ハイスクールD×D ~『神殺し』の新たな軌跡~   作:ZERO(ゼロ)

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Jagen Sie es, und jagen Sie es erschöpfend, und wir sind Jäger!
(狩れ 狩り尽せ 我らは狩人だ)
Ermorden Sie ihn, und töten Sie Spiel in der Vorderseite, und ist Großhandelsmord!
(殺せ 獲物を殺せ 奴らを殺せ その命を喰い尽せ)


※)今回も辻褄合わせ過多、閲覧注意


第十二話

~×××××~

 

 

暗い、何処までも闇の広がる空間。

何も見えない、何も聞こえない、何も感じないその場所に血塗れのアキラは倒れていた。

立ち上がろうとしても指一本も動かせず、更に上下左右も解らないこの場所で例え立てたとしても何を目指せば良いと言うのか?

 

結局、何も出来なかった―――

護りたいと願っても手から零れ落ち、救いたいと願っても何時も手遅れだ。

やっている事は所詮、救えなかった者を罪悪感と自己満足で救った気になっているだけ。

挙句の果てに力を全て失い、此処で抗う事無く死んでいく……それだけである。

 

愚かだ、何の為に全てを捨てた?

あの東京を、大切な仲間達の生きる東京を護りたかったからではないのか?

なのに結局自分には何が出来た? 空しく死ぬ事しか出来ないなら、初めからこの選択など選ぶべきではなかったのだ。

 

自分は間違っていたんだろうか? 自分の選んだ選択は正しかったのだろうか?

こんな事になるのならば……あの時、宇宙の卵の中でダグザを否定せずに人形として生きていた方が楽だったのかも知れない。

 

去来するこの孤独感、これが本当の死なのか。

独りで生まれて独りで死んでいく―――無力な自分にはお似合いの末路だろう。

意識を手放せばそれで全ては終わる……どうせ立ち上がる気力も力も無い、ならもう立ち上がら無くても良い。

虚空を見入っていた眼がゆっくりと閉じ始め、終わりの時は真近に迫っていた。

 

 

―――だがその時、彼の耳に声が届く。

 

 

『―――君は其処で何をしている。

私達と袂を別ってでも成さなければならないと言う意地や覚悟があったのではないのか!?』

 

懐かしい声、その声が耳に届く。

力無く閉じ掛けていたアキラの眼が見開き、ヨロヨロと声の主を探すかのように視線が動く。

誰も居ない―――当然だ、こんな場所に『彼』が居る訳があるまい。

だが、今度は再び良く知る別の人物の声が響く。

 

『オイリーダー、何やってんだよお前―――

立てよ、俺の知ってるお前はこんな所で簡単に諦めるような奴じゃなかったぞ!!』

 

其処には誰も居ない、誰も居ない筈だ。

いや、そもそも“彼ら”が存在する筈が無い……スティーブンは『後の事は任せて欲しい』と言っていた。

覚えて居る筈が無い、自分と言う存在はあの東京から消えたのだから。

 

『馬鹿者、我が弟子が何をそんな情けない姿を晒している!!

ええい、私に肉体があれば思いっきりぶん殴っている所だ―――シャキッとせんか、シャキッと!!』

 

懐かしい声、もう二度と聞く事も無いと思っていた声。

倒れているアキラの眼に涙が溜まり、頬を伝って零れ落ちる。

 

『アキラ君―――諦めては駄目よ。

貴方のして来た事は決して無価値なんかじゃないわ、だって私達はずっと見てたもの。

貴方の苦悩も、貴方の嘆きも、そしてその中でも弱音を吐く事無く歩き続けてた姿も確りとね』

 

そうか、何を勘違いしていたのだろうか。

あの東京から此方に転生し、記憶を取り戻した時から自分は大きな勘違いをしていた。

仲間との絆を断ち切って、独りで仲間達の生きる東京を護るなどと言う覚悟と義務感に近い意地を背負い、大切な事を忘れていたのだ。

 

『―――主様、ずっと私達は一緒だったよ。

確かにあっちの東京の私達は全てを忘れて生きてる……主様と生きた日々も、思いも、全部忘れて。

でも此処の……主様の心の中ではあの東京の想いはずっと生き続けてるの、ずっと……』

 

消えてなどいない、独りじゃない。

共に生き、共に戦い、時に笑い、時に泣き、多くの苦難を越えて未来を勝ち取った仲間達は“此処”にいる。

―――仲間達と紡いだ絆は自らの中で一つとなって生きているのだから。

 

『ナナシ―――忘れないで、私達はいつでも貴方の傍にいる。

見えなくても、声が聞こえなくても、繋いだ想いは絶対に消えない―――紡いだ絆は不滅だよ。

それに今度は絶対に護るんでしょ? 信じてるから、ナナシなら絶対に護れるって―――』

 

指に力が入る、全身に力が籠る。

皆が此処にいる、自分は独りじゃないし孤独なんかじゃない。

なら無様な姿を見せていられないし……奴を止める事こそが、自分の成すべき事だ。

傷だらけで血塗れの全身に力を込めてアキラは必死に立ち上がる―――そんな彼に肩を貸し、共に立ち上がる者も居た。

 

彼と同じ様に全身中ボロボロで、痛々しい姿。

しかしその目に宿る光は尽きる事無く、不敵な笑いを浮かべるその人物は―――

トゥアハ・デ・ダナーンが最高神にしてアキラと共に歩む者・ダグザ。

 

『行くぞ、小僧―――シェーシャをあのまま放置する訳にはいかん。

元を糺せば奴が生み出されたのはかつてのオレ自身の責任だ……それがオレの愛する世界を破壊するのを黙って指を咥えて見ている事など出来はしない。

だが今のオレには実体が無ければ本家とは似ても似つかぬ分霊だ―――独りでは何も出来ん事は理解している、それでもオレは愛する世界を護りたい……だから頼む、オレに力を貸してくれ』

 

言われるまでも無い、護ると誓ったから。

もう逃げない、もう見失わない、もう惑わない―――皆が一緒に居てくれるから。

勿論、ダグザもその一人だ……仲間と共に歩む、それがアキラが尊ぶ『絆』の道なのだから―――

 

『―――やはりオレの選択は間違っていなかったな。

小僧、いや神藏晃よ―――今ならば出来る筈だ、媒介を介さずにオレ自身の力をお前に宿す事が。

受け取れアキラ、トゥアハ・デ・ダナーンが長たるオレの力を―――』

 

アキラに溶けるように融合するダグザ。

今まで彼のガーディアンとしての力は、運命の石を媒介とした事で制御されていた。

本来、分霊とは言えど最高神の力を宿せば人間の精神など完全に崩壊してしまう……だからこそダグザは媒介を使ってアキラに力を使わせていたのだ。

 

―――しかし今のアキラならば大丈夫だとダグザは悟った。

故に自らの力全てをアキラ自身に宿したのである……強い意志を持ち、曲げられぬ信念を掲げ、熱き魂を宿した今のアキラならば。

 

全身中に刻まれる模様、頬に刻まれた一筋の痕。

それはまるで意志を持つかの如く燦々と輝き、アキラの全身に溢れんばかりの力を宿す。

同時に暗く闇に閉ざされた世界に一筋の光が差し、まるで進むべき道を示すかの如く一条の線を描いた。

 

「―――ありがとう、皆。

俺、行くよ……此処で見ててくれ、俺の進む道を―――」

 

そう呟くと、アキラは光の道を走り出す。

走り去っていく彼を見つめるように六つの色の違う光が強く輝き、かつての仲間達の姿を取る。

 

彼女達は『想い』―――超人スティーブンが記憶を消すと共に創り出した仲間達の意志そのもの。

絆を尊び生きると願ったアキラを支える為に、道を踏み外しそうになった時に救う為に宿した仲間達の力。

その力はスティーブンの思惑通りに、いや寧ろその思惑を覆す程に強大なものとなる。

 

仲間達の想いは、世界を超えて形となる。

光り輝く姿は仲間達の意志を新たなる姿―――アキラを支えるガーディアンへと変えた。

 

アサヒは『戦場の天使』に―――

 

トキは『山の王』に―――

 

ノゾミは『悪童』に―――

 

ガストンは『忠臣の怪僧』に―――

 

ハレルヤは『天才錬金術師』に―――

 

ナバールは『稀代の怪盗』に―――

 

仲間達の想いを胸に、アキラは光の道を駆ける。

やがて延々と続いていた光の道は終わりを告げ、アキラは眩い光が照らす場所へと飛び出すのであった。

 

 

●●●●●

 

 

「クッ―――此処まで、ですか……アキラ、さん……」

 

絞り出すように呟くアーシア。

先程まで銃撃を放ち続けていたが、流石に補給も無い状態で戦い続けるのは不可能だ。

最初は優勢な状況であった―――しかしやがて銃弾と気力と体力は尽き、シェーシャに握られてしまっていた。

 

『クククク、クハハハハ!!

やっと捕まえたぞメスガキ―――ボクに散々傷を付けやがって、だけどもうお終いさ。

さて、どうする? ボクがこの手にもう少し力を入れるだけで君はトマトみたいに潰れて死ぬよ?

まあ無様に命乞いするなら生かしておいてあげても良いよ、その可愛らしい顔が気に入ったしねぇ……助けを乞うて、尻を振ってボクの奴隷になるなら飼ってやるけど?』

 

下卑た笑みを浮かべたシェーシャ。

別に答えはどうでも良い、何を答えた所で殺して喰らうだけだ。

だが殺すならば少しでも絶望を味合わせ、苦しめて殺した方が愉しい―――そんな感情があった。

しかしアーシアは握り締められながらシェーシャの言葉に対して返す。

 

「―――クソ、喰らえです。

貴方、のような……気持ち悪い爬虫類に……命乞い、するなら……私は、死を選びます!!

勿論……貴方も、道連れにです―――――ッ!!」

 

言葉と共にアーシアの身体から目に見える程に濃い濃度の魔力が溢れ出す。

下で見上げていたリアスは何をしようとしているのか一瞬気付かなかったが、あの大量の魔力が溢れ出す光景を見てアーシアがしようとしている事に気付く。

彼女は自らの身に存在する魔力を限界まで放ち暴走させ、それを利用してシェーシャを吹き飛ばそうとしているのだ。

 

しかし所詮は犬死にだ―――

確かに力を持っているだろうが、彼女一人の魔力が暴走して爆発を引き起こしても精々腕を吹き飛ばすのが関の山であろう。

しかし恐らくそんな事はアーシアも解っている、理解している上で暴走した魔力を放とうとしているのだ……これが彼女なりの意地の通し方なのだから。

アーシアの態度と、言われた『爬虫類』と言う言葉に望んだものを感じれなかったシェーシャは忌々しそうな表情をすると言い放つ。

 

『そうかい、なら喰ってやるよメスガキ!!

精々ボクを愉しませる為に苦しみながら死ねよ、残りの連中はそれからだ!!

アハ、アハハハハハ、アゲヒャハハハハハハ―――ッ!!』

 

巨大な口を開くシェーシャ。

せめて最後まで抗おう、アーシアはそう決めていた。

それが最後の最後まで戦い抜いたアキラに対する敬意であり、それと共に彼女なりの信頼の形だ。

アキラの気配を感じない状況、それが何を表しているのか解らない程にアーシアは無知でも無垢でもない。

ならばせめて己が初めて恋した人物に殉ずる事こそが彼女なりの不器用な愛の形だった―――教会に居たままでは一生理解する事のない感情だっただろう。

 

「(……アキラさん、今お傍に行きます。

ごめんなさい―――折角、貴方に救われた命を無駄にするような行動を取って。

でも、でも私は……アキラさんが居たから此処まで来れた、アキラさんが居なくちゃ意味が無いんです。

主への愛以外に私に人を好きになるって気持ちを教えてくれた、貴方が居なきゃ……だから……)」

 

死に瀕してアーシアの心は自然と落ち着いていた。

ある意味では『悟り』と言うのはこのような状態の事を言うのではないか?

静かに目を閉じると、暴走した魔力を解放しようと集中し始めた。

 

だがまさにその時、不意にアーシアは急速に体が天から地に向かって落ちる感覚を感じる。

続いて感じるのは暖かな人の温もり……落下する感覚は止まり、柔らかな何かに包まれるような感覚を抱く。

最後に響くのは巨大な何かが落下して周囲を破壊する破壊音、それと共に―――

 

『ギ、ギャァァァァァァァァ!!!?!!?』

 

シェーシャの汚らしい悲鳴が周囲に響く。

ゆっくりと目を開いたアーシアは状況を理解し、頬を真っ赤に染めながら嬉しさに涙を浮かべる。

其処には―――不敵に笑い、アーシアを抱き留めているアキラの姿があった。

 

 

●●●●●

 

 

「あ、アキラ……さん……」

「悪かったな、ちっとばかり野暮用で遅くなった―――無事か?」

「はっ、ハイ!! だ、大丈夫です!! でも野暮用って……さっき倒れてたのに……」

 

アキラは少々バツが悪そうに笑う。

一度死に掛けた際にあった出来事は“野暮用”と言うよりも“大事な用”だったが。

しかしその事を話すには流石にこの状況は忙しいだろう、まずはシェーシャを倒さねばならない。

 

「まあ話は後だ、取り敢えずお前は奴との戦いで消耗が激しい。

グレモリーやその眷属達が居る所で休んでてくれ―――奴は責任持って俺“達”が倒すからよ」

 

アキラはアーシアを肩に担いだまま地を駆けると、リアスの近くへと座らせる。

其処には傷付いた木場や重症の小猫が居る、するとアキラは彼らに広げた手を向けた。

何故だろうか―――自分の中に居るかつての東京の仲間達の想いが力を与えてくれてるように感じるのだ。

 

「―――メシアライザー!!」

 

それは全てを完全に癒す“癒しの光”―――

本来はアキラが使う事の出来ない筈のスキルだが……掌から放たれた光はリアスらを包み、全ての傷を癒した。

今一瞬、白衣に身を包んだ美しい羽根を生やした幻影が見えたような気がしたが。

 

「う、ウソ……何? 何なのこの高位の回復魔法は……?

こんな魔法、神器でもなければ使える規模の魔力じゃないわ……本当に貴方は一体、何者なの……?」

 

リアスが驚くのも無理はない。

本来癒しの魔法とは大小はあるが基本的には『一人』を癒す事しか出来ない筈だ。

因みに意外だが回復魔法とは魔力の調整(※)が難しく『光』の属性を持つ者達にしか扱えない。

故に癒し系の術を使えるのは光の力の強い者―――つまり教会の信徒や関係者、それに神の陣営関係の存在にしか扱えず、更には使用には力が大きければ大きい程相応の術式の詠唱を必要とする。

 

先程の如き範囲の回復魔法を使えるとしたら恐らく天使側の中心人物たる四大天使位か。

それでも使うのに相応の時間が掛かるだろうし、一瞬で癒す事などそれこそ神器でなくば無理だろう。

いや寧ろ、神器であってもそれは無理に等しいのかも知れない―――それをこの人物は一瞬で治したからこそリアスは驚いているのである。

 

「―――まっ、アーシアにも言ったが今は説明する暇はねぇ。

取り敢えずはこの場所で大人しく良い子にしてな―――大丈夫、悪いようにはしねぇよ」

 

すると何時の間にかアキラの傍には先程まで傷付き倒れて居た筈の三柱が立っていた。

其処でリアスは彼らを見て気付く……今までも強大な力を感じたが、それ以上に何か凄まじい力を感じる。

当然だ、彼等三柱はアキラの“真の覚醒”を経て、より強大な力を解放出来るようになったのだから。

 

「行くぞ、シェーシャを倒す―――クリシュナ、ミロク、オーディン、全力を解放しろ!!」

『御意……オン・マイタレイヤ・ソワカ……』

『フッ、承知―――Gopala Govinda Hari Jagannatha Madhava Damodra Upendra……』

『Deyr fé, deyja frændr, deyr sjalfr it sama――Dags ansuz Hávamál……』

 

アキラが纏う雰囲気が再び変わる。

ローブを纏う術師の如き幻影が一瞬現れ、併せて彼の腕に備えられているスマホに文字が打たれた。

 

『――guardian system:システム全稼働。

ガーディアン切り替え選択可能――以後、以下のガーディアン使用可能。

guardian:Basestyle(Dagda)

guardian:Florence guardian:Sabbah guardian:William

guardian:Paracelsus guardian:Benkei guardian:Arsene

更に以降――ガーディアン覚醒可能、仲魔ブースト可能

注意:長時間使用により身体に支障を来す可能性有』

 

スマホからの通信の後、アキラの全身中から凄まじい魔力が溢れ出す。

まるで魔力そのものとも言える状態となった彼は腕を切り落とされて喘ぐシェーシャを睨む。

更に真言や詠唱を唱えた三柱も光輝き、その姿は今までのものとは明らかに変化していた。

 

『我は破壊神ミトラ菩薩―――この姿となるは久しいものよ』

『破壊神ヴィシュヌ、主殿の呼び声に従い此処に顕現―――我が眼前の敵を絶つ』

『余は破壊神ハーヴァマール……来るが良い者よ、我が神槍グングニルの錆としてくれようぞ!!』

 

更にアキラは手を開くと空間に魔法陣を展開する。

其処から幾つかの光が飛び出し、人の形やそれ以外の存在の形を創り出す。

先頭は幾重の戦いの中でアキラを支え続けた忠臣―――クランの猛犬・クーフーリンだ。

 

『主よ、我が全力を貴方に―――これより我は忠臣から獣へと至ろう!!

愚かなる蛇の王……加減は無しだ、絶望に挑むが良い!! 噛み砕く死牙の獣(クリード・コインヘン)!! グゥゥゥゥゥ―――ガァァァァァァァァァァ!!!』

 

騎士然とした姿とは一変し、まるでそれは黒い魔獣だ。

異形の曽祖父たるバロールの力を覚醒させ、忠臣たるクランの猛犬は凶獣へと至る。

自らの槍、魔槍ゲイ・ボルグの元となった“波濤の獣”の力を纏ったクーフーリンは既に騎士に非ず、ましてやクランの猛犬にも非ず―――主が前に立ち塞がる全ての障壁を薙ぎ倒す狂戦士也。

 

『ヤソマガツヒィ、ヤソマガツヒィィィィィ!!!!!』

『さあやろうぜ蛇王―――同じく蛇の王たる龍神コウガサブロウ、いざ参る!!』

『蛇は蛇でも醜悪な人もどきの蛇か……親父殿、力を借りるぜ!!』

 

続いて現れるはヤソマガツヒ、コウガサブロウ、タケミカヅチ。

彼らは歓喜している―――久しくなかった、己達が呼ばれるような相手との邂逅を。

 

『星々定めし巡り合い、この国を護るが為に拳を振るうは必定か―――』

『なれば儂らが英知と術技、御国の外敵たる蛇王を狩るが為に振おうぞ!!』

『震え雷光、響け雷鳴―――刹那の稲妻にて毒蛇を穿たん!!』

『我らが大和の力、全てを以て悪鬼を断とう―――ッ!!』

 

テンカイ、オモイカネ、ミチザネ、ヤマトタケル―――

伝説にして最強たる必殺の霊的国防兵器が柱達が一堂に会する事など、あのアキラとマサカド公の戦い以来か。

更に巨大な影から延びる巨大な拳が、シェーシャを殴り飛ばす。

 

『公を求むる呼び声あらば、鉄たる影ぞ此処に見参――我は破壊神“公の影”、敵陣を穿つ為の盾とならん!!』

 

強大なるマサカド公の影がその姿を現した。

まるで光景は大怪獣決戦とでも言い表すべきか、その一撃一撃がシェーシャごと山すら吹き飛ばす。

吹き飛ばしたシェーシャを見下ろすその肩には、同じく強大な力を持つ存在達の姿もある。

 

『ホッホッホ、蛇(くちなわ)風情が王を語るか……わらわが饗宴にて喰ろうてやろうかえ?』

『貴様は存在するに値せぬ下郎よな、なれば妾が黄泉へと導いてやろうぞ』

『心配は要らぬ、貴様の喰らった魂はワラワが再び産み返すが故―――存分に死ね』

 

セイオウボにイザナミ、そして多神連合幹部イナンナ。

これ程までに強大な仲魔達が一挙に召喚されたとしたら、恐らくこの世界は力の大きさに耐え切れずに崩壊するだろう。

―――それが無いのは単に彼らの力を外部に漏らさぬように結界を張る存在が居る故だ。

 

『我らが主、カムクラアキラよ―――この空間の維持は我らに任せよ』

『ええ、お父上と我らが結界を支えます――存分に力を御振い下さい、主様』

『この我(オレ)様が結界空間を維持してやるんだ、無様な闘いをしたら承知せんぞ!』

『……余……父上……天照……素戔嗚……同上……』

 

日本神話が最初の神イザナギとその子たる三貴子アマテラス、スサノオ、ツクヨミ。

彼ら四人が張る強固な結界障壁を見、アキラは頷くと天に向かって吠える。

 

「行くぞ皆、全力で奴を消し去れ!!

あのクソヘビに、誰を本気で怒らせたのか刻み込むぞ―――ッ!!!」

 

アキラは怒号と共に地を蹴り全力で駆ける。

続くは長き付き合いの忠臣にして狂戦士、後を多神連合の幹部達や霊的国防兵器が続く。

その光景はまるで―――“神々の黄昏(ラグナロク)”かとまで勘違いする程に信じがたい光景。

 

だが、其れを目撃したリアスには一つだけ解る事がある。

これまた信じがたい事だが、彼らはたった一人の人間を主と奉じて力の全てを振るっているのだと。

そして……この光景を誰に話したとしても、夢物語だとしか取られない事だけは容易に理解出来たのであった。

 




皆様の温かいご意見、ご感想を心よりお待ちしております


※)回復魔法の技術の高さについての補足
回復魔法は癒すだけではなく、傷による出血などの調整をしなければならない故
例え傷を治した所で血が足りなければ出血多量で死ぬし、血を増やしたとしても増やし過ぎれば心臓に負担が掛かり下手すれば心臓破裂を引き起こす可能性がある
其の為、アーシアの持つ『聖母の微笑』などは別としても回復魔法は傷の治療と血の補充などと言った要素を同時にバランス良く調整しなければならない


【ガーディアンシステムについて】
今迄のガーディアン・システムは言わば未完成と言うか不完全状態
本来のガーディアンは多数のガーディアンを切り替えて戦う事を想定したもの
つまり作中において『ペルソナに近い』と言っていた所以は此処

尚、アキラの中に存在したのは『かつての東京の仲間の記憶』である
記憶は意志であり、意志は絆となってアキラの中に宿り生き続けていた―――第十一話のスティーブンの言葉はこう言う意味

想いは絆となり、絆は強き意志を力と変えた
アキラが切り替えられるようになったガーディアンはダグザと仲間6人
基本のベーススタイルがダグザであり、それ以外は状況に応じて付け替えれる
因みに解る人は解るだろうが、其々の想いが変化したガーディアンは以下↓
(尚、人選は作者の趣味&其々に合いそうなもの)

アサヒ⇒ガーディアン・フローレンス
(“戦場の天使”フローレンス・ナイチンゲール)

トキ⇒ガーディアン・サッバーハ
(“山の王(アサシン教団頭)”ハサン・サッバーハ)

ノゾミ⇒ガーディアン・ウィリアム
(“悪童王”ビリー・ザ・キッド(ウィリアム・ヘンリー・マッカーティJr))

ハレルヤ⇒ガーディアン・パラケルスス
(“錬金術師”ヴァン・ホーエンハイム・パラケルスス)
※)テオフラストゥス・フォン・ホーエンハイムが本名

ガストン⇒ガーディアン・ベンケイ
(“義僧”武蔵坊弁慶)

ナバール⇒ガーディアン・アルセーヌ
(“怪盗”アルセーヌ・ルパン)


【クーフーリン+αについて彼是】
クーフーリンは作者がメガテンシリーズにおいて必ずメンバーに居れる仲魔
なので他の中級仲魔よりも登場機会も多く、この作品内では最上位に近い存在
尚、今回出た姿はつい最近にFate/GrandOrderで登場した狂戦士Verのクーフーリン
(実際史実でも戦の際は魔獣の如き姿となって暴れ狂っていたと言う話有)

因みに本編で破壊神ハーヴァマールと名乗っているオーディン
その姿は簡単に言えば真4F以外の威厳のあるようにみえるオーディンである

また、クリシュナがヴィシュヌになったのは仕様
元々彼やラーマはヴィシュヌのアバター(現身)なので、その方が合うかと
外見はメガテンシリーズのヴィシュヌではなく、真4Fのヴィシュヌフリン
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