高2の僕がなぜか異世界の王に成り上がる物語 作:永遠の二番煎じ
村に入ると住民たちは老人と狼の旅に驚いていた。
「おい、ノースウルフじゃねーか!」
「あんなの誰が入れたんだ?」
「南の町から自警団を呼んだ方がいいんじゃないのか?」
と恐れや怯えが飛び交っていた。
ジャクソンは目を合わした住民には吠えた。
「これ!吠えるでない!!」
ジャクソンが吠えるたびに吠えないように注意した。
まあ、老人が狼に台車を引かしてるのはおかしいじゃろな。
それにしても久々に多くの人間を見たぞ。
宿に入ると受け付けに驚かれた。
古い硬貨を渡すが、
「ジャック様ならいいのですが・・・狼は・・・」
宿の受け付けも戸惑いを隠せない。
「それにこの硬貨はもう使われておりません。」
「そうか、それは邪魔したのう・・・」
村を出ようとした時であった、一人の中年の中肉中背の男が声をかけてきた。
「師匠!!」
男は村の出口を塞いだ。
ジャクソンは男に威嚇し、男は腰をついた。
「これこれ、ジャクソン、やめるのじゃ。」
ジャクソンの毛並を撫でて心を落ち着かせた後、男の手を引っ張り立たせた。
「ジャック師匠!生きていたのですか!!容姿が全然変わっていませんね。」
「そなたは誰じゃ?」
「はい!!!第40期強心生のカイザ・モンタールです。」
強心生か・・・まだ生き残りがいたとわな。
強心生とは師匠の元で強心流武道を極めている門徒のことであった。
15年前義勇軍は帰って来ず、この村で赤子のルーシーと身を隠していた時情報屋から強心生狩りで強心生は壊滅したと報告を受け、強心流武道継承者として継承者が現れるまでルーシーを抱えて最北端の海辺にさらに逃げたのだ。
「この15年に起きた世界事情を教えてくれるか?」
「はい!師匠!!」
私はかつて門徒であったカイザの家に招かれた。
四角いテーブルの前に地べたで座るとジャクソンも横に座った。
カイザは細長い台形のグラスに水を入れて、私とジャクソンの前に置いた。
ジャクソンはすぐにテーブルの上にあるグラスの水を長い舌で器用に使って飲んでいた。
カイザは私の向かいに地べたで座り話し出した。
「まずですが・・・強心流派はこの15年であなたが初めてでした。他の強心流の使い手はもう15年会っていません、10年ぶりに強心流という言葉を今日出しました。師匠が世界に指名手配されてからはアーロン一族、カイル一族、ボブ一族による三大派閥は休戦協定を結びました。この世界三大派閥の100年戦争の休戦で世界に一時的に平和をもたらすとわたしも予想しましたが、この休戦協定によって世界の武闘派の一番に君臨していた強心流武道は廃れ、他の武道・武術派のいくつもの台頭によって一族三強の時代は終わり、世界がより混沌に陥りました。」
そうじゃったのか、じゃがその三大派閥を葬り、本当の大王を救えばおのずと秩序がもたらされるはず。
「アーロン、カイル、ボブの一族はどこが拠点じゃ?」
「まさか、師匠!一人で三大派閥を倒す気ですか?」
私は自信を持って、
「そうじゃ、それに私はもう継承者じゃない。」
カイザは驚いた。
「では!!!ジャック師をも超えるさらなる強心流武道継承者が現れたのですか?」
「うむ・・・じゃが若造じゃ。だから100代目にはゆっくり平和に暮らしてほしいのじゃ・・・私と同じ道を歩いてほしくないのじゃよ。」
これは一人の老人のジャック・スコットの心からの思いであった。
弟子のカイザはジャック師の気持ちを優先した。
「ではまた再起させましょう。」
カイザは立ち上がり強く言った。
「今の世の中に不満を持つ人々を集め、戦うのですよ。師匠!!!」
「再び義勇軍を組織するのか?」
15年前の義勇軍の遠征前の最後の雄たけびを思い出すが、ジャックは再び立ち上がることを決意する。