ソード・アート・オンライン〜銀髪の二刀使い〜 作:月夜(白夜)
44層フローリアの主街区から少し離れた草原帯で私は、昼寝をしていた。現在SAO内でも絶好の昼寝日和だぞとキリトからのメッセージが入ったために現状に至る。
心地いい風を感じながら目を閉じていると、胸に軽い重りを感じた。ここは、圏内のためにモンスターは出ないため安全だから私は、気にせず寝ていると、今度はパタパタと足音が聞こえる。
「こらー、ピナー勝手に離れちゃ駄目だよ」
目を開けて、胸にいるピナと呼ばれる何かを確認するもフェザーリドラと目が合う
「きゅるん!」
高く可愛い鳴き声に私は、頭を撫でつつ寝の態勢に入ろうとするが、この子の飼い主?的な子が私に話を掛けた。
「あの、ごめんなさい。お昼寝中」
「え?あぁ気にしないで、私もこの子と同じように寝るつもりだから」
既にピナと呼ばれるフェザーリドラは、寝息を立てそうなほどまで行っていた。
「この後予定があるのに、こらピナ。いうこと聞かないならおやつ抜きだよ」
「きゅるん……」
ピナはしぶしぶ私のお腹から少女の肩へも乗った。
「あぁ……そういえば、あなた名前は?」
「シリカと言います。こっちは、ピナ」
「シリカにピナね私はゲツヤ。また会った時は、よろしくね」
「はい、こちらこそよろしくお願いします。それじゃーゲツヤさんまた今度」
シリカに手を振りつつその背中を見ていると、ある女を筆頭に小規模のパーティと合流していた。私は、その女に目を付けた。無音の撮影結晶で写し、ある男のところへ向かった。
「嫌なことを思い出させたらごめんなさい。でも確認して欲しいの、貴方のパーティを潰したのはこの女で間違い無いね?」
依頼人であるガレットは、写真を見るや顔を歪ませた。どうやら当たりのようね。そうなるとシリカとピナが危ない。
「こいつだ、こいつが俺以外のみんなを殺した。頼む、仇を取ってくれ。それとこいつを使ってくれ」
依頼人が渡したのは、あまりお目にかかれない牢獄へ繋がる結晶だった。
「これ……どうやってこれを買うほど資金があったの?」
「俺の持ってる全ての武具とアイテムを売ってギリギリで買えた。殺さなくていい。あんたのような心優しい人は、人を殺しちゃダメだ。牢獄にブチ込むだけでいい」
「分かったわガレット、この仕事私に任せといて、報酬なんて要らないから。それじゃ、終わったら報告しに行くわ」
椅子から立ち情報収集のために外に出た。
「あ、あぁ!待ってくれ!名前は?あんたの名前を教えてくれ!」
「ゲツヤよ、こう見えて一応。攻略組だから」
一言残しつつ、周りにいる人に標的である女の目撃情報を集めた。
一番最後に見つかったのはこの迷いの森と言われるところだった。空は既に夕方から夜になろうしていていた。湧いてくる雑魚敵を蹴散らしつつ標的の女を探した。
「いやぁぁぁぁ……」
「……ッ!?」
近くで聞こえた悲鳴は、シリカのものだった。私は、すぐかまその方向へと走る。
「シリカ!……ピナは!?」
「ゲツヤさん!ピ、ピナは私を庇って死……」
見ると、周りには名前は忘れたが猿型のモンスターに囲まれていた。
「それ以上言わなくていい。シリカは、回復しててすぐ終わらせる!」
一瞬にしてモンスターは消えて、泣いているシリカに寄った。
「シリカの持ってる物なんて名前になってる?」
「ピナの心ってなってます」
「ならまだチャンスはある。44層にあるアイテムで蘇ることが出来る」
「本当ですか!?わ、私行きたいですけど、ゲツヤさんついて来てくれます?」
「当たり前よ、さぁ帰って、明日のこと説明するから」
マップを開い正規の道を走ると、五分程度で圏内へと入った。そこから宿探しをしていたら、目の前からシリカとパーティを組んでいたメンバーと遭遇した。
「あら、シリカよく帰ってこれたわね。あれ?隣にいるトカゲは?それに見ない顔ね。なんだか貧相な装備ね」
不気味に口を吊り上げて笑うこいつに、私は怒りを感じた。
「行くわよ、シリカ」
有無を言わせずシリカの手を掴み早く宿へ行こうとしたが、肩を掴まれた。
「ねぇ、無視はどうなの?」
「私に触れるな。その腕斬り落とすよ」
腰に携えている片手剣の鞘を持ち金属音を鳴らして、いつでも斬ると警告し睨みを効かす。
「怖いお嬢ちゃんねぇ、邪魔してごめんね」
手を離したので、すぐさま宿へ進んだ。あの……野郎。覚えとけ
「ゲツヤさんどうかしたんですか?顔が凄く怖いです」
「私初対面の人ってかなり苦手で自然剣を握るの。でもシリカはなんでか分からなかったけど大丈夫だった。もしかしたら同年代かもね」
「えぇ!?私とゲツヤさんが同い年って無いと思います。お姉さんみたいな感じです」
「それ地味に年寄りって言ってる?」
いたずらするようにジト目でシリカを見ると、両手と国を左右にブンブン振って真っ向から否定する。この子可愛いなぁ。
「冗談よ、宿はもう着くから」
目的の宿に着いて、明日行く層の出現モンスターなどの説明をしていると、ドアの外から物音が気になった。まさかとは思うが、あの女盗み聞きして横取りするつもり……?警戒のために一度話を切り上げる
「シリカ、静かにしてて」
「え?どうし……むぐぅ!?」
返事をするしの口を抑え一度睨むと、彼女は頷いた。そして瞬時にドアに近づいて、一気に開けた。
「なっ、やべっ!逃げるぞ!」
薄暗い所に2人の男が隠れていた。迂闊だった。まぁ、いいや何かあれば無理矢理降伏させればいいか
「シリカもういいわよ」
「私……全然聞こえませんでした。それよりゲツヤさん私……」
小さくなっていく声に耳に意識を研ぎ澄ませていると、ぐぅ〜と脱力するような音が聞こえた。
「お腹……空きました」
顔を赤くして、申告するシリカは可愛かった。
「よういえばまだ何も食べてなかったわね、少し待っててね」
そこから簡単だが、料理を作った。材料は、安物だが料理スキルのお陰で誤魔化せるはず。
「シリカこれ食べていいよ」
「わぁ……美味しそうなオムライス。いただきます」
スプーン控えめな量ですくい、口に入れて幸せそうに食べるシリカ
「美味しいです!こんなオムライス人生で初めて食べました!」
今度は、山盛りに持ったオムライスを口に詰め込んだ。フェンと同じ反応ね
「やっぱりゲツヤさんはお姉さんです!」
「そう?ありがとう、でもシリカもそっくりな反応するわね」
「え?誰とですか?」
「私の同居人よ、フェンっていうの。見た感じ同い年っぽい男の子なんだけど、私が食べてたシチューをあげたら同じ反応でね」
するとシリカは、ボンっと音がなるのでは、というくらい再び顔を赤くした。
「ちょっ!変な事考えないで!」
「違います。羨ましいです!ゲツヤさんのあーんなんて羨ましいです!」
頬に何故かご飯粒が付いているがそこは、触れないでおこう。
にしてもフェンも言ってたけど私のあーんってこんなに特別な物なのか?誰がやっても同じだと思うけど。シリカにもやってみるかな
適当にオムライスを乗せて、シリカに向ける。
「はい、シリカあーん」
「あーーん!!」
フェンとは比べものにならない速さで食べて行った。
「んん!!美味しさ100倍です!」
「それは大袈裟よ、でも美味しいって言ってくれるよは嬉しいよシリカ」
そこからシリカとの会話が盛り上がって行く、私に姉がいるとか言ったら
「私は、ゲツヤさんの妹になりたいです!」
とか、メチャクチャなこと言ってるし、でもシリカがもし妹にいたら、最高に可愛いなぁんて思ったりしちゃって。
そういえば、最近お姉ちゃんと澪は何してんだろう?そんなことを考えていると過ぎていく時間が早く感じる。その間にシリカは、器用に寝ていた。彼女を起こさないように優しく抱きかかえて、ベットに寝かして、私は壁に寄りかかって1日を越した。
現実世界
目の前には、俺の頬に手を置いて寝る。極夜の姉である幻月さんが薄着のまま寝ている。てか、ほぼ裸体に近い。相変わらず美しい顔をしている。だが、今の現状は果てしなくドロドロしている。今俺は、ほぼ裸体の幻月さんと一緒のベットで寝ている。
因みに俺の服装は、パンツ一丁。もう、気付いているとは思うが、俺は、彼女の姉と1つ屋根の下でやってはいけない事を犯ってしまった。
昼ドラ顔負けのとんでもない三角関係をたった数時間で俺は築いてしまった。
「もう……後には引けない……な。極夜になんて言えばいいんだろうか」
今更後悔しても遅いのは知っているが、前向きに考えることも出来ない。人生最大の山を俺は乗り切れる自信が無かった。