高2の僕がなぜか異世界の王に成り上がる物語 作:永遠の二番煎じ
賞金稼ぎのジョー
「落ち着いてください!シスター。」
シスターは乱れた呼吸を整えてから、
「武器を持った男たちが入ってきて子どもと遊んでいたルーシー・シスターを無理やり馬車に入れ、西へ連れ去りました。」
俺は洗面所に戻り、落胆しているボブソンに聞いた。
「ボブソン!貴様、ルーシーを!!!」
「ルーシー?誰の事を言っているんだ。」
そうだ、こんな時こそ心を読むんだ。
精神統一、瞑想、抑制。
どうやら、ボブソンは本当に何も知らないらしい。
ボブソンは冷静であった。
「何かあったのか?」
「西には何がある?」
ボブソンは普通に答える。
「西か・・・アーロン領のマック・アーロン兵士長の町がある。かつてはここと同じく平和であったが今や無法地帯だ。」
一度教会に戻り、神の剣を腰に下げ、ジャクソンに乗って西ヘ向かった。
ジャクソンに乗り、再び西への道を進むと森に入った。
ジャクソンの体力しだいだが、馬車には確実に追いつける。
日が暮れてもジャクソンは走り続けてくれた。
するとたき火している一人の男が森の中で切り株に座っていた。
ジャクソンを待たせ、男に馬車が通ったか聞いてみた。
「夜にすいません、西に走っていく馬車を見ませんでしたか?」
男は弓使いのようだ、だが何も返事は返って来ない。
「あの~聞こえてます?」
なんか、様子が変だな。
すると男は急に矢を放ってきた。
俺は素早く矢を交わし木に隠れた。
「俺は賞金稼ぎのジョーだ。お前のキャンベル戦を見て勝てる気はしないが、足止めはさせてもらう!」
するとジャクソンがジョーの後方から襲いかかった。
「何!」
ジョーは正確に照準できなかったために弓で矢を放たず、持っていた矢をジャクソンの足に刺した。
「キャン!」
とジャクソンは悲鳴をあげた。
その瞬間に俺は飛び出し、ジョーを殴り気絶させた。
ジャクソンの右足に刺さった矢を抜き、道着の左腕の袖をちぎりぐるぐる巻きにして手当した。
「大丈夫か、ジャクソン?」
「ワオ。」
ジャクソンは右足を挙げ、三本の足で歩いていた。
これじゃあ、ルーシーをさらった馬車には追いつけないな。
ジョーを木に縛り、朝まで寝た。
起きるとすでにジョーは冷静にこっちを見ていた。
そしてなぜか抵抗すらしていない。
「ジョー、賞金稼ぎと言ったが誘拐は賞金目的か?」
「その通りだ、強心生。いや強心師か?」
そこまで知っているのか?いや、それともはったりか・・・
ジョーには余裕がある。
「・・・でどこに連れて行く気なんだ?」
「俺がしゃべると思うのか?」
やりたくないがこれしか方法はないな。
「強心流・・・決して人を殺めない究極の流派。だからカズナリ、お前は俺を解放せざる負えない。」
「そうだ、本家強心流は人を殺さない。」
5万ゴールドぐらい価値のある金品を見せびらかせた。
「それは・・・闘技場で二人倒したのか?」
「これがほしければすべて吐け、ならやる。」
本当は心を読みたいが、こいつはあえて何も考えてない。
強心流を熟知したやつと戦う時は気をつけなくちゃいけないな。
「いいだろう・・・そんだけあれば一生普通に暮らせるお金だからな。」
ジョーはすべて吐いた。
賞金稼ぎのグループ、いわゆる盗賊団一の強者兼リーダーが闘技場に参加した日に他の一味は町でシスターの姿をしたルーシーをナンパしていたらしい。ルーシーはナンパを嫌い、ルーシー・グレゴリアスとだけ名乗って教会に入ったらしい。それを闘技場から帰って来たリーダーは聞いて誘拐することを決意する。その理由を聞くとグレゴリアスの子孫を捕まえて差し出せば100万ゴールドもらえるらしい。その賞金をかけたのがユアン・カイル伯爵である。カイル領はアーロン領を通るのが一番早いらしい。と言っても馬車で数週間かかる。
「リーダーは誰なんだ?」
聞けば、開幕戦初日に見ているかもしれない。
「魔天我流武道士バーグ・シオロフスキーだ。」
バーグ・シオロフスキーか・・・僕は闘技場でそいつを見ていない。
5万の金品を渡して、ジョーを解放した。
ジョーは去り際に、
「俺はもうお前ともバーグとも関わりたくないよ。じゃあな!!!」
賞金稼ぎのジョーはボブソンの町に戻って行った。