思いのほか忙しく、投稿することができませんでした。
言い訳のようですが、これからもお付き合い頂けると光栄です。
また、評価をしていただいている方、感想を書いてくださっている方、本当にありがとうございます!
作者のやる気に繋がっております!!
感想には、なるべく全返答していっているつもりなので、これからもお待ちしております!
「長生きはするものだ。
歴史を紐解いても、これ程までお上を愚弄し、徳川に泥を塗ったのは、そなた等が初めてだろうな。
免罪を請うどころか、大罪を犯そうとは。」
爆破して開いた先。
徳川の城、江戸城で待ち構えていたのは、元征夷大将軍である徳川定々。
「大罪を犯したのはあなたの方。あなたが犯した所業は、この見廻組副長・今井信女の知るところ。
幕臣暗殺教唆の容疑で、あなたを逮捕します。」
「法でこの私を裁くと?
この地を統べる、法そのものである私を、法でどのように裁くというのかね?」
既に退いた身とはいえ、その持つ力はあまりにも強大だった。
「地上の法で足りぬというのなら、地下の法を用意してやろう。
貴様のために吉原に流れた女の涙……、男の血……。
例え天が許しても、吉原が法、死神太夫が許さんっ!
あの男を解放しろっ!やつをどこへやった!?」
射抜く死神太夫の目をも、余裕の面で覗き、黙る地上の歪んだ法。
「どこへやったと……
聞いておるんじゃっ!!!」
その面に向かって投げられるのは、死神太夫のクナイ。
それに対しておののくことも無く、微動だにすることもなかった。
──シャン……
それは、小さい音にも関わらず、まるで時を止めるような音。……鈴の音。
「天辺にありて、天を恨むものがあろうか。
いかなる矜持に見舞われようと、それは天が成し事……、天が定めし宿命。
ただ黙して受け入れよ……、天の声を、我らが刃をっ!」
音だけでクナイを止め、言葉と共に同じ格好をした者たちが、大量になだれ込んできた。
「あれはっ!?」
「冷酷無比なその振る舞いを恐れられ、泰平の夜からその存在を中央から除かれた禁忌の存在。
定々が、その謀略に利用し、一層強固な繋がりを持った……。
八咫烏……“天照院奈落”」
その全ての者の腕には、黒い烏のようなものの跡が付いていた。
「朧……天照院奈落の首領にして、最強。……あの男まで出張っていたなんて。」
「そなた等に出来ることは、ただ黙って天を仰ぎみること。即ち、将軍に裁かれることだ。
天は災いをもたらすだけではない。……恵みをもたらすも、また天だ
。」
銀時たちの後ろ、音がした方には、血だらけで押し出された爺やの姿があった。
「爺やさんっ!!!」
新八、神楽、そして月詠が急いで駆け寄り、すぐに腕の処置をした。
「この場を切り抜ければまた鈴蘭に会えるぞ。まぁ、そんなことは出来んだろうがな。
それに切り抜けたところで……
その男にはもう、鈴蘭を抱き寄せることすら出来んがな。」
定々が投げたものは、腕。
鈴蘭を抱き寄せるための、ただ一つの腕だった。
「二度までも天に仇なす者の末路だ。まさしく地を這いずる芋虫のようよ。」
ホッホッホッと下品な笑いが響くその場所で、
目覚めた夜叉が……一人。
──シュンッ!!!!
目で追うことなど到底不可能な速さで、定々の前に現れたのは、
赤い眼光を光らせた、まさしく夜叉。
──キーンッッッッ!!!!!!
それを受け止めるは、烏。
抜かれた烏の刃は、躊躇うことなく夜叉の身体を切り裂く。
が、今の彼に届く刃などありはしない。
研ぎ澄まされた感覚と、眠っていた本能が……戦いの本能が彼の力を極限まで引き出す。
「……。」
烏の刃は、夜叉の口で受け止められ粉々になっていた。
そのまま、力の限り、烏を定々諸共、壁まで押し付けた。
「おい。約束の指ならまだ残ってるぜ。」
定々の顔の真横に木刀が突き刺さる。突き刺さった壁は、衝撃に耐えきれず破壊されていた。
「テメェを天上から地獄に引きずり下ろす、俺たち六本の指がな。」
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「今まで……よく耐えなんした。今まで、よく辛抱しんした。」
新八が爺やを背負った。
「済まなかった、長い間待たせてしまって。
だがもう心配ありんす。主らが待ち望んだ、月は昇った。約束がいかなる闇の地にあろうと、必ず導いて見せよ。
今宵の月は……決して沈まぬぞっ!!」
クナイを構えた月詠は、新八と神楽に爺やを吉原へ連れて行くことを頼んだ。
「必ず連れて行くネ。安心するヨロシ。」
「……頼むぞ。」
新八と神楽 は、そのまま外に出た。
「いいのね?ここからは何人斬っても。」
「あぁ、好きにしなんし。明日には消える……一夜の夢よ。」
「老いぼれを救うために足止めか。逃げられると思うてるのか?」
外には大量の兵士たち。例え、それらを退けてたどり着いた二人とはいえ、それは圧倒的な数の差であった。
「あぁ。テメェらの相手なんざ、あいつらだけで充分だ。」
夜叉の瞳に映るは、一筋の光。
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「新八ぃ……、絶対、離すんじゃないアルヨ。」
「分かってるよ、神楽ちゃんっ。」
あっという間に包囲された二人からは、既に城の中にいる銀時たちの姿は見えなかった。
「「うぉぉぉぉぉおおりゃぁぁぁぁぁああ!!!!」」
数の圧倒的不利な状況でも、二人は構わず進んだ。
「ガハッ!!!」
「神楽ちゃんっっ!!」
どんなに強くとも、それは二対数千。叶うはずもなかった。
──キーンッッッッ
その甲高い音が、その場に響くまでは。
──ザシュッ!!
「「ぐぁああ!!」」「「ぎゃあぁぁ!!!」」
瞬く間に、なぎ倒されていく兵士たち。そして……
「走って。」
「「!!」」
出来上がった一本の道。その間をすかさず走るは、四つの影。
「このまま走れば、すぐに味方に会えます。しばらくは時間を稼ぎますから、なるべく早く辿り着いてください。」
走る神楽と新八に反して、立ち止まり振り向いて応戦するその者。
状況反射で立ち止まり振り向いた二人が見たその姿は……、
「……みっくん、……??」
僅かに見えた瞳の色も、舞うその太刀筋も、二人が少しの間とはいえ共に過ごした潮屋みどりのものだった。
その亜麻色の髪が、長髪でなければ……。
「大丈夫。必ず、みんなで帰れますから。」
そう、少し笑い、大量の兵士の群れへ突っ込んだ。
「行くネ、新八っ!!」
「う、うんっ!!!!」
直接会ったことなどない。それでも、二人には初対面に思えない人だった。
「あれって……銀さんの部屋にあった……、
写真の……???」
見たことがあったのだ。
万事屋の銀時の机の上、何も無い殺風景な机の上に。
飾ってある一枚の写真の中で。