転生デューマンの賢者ろーぷれ!   作:しにかけ/あかいひと

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紙耐久高火力は正義だと思ってる俺は、どこかおかしいのでしょうか?


セーブデータその3『オウフ……ステータスがめっさマゾい』

おいおい、確かに俺は『デューマン』だぜ? でも、こりゃあんまりだぜステータス的に!!

 

───────宮本翔

 

 

[(~_~;)]

 

 

アルダ村を目指し、旅を続けるユーゴ達…………というポケ○ンアニメの入りを模してやってみたが、違和感バリバリなので今回だけにしよう。

 

「ところで、お二人共お強いんですね! 失礼かもしれませんが、ステータスウィンドウを見せてもらっても良いですか?」

 

道中の森の中での休憩中、イシュラちゃんがそんなことを言った。

まあ、道中も出てくるモンスを一撃の下葬り去ってる俺らだから、おそらく低いレベルであろうイシュラちゃんも気になってしまうのだろう。

 

ユーゴが苦笑しながら「いいよ」とウィンドウをイシュラちゃんの方に向けると…………おうおう、えらい驚いてーら。…………ん? システムウィンドウ的に言うなら『イシュラ の しせん が かわった!』とでも言うべきなのだろうか。さっきユーゴがフラグ建てて、その上でおとぎ話的スペックを見せつけられたら、そうなるわな。あいつの職業『ゴーデスナイト』だし、バリバリ勇者だよね。

 

「す、凄すぎる!! ユーゴさんって、いったい何者なんですか!?」

「な、何者って言われても…………ただの旅人としか」

「ただの旅人がレベル78もあるわけないですよ!?」

 

ごもっとも、である。

 

いやーしかし、ユーゴが生贄になってくれたお陰で俺はウィンドウ晒さなくて済む。そのことに安堵を覚えながら、コソリコソリとその場を去ろうとすると。

 

「ついでに、ショウさんのも気になるんですけど、見せてもらってもいいですか?」

 

ついでってなんだついでって! いやまあ年下っぽそうな女の子に一々目くじらは立てんけどよ。でもそりゃ流石に露骨だよ。

 

「…………まあいいですけど。ほら」

 

見せながら、俺は自分のステータスについて考える。

 

レベル、HP、MPに変動は見られない。見られない…………のだが。

 

(明らか、ステータスがゲーム時よりも変動している…………)

 

STR(腕力)、DEX(器用さ)、AGI(素早さ)が魔法職にあるまじき値にまで跳ね上がってる。並の戦士職とも渡り合えるレベルだ。INT(知力)も、ウォーザードの宿命として言う程高くなかった筈なのに、めっさ跳ね上がってる。

 

対して、VIT(体力)、WIS(精神力)、LUK(幸運度)が軒並み落ち込んでいる。WISに関しては、まだ魔法職故に400を割ることはなかったが、VITはまさかの154、LUKに関しては43と、ビックリするぐらいだ。

 

ああ、理由は分かっている。この前世から引き継いでしまった厨二万歳な種族の所為だ腹立たしい。

 

「ショウさん!」

「おわっ!? 急に大声出さないでくださいよビックリだなぁ」

「さっきから何回も呼んでるのに返事しないからじゃないですか!」

 

ありゃ、思った以上に思考に没頭していたようだ。あ、なんかコレ賢者っぽい。

 

「それよりもどういうことですか!? ショウさんは魔法職なのに、どうして道中近接戦闘(・・・・)でモンスターを倒してたんですか!?」

 

あ、ああそんなこと。

確かに、魔法職だから魔法使ったほうが火力は出るんだよな、うん。

 

「でもこの辺りのモンスターは、俺の物理ステータスからしても雑魚だから、MP温存、時間短縮も兼ねて近接戦闘も織り交ぜているんですよ」

 

実際、ゲームでも魔法をメイン火力に、殴る蹴るの暴行を挟みながらモンスターを倒してたし。ちゃんと操作すれば敵の攻撃は案外避けられるし。あと、多少ダメ喰らってもセルフ回復できるから意外とタンクプレイができんだよなぁ。

 

「あ、あのユーゴさん。もしかして、魔法職の人にとってアレは普通の───」

「誤解しないでくれ、イシュラ。コレはショウがおかしいだけなんだ」

 

なんだろう、非常に解せぬ。

 

 

[(-_-)]

 

 

森の中を、イシュラちゃんの知る近道を通り抜けた先にある、アルダ村の門。そこでイシュラちゃんのお父さんがいてイシュラちゃんが怒られるという、ホームドラマ的な何かが展開されたあと、イシュラちゃんのお父さん、オランドゥさんにお礼を言われ、その後軽く自己紹介を交わした。

 

「兎にも角にも、娘を救ってくださって、ありがとうございました」

「「いえ、それ程でも」」

 

流石に真摯に真剣にお礼を言われた場合は擦りつけは寧ろ失礼なので、受け取らざるをえない…………のは置いといて。

 

「しかし、この辺りでは見ない服装ですね。お二人は旅をしているので?」

「まあ、そんなところですね」

「でも、旅というには装備も何もかもないように見受けられますが」

 

あ、やっぱり聞かれた。まぁ、旅してるって言っといて食料も何もなかったら、怪しさ満点以外の何物でもねーわな。

 

「それがですね、無くなっちゃったんですよ…………元々俺たちは同郷の親友ってだけで、旅自体は別々だったんですが、その旅の途中に謎の魔法陣に飛ばされてしまいましてね。気がつけば、武器も食料も靴も、服以外のほとんどを失った状態で、草原に放り込まれてしまって。なぁユーゴ?」

「あ、ああ。そうなんです」

 

よし、嘘は言ってない。

俺とユーゴは日本という同じ国出身で、1人プレイゲームだったから別々で冒険してたし、謎の魔法陣と言えなくもない『ギャスパルクの復活』のソフトによって飛ばされたのだから。

 

「それはまた…………災難でしたね」

「ええ本当に。ですので、靴やカバンの融通、保存の効く食料、鍛冶場の使用許可などをいただけると、非常に助かるのです。勿論、それ相応の対価、労働は厭いません」

 

始まりの村程度の頼み事(クエスト)程度なら、並列してこなすことだって可能だ。最悪、モンスターを狩ってG集めに専念してもいいわけだし。

 

「いえ、娘の恩人にそんなことをさせられません! むしろこちらで手配しておきましょう。ともかく、何もない田舎なもので、さしたるおもてなしもできませんが、精一杯のことをさせていただきます」

「ああ、それは本当に助かります! これも星霊のお導きなのですね!」

 

思わず感極まって、両手を組んで跪く。その様子をユーゴから訝しげに見られ、ハッとした。

 

(しまった、星霊っつーかグラール教は文字通りグラールの宗教だということを忘れてた)

 

長年染み付いた習慣というのは、中々取れないものなのだなぁ。

 

 

[(・_・;]

 

 

神殿…………と言われると、俺はまず寺社仏閣みたいなのを思い浮かべる。第一、第二の故郷それぞれ、そういう形をしたモノだったからということであるからして。

 

「ふぇ…………これまた立派な神殿。絵でしか見たことはないんですが、此処があのファドラの神殿なんですね」

 

そんなこんなで案内された先に、ディスプレイでしか見たことのない建物があって、ちょっと新鮮さを感じながら驚いてみたり。

 

「おや、ご存知でしたか」

「ええ勿論ですとも。此処でしか転職できない職業もあるということで、色々と調べたのです」

 

魔法職、という方向で進めるにあたって、ゲーム内で情報を集めつつ、どんな職に就こうかと調べたのだ。え、Wiki? そんなモン使うの邪道だろ。

 

で、まあ神の名を冠した職があって、それぞれの神殿でなんやかんやしたらまあ転職の条件を満たすことができるのだ。確かこのファドラの神殿では、『ファドラプリースト』だったか? 僧侶(プリースト)って柄じゃなかったから早々に候補から飛んだけど。

 

「ですがそれを抜きにしても、実物を見れて良かったです。できれば、こういうトラブルに巻き込まれて、でなければさらに良かったのに…………と思わずにはいられません」

「おお…………! 嬉しいことを言っていただけて、ファドラも喜んでいることでしょう。何もない村ではありますが、この神殿だけは自慢の種なのです!」

 

あーそれちょーわかるー! と、若者言葉で話しに行けないのがつらたん。

 

しっかし後ろ! 早速フラグ建てよったユーゴに、イシュラちゃんがべっとりでまんがな! いや、後押ししまくったの俺だけどね!!

 

「昔、まだサルドルバ王国があったころ、初代獅子王陛下が村に立ち寄られてこの神殿を築いたのです。この様な辺境の地にも、風神ファドラの信仰が行き渡る様にと。もう、二百年も前のことです。以来、私どもアローネ家のものが、神官職を務めてまいりました」

 

おお、見ろよこの誇らしげな貌! 腐敗聖職者に見せてやりたいね! いや、実際に腐った聖職者を見たことはないんだけど。

 

まあそれはともかく、だ。

 

(神殿の中は、あまり気にしたことは無かったが…………)

 

神殿の祭壇に聳え立つ、8メートルはあろうかと思われる風神ファドラの像。優しげに微笑む中性的な顔立ちの神…………なのだが。

 

(…………見られてる?)

 

ヤケに、視線を感じてならない。もしや、他の神ならぬ他の宗教を信仰しているから、睨まれてる? いや、悪感情的な視線じゃない。というか、他の神を信仰していてこうなるのであれば、ユーゴなんかガンガンに突き刺さってないとおかしい筈だ。だって『ゴーデス』ナイトだし。でも、ユーゴは俺と同じように祭壇の像を見上げるのみで、そんな雰囲気を感じさせない。

 

(それとも、異物だからか?)

 

俺の種族である『デューマン』の所為かもしれん。ユーゴは知っていたから突っ込みこそしなかったが、一瞬目を丸くしてたし。言うなればあれは、『前世の記憶があるとか別の種族なんだとかほざく厨二病の友達が、実は本当に別の種族だったんだけど!?』みたいな視線だった。いや、ユーゴのことだからまるきり信じてないことは無かっただろうが、流石に眉唾物だったのだろう。

 

で、そのデューマンの種族の背景を鑑みるなら…………警戒されてもおかしくはない。何せ、暗黒神(ダークファルスの糞野郎)の因子が作用した結果の種族だからな。

 

「…………? ショウさん、どうかなされましたか?」

「いえ、少し嫌なことを思い出しただけです」

 

もし、この世界ががっつりファンタジーで、神に祈りを捧げて言葉をくれるのであれば…………

 

「(…………許可をいただけるなら、少し祈っていきたいな)」

「…………?」

 

ボソッと呟いた声は、風の中へと消えた。

 

 

 

 

(まさか! 警戒するなんてとんでもありませんよ、異界の英雄)

 

 

 

 




デューマンってなに?
→詳しく説明するのはアレなので要点だけ言うと、ラスボスの因子を埋め込まれてる高火力紙耐久の上級者向け種族。雑魚敵の一撃で致命傷になるから、ドキドキ感が堪らない。

ユーゴからの突っ込みが無かったのは?
→一応その話はしていた為。でもまあ完全には信じてなかった。

主人公はグラール教の信者なの?
→ガチの信者ではありませんが、某社長並みには信仰していた模様。

あれ、普通ここでイシュラ辺りの視点が入る筈じゃ?
→レッドゾーンに女の子は書けない!

以上、感想などありましたら遠慮なくどぞー。
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