箱庭に導かれた優しき風を求めた哀れな魔王の話   作:( ∴)〈名前を入れてください

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―(∴)(∴)(∴)―だんご三兄弟!

(∴)<団子!


第9話

ジャングルの中をガルドは凄まじい速度で走って行く。彼の中にあるのは死の恐怖からの逃走自分を殺せる存在から逃げる事だけだ。

走って行く中森の木を薙ぎ倒し辺りを破壊していくが今の彼にそんな余裕はない

 

「(死にたくない、死にたくない何で俺が死ななきゃならないんだ。生きたい、生きて今まで通りに過ごしたい)」

 

頭の中では恐怖が爆発しながらも走り続ける。そうして暫く走った後その巨体を丸くしながらガタガタと身体を震わしながら声もあげずに頭を手で覆い丸くなる姿はとても獣の…虎の行う姿には見えない。彼はこのゲームが何故始まったのかは分かっていない。何故ならばこのゲームをメイキングしたのは彼を試金石にしようとしている者であり彼がこのゲームを作った訳では無い。

吸血鬼によって眷属の一人にされてしまった彼はその時人としての権利を全て吸血鬼によって奪われてしまった。その為に彼はこのゲームの主催者という事にされている。

 

つまりこのゲームは彼の預かり知らない所で始まってしまったのだ。始まってしまえば主催者たる彼は逃げる事は出来ない…命を勝手にベットされている彼は戦うしかない、そのゲームの勝利条件を満たす事だけが彼が生き延びる唯一の道

 

「(こんなゲームをするつもりなんて無かった!あの時のゲームをする口約束だけで俺は逃げるつもりだった!)」

 

あの時ゲームをすると口約束をしたがあの場ではキチンとゲームルールを決めては無かった。それならば強制力は無いに等しいから何時でも逃げれる筈だった。

 

しかし現実はガノンドロフの存在に怯えきってしまい執務室に篭って震えていたのだが……

 

理性が消し飛び恐怖を心の中で垂れ流すだけの物体になり掛けているガルドはあらん限りの罵倒をジンやあの少女達に心の中で言う。頭の中で思い浮かぶゲームの内容は俺からすれば絶対にしない契約文、それを主催者としてゲームを何故俺が行っているのかそれが分からない。

 

ギフトゲーム「ハンティング」

 

プレイヤー一覧

 

久遠飛鳥

春日部耀

ジン=ラッセル

 

クリア条件

ホストの本拠内に潜むガルド=ガスパーの討伐

 

クリア方法

ホスト側が指定した特定の武具でのみ討伐可能

指定武具以外はギアスによってガルド=ガスパーを傷つけることは不可能

 

敗北条件

降参か、プレイヤーが上記の勝利条件を満たせなくなった場合

 

ここまでは紙に書かれていた条件でありジン達が知っている条件なのだが主催者たるガルドにはこれともう一つの条件を持っている。

 

・特殊条件……■■■■■■様から受けた蟲のギフトを使用する場合、一定のラインを超えた時か主催者が死亡した場合。討伐条件はガルド=ガスパーから変化し■■■へとなります。

 

その場合はガルド=ガスパーの死亡として■■■が主催者を引き継ぎます

 

ガルド=ガスパー印

 

「(何なんだよこれ何なんだよこれは!)」

 

ガルドが異形の蟲を呼び出し使役していた理由がこの制約文に書かれてある蟲のギフトを使用したものである。

背に腹は変えられんと使ったギフトなのだが蟲を呼び出してジン達を狙わせても何の意味を持たず、唯の無駄遣いに終わってしまったギフト。何時手に入れたのかサッパリ分からない謎のギフトである

 

「(おいおい…何だとは失礼な物言いだなぁ宿主様よ?)」

 

うるさい…黙っていろこの寄生虫が。

 

「(おいおい。俺が宿主様にあの御方から授かったお力の使い方を教えてやってるってのにその言い方は何だよ。)」

 

頭の中で聴こえてくる謎の声、こいつは蟲のギフトの使い方を俺に教えてくれる存在…それだけならば何れだけ良かったか

 

「(俺が怖がりな宿主様の為に戦う力を教えてやっているってのにこの言いがかり……俺様カナシィィィィィ!)」

 

そう言いながら力を使わせて俺の身体を乗っ取るつもりだって事はあの制約文を見れば分かる。黙っていろ

 

「(お前さん…それで理性が無い状態とかつくづく恐ろしい奴だねぇ……さっさと力使って奴等を皆殺しにしようぜ?)」

 

こうやって戯言を吐き俺に蟲のギフトを使わそうとする。あの何の役に立たなかった雑魚蟲を呼び出すように言ったのがコイツだ。

 

「(おいおい…俺はお前が余り力を使わず蟲を大量に呼び出したいって言ったからオススメを教えただけじゃねーか)」

 

黙れ!お前のせいでこんな所まで逃げる事になったんだぞ!あそこから逃げる事になった責任を取れるのか!

 

「(まぁまぁそう怒るなよ。俺はあの御方からお前さんをサポートする為に呼ばれたんだから。……お前が望む事を俺が教えてやるんだから感謝して欲しいくらいだぜ)」

 

……だったらあいつらが今何をしているのかわかる方法があるって言うのか?

 

「(勿論!お前さんがさっき呼び出した蟲の余りをこの森に呼び寄せて視覚と聴覚を共有すれば良いだけだぜ)」

 

そう言ってくるので先程呼び出した異形共を森の中へと拡散させる。すると様々な景色と雑音のように混じりあった環境音が俺の頭の中に入ってくる。その音に耳を尖らせ景色を見詰めて探していると奴等の姿を発見する。

 

「…から…するの?」

 

「だいじ…く達なら……ます」

 

「(…コイツら、恐らくだがお前さんをぶっ殺すつもりでいやがるぜ?宿主様の力だけであいつらに勝てるのか?)」

 

ジンラッセルゥ!貴様のせいで俺はこれだ。貴様を殺さなきゃ俺の気が済まない!

 

「(なら使っちまえよぉ負けたらお前さんは殺されちまうんだぜ?だったら数少ない可能性にかけて強力な個体を出すべきだと俺はおもうがなぁ……)」

 

その言葉に俺は聞くも俺の頭の中ではあいつらへの怒りが再び再発し頭の中が怒りでグチャグチャになっていく。

 

「(やっちまえって。そうすりゃお前を殺しに来るものはいなくなるしお前は誰も恐れずにいられるようになる)」

 

そうだ…俺はアイツをジンラッセルを殺す!殺さなくては俺の気が済まない!

その為ならギリギリの所まで俺の命を削った所で問題は無い!最終的に俺が生きているのならばそれだけで良いんだ!

 

「(ヒャヒャヒャ!そうだぜ宿主様ァ…力を使っちまっても何ら問題ないからなぁドンドン使っちまいな!)」

 

俺の影の一部がひとりでに動き始め身体を作り始める。影が伸び始め実態を作り始める。長い足を幾重にも持ち、大きな身体とギョロリと大きな一つ目が俺を見る

 

「(行け甲殻寄生獣ゴーマ!宿主様の敵である奴等を皆殺しにして来い!)」

 

「■■■!■■■■■■!」(殺せ!奴等を殺して来るんだ!)

 

ガルドの怒りの咆哮に答えるようにゴーマは木々の上を蔦って行きながら大きな目玉をギョロギョロと動かしてジン達を探していく。そうして狙いを見つけたようにギロりと目の動きを止めるとその方向かって音を立てず木々の上からジン達の元へ向かう。

 

「ふむ…思っていた事とは些か違う状態になって来たが……一体どうしたものか」

 

「どうしたのだ?□□□よ今面白い事になって来たのだ楽しまねば損だぞ?」

 

「いや…何でも無い。ちょっとしたハプニングがあったが問題は何一つ無い…筈」

 

白夜叉の自室にあの時の吸血鬼の少女が白夜叉と仲良さそうに遠見のギフトが込められた鏡を見ながらギフトゲームの状況を見て話をしている。

 

「しっかしお前さんも考えたな。まさかあのガルドをジン達の試金石に使おうと考えたとは」

 

「あぁ…流石に新しい戦力が来たと言ってもまさかジンが魔王と戦うなんて言い出したとなれば話は別だ。私もあの子達が如何程の者か確認せねばならないからな」

 

「そう言えばこの戦いに出ていない十六夜と…ガノンドロフだったか?彼等は一体どうなのだ?」

 

「フッフッフッ…知りたいか?」

 

その言葉に満面の笑みを浮かべた白夜叉は□□□にドヤ顔をかまして語りかける

その表情に思わずこれはやってしまったと心の中で溜息を吐きながら白夜叉の話を聞く。

 

曰く、今の私と対等に張り合える強者だとか。ハイラルと呼ばれる世界を支配していた魔王だとか。力をこよなく愛し己の力を信奉する自分との同類だとか

 

それらを聞きながらふと思う。あの時にガルドが生み出していた蟲は私の記憶には無い存在だった。まさか…私だけでは無くガノンドロフとやらもガルドを試金石にする為に何らかの事をしたのでは無いか……?

 

「(考えて過ぎか……)」

 

「でだな!ガノンドロフは……ってどうしたのだ?話はこれからが良い所だと言うのに」

 

「いや…先程からガノンドロフとやらの話ばかりだったからな。十六夜とやらの話は無いのか?」

 

その言葉に白夜叉は驚いたような顔をして先程までの饒舌とは違い頑張って思い出しながら話始める。

 

「えっ…?いやーうん潜在能力は恐ろしい程高いぞ、うん…あーあれじゃ後今の力でも並の魔王、弱体化を受けた星霊とならば優位に戦えるだろうな」

 

「それは…今後が期待できる逸材だな。まぁ何れ顔の一つでも見に行けたら良いのだが……」

 

「そうだなぁ…まぁその辺りも儂に任せておけ。大概何とかしてやろうて」

 

「何から何まで済まないな。私は貴女に迷惑を掛けてばかりだ」

 

白夜叉に向かい頭を下げると手を振りながら気にするなと笑い返してくる。

 

「気にするな。お前さんも久しぶりに黒ウサギやジンの顔も見たいだろうて、何ちょっとした老婆心と言うものだよ」

 

「成程…そう言えば原初の星と同じ年齢だったな貴女は。つまり軽く100億は下らな…」

 

「おっとそれ以上は流石に戦争じゃぞ?」

 

そう言いつつお茶を飲み先程までの観戦に集中する二人。箱庭で魔王と謳われた強者達がお茶菓子を摘みながらゆったりと新人のギフトゲームを観戦する。

 

戦況とこの場の空気は余りにも違い過ぎていた。いや寧ろお前らジンの晴れ舞台をもっと食いついて見てやれよと言いたくなる状況。我が道を行く魔王はやはりマイペースなのだろう。

 

「いやー本当に上手いのう。この煎餅」

 

「ボロボロ零しているぞ……全く」

 

いやちゃんと見てやれよマジで

 

 




おーっとガルド君後が無いボロボロ状態だったぁ!
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