問題児たちと…バカ?が異世界に来るようですよ<未完> 作:daiki1211
「さて、自己紹介も終わりましたし! それでは水樹を植えましょう! 黒ウサギが台座に根を張らせるので、十六夜さんのギフトカードから出してくれますか?」
「あいよ」
長年水が通ってない水路だが、骨格だけは立派に残っていた。
「大きい貯水池だね。ちょっとした湖くらいあるよ」
「にゃ~にゃ~、にゃにゃにゃ。にゃにゃにゃ~にゃ」
「はい、最後に使ったのは3年前ですよ三毛猫さん。元々は龍の瞳を水珠に加工したギフトが貯水池の台座に設置してあったのですが、それも魔王に取り上げられてしまいました」
「龍の瞳?名前からカッコ良さそうだな。どこに行けば手に入る?」
「さて、どこでしょう。私がこのコミュニティに入る前でしたので。たとえ知っていても絶対教えませんが」
「まあ、十六夜なら取りに行きそうだよね。僕らが追いつけない速度で挑んで」
「話を戻しましょう。水路も時々は整備していたのですけど、あくまで最低限です。それにこの水樹じゃまだこの貯水池と水路を全て埋めるのは不可能でしょう。ですから居住区の水路は遮断して本拠の屋敷と別館に直通している水路だけを開きます。こちらはみんなで川の水を汲んできたときに時々使っていたので問題ありません」
「あら、数kmも向こうの川から水を運ぶ方法なんてあるの?」
「はい。みんなと一緒にバケツを持って両手に持って運びました」
「半分くらいはコケてなくなっちゃうんだけどねー」
「黒ウサの姉ちゃんが箱庭の外で汲んでいいなら貯水池をいっぱいにしてくれるのになあ」
「……そう。大変なのね」
黒ウサギは貯水池の中心にある柱の台座までぴょん、と大きく跳躍した。
「それでは苗の紐を解いて根を張ります! 十六夜さんは屋敷への水門を開けてください!」
「あいよ」
十六夜は貯水池に下りて水門を開ける。黒ウサギが苗の紐を解くと、根を包んでいた布から大波のような水が溢れかえり、激流となって貯水池を埋めていった。
「ちょ、少しはマテやゴラァ!! 流石に今日はこれ以上濡れたくねえぞオイ!」
今日一日だけでも随分とずぶ濡れになった十六夜が慌てて石垣まで跳躍する。
「うわお! この子は想像以上に元気です♪」
水門を勢いよく潜った激流は、一直線に屋敷への水路を通って満たし、月明かりによって燦然と輝きを放っていた。
「すごい! これなら生活以外にも水を汲めるかも!」
「何だ? 農作業でもするのか?」
「近いですね十六夜さん。水仙卵華などの水面に自生する花のギフトを繁殖させればギフトゲームに参加せずともコミュニティの収入になります。これならみんなにもできますし……」
「それってあの噴水にあった花みたいなの?」
「そうですね。あの花みたいなのを栽培するっていう認識でいいです」
ジンは細かい説明をしても流されると思いそんなのを作れるという認識だけさせた。
それから一悶着あったがそれは、語ることのない些細なことだった。