IF~転生先で、私は鬼子を拾いました。   作:ゆう☆彡

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さぁ、やっとオリジナル展開が中心になっていきますっ!!
嬉しい……!!!


再会~目指す場所

 

 

「天上に座すのは、日輪か……それとも月かっ。

 

 

ケリつけようじゃねぇの、……天井のパシリ殿?」

 

 

 

銀時の木刀が貫く、その不気味なお面から、大量の刃が飛び出した。

 

「ちっ!!」

 

木刀を離し、そのまま交わすが、迫るのは木刀ではなく本物の刃。

 

 

──ダンッ!

 

迫り来る刃を交わして受け止め、面に突き刺さったままの木刀を引き抜くために、剣を握り烏を蹴る。

 

 

 

「こちらもゆくぞっ!!!」

 

階下では、月詠と信女が大量の奈落を相手にしていた。

 

 

──シュパッ!

 

「!」

 

足下に投げられたクナイをかわした拍子に、銀時はそのまま階段を転げ落ちた。そのすきを逃さず、奈落が三人、そのまま襲いかかってきたが、

 

 

──ドカッ!!

 

床に剣を突き立て、その反動で起き上がりながら一人を蹴り上げ、迫る二人を木刀で気絶させた。

 

 

「おらっ!!」

 

気絶させた奈落を、烏に向かい投げた。それを全く躊躇うことなく、切り捨てるが、その先に夜叉の姿は無い。

 

 

「!」

 

烏の切り捨てた奈落の背後に、赤い眼光を貫かせる夜叉が、烏に向かってそのまま振り下ろした。

 

 

「銀時っ!殺った……訳ではないな。」

「こんなんで倒れてくれりゃあ、苦労はしねぇよ。」

 

三人が中心に集まることが出来たのも、束の間だった。

 

 

銀時の横から飛んでくる小さな刃と、烏が落ちた煙よりも上から振り下ろされる刃に気づいたのは。

 

 

 

 

──ドガーーーンッッッ!

 

比にならないほどの煙が舞い上がり、その重さで引きずられるように退行する。そのお陰で、横からきていた小さな刃には当たらなかった。

 

 

 

 

 

 

「あなたの手を汚すまでもありません。」

 

「「!!」」

 

その声に反応したのは二人。

 

 

一人は、普段からは考えられないほど青ざめ、僅かだが剣先が震える程だった。

 

「おい、大丈夫かっ!」

「まさか……っ、あの人まで……。」

 

 

もう一人は、見たくないものを……、

 

目の前の世界を信じたくない顔。

 

 

「嘘……だろ……っ?」

「十年……

 

 

あなたは何も変わってない。」

 

見下ろされる目は、面影などない。

 

 

 

「みどり……??」

 

何も知らぬ月詠は、煙の中から僅かに見える姿で判断した相手は、先程まで一緒だった潮屋みどりだった。

 

「違う。……あれは潮屋みどりじゃない。」

「なに?」

 

その高まる緊張に、信女は無意識に剣を構え直した。

 

 

「先程、私のことを奈落最強と呼んだな。それは誤りだ。」

「やっぱり……、……朧。」

 

不気味な面を外した男が、煙の中から近づいてきた。

 

「奈落最強は、私ではない。この者だ。

 

 

 

 

白夜叉、貴様なら誰かすぐに分かるだろ。

貴様が命をかけてまで守りたいと、救いたいと願った相手だ。」

 

それを言われ、……いや、言われる前から、銀時の頭には既に一人の名前しか浮かんでいなかった。

 

 

「葵……姉……??」

「「!?」」

 

銀時の発した言葉に、少なからず動揺する二人。

 

「あの人は有名人。天照院奈落に所属して、あの人の存在を知らない者なんていない。

 

まさか……、あなたの姉だったなんてね。」

 

 

 

冷酷な目で銀時を見下ろす。その姿は、十年前、味わったものと何ら変わってはいなかった。

 

「やっぱり……テメェかよ……っ。」

 

銀時の見る先は葵ではなく、その後ろ。……朧であった。

 

 

「朧、知り合いであったのか。それにその女子は……」

「殿……寛政の大獄を覚えておりますか。

 

 

攘夷戦争。天人の受け入れを否定する、野蛮な集団が、祭り騒ぎに幕府を攻め、開国を拒んだその戦い。

その中で、天に仇なす、もしくはその恐れのある者を処罰した改革。

 

この者は、改革の中で捕えられましたが、腕を見込まれ引き抜かれ、

 

そして現在、天照院奈落最強として、存在している者です。」

「!!!」

「ほぉ、それは心強い。……で、そちらの者は?」

「……。

 

 

この者を、何度も取り返そうとした無謀者です。」

 

 

少し後退したのは、目の前の葵の圧だけではない。

 

本能的に、これ以上聞いてはいけないと、身体が拒んだのだ。

 

 

「攘夷戦争における四天王のうち、最後まで残っていた三人。

 

桂小太郎、高杉晋助、そして……白夜叉・坂田銀時。

ただ一人を取り戻すために、最後まで幕府に仇なした者共です。」

 

 

銀時が力なく座り込んだ。そこに近寄る葵に対して、誰も動くことが出来なかった。

それは彼女の発する圧が、常人には耐えることの出来るものでは無かったからだ。

 

「忠告……しませんでしたか。」

「!!」

 

そして、その声は。

かつての面影など、微塵も感じさせない冷たい声。

 

「君たちでは、私に勝てないと……十年前に言ったはずだったのですが。」

 

 

その瞳は、先程まで赤く光っていたものと同じとは考えられない。暗く、闇を落とした瞳。

それほどまでに、銀時の中で葵の存在は大きかった。

 

「あの時と同じだな。自分の力をはかり間違える。

 

そこで見ていろ。

あの時と同じように、大切なものが、お前の守りたいものが、その目の前で消えていく様を。」

 

銀時が思い出したのは、幼少の記憶。

まだ幼い自分は何も出来ず、ただ連れ去られていく姉を見ていただけの自分。

 

「あとの処理は任せる。」

「分かりました。」

 

定々を連れ、朧は奥に歩いていった。

 

 

 

──シュンッ

 

「「!!」」

 

剣を振り、こちらを向いた葵に、月詠と信女は構えた。

そして、それを合図にするように、周りを囲んでいた奈落たちが一斉に襲いかかった。

 

 

──キーンッッ!

 

──ドカッ!!

 

 

「銀時っ!!立てっ!!」

 

月詠の声も届かず、銀時の目に映るのは、全く動かずこちらを見ている葵の姿だけ。

 

 

 

 

───葵は、大切な弟たちを理由もなく突き放したりしません。

 

大切な師の言葉を思い出す。

 

 

───てめぇの目は節穴か!目の前にいるのが誰かなんていわせねぇぞ!!

 

憎まれ口ばかり叩く、好敵手の声が響く。

 

 

───私があなたを守ってあげるから。……君を一人にしないから。

 

初めて会った大切な人に言われた言葉が、抱きしめられた温もりが、蘇る。

 

 

 

 

「(動け……。動いてくれ……。頼むっ……。)」

 

光の中にいるのは、ついてこいと言わんばかりの後ろ姿しか見せない師と……

 

「(守る……、今度は、俺が……っ、必ず……っ!!)」

 

 

振り向いて手を差し伸べる、笑顔の大切な姉。

 

 

 

 

 

 

 

──銀時……

 

「!!」

 

呼ばれたのは、その人がくれた大切な名前。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「葵姉ぇぇぇぇ!!!!!」

 

 

──ドカーーーーンッッッッッッッ!!!!

 

 

 

 

 

今日一の爆発。そして、後に続くは……

 

「信女さんから連絡を頂きました。

エリートの名にかけて、皆さん逮捕しますよ。」

 

白と、

 

 

「こんな時間に騒ぎすぎだー。一体何時だと思ってる。」

「全員、神妙にお縄につけ。」

「ついでに、いい獲物も引っかかったみたいですぜィ。」

 

黒と、

 

 

「こりゃあ、大層なお出迎えじゃねぇか。」

「まぁ、俺たち相手では、多少物足りない気もするがな。」

「一人、使えねぇ奴もいるからな。」

「まぁ、リーダーの頼みだ。聞かぬわけにもいかん。」

 

 

「高杉……、ヅラ……。」

 

亜麻色の元で育った、弟。

 

 

 

 

 

「久しぶりじゃねぇの、葵。」

「葵殿、今日は俺たちの相手もお願いする。」

 

 

 

 

 

 

十年の因果が動き出した。






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