問題児たちと…バカ?が異世界に来るようですよ<未完> 作:daiki1211
白夜叉は“サウザントアイズ”の旗印が刻まれたカードを取り出し、含みのある顔で一言。
「おんしらが望むのは“挑戦”か―――――もしくは、“決闘”か?」
その瞬間、四人は視界にいろいろな景色が映り、最後に映った景色は白い雪原だった。
四人の脳裏に記憶のない景色が映った時、足元から四人を呑みこんでいく。
四人が投げ出されたのは、白い雪原と凍る湖畔―――――そして、太陽が水平に廻る世界だった。
「……なっ………!?」
異常な光景、その光景に明久たちは息をのむ。
唖然と立ちすくむ四人に、もう一度白夜叉が問う。
「今一度名乗りなおし、問う。私は“白き夜の魔王”―――――太陽と白夜の星霊・白夜叉。お主らが望むのは、試練への挑戦か? それとも対等な決闘か?」
魔王という単語に四人は絶句する。少女と思えない笑みを浮かべる。
「水平に廻る太陽と―――そうか、白夜と夜叉。あの水平に廻る太陽やこの土地は、オマエを表現してるってことか」
「如何にも。この白夜の湖畔と雪原。永遠に世界を薄暗く照らす太陽こそ、私が持つゲーム盤の一つだ」
白夜叉が両手を広げると、地平線の彼方の雲が裂け、薄暗い太陽が現れる。
彼女はそれだけの力を持っていると言わんばかりに四人を見る。
「コレだけの莫大な土地がゲーム盤…………!?」
「学校の召喚フィールドなんか比にならないコレが!?」
「如何にも。して、おんしらの返答は?“挑戦”であるならば手慰み程度に遊んでやる。―――だがしかし、“決闘”を望むのなら話は別。魔王として、命と誇りの限り闘おうではないか」
「…………っ」
白夜叉の言葉に4人は即答できず、返事を躊躇った。
白夜叉がいかなるギフトを持っているかは定かではないが、今の彼らに勝目がないのは一目瞭然だ。
しかし一度自分が売った喧嘩を、このような形で取り下げるにはプライドが邪魔した。
しばしの静寂の後十六夜が、諦めたようにゆっくり手を挙げ
「参った。やられたよ。降参だ、白夜叉」
「ふむ? それは決闘ではなく、試練を受けるという事かの?」
「ああ。これだけのゲーム盤を用意できるんだからな。あんたには資格がある。―――いいぜ。今回は黙って試されてやるよ、魔王様」
苦笑と共に吐き捨てるように十六夜はいい、その姿を見て白夜叉は堪え切れずに高らかと笑い飛ばした。
「く、くく……して、他の童達も同じか?」
「……ええ。私も、試されてあげてもいいわ」
「右に同じ」
「僕も、ここまで差を見せられちゃね」
苦虫を噛み潰したような顔で返事をする三人。白夜叉は満足そうに声をあげていた。
「も、もう!相手を選んでください! 階層支配者に喧嘩を売る新人と、新人に売られた喧嘩を買う階層支配者なんて、冗談にしても寒すぎます!それに白夜叉様が魔王と呼ばれていたのは、何百年も前じゃないですか!」
「え?元魔王なの?」
「はてさて、どうだったかの?」
ケラケラと笑う白夜叉。その様子を見て黒ウサギと四人は肩を落とす。
その時、獣とも野鳥とも思える叫び声が聞こえた。その叫び声に逸早く反応したのは、耀だった。
「何、今の鳴き声。初めて聞いた」
「ふむ……あやつか。おんしら4人を試すには打って付かも知れんの」
湖畔を挟んだ向こう岸にある山脈にむけて白夜叉が手招きをすると、体長5mはあろう巨大な獣が翼を広げて空を滑空し、風の如く4人の元に現れた。
鷲の頭に翼、そして獅子の下半身を持つ獣を見て、耀は驚愕と歓喜の籠もった声を上げた。
「グリフォン……嘘、本物!?」
「フフン、如何にも。あやつこそ鳥の王にして獣の王。“力”“知恵”“勇気”の全てを備えた、ギフトゲームを代表する獣だ」
白夜叉が手招きすると、グリフォンが彼女の元に降り立ち、深く頭を下げて礼を示した。
「さて、肝心の試練だがの。おんしら4人とこのグリフォンで“力”“知恵”“勇気”のいずれかを比べあい、背にまたがって湖畔を舞う事が出来ればクリア、ということにしようかの」
白夜叉が双女神の印が入ったカードを取り出し、ひと振りする。虚空から主催者権限にのみ許された輝く羊皮紙が現れる。白夜叉は白い指を奔らせて羊皮紙に記述する。
『 ギフトゲーム名 ”鷲獅子の手綱”
・プレイヤー一覧 逆廻 十六夜
久遠 飛鳥
春日部 耀
吉井 明久
・クリア条件 グリフォンの背にまたがり、湖畔を舞う。
・クリア方法 “力”“知恵”“勇気”のいずれかでグリフォンに認められる。
・敗北条件 降参か、プレイヤーが上記の勝利条件を満たせなくなった場合。
宣哲 上記を尊重し、御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。”サウザンドアイズ”印 』
それを見た瞬間、耀は
「私がやる」
と言った。