高2の僕がなぜか異世界の王に成り上がる物語 作:永遠の二番煎じ
会議と宴
カズナリの一連の騒動によって国内情勢は激変した。
マック兵士長は貧困した町から国の中心王都に撤退、ユアン伯爵も敗走し姿を消した。
ボブソン騎兵長は王国の北を実質制圧し、北軍のボブ族と南軍のアーロン族の支持している国王軍に分かれ、王国が南北に二つに割れた。
監獄からは偽りの王を倒すこと、および北軍に加勢することを条件に武闘家の罪人たちを解放した。
もちろん老師も解放された。
旧ユアン・カイル伯爵屋敷現北軍司令部で・・・
食事処の長机に20人ものそれぞれの武道継承者が座り、真ん中にはボブソン騎兵長が座った。
剛拳継承者アブラヒド・ゴウケン、魔天流継承者ザック・シオロフスキーはもちろん老師もいた。
「レンガ町は我ボブソン、貧困した町はアブラヒド、旧カイル領はザックが仕切る。誰か異議のある者いるか?」
誰も口を開かなかった。
だが一人、
「町は誰が仕切ってもよいじゃろ。問題は王の首を取った後誰が王の椅子に座るかじゃ。」
「ジャック師、今はアーロン一族を滅ぼす会議をしましょう。」
「いやダメじゃ、今決めないとまた同じ過ちを繰り返すだけじゃ!!!」
老師は興奮して立った。
「・・・我!ボブソンはカズナリ士に一票入れよう!」
「このアブラヒドもカズナリ士を支持しようではないか!」
「我もカズナリ士が新世界の王にふさわしいと思うぞ!」
「私も一人の国民として、カズナリ士が適正じゃ。」
老師、ボブソン、アブラヒド、ザックの支持は大きかった。
彼らの一声で僕はこの国の王の候補となった。
「では新世界の指導者に敬礼!!!」
とボブソンが叫ぶと20余りの武闘家たちが立って僕の方を向いて頭を下げる。
「真の国王、一言申してくだされ。」
え?国王ってこんな感じで決まるの?え~。
急展開すぎて、
「とりあえず、偽りの王を討ち取れ!!!」
すると歓声と拍手がきた。
こんな感じでいいのか?
こうして僕は北の総司令官となった。
夜宴が開かれ、屋敷中がパーティー状態いやお祭り状態となった。
道着から学ランに似た王の服に着替えさせられた。
胸には勲章やバッジがいっぱい付いていた。
宴の場でボブソンは僕に伝えた。
「強心流神道、強心流武道を極める者は神道をも超越する。
あらゆるモノの心を魅惑し、全てのモノを打ち砕く、そして誰にも負けない良し心。」
「なんだよ、いきなり?」
ボブソンは俺に本を渡した。
本には『強心流神道』と書かれていた。
強心流神道か・・・
一人で二階のベランダみたいなところで街を見下ろしていた。
するとルーシーが白いドレス姿で歩いてきた。
「あれから一か月か・・・早いね、カズナリ。」
「そうだな、ジャクソンどうしてるかな。」
「あれ?褒めてくれないの?」
「褒めるって、散々他の中流貴族たちが褒めてたじゃないか。」
「カズナリの言葉は重みが違うの。」
「なあ、もし俺が王になったら妃になってくれるのか?」
「そんな結婚申込みダメよ!」
ルーシーはうれしそうにまた宴会場に戻って行った。
別に本気で言ったんじゃないんだけどな・・・
すると今度はラーニアが来た。
ラーニアは青い長袖のドレスを着ていた。
「あれがルーシーさんか・・・」
「おお!!!貧困の町以来じゃないか。」
ラーニアが隣に来るまで気づかなかった。
「私ではルーシーさんに叶いません。」
ラーニアはこんなお祭り騒ぎなのに落ち込んでいた。
「バカ!お前はルーシーに勝てるだろ。」
「師匠・・・師匠の分からず屋!!!」
僕はこの時、武道のことを言っていると思った。
「なんだよ・・・何の事言ってるか本当に分からないよ。」
「カズナリ、立派になったのう。」
「老師!気づきませんでした。」
「ほっほ、強心流忍術を使ったからのう。」
「老師・・・これでまた共に修行が出来ますね。」
僕はうれしかった。またルーシーと老師の三人で生活できるのが。
だが、
「私はまた最北端の竜の海辺でやり直すつもりじゃ。」
「ええ!老師、城でまた強心流を教えないのですか?」
「・・・あそこにはもう戻りたくないのじゃ。すまんのう・・・」
そうか、元凶はあの城だもんな。
僕は深く考えた、地位を捨て老師と住むか、国民のために良き王として努力すべきか・・・
「カズナリよ・・・良き王となってくれ!!!」
老師はそう言って宴に戻った。
老師・・・心を少し読んだのですか、ていうか読めたんですね。
ならば僕は良き王、良き指導者としてふるまおう。