高2の僕がなぜか異世界の王に成り上がる物語 作:永遠の二番煎じ
西の町へ行く途中、ボブ領から走って来た貨物馬車に乗せてもらい数日かけてマック兵士長の町についた。
その頃にはジャクソンの右足の傷も治った。
ボブソンの町とは対照的に簡素な石造りの建物が多く、荒廃し、殺伐としていた。
住民はノースウルフを知らなかったため、騒ぎやもめごとが起きずに済んだ。
レンガ町の宿と違って、宿もなんの問題もなく泊れた。
初めてちゃんとしたベッドに寝転んだ。
この世界の宿に泊まるなんて初めてだ。
もし飛行機が落ちなければサイパン島のオートロックのホテルに泊れただろうに・・・
すると部屋のドアをノックする音が聞こえる。
ドアを開けると身長150cmくらい、年は12歳くらいの兵士の変装をした水色の髪をした少年が立っていた。
「少年、部屋を間違えているんじゃないのか?」
「貴方はカズナリ・フジサキ殿か?」
少年兵か?それともただの餓鬼のいたずらか?
「そうだが、ボブソンの使いか?」
「はい!私はラーニア・ボブ、ボブソン騎兵長の妹で、前はボブソン第3騎兵団にいました!」
見た目は男の子で話し方も男の子みたいだが声は高い。
心を読み取ると、年は14歳、男の兵士よりも強くなりたいと思っている未成年の女兵士か。
だが俺への尊敬が垣間見える。
「なんで、僕を尊敬しているんだ?」
ラーニアは上官に報告するように答えた。それがクセなのだろう。
「憎きマックの兵士キャンベルをあっさり倒し、名門流派剛拳の継承者をも倒したあなたには尊敬しかありません!!!」
ああ、あの戦い見てたのか、
てか、こいつも別の意味で無垢な少女だな・・・
隣の部屋から、
「うるせー!!!餓鬼!!!」
お隣の泊りの人、角生えてるぞ。
「分かった、とりあえず静かにして中に入れ。」
ラーニアはベッドの上で寝ているジャクソンを見て驚いた。
「大丈夫だ、ジャクソンは人馴れしてるから、何もしなかったら襲って来ないよ。」
「ジャクソン?ああ、ノースウルフですか、よく泊めてくれましたね。」
「ああ・・・この町じゃあ、狼、ノースウルフか?あまり知られてないらしいな。」
「あの実は・・・」
ラーニアは兜を脱いで口ごもっていた、
「実はなんだ?」
「弟子にしてください!」
と頭を下げた。
「弟子?ボブ式強心流武道者じゃないのか?」
「いえ、私は普通の訓練しか受けておりません。それに継承は兄のボブソンがしました。」
さらに心を読んでみると、
少女という特性を生かして、レンガ町で情報集めの偵察兵として活動していたらしい。
「前は偵察兵か。それでこの場所もすぐに見つけたのか。」
「はい、兄は私を町から出したがらず、だからカズナリ殿が町を出た後、きっとここに向かうと思ったので兄に内緒でこっそり跡をつけてきました。なんでも旅人を取り戻すためにカイル領まで行くらしいですね。」
さすが情報収拾に長けてるな、それによくここに来る途中でトラブルに遭わなかったな。
翌日、よっぽど疲れていたのだろう、ずっとベッドで寝ている。
「ジャクソン、そのラーニア兵士を見といてくれ。悪いな。」
ジャクソンは暇そうにしていた。
神の剣をさげ、荒廃した町の偵察を単独で行うことにした。
偵察していると遠くで道のど真ん中で止まっている黒い馬車を見つけた。
もしかしたらと思い馬車の方に行ってみると兵士たちがいた。
野次馬にまぎれて様子を見た。
「おい、ユアン・カイル伯爵の傭兵だ、献上品を伯爵に渡したいから通せ。」
「駄目だ、ここを馬車で通る以上誰であれ通行料をもらう。」
まさか、ルーシーがあの中に!
道着の傭兵たちとマックの兵士たちが口争いをしていた。
「何!カイル派とアーロン派は同盟を結んでいるのではないのか?」
「残念だが、お前らがカイルの傭兵という証がない以上通行料を払え!」
道着の傭兵たちは馬車の中からも4人出て来て7人となった。
一方マックの兵士たち二人は同時に手を挙げ、合図した。
すると四方八方から矢が飛んできた。
傭兵たちは全滅し、二人のマックの兵士が黒い馬車の中を調べた。
どうやら、野次馬にまぎれたマックの兵士が矢を放ったらしいな。
気が抜けない。
マックの兵士たちはそのまま黒い馬車ごと去って行った。
貧困者は傭兵の死体漁りをしていた。
なんて町だ・・・
屍と化した7人の持ち物をあさっている人たちに聞いた。
「なあ、他にここを通った馬車を見なかったか?」
「馬車か。ちょうど一週間前若い少女を乗せた馬車が通ったぞ。」
きっとそれだな。一週間前か、ユアン・カイル伯爵との戦いは避けられないな。