とんでもなく遅くなりました!叡です!インハイ予選がありましてこうして一ヶ月間投稿できませんでした。いまもかなりきつい状態ですが、頑張っていきたいと思います。そして、これが終わったら、番外編です。募集して、キャラをくださった小鳥遊さん、もう眠いさん、ありがとうございます!次の話は真のストーリーを書いていきたいと思います。天邪鬼ですので、昼は男。夜は女とさせていただきます!これから前書きは報告があった場合とさしていただきます。こちらの都合で度々申し訳ないですが、ご了承ください。言い訳はこれぐらいで……。では、どうぞ!
ヒュゥゥウウと風が冷たい音を立てて肌を刺激する。雲行きが怪しく、いまにも降り出してしまいそうな天気である。階段から空を見上げオレは氷麗を抱えて下へ下へと降りていく。そこにはカナちゃんがいた。
「あなたは………」
「カナちゃん……。ちょいとこの子の世話してくれねぇかい?」
「え?」
「いきなり不思議かもしれねぇが、頼む」
「……、はい。わかりました。今度何があったか教えてくださいね?」
「約束はしかねるが、分かった」
「はい!」
風が激しくなり、轟々と音を立て落雷する。少しカナちゃんが身震いしたが、なんとか持ち堪えたらしい。俺は少し安堵して上へ上へと向かっていく。
★
昼下がり、だが昼に近い時。ボクたちは捩眼山の階段を上っていた。
「マイファミリー達よ!まだ疲れてはいないだろうね?」
「清継く〜ん!もうヘトヘトっすよ」
「あたしもダメ〜」
「じ、じゃあトリーさんも……?」
「私はまだ少し平気かな」
「ここに味方が!!」
四人が談笑する声を後ろで聞きながら、ボクは清継くんが行く時に少しだけ話してくれた梅若丸の祠を探していた。梅若丸といえば、牛鬼の幼少時代の名前。あるところに梅若丸という少年がいた。少年は見事に育ち、青年になった。ある時梅若丸は寺子屋の先輩的存在に石を目にぶつけられ隻眼になってしまったという。だが、それでも青年は諦めずに勉学や剣術に励んだそうだ。ある日、女が二人青年に近づいた、その女二人は梅若丸に絶望を持ってきた。その絶望とは母が牛鬼に攫われたという知らせだった。彼はすぐに捩眼山へと行き、牛鬼の元へたどり着いた。しかし、時既に遅し。もう母は喰われて牛鬼の口の中に。その開いてる口の中を見やると目や耳から血を出し息絶えていた母がいた。それに激怒した梅若丸は牛鬼の腹を突き破ったり、自分の何倍もある爪を抉ったりとした。自分を牛鬼とすることで彼は母親の無念や、他の人間の無念を晴らしたかったのかもしれない。これで話は途切れている。そう考えているうちに、霧がかかった森林地帯に差し掛かる。
「ねぇ、あそこになんか描いてないかな?」
「本当だ、梅若丸って書いてあるよ」
「え?……よくわかったねリクオくん」
「へ?………ま、まぁ目はいいほうだからね!ほ、ほら。そんなことより行ってみようよ!!
「う、うん」
カナちゃんはボクと話していて、何か引っかかってたみたいだ。でも無事だ。多分ばれてない。うん、ばれてないことを祈ろう。訝しげに見ないで!!
★
その祠を見つけると、清継くんが歓喜した。
「よくやった!奴良くん!やっぱり君は妖怪運がいいみたいだねぇ!!」
「そ、そうかな?」
「ああ、絶対そうさ!」
なんかばれてるんじゃないかな、ボクの正体。おかしいでしょう?完璧に気配は経ってるのに。うん?何やら足音が聞こえる。あ、顔少し見えた。足音の正体は薄汚ねぇおっさんだった。上の方に妖気を感じ、このおっさんを操っているらしい。気づいてないと思ったら大間違いである。氷麗も気づき、固まらせようとしてるみたいだが、今はまずい。あいつの正体はもうわかる。なので氷麗に待てをして、操り主について考察する。馬頭丸、奴は主に女になって対象を誑かし、最終的には殺す。また今やってるように、操るのも得意としていてる。
「あなたは………、化原先生!」
「なんや、変なおっちゃんやね」
「そうね、何日も風呂に入ってないんじゃないかしら」
「失礼だぞ!君たち!!なんてこと言うんだ!全く」
「お、落ち着いて!清継くん!彼女たちは別に悪気がないわけじゃないと思うんだ!だから耐えよう」
「む、むぅ」
「はははは!若者は元気あっていーね!」
「化原先生がそういうのなら…………」
こうして、化原先生(馬頭丸)との邂逅を果たしたボクたち。ここで化原先生に牛鬼のことについて話してもらい、ーーすでに知っているーー化原先生は夜の森に出てはならないという忠告をして帰って行った(操りの役目を終えた)。清十字怪奇探偵の御一行は清継くんの別荘を目指し歩く。着いた頃には夕焼け小焼け。カラスが鳴く頃だ。女子たちはお風呂に入り、男子たちはどうなるのかというと覗きではなく、周辺探索ならぬ妖怪探索なるものする。それが決まり氷麗もひょことついてくる。可愛い…………ハッ!少し意識が飛んだみたいである。瞑想をし迷走したみたいだ。洒落でなくて。洒落でなくて!そうして歩いていくうちに呪術の類の詩が頭に流れ込んでくる。清継くんと島くんはそれぞれバラバラな方向へ千鳥足で進んでしまっていた。その時だ。広い空間にいたボクを襲ったのは牛頭丸である。奴良組の中でも武闘派と名高い妖物である。
「てめぇが三代目候補の奴良リクオだな」
「だったらなんだい?」
「…………………殺す!!」
刹那、火花が飛び散る。刀と刀がぶつかり合い、こすりあいをして音を立ててまた繰り返す。このサークルを何回続けただろう?このサークルは何分回ったのだろう。少なくとも五分以上。だが僕らには一時間やさらにもっと長い時間に感じただろう。ボクは口を開く。
「誰に命令された…………、と聞くのは無粋か?」
「てめぇには目星がついているはずだ。この捩眼山に入った時点で」
「高く見てるんだな」
「ふんっ!戦闘に不必要なのは余計な傲慢なんだよ。しかしどうにも解せない。なぜお前は"今妖怪じゃない"?」
「妖怪は見かけによらないんだよ」
「答える気がねぇか。もう話はいいだろう。死にな!」
牛頭丸の殺ろうとする殺しの太刀が空を切って虚しく音を立てる。ボクは鏡花水月をし、ぬらりくらりと這いより気絶させる。思ったよりもすんなり決まり、最後は呆気なく終わってしまった。別荘の方は三羽烏の妖気がするので大丈夫だろう。近くにいる氷麗はぼくを探して体力が切れたか眠っている。とても幸せそうな顔だ。この笑顔を守る為に牛鬼のいる天辺に行こうと思う。そう思うと血が騒ぎ熱くなる。"オレ"は変化した。
★
ヒュゥゥウウと風が冷たい音を立てて肌を刺激する。雲行きが怪しく、いまにも降り出してしまいそうな天気である。階段から空を見上げオレは氷麗を抱えて下へ下へと降りていく。そこにはカナちゃんがいた。
「あなたは………」
「カナちゃん……。ちょいとこの子の世話してくれねぇかい?」
「え?」
「いきなり不思議かもしれねぇが、頼む」
「……、はい。わかりました。今度何があったか教えてくださいね?」
「約束はしかねるが、分かった」
「はい!」
風が激しくなり、轟々と音を立て落雷する。少しカナちゃんが身震いしたが、なんとか持ち堪えたらしい。俺は少し安堵して上へ上へと向かっていく。
☆(三人称)
牛鬼の根城につきリクオは牛鬼に投げかける。
「なんでこんなことをした?答えな、牛鬼」
「これは革命ではない。改革だ。この意味がわかるか」
「………つまり、どんどん衰退していく奴良組を変えたかったんだろ?」
「その通りだ。リクオ、お前は本当の意味で総大将を継ぐ意志はあるのか?」
「あるに決まってんだろ。じじいや、親父の畏れの大紋背負うんだ。それぐらいの意志はねぇとやってけねぇだろうぜ」
「それを聴いて安心した。心置きなくお前と戦える」
「やるかい?」
「ああ」
沈黙が流れ、ヒュゥゥゥウウと風が吹く。戸が音をカタカタとたてる。一触即発の雰囲気がその場に出る。二人の頬に汗が滴り落ちる。稲妻が走り雷鳴が轟いた瞬間に戦いの幕が切って落とされた。刀同士がぶつかり合い、甲高い音を奏でる。二人は舞い踊っているかのようにフットワークをし華麗にそして素早く相手の腹を狙う。達人に近いもの同士の戦い。それは有名な芸術作品をあくなきまでに見れるのと同じ。この二人の戦いは人を見惚れさせる、まさに圧巻。空いた口が塞がらなくなるようなそんな戦いである。そんな戦いについに終止符が打たれる。リクオの攻撃速度が牛鬼のソレを凌駕して腹に突き刺さる。かなり長いこと打ち合っただろう。二人には少なくとも何時間単位で時が動いたと思うだろう。しかし、この間僅か7分程度である。ドサリと音を立てて倒れた牛鬼が口を開く。
「もう終わったのか………?」
「ああ。終わった」
「そうか、負けたか。負けたのか俺は」
「ああ、負けた。お前はオレに負けた」
「もう体が動かん。あとは好きにしろ。煮るなり焼くなり、な」
「そうかい、俺が決めていいんだな?……………じゃあ生きろ」
「は?」
「生きて俺の力になれ。お前の力はこれからも奴良組に必要だ。だから生きろ」
「これは一本取られた」
二人が笑う。これはもう最高だと言わんばかりに。丁度三羽烏が現れる。三羽烏が慌てて、牛鬼を殺そうとしたが、リクオがそれを止めて、数日後に牛鬼の処遇を会合で伝えることにしたのだ。これが奴良リクオの選択。これこそがイレギュラーの混じった、カオスな選択。この選択があっているか、間違っているかなどはわからないが。今のリクオにとってはこれが最もいい答えでないかと感じていた。