奴良リクオになりて、妖生を謳歌する。   作:村椿征

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はい、どうもぉー!征です!最近復活した征です!ピピッと柵が思い浮かんだので、長めに書いてみました、毎回こうだといいんですが、中々難しいですよね。完結を謳っておきながら、なんたる体たらく。お待たせしました!それではどうぞ!
の前に、

お気に入り百四十人突破!!
UAは一万八千突破!!

皆々様の御心のお陰で御座います!本当にありがとうございます!



"魔を照らす鏡"、主さんの激昂を買わむ

 

カナちゃんーーーー

カナちゃんーー

 

 

またーーーー

会おうねーー

 

 

バッ!布団がめくれ落ちる音と共に、寝目覚めの悪い夢を見た少女、家長カナは起床する。

最近、めっきり見ることは無くなっていたと言う夢は、十三歳の誕生日の日に唐突にやってきた。

 

「また、あの夢を見ちゃった……。六歳の時から、繰り返し……見る夢……」

 

 

 

 

 

 

〜奴良組本家〜

 

妖銘酒「桜」を手に取り、僕は明鏡止水の訓練を始める。

杯に並々「桜」を満たし、準備は完了。

前、犬夜叉に言われたことがある。

人間に妖力は使えないと。

わかっているのだが、僕は世間一般の人とは違う。

あの妖怪の総大将、ぬらりひょんの血が四分の一も流れている。

「おお」

 

「お?若?」

 

黒田坊と首無の声が聞こえる中、僕は技を発動させる。

成功させれば、まずは第一歩前進したことになる。

 

ーーーー奥義・明鏡止水!!桜!!ーーーー

 

杯に並々入った「桜」は渦巻き、火を散らして燃えあがる。

……犬夜叉、僕は出来たぞ。人間の身で妖力を使う事を。

 

「やりましたな!明鏡止水の完成です!!」

 

「見事な明鏡止水です!拙僧は、早速赤飯の用意を……」

 

「大袈裟だよ、二人とも。まだこんなのは序の口なんだから」

 

二人の世辞がどうにもむず痒いが、本当にまだ完成はしていない。

未完成のまま、出入りの時には使えない。

もっと強くならなきゃ。

心中は穏やかとはかけ離れた、荒々しい思考の渦の中、おじいちゃん(年齢詐欺)と父さん(年齢欺騙)の声がかかる。

 

「おう、リクオ。成功したんだな、明鏡止水!ありゃー、儂がまだ若い頃に考えた奥義でなぁ。それをああも容易くできるとは、さすがは我が孫じゃわい!」

 

「そうだなーぁ、俺も若い頃に出来たから、センスがいいんだな!俺もリクオも!」

 

「二人とも、飲んでる?少し酒の匂いがするけど……」

 

ギクリと音が聞こえそうなぐらいに瞬間的に固まる二人は、なんだか見ていて面白い。

 

「総大将?」

 

「二代目?」

 

黒田坊と首無に問い詰められた、二人はバツが悪そうに、鏡花水月のもどかしさが如く消える。

如何やら逃げたようだ。

 

「総大将ーー!!」

 

「二代目ーー!!」

 

黒田坊達は、二人を探しに走って行ってしまった。

なんとも間抜けな我が祖父に父。

そんな二人に少し、少しだけ安心しながら学校へ行く時間なので、行くとする。

 

 

 

 

♦︎!家長カナ!

 

学校の機械的な鐘が耳を通り抜けながら、私の心臓は動悸していた。

男子生徒の子の気持ちは嬉しいけど、今は、あの人が気になっていて……。

 

「あの……、ごめんなさい」

 

「あ…………そう、です……か。ハハ……。す、好きな人が………………いるからですか?」

 

「き、気になっている人なら…………」

 

彼の質問に首肯すると同時に、声を上げてどこかへ行ってしまった。

 

 

 

 

 

〜浮世絵中学、屋上〜

 

関西方面の独特の訛り混じりの言葉が、高く響く。

標準語もそれと等しく、高い声で響く。

「ハイ!そこ!!ちゃう!!式神の構えは『こう』や!!恥ずかしがったらあかん!!」

 

「そうよ!これは逃げのためのものではないわ!妖怪に気持ち負けしない『凄み』よ!!」

 

愛の鞭、将又熱烈指導?とにかく真剣に教えてくれる、陰陽師の花開院ゆらと、巫女の博麗霊夢。

その指導を受ける鳥居夏美と巻沙織は、とても珍妙な踊りで本当に大丈夫かと頭を抱える。

二人が指導を受けている中、家長カナは一人、奴良リクオの事を望遠鏡で見ていた。

望遠鏡から見えるのは、日暮桂花と及川氷麗(雪女"氷麗")と共にクラスの雑用をしていた。

 

(あ、あの子達はリクオくんの事が好きなのかな?だ、だとしたらどーしよう……って、私は何考えてるだ!?ただ、リクオくんにスペアの眼鏡を返そうとしただけで……)

 

長く思考していたが、終ぞ答えは出ずに、 先に彼女の頭がオーバーヒートしたようだ。

リクオの事を考えすぎたせいで、カナは赤面する。

然し、如何にも悩んでいられず、あの夢のせいで、今日はどこにも寄らず早く帰りたい気持ちで一杯だったので、そそくさと帰ろうとするが、清継に捕まる。

如何やら、誕生日プレゼントをくれるらしい。

一つの箱が手渡され、其処にあったものは、呪いの人形的なナニカがあった。

「それは家長さんをモチーフにした妖怪だよ!」

 

清継が嬉々として語っている。

カナは、思考を停止させた後、コンマ一秒程の速さで階段へ向かう。

声をかけられた気がしたのだろうか?少しだけ振り返ったが、歯牙にもかけなかったようだ。

教室に移動して、メインバッグを机の引っ掛けから取ると、如何にも悪い夢を見たせいか、突然睡魔が襲ってくる。

酷い眠気で、直ぐに意識が遠のく。

起きたら、夕焼け小焼けの夕飯時だった。

夢を見ていた。また、あの夢を。

カナは怖がりになった原因をこの夢のせいだと想起したが、今は意味のないことだと断じて思考を取り下げる。

ーー瞬間、ゾワッと全身の毛が逆立つ感覚を覚える。

怯懦な性格で、怖いのが苦手な彼女は、早く帰ろうと足を進める。

 

その頃、清継達はある話をしていた。

 

「『紫の鏡』の話を知っているかい?諸説あるが……その言葉を二十歳まで覚えていると殺されてしまうっていうね!」

 

清継が影の差した顔でそう言うと、反論が飛ぶ。

 

「うげげげげげぇ〜〜!覚えちゃうじゃない〜〜!!」

「そーだよ!やめよーよ!」

 

沙織と夏美は、あまり怖がりではないが、精神的嫌悪感が強く働いたらしい。

 

「まぁ、聞きたまえ。……実は、この町で七年前に起きているんだ。『十三歳の誕生日』に死んでしまった子が何人も出たという事件が」

 

ゆら、霊夢、沙織、夏美、二郎は息を飲む。

 

「ボクは……それが妖怪の仕業じゃないかと思うんだよね」

 

 

 

 

 

 

♦︎!家長カナ!

 

駅ってこんなに遠いものなのかと思考していた。何時もなら二、三分くらいで着くはずの駅が、もう五分もたっているのに一向に見えてこない。

見えてくるのはさっきから無機質なコンクリートとフェンスだけだ。

すると、私は感じ取ってしまう。如何にも、見てはいけないような類のものを。

反対からくる、自転車?

その上に乗っているのは何?

「みぃつけた」

 

自転車に乗っている正体は、あの夢に出てくる鏡だった。

 

「ひ……う…………あ……」

 

声が出ない。

恐怖心が強すぎて、口が回らない。

……堪らなく、怖い。

嫌だ、嫌だ、嫌だ!!

 

「十三歳のお誕生日……おめでとう……カナちゃん」

 

に……逃げ………逃げなきゃ…………足を……足を出せ。

必死に、震える体を押さえつけ、一歩踏み出し、大きな声を出して逃げる。

私には、もうこれしかない!

 

「う、うわぁぁぁぁぁぁあああ!」

 

私の中で渦巻いていく疑問と恐怖。

それが絡み合って心と体を締め付けていく。

 

「にげ……られないよ……」

 

あの鏡がそういった瞬間に、視界が反転して、なぜか後にしたはずの校舎の中に居た。

直ぐに機転を利かし、理科室に逃げ込む。

私は確かに学校を出たはずなのに、今、何故か学校にいる。

あり得ない現象が重なってか、肉体的疲労よりも精神的疲労の方が強くなりつつある。

自分でもわかるぐらいにひどく息を切らしているし、動悸が酷い。

バックがもぞもぞ揺れている。

何事かと覗いたら、手鏡にあの鏡がいる。

 

「ここ……狭いよぉ……」

 

まただ。視界が反転して何処かの男子トイレにいる。

……!

 

「きゃぁぁぁあああ!な、何!この人形!」

 

一際目立つ不気味さと、不細工さを兼ね備えた気休めにもならない道具。

それがバイブ音を鳴らし振動している。

『やぁやぁ、家長さん!実はこの人形、清十字怪奇探偵団の通信機になってるんだよーん!』

 

そんな事実、聞いていなかった。

というか、言ってすらいなかったよね。

前言撤回、気休め程度にはなる。

 

「た、助けて!清継くん!!いま、妖怪に襲われてて、この学校の男子トイレにいるの!」

 

『な、なんだって!それは、直ぐに助けないと!!待っていて!』

 

スピーカーの後ろから、霊夢ちゃんとゆらちゃんの声が聞こえてきた。

少しだけではあるが、精神は落ち着いた。

……!あっちにゆらちゃん達が!

 

「ここだよ!ここ!!ねぇ!…………嘘、見えてない……?ここは鏡の世界?」

 

絶望しかないというのは、この状況に使われるべき言葉だろう。

希望も何もない中で、声が聞こえる。

 

「カナちゃん!?真逆、妖怪!?」

 

鏡が壊される。

あ…………あ、い…………や。も、う。

ダメ!そう思った時、如何やら神様は見逃してはいなかった。

 

「オレのシマで女に手ェ出してんじゃぁねぇぞ」

 

あの人が助けに来てくれた。

リクオくんとは別に気になっている、あの人。

あの人は、とても怒っていた。

鏡に対して、凄く。なんでだろうかと悩んだが、全く出てこない。

瞬く間に鏡を壊し私を救ってくれたあの人は、放心状態の私に声をかけてくる。

 

「気ぃつけな。ここは怖いから」

 

「あ、ありがとう……」

 

こうして、私はあの人に助けられたのである。

 

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