もう少しで触れるその瞬間に手を引いて、自分の口の中に入れる。そして、空になったスプーンをフェンの口に当てる。
「ん……?って何も無いじゃないか」
肩をガクッと落とすフェンは本当に面白い。
「ごめんごめん、でもフェンが早く食べないから悪いのよ、今度はちゃんとあげるから」
もう一度スプーンにシチューを入れる。すると、今度は直ぐに食べて行った。
「う、美味い……今まで食ったシチューの中で断トツに美味い。今度俺に作ってくれないか?」
目を大きく開けて、私の手を掴む。
「え、ええいいわよ。なんなら毎日1日3食作ってあげるよ」
「まじか!ありがとう、本当にありがとうゲツヤ!明日が楽しみだ」
フェンは、私の手を離すと立ち上がって踊りだす。あ、あれフェンってこんなキャラだっけ少し崩壊してない?
まぁでも喜ぶ彼の顔は、見てるこっちも気分が良くなるから嬉しいけどね。
「よし、明日は迷宮区のマッピング行くよ。ツインセイバーの熟練度も残り少しだから」
「了解。それじゃー明日は頼むぜバディ」
互いに拳をトンとぶつけて、残ったシチューを平らげては、寝る支度をして直ぐに布団へと入った。
翌日の迷宮区マッピングは、フェンがいたおかげで1人でやる時も一段と早く終わった。ツインセイバーの熟練度は、マスターとはいかなかったが、ボス戦でも充分使えるまで成長した。お昼のサンドイッチはフェンの舌を完璧に虜にすることが出来た。
マッピングしたデータは、掲示板に貼ると、その2日後に偵察隊が派遣され一週間後にボス攻略会議が開かれた。即日、ボス攻略が始まった。勿論、私もフェンその他の攻略プレイヤーが集結した。
ツインセイバーは、本当にピンチの時にしか使わないと片隅に入れてボスフロアへと進撃した。
ボスは、4足歩行のドラゴンで名前は
〈レフェドュシェセフェブ・ドラゴン〉
まずは、手合わせ通りにヒースクリフ率いる血盟騎士団のランサーが前線で攻撃を受け流しつつ、他のプレイヤーが両脇から攻め立てるという作戦だった。これが見事に的中して、相手の攻撃に気にすることなくソードスキルを連発できる。しかし、1つ気になることがあった。相手の防御力が異常に高い気がする。あれから大してHPは減ってない。ツインセイバーを使おうかと悩むが死者がでるほど苦戦は強いられてないため、持久戦へと持ち込んだ。
あれからどれだけ時間が経ったのか、分からないほどボスと戦っていた。しかし、残り一本まで削ることが出来た。だが、ここでボスが変化を見せた。一度咆哮すると、2本の足で立ち上がると、前足が消えて、その代わりに翼が生える。目を移動させて1人の両手剣の中年に目を付けた。すると、紫色のガスを放った。正面から受けた中年プレイヤーは、こちらに振り向くと突然ソードスキルを私に放った。
「なっ……!?うぐっ!!」
単発スキルだが、凄まじい一撃が私の腹部を捉えた。クリティカル判定も加算され、HPバーが一気にレッドゾーンへと突入した。
「な、なにしてんだお前!」
フェンが私に近づいて回復結晶を使い中年プレイヤーに激を飛ばした。しかし、帰ってきた答えは、予想外のものだった。
「か、体が勝手に、自分で制御出来ねぇ!頭で拒絶しても体が動かんだ!」
そんな、バカな……しかし、その言葉を物語るように中年プレイヤーは、味方を攻撃にし続ける。意識な完全にボスから操られたプレイヤーに向いてしまった。その間にボスは、体を丸めて、力を貯めていた。
グオオォォォォ!!!!
レフェドュシェセフェブ・ドラゴンは、再び咆哮した。そして、口からフレアを吐きつつ、鋭い手の爪の強靭なプレイヤーを切り裂いた。その攻撃に全プレイヤーが巻き込まれた。
再びHPバーはレッドゾーンに突入する。急いで回復結晶を使い、周りを瞬時に見渡す。足りない…….4人居ない。そして追い討ちをするかのように洗脳されにプレイヤーが倒れる両手剣を突き刺し、死者が5人へと増えた。
「これ以上味方は傷つけたくねぇ、頼む。誰か俺を殺してくれ!」
涙を流しながらも両手剣は、ライトエフェクトに包まれる。
「フェン……アレを出す。30秒だけでいいから彼の気を引きつけて」
「分かった。これでまた有名人だな!」
フェンの後を続くように周りのプレイヤーも動き出した。私は、メニューを開いて、ミスすることなく、今持ってる中で、最強のレイピアを持ちツインセイバーとなった。
腰に新たな重みを感じて突っ走る。
「道を開けて!」
そこから中年プレイヤーに突っ込む。レイピアを抜刀して、両手剣を破壊して、左手に持つ片手剣で両腕を切り落とす。これで武器を持つことは出来ず。あの人は攻撃出来なくなる。あとは、ボスだけ。
スピードを落とさず走るも横に黒のロングコートをなびかせて走るキリトがいた。しかし、彼の背中には鞘が2つあった。
「キリト……まさかそれは!?」
「そのまさかさ、ゲツヤも二刀流だったとはな。行くぜ!」
キリトが右に開き、私は左に走る。そしてツインセイバー上位スキル。〈パラミール・サバリエンサー〉18連撃を叩き込んだ。一方のキリトもソードスキルを放っていた。
「ぐっ……おおぉぉぉぉ!!」
キリトの最後の一撃がクリーンヒットになり大きくボスはぐらつく。そして正面に向かい合うようにキリトと肩を並べた。
一度視線を交わしては頷く。長い間ボス戦を共にすればキリトが何を思ったのか、直ぐに分かった。トドメはゲツヤに頼んだって。そして再びキリトは気合の声をあげで走る。
「スターバースト・ストリーム!!」
目にも止まらない16連撃のソードスキルでボスのHPは残り半分。
「ゲツヤ!スイッチ!」
「了解!はぁぁぁ!!」
キリトと入れ替わり、ツインセイバー上位スキル〈ディール・サーキュバリエック〉20連撃を放った。レイピアを音速で突き刺し、片手剣でレイピアで突き刺し部分を深く切り刻み、全身は刺し傷と切り傷になる。しかし、ボスのHPはまだ消えてない。
「くぅぅ……う、動けぇぇぇ!!」
硬直時間で固まる体を無理矢理動かして、再び両手の剣は光。ツインセイバー最上位スキル
〈ダイヤモンドダスト・ストリーム〉34連撃がボスを襲う。この防御を捨てた最大の攻撃でやっとポリゴンと化し、地面に尻をついた。
普通なら歓喜の歓声が上がるが、今は沈黙が続いていた。仕方ない突然前触れも無く、二刀流が2人現れたら。
「ス、スゲー。ってそれよ。キリの字とゲツヤ!なんだそのスキルは見たことねぇよ!」
「い、言わないとダメか?」
「あったりまえだ!」
「二刀流、ユニークスキル」
「んで、私が同じくユニークスキルのツインセイバー。キリトとは、少し違うな」
「そ、それで出現条件は?」
「分からない。気がついたら二刀流ってあって、そうだろゲツヤ」
「ええ、私もなんとなく見たらツインセイバーって追加されてた」
これでまた、変な異名と明日から家にプレイヤーが押し寄せるのか……死なない程度に切り倒していこうかしら。明日の騒動に対する対策案を練っていると、もう1人のユニークスキルを持つヒースクリフが口を開いた。
「素晴らしかった2人とも、キリト君とゲツヤ君が居なければこの層は突破出来なかっただろう。これからも二刀流とツインセイバーその力存分で振ってくれたまえ」
一言残して、その場から転移結晶を使い、移動した。
「お疲れさん、ゲツヤ。俺たちも帰ろうぜ」
「賛成。私今日はヘトヘト、でも夜はしっかりとご飯作ってあげるから……ね」
「あまり、無理しなくていいぜ」
お互いを努力を労うように拳をぶつけて、22層へと戻った。再び迷宮区のマッピングをしようとしたが、遂に、このSAO内で史上最悪の殺人ギルドが動き始めた……
ツインセイバーのソードスキルの技名はただの当て字です。
因みに今回のボスの名前である。レフェドュシェセフェブとはフランス語で洗脳と言う意味です。