高2の僕がなぜか異世界の王に成り上がる物語 作:永遠の二番煎じ
数日山岳を彷徨い、町を見つけた。
町並みはレンガ造りの建物が多く、馬車も走っていた。
町に入ろうとすると、門番兵に止められた。
「ノースウルフはダメだ。」
ルーシーは弓を構えようとしたが、僕はルーシーの左手をあげさせなかった。
ここはなんとかまるく治めて町に入れてもらいたい。
「大丈夫ですよ、こいつは完全に飼いならされた犬と同じですから。」
「なるほど、ならばどんだけ脅かそうが襲っては来ぬのか?」
そう言って門番は槍を持ってジャクソンに近づいた。
俺はジャクソンにアイコンタクトで待機の合図を送った。
門番はどうしてもジャクソンを通したくないらしい。
「おい!!!わあ!!!」
と門番は脅すが、ジャクソンは我慢してくれた。
「畜生!!!余裕かましやがって!!!」
門番は槍で突こうとしたとき、ルーシーはジャクソンに槍を向けた門番に向け弓を構えた。
そして見張り台から僕たちに門番兵たちが弓を構えていた。
俺は門番の槍を左手で止めた。
「どんだけ飼いならされ様がやればやられますよ?ましてやこの距離で。」
危なかった・・・これも強心流武道の練習の成果か?
「貴様、いつの間に!」
ジャクソンを突こうとした門番の後ろにいたが、韋駄天のごとく阻止した。
門番は力をさらに入れ、ジャクソンを突き刺そうとしたが、強心流護身術で力を吸収した。
門番は両手で槍を持ち力を入れたが、震え出し、汗を掻き始めた。
無駄であることを知った門番は槍先を天に向けた。
「わ、分かった・・・通そうではないか。その代わり町長には報告させてもらうぞ?」
ジャクソンを槍で刺そうとした門番は他の門番たちに通せと合図した。
「後で、ボブソン騎兵長に報告しなければ。」
他の門番たちは納得がいってなかったようだが、僕たちには関係ない。
町には入れても狼と一緒に泊めてくれる宿はさすがになかった。
町の人々は好奇な目で僕たちを見る。
それはそうだ。
布の服の男、貧乏そうな女、狼。
避けられてこの町について話も聞けない。
「ねえ、カズナリ、張り紙がしてあるわ。」
「え?」
張り紙には恵まれない人々に屋根と食事を提供。と書いてあった。
場所は中心部の近くの木造の建物だ。
入ってみると長椅子が縦3列、横20列で並べられている。
教会みたいな場所で教会にいるシスターのような恰好をした女性たちが出迎えてくれた。
てかもうここはこの世界の教会でいいと思う。
なぜか狼も受け入れてくれた、まあ子犬みたいにおとなしかったからかもしれない。
それにしてもジャクソンは人馴れしすぎている感じは半端ない。
ジャクソンは隅の方に行ったが、
孤児たちが集まりジャクソンは毛並をもみくちゃにされても吠えることすらしない。
一人の幼女がルーシーに本を持ってきた。
「読んで~!!」
「私あまり字読めないわよ?」
「せっかく話しかけて来てくれてるんだから読んであげろよ。」
ルーシーは幼女に連れられ別の遠くの長椅子に座った。
ルーシーは目を細くしながら、
「『貴族の娘』って読むの?」
本の表紙にはドレスを着た女と兵士が踊っている姿が写っていた。
「うん。そうだよ。」
「どんなおはなし?」
「勇者が助けてくれるおはなし。」
「ゆうしゃ?」
ルーシーは勇者が何か分からなかった。
一方僕にはシスターが話しかけてきた。
「旅の人ですか?」
「はい、狼と金欠が原因で宿に泊めてらえなかったんです。」
子どもしかいないのに泊めてくれたのが奇跡だな。
「そうですか、ここは誰でも何者でも受け入れる場所です。ボブソン・ボブ騎兵長が寄付して建ててくださったのです。感謝しなければ。」
「ボブソン・ボブ!!!あの三大派閥のボブ一族?」
「はい。どうかされたのですか?」
驚いて思わず夜に町中で大声をあげてしまった。
僕の描いていた独裁的で冷酷な一族ではなかったのだ・・・
「その・・・ボブソンって人はどんな人物なんだ?」
「正義そのもです。見た目で人を判断しない・・・まさに指導者の資格を持っておられるお方です。」
「そ、そうですか・・・」
ボブソンの予想外の性格に相槌をうつしかなかった。
その日ボランティアの場所に泊めてもらった。
「カズナリ、カズナリ!カズナリ!!」
半円の窓が僕を照らす。
「ううん・・・なんだよ?」
寝起きは悪かった。
よく目をこすって見るとルーシーはシスターの姿をしていた。
「私シスターになることにしたの。」
展開が突然だな、おい。
「え?まあ好きにすればいいよ。」
僕とルーシーが離れ離れでもやりたいことが出来れば老師だってきっと喜ぶだろう。
「だから町を出て行くときは言ってね。」
「はあ?シスターで一生ここで暮らすんじゃないのか。」
「いえ、あなたがこの町を出る時は私も付いていくわ。それにこの町でもっと人や世界について勉強したいし・・・」
そういえばルーシーは僕や老師としか小さな小さな集団の中でしか生きてこなかったな。