イトイトの実とかチート……え?グラブル?   作:グラン(団長)

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導入的な


出会い

ーある騎空挺にてー

 

青々とした空を船が飛んでいた。

気球船のようなその船の両脇には羽が付いていて、それを羽ばたかせ進んでいるようだ。

 

 

「おい、ありゃなんだ?」

 

 

ふと、甲板の掃除をしていた男が声をあげる。

その声につられもう一人の仲間も男が見ている方向の空を眺めた。

 

 

「……ありゃー……、人……か?」

 

 

「だよな……俺たちゃ夢でも見てんのか?人が空を飛んでるなんて……」

 

 

彼らが見つめる先には一人の男がいた。

驚くことにその男は空中を、その身一つで飛んでいた。

フワフワと軽い羽の様な動きで、しかし船よりも素早く進んでいく姿に、彼らは仕事も忘れて見いっていた。

 

 

「………………」

 

 

そして、彼らが茫然と見つめていると徐々にその男の姿は小さくなり、いつのまにか見失ってしまった。

 

 

「……なぁ、ありゃ一体……なんだ?」

 

 

「さぁな……」

 

 

男が飛んでいった方向を見つめる彼らは、他の船員に怒られるまで茫然としていた。

 

 

 

ー空を飛んでいた男ー

 

 

「やべぇ、今見られたか?……まぁ砲弾とか来てねぇし大丈夫か……大丈夫だよな?」

 

 

突然だがこの男、いや青年と言ったほうが正しいが、この青年は転生者である。

名前は ドンフラ・ミン。

転生する際にワンピースの ドンキホーテ・ドフラミンゴ の能力を神様に与えてもらい転生した。

ちなみに転生させてもらった理由は気分だったそうだ。

空を飛んでいるのは ドフラミンゴ の能力である イトイトの実 の力で、体から自由に出せる糸を雲に引っかけるようにして飛んでいるのだ。

突っ込みどころは多々あるが原作でできていたのでなんの問題はない、……はず。

 

 

「しっかしどーすっかな……シェロちゃんか言ってた通りならそろそろ着いてもいいと思うんだけどな」

 

 

ミンの格好はいたって普通、ドフラミンゴのような奇抜な格好はしていない。

というかあんな格好するのはマジでどっかいっちゃってると思っている。

緩めの長ズボンに白いパーカーを羽織っていて、髪は長めだ。

 

 

「あ……ちょっとやべぇなこれ……」

 

 

次第に周辺の雲が少なくなってきた。

先程説明した通り、ミンは雲に糸を引っかけて進んでいる。

つまるところ、雲がなくなってしまうと飛び続けることが出来なくなってしまうのだ。

 

 

「どーすっかな……、一回戻るか……お?」

 

 

ふと、ミンの目が前を進む騎空挺を捉えた。

キタコレ、あれなら雲がなくなるギリギリで乗れっかもしんねーな。

試しに突っ込むか。

 

 

「よっしゃ!そーと決まれば加速!」

 

 

シュンッ と速度を上げてミンの体が飛ぶ。

徐々に速度を上げていき、まるで矢のような勢いで騎空挺を目指す。

 

 

「ん?なんか騒がしいな……」

 

 

目指す騎空挺はなにか慌ただしい様子だ。

普通であればそろそろ見張りに気づかれてもおかしくない距離だが、船員達はみな船の前方へと集まりなにかしているようだ。

 

 

「これならワンチャン気づかれないで行けるな……」

 

 

そう思い、ミンは少し速度を落として船へ近づく。

そしてあと十メートルほどまで来たとき、船の方から矢のようなものが飛んできた。

 

 

「ちょっ!?」

 

 

船員が誰も気づいた様子はなかったため、油断しきっていたミンは反応が遅れた。

その結果、矢はミンの手から伸びる糸を切り裂いてしまった。

糸を切られてしまったミンの体は船へと飛んでいく。

ギリギリで糸を出し船へ絡みつけ体勢を直す。

そして船の甲板へと降り立った。

というか、体勢を直すのに必死でどこに着地するか確認してなかった。

 

 

「………………」

 

 

「………………」

 

 

突然甲板に降り立ったミンに、船員達の動きが止まった。

遠目ではわからなかったがよくよく見るとチンピラのような見た目の船員達にミンの思考も止まる。

 

 

「なんだかよくわからないけど逃げるチャンスみたいね、そこの男の子、ありがとね!今度会ったらお姉さんがたっぷりサービスしてあげるから」

 

 

おそらくこの船が追っていたであろう空に浮かんでいる、現代日本で見かけたら多分通報されるんじゃね?みたいな格好のお姉さんがミンに投げキッスをして飛んでいった。

 

 

「え?」

 

 

「待てゴラッ!おいテメェ……メーテラの仲間か?とりあえずコイツ縛り上げろ!メーテラも見失うんじゃねーぞ!追いかけろ!」

 

 

リーダーっぽい男が怒鳴ると船員の半分ほどがミンを捕まえようと包囲した。

 

 

「ちょっと待った!え、なになに!落ち着けって、敵じゃないから!さっきのお姉さんも知らねから!」

 

 

「ごちゃごちゃうるせぇ!大人しく捕まりやがれ!」

 

 

「会話しよーぜ頼むから、勝手に乗ったのは悪かったって!ほら、飴ちゃんあげるから!な?機嫌治せよブラザー」

 

 

「誰がブラザーだ、飴玉なんかいるか!」

 

 

「あ!ちょっ!ごめんて、イチゴ味あげるか!だから待って!お願い縛らないで!痛い痛い痛い!せめてもうちょっとやさしめにお願いします!」

 

 

ろくな抵抗もせずにミンは捕まってしまった。

せいぜい飴玉をあげようとしたぐらいだ、頭悪い。

 

 

「ったく、もう少しでメーテラのヤツを捕まえられたってのに……まぁまだ追いつける距離だろう、これで逃げられたらお前殺すからな?」

 

 

柱に縛り付けられてしまったミンをリーダー格が脅す。

 

 

「……くそっ、まさかイチゴ味でもダメだったか……。いけると思ったんだけどな……」

 

 

そのときリーダー格の男は思った。

あ、コイツマジで馬鹿なんだな と。

 

 

「お頭!メーテラを見つけました!」

 

 

「よーし、お前ら!こんな馬鹿は放っておけ!メーテラを捕まえるぞ!」

 

 

オォッ! と声をあげ、船員達はメーテラを捕まえるために準備にとりかかる。

 

 

「あのぉ、すいませんちょっといいですか?」

 

 

「あぁ!なんだよ、今忙しいんだ!メーテラのヤツを捕まえるねぇといけねぇからな」

 

 

ミンが近くを通ったチンピラに声をかける。

 

 

「その、メーテラ?って人はなんで追いかけられてるんですか?」

 

 

「……アイツはよぉ、俺たちの金全部持ち逃げしやがったんだよ!」

 

 

「ソイツはひどいっすね、ところであの人なんか飛んでませんでした?」

 

 

「なんでもアイツは天才らしくてよ、飛翔の術ってのが使えるらしいぜ……。ってこんなこと話してる場合じゃねーんだよ!」

 

 

そういうとチンピラは船の前方へと走っていった。

 

 

「飛翔の術……え?飛べんのあの人?でも確かに飛んでたな……、よし」

 

 

ぶつぶつと呟くとミンはなにか思い付いたかのように顔を上げた。

すると ストッ とミンを縛り付けていた縄が地面へと落ちる。

よく目を凝らさないとわからないが、細い糸がミン指先から伸びている。

自由になるとミンはチンピラがかけていった方へと進んでいく。

 

 

「はい、ちょっと失礼しますよー。あ、ごめん足踏んだ」

 

 

「おいテメェ、気を付けろ!……は?お前なんで……」

 

 

チンピラをミンがかき分ける。

しばらくすると、船の先近くに到達した。

 

 

「おらテメェ!どんどん打てぇ!……って、なんでテメェがここにいんだ!」

 

 

「うわマジで飛んでんじゃん!」

 

 

「話聞けや!」

 

 

リーダー格を完璧に無視してミンはメーテラを見ている。

 

 

「あのー!すいませーん!」

 

 

「ん?あれはさっきの男の子?」

 

 

メーテラも船の先にいるミンに気がついた。

と、リーダー格が剣を振りかぶりミンへ近づいていく。

 

 

「ちょっキミ!?危ない!」

 

 

「あんましチョーシのってんじゃねーぞ……死ね!」

 

 

メーテラが弓を構えるも間に合わない。

リーダー格の剣が降り下ろされる。

 

 

「……ちょっと静かにしてください」

 

 

ミンが静かに呟く。

すると、あとわずかというところでミンに当たりそうだった剣が ピタッ と動きを止めた。

それどころか、リーダー格、いや、船員全員にいたるまで全ての人が動けなくなっていた。

 

 

「!?なにあれ……もしかしてあの子が?」

 

 

「すいませーん、お願いがあるんですけどー」

 

 

わずかに警戒しながらもメーテラが船へと近づいていく。

船員達はしゃべれないのか目を見開くばかりでその光景を眺めていた。

 

 

「……これ、あなたがやったの?」

 

 

「あ、はい。ちょっとうるさかったもんで。それはどうでもいいんですけど、お願い聞いてもらってもいいですか?」

 

 

「どうでもいいって……ずいぶんマイペースねあなた。……まぁ助かったからいいけど、で、お願いってなにかしら?もしかしてお姉さんとイイコトしたいとか?」

 

 

「それもメチャクチャ魅力的なんですけど今は違います。聞くところによるとお姉さん空飛べるんですよね?」

 

 

「ええ、そうだけど」

 

 

「差し支えなければ近くの島まで付いていってもよろしいでしょうか?」

 

 

「着いて行くって……あなた飛べるの?流石に私も二人で飛ぶのは大変なんだけど」

 

 

「あ、その辺は大丈夫です。ぶら下がるだけなんで」

 

 

「ぶら下がる?」

 

 

「はい、こんな感じです」

 

 

そういうとミンは船の先から飛び降りた。

 

 

「ちょっ!?」

 

 

メーテラは突然の行動に驚く、しかし、ミンは二メートルほど落ちると フッ とその場に留まった。

ちょうどメーテラの真下辺りだ。

 

 

「あなたどうやって……、これは……糸?」

 

 

「こんな感じでぶら下がるんで気にしないでそのままいっちゃってください」

 

 

「いや気にしないでって……確かに重くはないけど、……だいぶ自由ねアナタ」

 

 

「あ、申し遅れました。自分ドンフラ・ミンと言います。気軽にミンと呼んでください」

 

 

「……まぁいいわ、助かったし。お礼に運んであげるわ、ミンって呼ぶわね。私はメーテラよ、好きに呼んでいいわ」

 

 

「じゃーメーテラさんで、じゃー出発しちゃってください!離れたらこの人たち解放しちゃうんで」

 

 

「……ホント自由ねミンは、まぁいいわ。それじゃ行きましょうか、私を振り回すような子には少しお仕置きしなきゃだしね」

 

 

「お仕置き?」

 

 

「じゃー行くわよ!」

 

 

そういうとメーテラは急加速して飛び始めた。

 

 

「ちょっ!待って!メーテラさん!スゴい!揺れがスゴいから!お願いだから速度落として!」

 

 

「フフフッ、私やっぱり振り回す方が性に会うみたい……だから我慢しなさいね♪」

 

 

メーテラは楽しそうに笑うと速度を上げるのだった。

 

 

 

 

 

 




最後までお読みいただきありがとうございますm(__)m
マジ恋の方の息抜きに書いてますがとりあえずこちらを書きつつ、マジ恋も書きたいと思っています。
不定期ですが今後もお読みいただければ幸いです。
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