転生デューマンの賢者ろーぷれ!   作:しにかけ/あかいひと

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どうも、ろーぷれ・わーるどを読み返して思わず衝動に従ったレッドゾーンです。ただの性格改変ものだったのに、いつの間にか戦闘狂が顔を出してきてワロス。


セーブデータその1『ゲームの世界とか、ハハッワロス(白目)』

 

もしもゲームの世界に入ったなら、君はどうするかって?

そりゃ、その時次第だろ。

 

───────宮本 翔

 

 

[(´・_・`)]

 

 

俺の名前は宮本翔。アルビノと見紛う程の白い肌、片目だけ真っ赤っかーなオッドアイ、今にも幽霊に化けて出てきそうな貧弱オーラを放つこと以外は、至って普通な高校生。

 

そりゃ、前世の記憶があったり、隠れたところで喧嘩番長してたり、見た目に反して戦闘意欲バリバリな面もあるけれど、それらに関して言えばぶっちゃけ言わなければ属性にすらならないから気にしちゃダメだと思う、うん。

 

そんな俺は、今軽く途方に暮れていた。というのも、である。

 

「…………はへ?」

 

思わずマヌケな声を漏らしながら、俺は立ち上がる。

 

辺り一面、青々と生い茂る草原。照りつける太陽は、春先の筈なのに夏の様に元気。

 

先に言っておくが、前世の記憶とかオッドアイとか、厨二的要素満載の俺だが、妄想と現実の区別ぐらいはつく。で、俺は先程まで、家の居間でテレビに向かってゲームをしていた。親友に誘われて行った東京ゲームショウにて、エンパイア社のブースにてテストプレイヤー募集に応募、当選したことで手に入った、満点堂のハード、ZII用のβ版『ギャスパルクの復活』というゲームだ。ゲーマーと呼ばれる程、ゲームに打ち込むことはなかった俺だが、このゲームに関して言えば、その作り込みの尋常じゃなさに、趣味の運動(・・)の時間を削ってしまうほどで、先程も着替える時間を惜しんで、学ランのままコントローラーを握っていたわけだが。

 

(いつの間にか、ここにいたわけか)

 

なるほど、分からん。分からんが…………。

 

「まず、生命維持のために…………っと」

 

かなり日差しが照っている。水分を取らなければ熱中症の危険あり。まずしなければならないことは、水の確保か。幸いと言うべきか、目の前の遠くの方に、建物らしきものが見えるので、其処を目指し、観察。物騒なところでなければ入っていき、対話で、通じなければボディーランゲージで水と食料を手に入れよう。英語はある程度できるからなるとかなる…………と思いたい。最悪、盗むことも視野に入れよう。

 

と、思考をサバイバルのソレに切り替えて、立ち上がり、気合を入れてもう一度周囲を見渡すと…………

 

「ユ、ユーゴ?」

 

俺と同じく、そのゲームにのめり込んでいたであろう、イケメンで性格良し、頭も良しと、テメェ何処の主人公だと言いたくなる様な男、唯一の欠点と見えなくもない点がゲーマーである俺の親友、厳島勇吾が突如現れたのだった。

 

「…………ショウ?」

 

俺と同じく、マヌケな顔を晒していたのを、一気に引き締めて、ユーゴは確信と共に俺の名を呼ぶ。ああ間違いない、学ラン着ているコイツはユーゴだ。

 

「ああ良かった。いや、良くないんだが、流石に1人は心細かったところだ。会えて嬉しいぞ親友」

「そりゃこっちのセリフだ」

 

いつもの様に、軽く拳をぶつけ合いながら、互いに安堵の笑みを溢す。いやまあむしろ状況は悪化してるんだが、精神的には救われたのだからな。

 

「ところでユーゴ、これは一体どういうことなんだ? 俺は『ギャスパルクの復活』でレベル上げに邁進していただけなんだが」

「そんなの、俺だってそうだよ…………なんでゲームしてたら、急にこんなところに」

「だよ、なぁ…………全く、なんでこんな───────」

 

俺の発言は、とある物を見て止まってしまった。それもそのはず、ユーゴの頭上に、『ユーゴ』の文字と、HPMPのバーが浮いていて、それがユーゴの頭の動きと同期していたのだから。

 

「…………おいユーゴ。俺の頭上に、名前とバーが浮いていないか?」

「へ? 何言ってんだよおま…………え?」

 

ユーゴの目が、驚愕と共に思いっきり開かれる。どうやら、そういうことか。

 

「お前の頭の上に、名前とHPMPバーが浮かんでいる。そして、お前の反応を見る限り、俺の頭上にもあるんだろう?」

「あ、ああ…………まるで、ゲームみたいだ」

 

親友のその言葉に、俺の思考は一気に加速した。

 

このHPMPバーを、ここのところ良く目にしていた。現実ではなくて、ゲームで。

そして、この草原。来たことはないが…………見覚えはあった。もしやここは…………

 

「…………なぁ。凄く変なことを聞いてもいいか?」

「あ、ああ」

「ユーゴ、お前『ギャスパルクの復活』で、『ユーゴ』のキャラクターでのスタート地点って、何処だった?」

「え、えっと…………アルダ村だったよう、な…………あっ!」

 

そこでユーゴも、俺と同じことを思いついたらしい。

 

「…………なあショウ。俺も今から凄く変なこと言うぞ? もしトチ狂ったこと言ってると思ったら、容赦なく右ストレートで沈めてくれ」

「おうとも」

「もしかしてここは、『ギャスパルクの復活』の中で、この草原は、アルダ村近くの草原なのか?」

 

……………………。

 

「奇遇だなユーゴ。俺も今同じことを思っていたところだ」

 

前世では、色々なことがあった。それこそ、世界を救う一助になったりもした。

だから今世では、なるたけ平和に暮らしたいという願望があった。まあ、刺激がないと退屈だとも思っていたが。

 

でも流石に、ゲームの中に入れられるなんて、刺激が強いでは済まされない。

 

 

[( ゚д゚)]

 

 

ゲーム『ギャスパルクの復活』は、剣と魔法のファンタジー世界:エターナルを舞台にしたRPGだ。

 

この手のゲームは王道故に、在り来たりな部分が多々有り、少しずつ飽きられてきているゲームジャンル…………だとユーゴに教えてもらったのだが、そもそもがゲームに積極的に触れない俺にとっては、その設定すらも新鮮だった。

 

モンスターが徘徊? 人間以外にも種族がいる? 大魔王が復活しようとして、それを食い止めるべくプレイヤーは旅に出る? ちょっと共感を覚える設定だよな、今考えれば。

 

在り来たりな設定だと説明していた割には、ゲーマーの鑑であるユーゴがハマっていたところを見るに、それを払拭できるだけの魅力がこのゲームには詰まっていたらしい。本物そっくりの3D世界、最強の物理エンジンウンタラカンタラでゲーム内の物理現象も現実のソレと遜色ないほど、どんなNPC(ゲーム内のプレイヤーじゃないキャラ)にも人工知能が搭載されてまるで本物の人間の様な応対、NPCもクエストも自動で生成されていくのでいい意味でゲームに終わりがない、ヒーロープレイもヒールプレイも思いのまま、などなど、凄く熱く語っていた。そこの辺りに興味は無かったが、まあ既存のゲームとは比べ物にならない気合の入れようだということは分かった。そりゃゲームに興味なくてもどハマりするわけだ。

 

ちなみにこのゲームで何より気に入ったのが、プレイヤーの自由度が高すぎるという点。

別に勇者にも悪役にもなるつもりは無かった俺は、傭兵に成り切ってプレイした。

前世では卓越した剣と銃器での近接戦闘をウリに傭兵をしていたので、そっちの方が性に合ったのだ。ただ、せっかく他のキャラにロールプレイをするのだから、前世ではあまり縁の無かったテクニック…………じゃなかった、魔法をメインウェポンとしてやってみた。

 

結果、傭兵を主な生業とする魔法戦闘集団のトップになってしまったのだが…………改めて考えると、異様な自由度だな。

 

まあそれはともかく、そのあまりにもな出来の良さに、冗談交じりでこんなことを言った気がする。

 

『ユーゴって前衛職だよな』

『ショウは後衛だったか』

『じゃ、俺らエターナルでコンビ組んだら完璧じゃね?』

『言えてる!』

 

なによりの『ギャスパルクの復活』の欠点は、通信プレイや同時プレイのできない1人用ゲームだったということ。ユーゴも俺も、β版の感想と意見でエンパイア社にそのことについて原稿用紙8枚分で書いて送る予定である。

 

『時々、想像してしまうよ…………ゲームの世界に入れたらって』

『まあ、だからって良いことばかりじゃないとは思うが、こういったゲームなら、一生暮らしても良いと思えてしまうな』

 

そう、『ゲームの中に入りたい』というニュアンスの発言を、俺らはかましてしまったのである。

 

口は災いの元と言うが、まさか口にしたことが現実になるなんて…………。

 

 

[((((;゚Д゚)))))))]

 

 

回想終了。現実逃避とも言うが、致し方あるまい。

 

「思ったんだが、いざゲーマー垂涎のシチュエーションに遭遇しても、リアルに体験すると先に恐怖の方が勝ってくるな」

「同感だ…………というか、どうすれば良いんだ? どうやったら元の世界に帰れるんだ?」

 

焦燥を滲ませて、ユーゴが口にしたセリフは、俺も考えて、不可能だと考えた内容だった。

 

「恐らくだが…………帰れないだろう」

「な、なんで言い切れるんだ!?」

「むしろ、こういうのはお前の領分だろう? こうやって、異世界から連れてこられた。つまりは大魔王を倒すなりなんなり…………召喚者の目的を達成するまでは帰れない、というのがテンプレだろう?」

 

俺のその言葉に、ユーゴは顔を青ざめさせる。言われてみれば、ということなんだろう。

 

「もしここがゲーム上のエターナルと同一と仮定した上で、俺たちが呼ばれて…………と考えると、間違いなくギャスパルクは倒さないとダメ、ということになる」

「マ、マジかよ…………」

 

シャレにならない事態に、言ってる俺もパニックだ。なにこれ帰りたい。

 

「せめて、ステータスが最後にセーブしたものと同じなら希望はあるが…………おっと」

 

そんなことを言ってると、目の前にステータスが現れた。

 

────────────────

 

ショウ

LV:64

HP:563/563

MP:1273/1273

 

Class:ウォーザード

Race:デューマン

 

────────────────

 

途中まで見たステータス。非常に突っ込みたいところはあるが…………最悪の事態は回避できたということは分かった。

 

「最悪の事態の中では、最良の状態だ。ユーゴ、ステータスと頭で念じてみろ」

「お、おう」

 

ユーゴも胸の前辺りにステータスを出現させて、自分のスペックを確認していく。…………というかお前、LV78でゴーデスナイトって、やり込みすぎだ。

 

「こ、これなら!」

「ああ。お前が前衛で俺が後衛。回復魔法だけでなく魔法全般を満遍なく行使できるから、一緒に戦うこともできるし、補助回復、召喚魔法もなんでもこざれ。水も魔法で生み出せる」

「やたら水に拘るよな…………気持ちは分かるけど」

 

装備していた防具、武器、あとお金も無くなってるが、ここまで高ステータスならば少なくともアルダ村までなら無双できる。

 

っと、そうだ。試しに魔法を放ってみよう。

 

「ウォーターボール」

 

手のひらを適当な方向に向けて、初級呪文を唱えると、水の球が勢い良く前に飛び出していく。ステータスのMPバーも、MPを消費したことが分かるよう、減少している。

 

「同じように、火魔法があれば肉も焼けるし、肉調達もユーゴのステータスなら簡単…………おいおい、マジで俺らが組めば完璧じゃねぇか!」

「本当にな! 一緒に喚び出されたのがお前とで良かった!」

「それじゃあいつものノリで!」

「やりますか!」

 

先程のように、拳を付き合わせる。ただ、込めた力は先程とは比べ物にならないくらいのソレ。

 

「目標、ギャスパルク!」

「目標、地球に帰還!」

「「よし、やるぞ相棒!」」

 

気合を入れて、俺たちは最初の村、アルダ村へと歩を進め始めるのだった。

 

…………これが、のちにエターナルを救う正統派勇者と近接戦闘を好む邪道賢者の、始まりであった。

 

 

 

 

 

「あ、ちょっとタンマ。ユーゴの力強すぎて指の骨折れた」

「うぉおおい!!?」

 

 

 

 

 




おい、他の作品はどうした!?
→申し訳ありません。AW以外はスランプ中です。

どうしてろーぷれ・わーるど?
→ゼロ魔の近くにあったから。

近接戦闘賢者って…………(ドン引き)
→言うな、わかってる(悟り)
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