高2の僕がなぜか異世界の王に成り上がる物語 作:永遠の二番煎じ
模擬演武二戦目の日・・・
僕は一応客席に狼であるが神の剣とともにジャクソンを待機させた。
「我は老師流武道生カズナリ・フジサキだ。」
「私は剛拳継承者アブラヒド・ゴウケン。」
体付きは力士だが筋骨隆々だ。
どうやら同じ拳法戦になりそうだな。
「カズナリ士、貴方の噂は聞いている。あの名門一族マック・アーロン兵士長の右腕を倒したのだから。」
キャンベルはアーロン一族に仕える敏腕兵士だったのか。
「だから尊敬して戦わせてもらおう、老師流武道生カズナリ!!!」
アブラヒドは元の世界の現代格闘技のような間合いのつめ方をしてきた。
もしかしたら初めてちゃんとゆっくり構えられるかもしれない・・・
僕は片足の右足で立ち、左足の裏を右太ももにつけ、手を合わせて目を閉じ、精神統一した。
するとアブラヒドは一発のパンチを繰り出してきた。
「なるほど・・・」
「何?いつから背後に。」
一発の威力は普通の人間なら致死レベルだな。
「僕は避けただけさ。」
「そんな馬鹿な!継承してこのパンチは防御はされても避けられることはなかった。」
観客も格闘が早すぎてみんな目をひん剥いて立ち上がり見ていた。
その中には一般人にまぎれボブソン騎兵長も静かに観戦していた。
確かに、キャンベルに劣らない速さだ。
すると僕に背を向けながらもアブラヒドは笑いだした。
「ふはははは!!!久々に強者と戦える!!!なんたる喜び!正直まぐれでキャンベル剣士を倒したと思っていたが、どうやら実力は確かなものらしい!!!」
「いや、勝手に興奮しないでもらえます?下手したらあんたの技、受けどころ悪かったら死ぬし。」
俺の言葉を無視し、こちらを向いた。
「剛拳法・究極奥義!ムーン・クレーター!!!」
アブラヒドはロケットのように低空を飛び、両拳で俺の腹を殴ってきた。
いきなりの技と光に近い速さで俺は両手をクロスしてなんとか受けたが、両足は地面でふんばれず、後ろに飛び壁に背中を強打した。壁にも少しひびが入った。
「グハッ!!!」
血の混じった唾が出るも究極奥義の風圧の逆風で血が自分や後ろの壁に飛び散る。
「この究極奥義を食らい、ここから逆転した者などいない!さあ、降伏するのだ!!」
アブラヒドは勝利を確信したどや顔で白旗を挙げるようにせまってきた。
甘い!強心流武道継承者をなめんなよ!!
「強心流足技・ダイヤモンド!!!」
足技(あしぎ)
ボブソン騎兵長はその技名を聞き逃さなかった。
右足を思いきり挙げて、アブラヒムの腹筋に直撃した。
アブラヒムは闘技場のど真ん中まで吹っ飛んだ。
思わず強心流って言ってしまった・・・
そして二つの門を閉ざしていた鉄格子は上がった。
この血まみれの道着はルーシーにどう言い訳すればいいんだ・・・
と思う一也の気持ちとは裏腹に観客たちは前のキャンベル戦よりも熱狂していた。
共同洗面所で血を洗い流していたが、自分の血がなかなかとれない。
そこに大男が洗剤を渡しにきた。
「あ、ありがとうございます。」
どこの誰か知らないが、気が利くな。
俺のファンかな?
「君はジャック師匠を知っているかい?」
その問われた名前に手が止まる。
「あんた、何者だ?」
顔が自然に強張った。
「そう警戒しないでくれ、俺はボブソン・ボブ騎兵長でこの町長でもある。」
「え?あの教会を建てた・・・」
「そう、そう、そう。」
ボブソンは僕をなだめる。
「いきなりだが・・・」
ボブソンは口に出すのをためらった。
「何ですか?早く言ってくださいよ・・・」
唾をのみ込んだ後、
「推測だが・・・君は第100代目の強心流武道継承者じゃないのか?」
言い逃れ出来ないと思い、また善人であることを信じて、
「はい、ジャック・スコット師匠は一人旅に。」
ボブソンは真顔で、
「もし、俺と同じ考えなら力を借りたい!」
俺の血がついた道着が綺麗になっていく。
「・・・だがあんたの一族はグレゴリアス貴族を滅ぼしたじゃないか・・・」
「ああ!!!確かにそうだ!!!だが今は歴史問題を気にしている場合か?」
「俺はルーシーと二人でひっそり暮らしていく・・・」
濡れた綺麗な道着を着た後、ボブソンを残し洗面所を去った。
ジャクソンと闘技場を出るとシスターがいた。
闘技場の前にシスターがいるのは珍しかった。
シスターは深刻そうであった。
「カズナリさん!!!どうしましょう!!!ルーシーさんが連れ去られました!!!」