『やっぱりお前ら歌うまいよなぁ……!。
曲自体は俺が作ったのに聴いてて思わず涙出ちまったレベルだ、俺は歌の方はからっきしだから羨ましいぜ。』
『えへへー!はる君にはギターがあるでしょ!!。
はる君のギターが上手だからこそ、私達も上手に歌えてるんだよ!。
ねっ!ましろ君!!。』
『うんっ!それに作詞だって!!
僕も兄ちゃんの曲じゃないと、こうはいかないよっ!』
『おいおい嬉しい事言ってくれるじゃねぇかよ……!!。
なあっ……穂乃果!ましろ!!。』
『なぁに、はる君?。』
『……?。』
『ずっとさ……、ずっと……これからも俺らでいっぱい曲作ってさ……
とびっきり楽しい音楽をやろうぜ……っ!!。』
『『……うんッ!!!!!』』
これは、夢だろうか?
中学の時か。
この先は、たしか……
『わあ!ましろ君もギター弾けたんだっ!!。
すっごいねー……!はる君にも負けてないんじゃないかな?。』
『う、うん……!兄ちゃんに憧れて、隠れてやってたんだ……。
兄ちゃんには、まだまだ敵わないよ。』
『そうかな〜?全然そんな事ないと思うけどな〜!!。』
『あ、ああ!そうだよ!自信持てましろ!!。
まったく、いつの間にこんな弾けるようになりやがったんだよ?
兄ちゃん鼻が高いっ!!。
できた弟には頭ワシワシだ!ほれほれ!!。』
『うわ!!や、やめてよ!!!髪グチャグチャになるでしょ!!!。』
『あはは!やりすぎちゃだめだよーっ??』
ダメだっ……!!やめろ!!!
『……どうかな?。
作詞も自分でやってみたんだ、この曲……。』
『すごい……っ、凄いよましろ君!!。
ギターも、歌も!!それに作詞もこれが初めてなんて、思えない位に綺麗……
ほのか感動しちゃったよ!!。』
『おいおい、すげぇなこりゃ……。』
『よ、良かった〜……!!。
所詮兄ちゃんの真似事だったから自信はなかったんだけど……。』
『……ホント、できた弟だよ。
……とうとう兄ちゃんいらなくなっちまったな。』
『……?。
……兄ちゃん?。』
『なんでもねえっ!!うりゃっ!!わーしわしわしわしっ!!!』
『や、やめてよ兄ちゃんーッッ!!』
『あははははっ!』
やめろ。やめろ。いつ覚めるんだ。
『おーい兄ちゃん、今いるんでしょ?。
穂乃果来てるから久しぶりに3人で一曲やろうよ。』
……。
『……無視はひどいじゃないか!
なんなんだよ、兄ちゃん最近あんまり家にいないから、今日こそ3人でと思って誘ったのに。』
やめてくれ。
『……もう怒った!なんなんだよ!!。
兄ちゃん?入るからね??。』
頼む、この先だけは。
『兄、ちゃ……?』
「ゔああぁあああああああああああッッ!!!?!?。
はぁっはぁっ……ングッッ!?ふーっ……ふーっ……っ、
……っ最悪、だ……。」
乱れる呼吸を整えつつ、ふと横目に時計を見ると時刻は午前7時を指していた。
チク……タク……チク……タク……。
時計のリズムに労られながらしばらくすると呼吸は落ち着いてきた、全身の強張っていた筋肉も緊張感と共にスーッと解けていく。
しかし楽になっていく身体とは裏腹に頭は未だハッキリとしない、
睡眠時間が短すぎた為だろう。
それもそのはず。
眠りについたのが4時頃だったのだ、とてもじゃないが起きるにはまだ早すぎる。
起きていても仕方ない、さて寝直そうかと布団を掛け直してみたが、いくら睡魔に襲われようとあんな夢を見せられては今はもう寝直す気にはなれなかった。
昔から時々こうして同じ夢を見ているのに、一向に慣れる事ができない。
何度見せられようと、毎回新鮮な感覚で脳裏に焼きつく。
この記憶を過去にする事は許さないかのように、少しでも古くなれば新しく刻み込んでくる。
ただの悪い夢だったならば、どれだけ楽だろうか。
「慣れるわけないだろ……
夢だけど、紛れもなく現実だった。」
そう、この夢は僕の過去なのだから。
読んでくださりありがとうございました!。