高2の僕がなぜか異世界の王に成り上がる物語 作:永遠の二番煎じ
冒険の始まり
老師が捕まったとは知らずにルーシーと平和に修行をしながら暮らしていた。
砂浜で的を作り、ルーシーに的に矢を放ってもらうことをお願いした。
「大丈夫?カズナリに当たるかもよ。」
ルーシーは心配して聞いてくれた。
「大丈夫だ、ルーシーは弓矢の技術は的確だから僕は横で的の横で矢を取るよ。」
心配そうにしながら矢をルーシーは放つと、
自分の目の前を通る矢を右手の手刀で折った。
かつての老師みたいに掴みたいが、今の僕では折るのが精一杯か。
「すごーい!カズナリいつからそんなこと出来るようになったの?」
ルーシーは驚愕していた。
「今かな・・・」
まだまだ修行が足りないな。
老師がいなくなって二人でご飯を食べるのに違和感がなくなってきた頃である。
火打石で暖炉に火を起こし、野菜焼きを作りながら、
「明日はイノシシを仕留めないと。」
「僕は釣りでなんとか魚を釣ってみるよ。」
そんないつもの会話をしているときであった、一匹の狼が器用にドアを開け家に入って来た。
「うわ!」
僕は驚き、ルーシーは僕の背中に隠れた。
狼は襲ってこようともせず、ただただドアの前で座った。
良く見ると首輪にジャクソンと彫られていた。
彫り方に見覚えがあり、老師の使いであると確信した。
近づき狼の様子を確かめた。
「ちょ、ちょっと、カズナリ?」
ルーシーの止める声を無視して首輪に挟まった手紙を取った。
ルーシーは浅い皿に水を入れてあげ、地べたに置くと狼がぺろぺろと水を飲んだ。
冷めたご飯の前に座り、手紙を読んだ。
『これを読んでいるという事は私は殺されたか捕まったかのどっちかじゃ。そんなことよりもその場所を離れ、安全な場所に逃げるのじゃ。誰も君たちが知らない村や町でもよいし、最南端の温い海辺でもよい、とにかくその場所を離れるのじゃ。』
手紙は急いで書いたように走り書きであった。
そんな・・・あの老師が。
「私にも見せて!!!」
ルーシーは老師の手紙を読むと、動揺した。
「急いで森に隠れる支度をしよう、千いや万単位の兵隊がやってきたら勝ち目はない。」
ルーシーは我に戻りすぐに自分のやるべきことをした。
翌朝100人くらいの兵士たちがやってきた。
兵士たちは海辺の周りを軽く探索したあと、僕たちの家を焼き払った。
それをどうすることも出来ずに遠くの山から見物していた。
幸いにも竜の雨によって僕たちの生活範囲の足跡はすべて消えていた。
竜が味方したのか、気まぐれなのかは神のみが知る。
ルーシーは横で泣いていた。
「老師との思い出の場所が・・・」
一緒に薪を割ったり、火打石を作ったり、あらゆる動物の狩りなどを泣きながら頭の中で思い出していた。
僕によりかかった、泣いているルーシーの頭を撫でてあげた。
こうして僕とルーシーと狼のジャクソンの旅が始まった。
二人と一匹はあてもなく山岳地帯を放浪していた。
強心流継承者だけが持てると、老師と最後あった道場で『神の剣』と言って僕に渡した剣を神の鞘に入れて腰にさげて歩いていた。
老師の言い伝えによると『神の剣』は2000年に渡って強心流武道継承者によって受け継がれてきたと言っていた。
そして大事なことは神の剣は使うべき時に能力を発揮するらしい。
だが、それはいつか分からないのである。
混乱した世界でのこの100年間ですら神の剣は能力を発揮しなかったらしい。
つまり老師は神の剣の本当の実力を使わないまま継承者を終えたのだ。
そもそもこれが神の剣かも怪しい。
確かにルーシーは剣を鞘から抜け出せなかったが、僕は軽く抜けた。
「何あれ!!!」
とルーシーは驚き指を差した、その先には鹿のような、いや鹿がいた。
「ルーシー、鹿を知らないのか?」
「シカ?」
「多分鹿だ。」
「しか?」
「だから鹿だ!!!」
と大声を出したら遠くにいた鹿は逃げ去った。
ああ、せっかくジャクソンが忍び寄っていたのになぁ。
「初めて見たわ、あんな形の動物。頭から木が生えてる。」
「いや・・・木じゃなくて角だ。」
「角?じゃあ竜と同じものが頭の上に!!!」
ルーシーは鹿の角に驚いた。
こんな調子で僕たちは生きていけるのか?
まあ、定住すればルーシーも落ち着くだろう。
それまでは子どもが初めてきた動物園状態だな。
ジャクソン、僕、ルーシーの順番に歩いていた。
いきなり振り返り、ルーシーの肩を正面から持った。
ルーシーは驚きながらも、頬が赤くなっていた。
「いいか、僕たちはこれから未知を知っていかないといけないんだ、分かるね?」
ルーシーは乙女に頷いた。
「たまたま、僕の世界でも見たことある動物っぽいのがいたけど、竜は見なかった。もしさっき鹿みたいなのが火を吐いたら僕たちは危険だった、だから何が起こっても、ルーシー冷静でいるんだ。」
ルーシーは顔を引き締めて頷いた。
そしてまた僕たちは歩き始めた。
するとジャクソンが茂みにかがんで何かを見ていた。
ルーシーと茂みにかがんでゆっくり見るとさっきの鹿であった。
ルーシーは弓を構えた。
僕は音を立てずに首を二回左手で叩いて急所をジェスチャーで教えた。
ルーシーは僕のジェスチャーを見た後、見事矢を鹿の首に命中させた。
夜にたき火をして鹿肉を食べていて思ってしまった。
ジャクソンに火を通した肉を与えたが食べなかった、どうやら狼は生肉しか食べないらしい。
チョコやポテチ、コーラや甘いジュースが恋しいな、とふと元の世界の食べ物を思い出した。
「なあ、ルーシー?甘い食べ物知ってる?」
「甘い食べ物?木の蜜くらいかな。」
「え!どんな木?」
必死になっていた僕を見て、
「今度その木を見つけたら教えてあげるわ。」
ルーシーは必死な僕を見て喜んでいた、というより楽しんでいた。
ああ、じらされた・・・